ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

メキシコの映画だよ。
さすがは、ホドロフスキーの『エル・トポ』を生んだ風土、とでもいうのかな。
芸術の香りの強い作品だなー。
でも、『エル・トポ』みたいにエキセントリックだったり、
抽象的な表現はまったくないな。
物語や映像や音声を現象として捉えるのは、なんも難しいことはないよ。
でもね、何を言いたいのか理解するのは、やっぱり難しい。
それから、メキシコならではの “神秘主義” 的なものが描かれているところは
『エル・トポ』と共通しているかな。
でもでも、この映画は不思議な味がベースになっているけど、
そう、間違いなく “クセになる” 一本なんだよ。
だいぶん前に、「そらのごきげん -想天流転-」http://ainenanawo.blog.fc2.com/の
藍音ななをさんから、“観てみたい映画“ と紹介いただいていたので、
なんとかソフトを入手して観てみることにしたんだった。
だってね、日本ではあまり知られていないようだけど、
メキシコではメキシコのアカデミー賞といわれるアリエル賞で
作品賞を含む全11部門で受賞(1993年度)した作品で、
メキシコ映画史上最高の興行成績を挙げたということだし、
東京国際映画祭でも主演女優賞なんかをとっているらしいんだね。
それで、なぜかアメリカでもけっこうヒットしたらしいんだ。
そもそも、ラウラ・エスキヴェルという女性の小説が原作で、
映画になる前にメキシコやアメリカでベストセラーを記録していたらしい。
監督は、『エル・トポ』や『サボテン・ブラザース』に俳優として出ていたという
アルフォンソ・アラウ。(僕は知らなかった)
主演男優は、『ニュー・シネマ・パラダイス』から大人になったマルコ・レオナルディ!
・・・・ときたら、なんだかおもしろそうでしょ?
こりゃ観るっきゃないっしょ、ってわけで観たんだよ。
<あらすじ>
テキサス州境に近い、メキシコの田舎の農場でその家族は住んでいる。
ママと年頃の三姉妹。
パパは、末娘が生まれてすぐに亡くなってしまった。
末娘のティタは、台所で生まれた。
ママが急に産気づいたために、やむなくインディオの家政婦のナチャが助産して
調理台の上で生まれたのだ。
それからティタは、料理の上手なナチャが乳母となって、
ほとんど台所で育っていく。
そして、当然のようにナチャ直伝の料理を身につけて大きくなっていくんだな。

ティタは15才になった時、ペドロと運命の出会いをする。
二人はひと目で相思相愛となって、結婚の約束をする。

でも、ママはそれを許さない。
家のしきたりでは、子供が女の子ばかりの場合、
末娘が親の世話をすることになっているのだ。

ママは、ペドロの正式な結婚の申し込みを断わり、
なんと、次女ならあげられると提案する。
なんとなんと、ペドロはそれを受け入れることにするんだよ。
ペドロは、次女と結婚したら彼女の実家に住むことになるので、いつでもティタに会える、
という魂胆でそうすることにしたんだなー。
当然、ティタは悲嘆に暮れる。
次女の結婚式では、あろうことか料理番を言いつけられる。
うん、ここから不思議なことが起こり出すんだね。
ティタが泣きながら作ったウェディングケーキを食べた客たちは・・・。

その1年後、日々想いが募るペドロはティタに、料理長就任1周年記念と称して薔薇の花束を贈る。
二人の関係を怪しむママは、それをすぐに捨てろと言う。
ティタは、捨てたフリをしてその薔薇の花びらでソースを作った料理を家族に出す。
そうしたら、ティタとペドロの恋心ばかりか、家族までもが・・・。


それからも、ママはペドロとティタの中を引き裂くための嫌がらせを繰り返す。
ある日とうとう、ティタは精神を病んでしまう。
病人にはもう用はない、とばかりにママはテキサスの医師ジョンにティタを預けてしまう。
優秀な医師ジョンのおかげで、ティタは快復するんだよ。
そして、ジョンとティタは婚約を。
そして、ママの死。

ママが死んだせいで束縛が解かれて、ティタとペドロの気持ちが再燃する。
でも、あることが理由でティタはジョンとの婚約を解消して、
さらにはペドロとの仲も宙ぶらりんのまま長い年月を過ごしてしまう。
その日は、ペドロの娘とジョンの息子の結婚式だ。
(それが何を意味するのか、極めて興味深い!)
もう、ずいぶん歳をとってしまったティタとペドロだけど、
その日二人は、本当の意味で解放されてひとつになる・・・・が・・・

・・・って感じ。
ストーリーを追っかければ、ふーん、ってなもんだけど、
この映画は実に “多彩な味” の作品だと思う。
それこそ、いくつかのフレッシュな素材と絶妙なソースがハモっていて、
いろんな人のいろんな観方においしく応えてくれるんだよ。
●「ファンタジー」としての味
もうわかっていると思うけど、この映画の最大の特徴は、
ヒロインのティタの想いが、彼女が作る料理に乗り移って食べる人に伝わってしまう
ということにあるんだね。
おもしろいプロットだよね。
お、そのテがあったか!という斬新さ。
CGを使ったりしてないし、セットもロケもリアルそのものだし、
人物も背景もヒューマンドラマのような質感で展開していくのに、
案外突飛なプロットと展開なんだよ。
ティタが涙を流して料理を作れば、食べた人も悲しくなるし、
愛を込めれば、食べた人も愛し合いたくなる。
災いやエクスタシーをもたらすんだ。
“言霊(ことだま)“ って言葉があるけど、これは “食霊(しょくだま)” かい?
でも、食べ物って生き物の生に直結しているから、
なまじ、荒唐無稽ではすまされないものがあるような気がするなあ。
そういえば、ティタは使用人で乳母のナチャに小さい頃から料理を教わったんだから、
この “食霊パワー” はインディオのナチャ直伝の技なんだな。
スピリチュアルな儀式とかで、映画なんかにもよく出てくるインデイオの呪術だけど、
食べ物に呪いを込める的なものもあるのかなあ。
それから、バラしちゃうけど、ママの亡霊なんかも出てくる。
そして、人のパッションが炎になって燃え上がる、という考え方。
ラストシーンは、キリスト教のアダムとイヴの
原罪のようなものを表現しているようにも見える。

とにかく、作品全編にラテンアメリカ的(たぶん)の
魔術的な匂いが漂っている作品なんだよ。
●「グルメ映画」としての味
台所で生まれて、料理の達人であるインディオの家政婦ナチャに台所で育てられたティタは、
もちろん料理の達人だ。
メキシコの料理というと僕は、タコスとチリ・コンカーンくらいしか知らなかったんだけど、
劇中ではまったくイメージと違うものが出てくるんだよ。
そう、まるで凝ったフランス料理みたいなゴージャスさ。
まずは「あんずのウェディングケーキ」でしょ。
それから、日本語のタイトルになっている「赤い薔薇ソースの鶉の詰め物」。
「牛のテールシチュー」・・・・・。
最後は、メキシコ人が毎年9月15日のメキシコ独立記念日に食べる「チレス・エン・ノガダ」。
これは、大きなピーマンみたいなチレ(=チリ、これは辛くない)に、
牛と豚の合挽きに、フルーツやドライフルーツ、ナッツ、タマネギなど
20種類近くの材料を炒めて詰めて、くるみを潰してクリームと和えたソースをかけたもの。
最後に、この白いソースの上に赤いざくろと緑のパセリをちりばめて、
メキシコの国旗の色に見立てるんだそうだ。

うまそー!
うん、そう、僕らの全然知らないメキシコ料理が味わえる映画というわけ、目でだけど。
そういえば、チョコレートやシーザーサラダなんかもメキシコが発祥の地だったっけな。
奥が深そうだよね、メキシコ料理って。
原作の小説のそれぞれの章の始めには、料理のレシピがついているらしいよ。
●「ラブストーリー」としての味
この映画の原題は、『Como Agua Para Chocolate』って言うんだね。
スペイン語かな。
英語の直訳だと、“Like Water for Chocolate”。
日本語訳すると、“チョコレートのための水のように” という意味だよね。
これは、日本人にはわかりにくいけど、ラテンアメリカ方面では、
ホットチョコレートやカカオ料理(甘くない)を作るのに水を使うらしくて、
粉やペースト状態のカカオに水を混ぜて、一所懸命一所懸命かき混ぜて
やっとおいしいものができあがる、という興奮を意味しているらしいんだな。
転じて、情熱が激昂する状態や、時には性的な興奮状態を表現する言葉なんだとさ。
そんなに興奮するほどうれしいかどうかは、やっぱり日本人にはわかりにくいけど、
ラテンアメリカの人のアドレナリンの出方の激しさを表わしているような気がするよね。
ひと目見た時から、運命を感じちゃう。
しきたりのため結婚を禁じられても、いつもそばにいたいからって、
ティタと同じ家に住むことになっている姉と結婚してしまう。
そもそもこの映画は、行きどころのない恋心が料理に乗り移って恋人に伝わる、
というハナシなんだし。
そして、とうとう本当の意味でひとつになるふたりの激情!
わりと静かに進む物語だけど、日本とは異なる官能表現があるし、
メキシコ人の恋愛観みたいなものにすこーし触れられる気がして
とても興味深いストーリーだと思うな。

●「社会派映画」としての味
注意深く観ると、劇中で “革命軍” という言葉が出てくるんだよ。
これは、メキシコ革命のことを言っているんだろうなと気づく。
ということは、この映画の時代設定は、
1910年以降1940年以前あたりということになるんだな。
メキシコ革命は、悪徳政権を倒すために始まったんだけど、
次第に利権争い的な様相を呈してきて、次から次へと新しいリーダーが出て、
何度も何度も戦争を繰り返したメキシコの大混乱の歴史なんだよ。
主役はもちろん、大農園などを営むスパニッシュ系の富豪たち。
農場で働かされていたネイティブメキシカン(=インディオ)の人たちも、
自分たちの土地で繰り広げられる他所もんたちのケンカに、
30年も巻き込まれてしまうことになったんだな。
そういえば、この映画の舞台はメキシコの大農場だった。
よく見ると、死んだお父さんやママ、2人の姉は白人の顔をしている。
末娘のティタとナチャはじめ使用人たち、そしてペドロはインディオの顔つきだ。
そう、実はティタはママがインディオ系の男と浮気をしてできた子だったんだね。
んー、なんだか、社会派的な匂いがぷんぷんするでしょ?
そう、この映画もちゃんと社会的なメッセージが隠されているんだと思う。
僕の解釈はこうだっ↓
ティタの家族のママは大農園のスパニッシュだから、“スペイン的なもの”。
ティタが課せられるしきたりは、征服者がもたらした封建制や差別的なもの。
そして、使用人のナチャとティタの呪術的な料理は、先住民である “インディオの魂的なもの“。
ティタの結婚が自由にならないさまは、征服者が先住民を苦しめてきたようす=
征服者の封建制の中で伝統を守っていく葛藤の苦しみを表わしているんじゃないだろうか。
そして、テキサスからやってきた医師のジョンは、“アメリカ的なもの”。
メキシコ革命当時、アメリカ企業はメキシコの産業を買い漁っていたんだよ。
ティタはアメリカ人の進んだ治療で精神を取り戻すけど、結局は結婚を拒否してしまう。
そう、ネイティブはホントは新しい侵略者とも仲良くしたくないのだ。
メキシコ革命の大混乱は、カカオに水を入れてぐるぐるかき混ぜるがごとし。
うん、達成に向かって興奮と激怒のるつぼにあったんだな。

そして、スペイン人のママの死と、
インディオのペドロの娘とアメリカ人のジョンの息子の結婚。
「ママの死」は、征服者としてのスペイン的な悪い制度の消滅を、
「ペドロの娘とジョンの息子の結婚」は、メキシコの魂とアメリカの自由主義の融合を、
つまりメキシコ革命の終焉を比喩しているんだと思うなあ。
結婚式の日の夜、すっかりおじさんおばさんになったティタとペドロは、
はなれ小屋でひとつに結ばれる。
インディオの魂を象徴するふたりが最後に結ばれることは、
メキシコがスペイン的な封建社会と革命戦争の混乱から
解放されたことを表わしているんだろうと思う。
そう!だから、二人が結ばれる直前のペドロの娘とジョンの息子の結婚式で供された料理が、
メキシコ人が独立記念日に食べる「チレス・エン・ノガダ」だったんだよ。
征服者スペイン人の悪政と混乱と終焉、アメリカの自由主義の侵入と台頭、
そんな中で生きていく先住民たち。
そういうことに対して、この映画は何を言いたかったんだろう。
ティタとペドロが最後に結ばれた小屋には、
料理のレシピがぎっしり書き込まれたノートが残されていた。


●赤い薔薇ソースの伝説
(Como agua para chocolate(西)LIKE WATER FOR CHOCOLATE(英))
1992 メキシコ
上映時間:115分
監督:アルフォンソ・アラウ
原作:ラウラ・エスキヴェル
脚本:ラウラ・エスキヴェル
製作:アルフォンソ・アラウ
撮影:エマニュエル・ルベツキ、スティーヴン・バーンスタイン
編集:カルロス・ボラド
美術:Marco Antonio Arteaga
衣装デザイン:Carlos Brown
録音:Marcos Welch
音楽:レオ・ブラウワー
配給:日本ヘラルド
出演:ルミ・カヴァソス、マルコ・レオナルディ、レヒーナ・トルネ、ヤレリ・アリスメンディ、
クローデット・メイル、マリオ・イヴァン・マルティネス、アダ・カラスコ ほか
受賞:第5回東京国際映画祭 最優秀主演女優賞、最優秀芸術貢献賞
第65回(1993年度)アリエル賞(メキシコ・アカデミー賞) 作品賞を含む11部門全てで受賞
1993年度英国アカデミー賞 外国語作品賞ノミネート
第50回(1993年)ゴールデングローブ賞 最優秀外国語映画賞ノミネート
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カカオは油脂だから
こんにちは。
なかなか示唆に富んだ作品のようですね。
カカオと水ってのは、油と水ってことですよね。
水と油の関係ってのは、混じり合わない仲の悪い形容ですけど。
この二つを混ぜ合わせるには撹拌することが一番簡単なんですよ。
あ、乳化剤などを使った科学的手法のことは脇に置いといてくださいませ。
分離タイプのドレッシングを手でシャカシャカ振るでしょ?
でもこういう風に力任せに撹拌したのでは、またすぐに分離しちゃうの。
ゆっくり、ゆ〜っくり時間をかけて丁寧に撹拌すると、
一度混ぜ合わさった油と水は、なかなか分離しないんだそうです。
油脂会社の人から教わりました。
ケフコタカハシ #oibKWSZc | URL
2015/04/12 12:36 | edit
こんにちは
ストーリーだけ見ると、普通に面白そうなんだけど、
社会派映画、として見たときの解釈がさらに面白いです。
なるほどー、ティタがインディオの顔立ちってところが、
日本人には一瞬ぴんとこないけど、スルーできないポイントですね。
こういうメッセージがこめられた映画は、
それを知って観ると味わい深そうです。
でも最後がちゃんとハッピーエンディングでよかった!
そういうところもやっぱり、メキシコなのかな〜。
里花 #- | URL
2015/04/12 13:04 | edit
ソフト、レンタルじゃないのですね。
この映画の存在は知っていましたが、観ていません。
いつか観ないと!
その時はレンタルお願いします(笑)。
メキシコってアメリカの隣なのに、全然違うんですよね。
まーカナダだって似ているようで違いますけど、そんな比じゃ
ないですよね。
言葉と人種の違いが大きいのでしょうか。
ラテンアメリカと一口に言っても、これもまたそれぞれ違いますけど、ガルシア=マルケスの世界観に近いような気がします。幻想的、魔術的な要素がタップリといったかんじです。
今年のアカデミー賞でアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が受賞しましたが、最近のメキシコ人監督の活躍は素晴らしいですね。
バニーマン #- | URL
2015/04/12 21:00 | edit
No title
ストーリーだけ読むと昼ドラっぽいけど
社会的背景も色濃く織り込んだ作品のようですね。
メキシコ映画なんて今まで観たことないと思うわ。
つかりこさん、DVD貸して〜♪
でも、連休明けに引っ越すので、その後にお願いしま〜す♡
さとちん #- | URL
2015/04/13 06:52 | edit
こんにちは^^
女の情念を感じるようで
映画の内容も興味そそられますが、
それよりも、
つかりこさんの評論があまりにも素晴らしくて、
そちらに感動してしまいました!
あっぱれ
ももこ #- | URL
2015/04/13 14:48 | edit
こんばんわ
読んでいるとドロドロとした人間関係が伝わってきますね
料理美味しそうです
ネリム #oM6tt0T6 | URL
2015/04/13 18:24 | edit
料理は魔法なんですよ~♪
つかりこさん、お久しぶりにお邪魔します。
凄いです。映画評見ながら暫し泣いてました。
これは見なきゃいけないな。
私ね、子供の頃、母親の愛情があんまりもらえなかったんですよ。
母の愛情は病気がちだった妹のほうにしか向いてなくて、私は
「『家』への捧げ物」状態で母ではなく祖母に託されてた感じだっ
たんですね。なので母の笑顔は妹に向けられていたんですけど
唯一、私が何かお菓子や料理を作って食べさせたときは私に向
かって笑ってくれたんです。なので母の笑顔を見たいがために必
死で何か作ろうとしたのが調理師になった根本のきっかけなんで
すよ。
奇しくも今、某大学の購買部で青果販売のお手伝いの仕事をし
ていて、寮生向けに野菜や果物を売っていたりしているんですけ
ど、いろんな国の、年代も様々な人たちに野菜の説明や簡単な
調理法を伝えたりするんですね。で、同じ系統の野菜でも日本で
手に入るもので似た味や風味のものがあったら紹介したり馴染
みが少ないであろう日本の野菜の使用法を話したりしているんで
す。
この間、「お母さんの作ったものが一番元気が出るもんね」という話
しをしていて、やはり誰かのことを思いながら作る料理は愛情が
スパイスで、作った人の魔法がかかった味なんだよねと、話した
ところでした。日本人の子も外国人の留学生もそう言う考え方は
一緒なんですね。
食べてもらう人の健康や幸せを祈りながら作る料理は元気がない
ときでも「ほら、頑張って」と、背中を押してくれる魔法がかかっ
ていると思ってます。
それと、「かき混ぜる」という表現はどこの国でも興奮だったり性
的意味合いがあるんですよね。日本の昔話に出てくる「餅つき」な
んかもそうらしいです。餅をついたら中から小判が→老人になっ
ても中睦まじいのはある意味「富」なんですもんね。
そんなことを考えながら拝見いたしました。
映画、順番の最後にいつかお貸しいただけると嬉しいです。
今はまだ忙しすぎて見る余裕がないので(笑)
素敵なレビューありがとうございました。
藍音ななを #- | URL
2015/04/13 19:35 | edit
観たいです!
マルコ・レオナルディが主演ですか!!
これは、何としても観なくては、
メキシコ映画史上最高の興行成績も非常に気になります。
しかし、なかなか手強そうですね…。
それ故に、観てみたい!!
映画カッパ #- | URL
2015/04/13 23:13 | edit
どきっ
ポスターですかね、それの右に記された
「あなたはまいにちわたしを食べる」
これに、かなりどきっとしました。
今日は一日中ドキドキしていると思います。
夕ご飯作るときが不安だ・・
どうしよう。
そのドキドキを何とかするには、この映画を観るしかないのでしょうか。
それとも、誰かから料理をつくってもらって、その料理人(の心)を食べるしかないのでしょうか。
きたあかり #- | URL
2015/04/14 13:30 | edit
おはようございます。
壺、たった100万円でよろしいでしょうか?「買います、買います」
と言う訳で・・・つかりこ様の完璧な解説で観たくなりました。
言霊の怖さは、日常で経験しております。嫌な言葉を言うと必ず自分にかえって来ますから。
食霊と言う言葉は、初めて聞きましたが「心」のこもった料理と解すれば納得できます。深い、深い意味のある映画なのですね。
意外と真面目に書いてしまいました。
記事が完璧ですと、軽口が躊躇われるため、「メイド的」私は、悩んだ末やって参りました。
貸して頂こうかしら(^-^)
つかりこさん宅で観賞希望?
Miyu #- | URL
2015/04/15 06:20 | edit
Re: カカオは油脂だから
ケフコタカハシさん、コメントありがとうございます!
> こんにちは。
> なかなか示唆に富んだ作品のようですね。
> カカオと水ってのは、油と水ってことですよね。
> 水と油の関係ってのは、混じり合わない仲の悪い形容ですけど。
> この二つを混ぜ合わせるには撹拌することが一番簡単なんですよ。
> あ、乳化剤などを使った科学的手法のことは脇に置いといてくださいませ。
↑あー、なるほど!
スペイン人やアメリカ人とネイティブは、なかなか混じり合えない
という意味もあるのかもしれませんね。
そして、長い年月とメキシコ革命を経て、やっとメキシコの独立が!
ということのたとえかもしれませんね。
> 分離タイプのドレッシングを手でシャカシャカ振るでしょ?
> でもこういう風に力任せに撹拌したのでは、またすぐに分離しちゃうの。
> ゆっくり、ゆ〜っくり時間をかけて丁寧に撹拌すると、
> 一度混ぜ合わさった油と水は、なかなか分離しないんだそうです。
> 油脂会社の人から教わりました。
↑あー、そうですよね。
手作りマヨネーズも難しいです。
玉子に酢とサラダ油を足していきながら撹拌するんですが、
油を少しずつ足しながら根気よく撹拌していくとある瞬間から乳化して
分離しなくなります。
玉子のほうは、脂肪分やタンパク質なんかが入っていますが、
水分が多いですもんね。
やはり、この映画は料理をメタファーにして、
いろんなことを語っているんでしょうね。
貴重なご指摘、ありがとうこざいました!
つかりこ #- | URL
2015/04/15 21:59 | edit
Re: こんにちは
里花さん、いつもありがとうございます!
> ストーリーだけ見ると、普通に面白そうなんだけど、
> 社会派映画、として見たときの解釈がさらに面白いです。
> なるほどー、ティタがインディオの顔立ちってところが、
> 日本人には一瞬ぴんとこないけど、スルーできないポイントですね。
> こういうメッセージがこめられた映画は、
> それを知って観ると味わい深そうです。
↑そうそう、僕は最初観て何がおもしろいのかよくわからなかったので、
この映画を3回観たんですが、いろいろ調べてどうもインディオの伝統とか
メキシコの独立と関係あるんだ、とわかってから観た時には
ラストで泣けました。
なかなか難しい作品だと思ったので、自分のためにも
観てぽかんとしている人のためにも、見解を書き残してみました。(てへへ)
> でも最後がちゃんとハッピーエンディングでよかった!
> そういうところもやっぱり、メキシコなのかな〜。
↑えーと、んーと、ハッピーエンドだったったけかあ?
ふふふ、そうかなあ?(笑)
つかりこ #- | URL
2015/04/15 22:12 | edit
Re: ソフト、レンタルじゃないのですね。
バニーマンさん、コメントありがとうございます。
> この映画の存在は知っていましたが、観ていません。
> いつか観ないと!
> その時はレンタルお願いします(笑)。
↑おー、さすがご存知だったんですね。
まずは、さとちんさんにお貸しすると思いますが、
気が向いた時にでも、お気軽に打診ください。
> メキシコってアメリカの隣なのに、全然違うんですよね。
> まーカナダだって似ているようで違いますけど、そんな比じゃ
> ないですよね。
>
> 言葉と人種の違いが大きいのでしょうか。
>
> ラテンアメリカと一口に言っても、これもまたそれぞれ違いますけど、
> ガルシア=マルケスの世界観に近いような気がします。幻想的、魔術的な要素がタップリといったかんじです。
↑スピリチュアルなイメージが強いですよね。
先住民が、アメリカと同じインディオでも、
メキシコのほうはマヤ文明とかアステカ文明の子孫がたくさんいて、
いまでも、数百年も前から続く伝統や風習、宗教的なものが
色濃く残っているようです。
ビートルズやストーンズ、ドアーズなども、昔、
マジックマッシュルームやラリるサボテンを使った
アシッドな呪術を試しに行ったりしてましたよね。
いまだに、「ガイコツまつり」みたいな、心霊的な祝祭が
日常的に行われているようです。
反面、白人文化的なものも多彩なんですよ。
たとえばメキシコは・・・
●プロレスの聖地
●サンタナみたいなギタリストの宝庫
●マリアッチ、ランバダはもちろんボサノバ、サルサなどラテン音楽が盛ん
●サッカーが強い
●チワワの原産地
●チョコレートの発祥の地
●シーザーサラダ発祥の地
●「バハ1000」を始めとするオフロードバイクレースの聖地
●フリーダ・カーロ、メイス・バラガンはじめアートの盛んな国
●アボカドやオレンジや肉類などのおいしい農産物が豊富
●西はカリフォルニアと地続き、南東部はカリブ海のカンクンなど世界有数のマリンリゾート
●テオティワカン、チチェン・イッツァなど、エジプトと並ぶ古代遺産の国
●テキーラ、ビールなど酒がうまい
・
・
・
・・・ね、なにげにすごいでしょ?
> 今年のアカデミー賞でアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が受賞しましたが、
> 最近のメキシコ人監督の活躍は素晴らしいですね。
↑そうですよね!
アルフォンソ・キュアロンやギレルモ・デル・トロもメキシコ人ですよね。
『サボテン・ブラザース』ばかりがメキシコだと思っていたら(僕です)、
とんでもなんですよね。
つかりこ #- | URL
2015/04/16 20:21 | edit
Re: さとちんさん、いつもありがとうございます。
> ストーリーだけ読むと昼ドラっぽいけど
> 社会的背景も色濃く織り込んだ作品のようですね。
↑言われてみれば、昼ドラっぽいですねー。(汗)
さらっと観ると、社会派の映画には全然見えないですよ。
でも間違いなく「ネイティブ・メキシカンの想い」のようなものが
込められた作品だと、やっと理解できました。
でもでも、そんなこと考えなくてもけっこうおもしろいかもです。
観終わったらきっと、また最初に巻き戻して(デジタルだから巻き戻さない)
観たくなりますよ。
> メキシコ映画なんて今まで観たことないと思うわ。
> つかりこさん、DVD貸して〜♪
> でも、連休明けに引っ越すので、その後にお願いしま〜す♡
↑喜んでお貸しいたしますよー!
たぶん、レンタル屋さんにもないと思いますので、
お気軽にぜひぜひわたくしめをお使いくださいませ。
GWの頃にメールいたしますね。
あの素敵なテレビ台に載っけたテレビで観るんですね。
いいなー
つかりこ #- | URL
2015/04/16 21:15 | edit
Re: こんにちは^^
ももこさん、いつもありがとうございます!
> 女の情念を感じるようで
> 映画の内容も興味そそられますが、
↑そうですね。
16世紀頃からずっと、メキシコの女性たちは、大なり小なり
家のことに縛り付けられて、自由に恋さえもできない暮らしを
送ってきたんじゃないのか?
自己表現できることといえば料理だけ、となれば
念のひとつやふたつ料理にこもりますよねー。
この映画は、何百年もの封建制の犠牲になってきた
メキシコの女性たちへの鎮魂歌でもあるかもしれませんね。
> それよりも、
> つかりこさんの評論があまりにも素晴らしくて、
> そちらに感動してしまいました!
↑超照れます。
あんまりほめないでください、調子に乗り過ぎて
蹴つまずいたりするので・・・。
つかりこ #- | URL
2015/04/17 16:09 | edit
Re: ネリムさん、コメントありがとうございます。
> こんばんわ
> 読んでいるとドロドロとした人間関係が伝わってきますね
> 料理美味しそうです
↑んー、文章ってむずかしいですよね。
さほど、ドロドロはしていないんですよ。
ただ、そばにいられるからって、別の人と結婚してしまう執念のようなものや、
ママの怨念のようなものは強烈な印象があります。
料理については、本ではレシピが紹介されているほどなので、
もっとうまそうかと思いましたが、わりとさらっとしていました。
もっともっと、料理をクローズアップしたカットがあっても
よかったかと思いました。
全体的な映像の質感は、重厚できれいなもので、
ストーリーは『風とともに去りぬ』のような “大河ドラマ” のような
時間的スケールがあります。
機会がありましたら、ぜひ観てみてくださいねー。
つかりこ #- | URL
2015/04/20 05:14 | edit
Re: 料理は魔法なんですよ~♪
ななをさん、コメントありがとうございます!
> つかりこさん、お久しぶりにお邪魔します。
> 凄いです。映画評見ながら暫し泣いてました。
> これは見なきゃいけないな。
↑“食べ物に込められた想いが不思議な現象を起こす” という表現が、
ハリウッド映画みたいなもったいぶった衝撃がなく、さらっとしていいるんですよ。
映画全体に流れるトーンは、ファンタジーな感じじゃなくて、
重厚なヒューマンドラマのような感じでした。
> 唯一、私が何かお菓子や料理を作って食べさせたときは私に向
> かって笑ってくれたんです。なので母の笑顔を見たいがために必
> 死で何か作ろうとしたのが調理師になった根本のきっかけなんで
> すよ。
↑んー、そうか!
だから、この映画に興味を持たれたんですねー。
お母さんを笑顔に。
ななをさんの想いが、確かに魔法になったんですね。
いまは、お子さんや親戚の方や学生たちに幸せの魔法を振りまいているのかも。
お母さんは、そんな「料理に魔法をかけることを」を教えてくれたんじゃないでしょうか。
それから、妹さんに手がいっぱいだっただけで、
ななをさんをないがしろにするつもりもなかったのかも?
> 奇しくも今、某大学の購買部で青果販売のお手伝いの仕事をし
> ていて、寮生向けに野菜や果物を売っていたりしているんですけ
> ど、いろんな国の、年代も様々な人たちに野菜の説明や簡単な
> 調理法を伝えたりするんですね。で、同じ系統の野菜でも日本で
> 手に入るもので似た味や風味のものがあったら紹介したり馴染
> みが少ないであろう日本の野菜の使用法を話したりしているんで
> す。
↑大変さをほっといて言うのも申し訳ないけど、
なんだか楽しそう!
> この間、「お母さんの作ったものが一番元気が出るもんね」という話
> しをしていて、やはり誰かのことを思いながら作る料理は愛情が
> スパイスで、作った人の魔法がかかった味なんだよねと、話した
> ところでした。日本人の子も外国人の留学生もそう言う考え方は
> 一緒なんですね。
>
> 食べてもらう人の健康や幸せを祈りながら作る料理は元気がない
> ときでも「ほら、頑張って」と、背中を押してくれる魔法がかかっ
> ていると思ってます。
↑おっしやる通りだと思います。
料理は、作る人の愛や想いがダイレクトに込められるものだと思います。
しかも、食べた人の命に直結しているので、
魔法そのものに違いないと思います。
> それと、「かき混ぜる」という表現はどこの国でも興奮だったり性
> 的意味合いがあるんですよね。日本の昔話に出てくる「餅つき」な
> んかもそうらしいです。餅をついたら中から小判が→老人になっ
> ても中睦まじいのはある意味「富」なんですもんね。
↑そうなんですね!
この映画を観るまで、知らなかったです。
言われてみれば、餅も一所懸命ぺったんぺったんつくことで、
想いが籠りそうな食べ物ですよねー。
なるほど、年末年始向きですねー。
ちょいの間、貸出が渋滞するかもしれませんが(笑)、
お手すきになられましたらおっしゃってください。
無期限でお貸しいたします!
僕は、繰り返し3回も観ましたので。
つかりこ #- | URL
2015/04/20 05:54 | edit
Re: 観たいです!
カッパ師匠、コメントありがとうございます。
> マルコ・レオナルディが主演ですか!!
> これは、何としても観なくては、
↑そうなんですよ!
僕もソフトのパッケージを見るまで気づきませんでした。
なかなかいい男になっていましたよ。
ただ出番的には完全に女性陣にやられてしまっていて、
ちょいと陰がうすいかもです。(主演男優なのに)
> メキシコ映画史上最高の興行成績も非常に気になります。
> しかし、なかなか手強そうですね…。
> それ故に、観てみたい!!
↑アメリカにおけるスペイン語映画の興行収入も1位みたいです。
観ているぶんには、難しいことは全然ないのですが、
日本人にはわかりにい裏コンセプトがあったんですね。
メキシコ革命のことなど気にしなくても、
なかなかおもしろい質感の作品だと思います。
順番がたまって来ましたが、必ずお貸しいたしますので、
いましばらくお待ちいただけますか。(笑)
つかりこ #- | URL
2015/04/20 13:01 | edit
Re: どきっ
きたあかりさん、コメントありがとうございます。
> ポスターですかね、それの右に記された
> 「あなたはまいにちわたしを食べる」
> これに、かなりどきっとしました。
↑でしょ、でしょ?
このキャッチフレーズはインパクトがありますよねー。
「食霊(しょくだま)」のことをちゃんと言っているし、
映画にも表わされている艶めかしさも表現されています。
惜しむらくは、少しだけオカルトっぽさが過ぎるところかな。
この映画はそれほどオカルトな感じでコワイというような
内容ではないんですよ。
> 今日は一日中ドキドキしていると思います。
> 夕ご飯作るときが不安だ・・
↑あ、ごはん作る時に怨念を込めないでくださいねー。(笑)
つかりこ #- | URL
2015/04/20 17:52 | edit
Re: おはようございます。
Miyuさん、コメントありがとうございます。
> 壺、たった100万円でよろしいでしょうか?「買います、買います」
↑うむ、空中浮遊ができるようになるメイド服もあるが、
こちらは50万円いかがかな。
あー?もう持ってる?!(笑)
> と言う訳で・・・つかりこ様の完璧な解説で観たくなりました。
> 言霊の怖さは、日常で経験しております。嫌な言葉を言うと必ず自分にかえって来ますから。
> 食霊と言う言葉は、初めて聞きましたが「心」のこもった料理と解すれば納得できます。
> 深い、深い意味のある映画なのですね。
↑そんなに深くふかーくはない映画ですが、
日本人にはぴんと来ずらいものもありますね。
それより、言霊の怖さの経験談のほうが興味深いです。
いつか聞かせてくださいな。
マジでコワイかなあ?
> 意外と真面目に書いてしまいました。
> 記事が完璧ですと、軽口が躊躇われるため、「メイド的」私は、悩んだ末やって参りました。
> 貸して頂こうかしら(^-^)
> つかりこさん宅で観賞希望?
↑あ、完璧主義ではないですし、キホンちゃらんぽらんな人間なので、
な~んも気になさらずに、バシバシ書きたいことを書いてくださいやー。
ご来訪の方々もいいかげんな人たち、いや違った、寛容でいい人たちばかりなので
いつでも好きなようにいじくってくださいねー。
つかりこ #- | URL
2015/04/20 18:05 | edit
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