さわやかな朝のような ~ 『小さな恋のメロディ』



いつ頃からだろうか、
女の子、と見ればエッチな妄想をするようになったのは。

中学2年くらいかな、家に帰ってからチューくらいの妄想を始めたのは。
それでも、実際に、明日こそ抱きしめてチューするぜー、とは思っていなかったなー。
あくまで妄想。

ハタチ以降くらいからかな、
好きなコを目の前にして、エッチな妄想をできるようになったのは。

その前までは、
好きな女のコに対する「いつも一緒にいたい」とか「大切にしたい、守りたい」という気持ちと、
「エッチしたいなー」という気持ちが、明らかに乖離してたと思う、僕の場合は。
最近の男子や女子はどうなのかわかんないけど。

「好きだから、大切にしたいから、そういうことができないんだよ」って、
27歳にもなって彼女のことを語る友達がいたけど、やつは男3人兄弟で男子高校出身者。
これは、女子に対する美しい妄想が大きく膨らんじゃって、
気持ちと実質が乖離したままのケースだよなあ。

そいつと知り合ってたから、将来自分の子供が生まれても、
絶対男子校にだけはやらないぞ、と決めた。
まあ、そのピュアな気持ちはわからないでもないけどね。

中学校より前は、そういう妄想さえもなかったなあ。
好きだ、という気持ちがあっても、チューしたいとか、まったく思い浮かびもしなかった。



小学校6年の僕には、4年生の時に「仲良しだなー」と思っていた美雪ちゃんとは違う
「いつも一緒にいたいな」なんて思いを寄せていたコがいたんだよ。

彼女のことを考えると、ホントに胸がキュンとしたなー。
「いつも一緒にいたい、いつも話していたい、いつも見ていたい」と思っていたっけ。
小学6年といえば、えらくマセガキだけど、いまから想えばあれが初恋だったんだな。

そのコとは散歩を何度かしたっけ。
地元の浜辺を歩いたり、花火大会に行ったり、お祭りに出かけたり・・・。
お互いのどっちかの家に行って、一緒に宿題したりもしたなあ。
あれがデートだったのかなあ。



ある時、「小学生くらいの男子と女子の恋愛映画が来たから、観に行こうよ!」と
行ったのが、そう、この『小さな恋のメロディ』だったんだ。

これを観に行ってからなんだな、
「今度、浜辺を歩く時は手をつなごう、っと」と思うようになったのは。
結局、一度も手をつなぐことなく、僕の初恋は終わったんだけど。



小学4年の時だったら、ただの「好意」だったろうな。
中学・高校なら “性” のイメージも含む「恋愛」かもしれない。
なら、「好意」と「恋愛」の狭間に湧き起こる「好きだから、いつも一緒にいたい」
という気持ちは、「純愛」
なんじゃないだろうか。

それを体験できるのは、ホントに短い間に違いないと思う。
少年少女時代のほんの1~2年ほどの間にしか出会えない出来事かもしれない。
(もちろん、どんな世代でも純愛はあるんだろうけど)



“人生の朝” 、
太陽が地平線から出きる前の一瞬にしか感じることのできない時、
もう二度と手に入らないときめき、
それを「純愛」呼ぶとしたら、
この映画は、「純愛」をきれいに切り取った作品なんだよ。




001melodyタイトル

ストーリーは、屈折したところなどこれっぽっちもなくて、それこそピュア。
ダニエル役のマーク・レスターとメロディちゃん役のトレーシー・ハイドが
めんこくてしょうがない!

002melody金魚

003melodyマークレスター

いたずら盛りのダニーにも、ある日突然、恋の女神が降臨しちゃうんだな。
ごちゃごちゃした講堂の中、彼女のまわりだけが煌めき出す。

004melody振り向き

やがて、ダニーの “夢中” が彼女にも伝わり・・・一緒に “メロディを奏で出す”。

005melody演奏

008melody口紅

友情・・・

006melody友情

反抗・・・

007melody爆弾

いっちょまえに、恋か、友情か、なんて展開も・・・

009melody友情か恋愛か

背景は、1970年頃のロンドン、
ダウンタウンや、学校や、家庭や、空き地や、墓地や、
等身大のロンドンの街と・・・

013melody車街

'70年代はじめのロンドンファッションなんかも覗えて、
そんな風景を観てるだけでも、お洒落でロマンチックな気持ちになれるよ。

012melodyファッション



プロデューサーは、なんと、デビッド・パットナム
「ミッドナイト・エクスプレス(1978)」、「炎のランナー(1981)」など、
名作ばかりを生んできた超大物だよね。

脚本は、ななななんと、アラン・パーカー
この作品は、アラン・パーカーの処女作だったのだ!!



全編に流れる音楽は、アコースティック・サウンド時代の「ビー・ジーズ」
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの曲も使われているけど。

010melodyふたり01

ビー・ジーズといえば、だいたい、ディスコを思い出すよね。
『サタデー・ナイト・フィーバー(1977)』で、ファンキーなファルセットで歌う
「ステイン・アライブ」なんかを想像すると思うけど、
この時代のサウンドはそうじゃないんだよ。

アコギやストリングスの透き通るような生の音と伸びやかな声が、
背筋を風のようにくすぐる曲たち・・・。

011melodyふたり02

そのうちの1曲、「若葉のころ(First of May)」あたりなら、
CFやドラマのイメージソングなんかでやたらと使われているから
誰でも1度や2度は聞いたことがあるはず、と思うな。





011melodyふたり03

そう、この映画はストーリーものというより、
ミュージック・ムービーと言うべきかもしれない。
だって、ビー・ジーズの曲を元にストーリーが作られたらしいんだからさ。

映像と物語に音楽をつけたんじゃなくて、
音楽を映像と物語にした映画。
そういう映画、観たことある?

音楽のエモーションと映像のエモーションがやさしくマリアージュした、
見える、聞こえる、抒情詩なのだ。



人間には2種類あると思う。
ディズニーランドが好きな人と、そうでもない人。
絵本が好きな人と、そうでもない人。
それと、この映画が好きな人と、そうでもない人。

014melodyふたり03



♪ In the morning (Morning of my life - Bee Gees) ※訳:つかりこ


In the morning when the moon is at it's rest,
朝、月が眠りにつく時、

you will find me at the time I love the best,
いちばん大好きな時間に僕はいるんだよ、

watching rainbows play on sunlight,
陽の光に戯れる虹を見つめている、

pools of water iced from cold nights, in the morning.
寒い夜に氷が張った朝に。

'Tis the morning of my life.
それが僕の一日の始まり。



In the daytime I will meet you as before.
昼、前みたいに君に会うんだ。

You will find me waiting by the ocean floor,
僕は海辺で君を待ってるんだよ、

building castles in the shifting sands
in a world that no one understands,
誰にもわかってもらえない世界で
こぼれる砂で城を建てながら・・・

In the morning.
・・・ある日の朝にね。

'Tis the morning of my life.
それが僕の一日の始まり。

'Tis the morning of my life.
それは僕の人生の朝。



In the morning of my life,
人生の朝、

the minutes take so long to drift away.
時がゆっくりと過ぎ去っていく。

Please be patient with your life,
あくせくせずに生きていこうよ、

it's only morning and you've still to live your day.
まだ朝なんだよ、これからまだ長い一日を生きていくんだよ。



In the evening I will fly you to the moon,
夜、僕は月へ行くのさ、

to the top right hand corner of the ceiling in my room,
部屋の天井の右の隅っこへね

where we'll stay until the sun shines,
一緒にいようね、太陽がのぼるまで、

another day to swing on clothes lines,
新しい一日、物干し綱の上に揺れてる、

May I be yawning.
あくびしてもいいかい。

T'is the morning of my life.
それが僕の一日の始まり。

T'is the morning of my life.
それは僕の人生の朝。



In the morning .........





人生、まだ朝だと思いたいな。

えー、夜明け前だって?
なら、まだまっくらじゃん。



015melodyポスター

●『小さな恋のメロディ』(Melody)
1971年 イギリス
上映時間:103分
配給:日本ヘラルド映画
原作・脚本:アラン・パーカー
監督:ワリス・フセイン
製作:デヴィッド・パットナム
   デヴィッド・ヘミングス
撮影:ピーター・サシツキー
編集:ジョン・ヴィクター・スミス
音楽:ビー・ジーズ、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング
出演:マーク・レスター
   トレイシー・ハイド
   ジャック・ワイルド
   シェイラ・スティーフェル
   ケイト・ウィリアムス
   ジェームズ・カズンス
   ロイ・キニア
   ほか



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コメント

非公開コメント

ピュアですね。

ピュア

なんて素敵な思い出なんでしょう。

小さな恋のメロディ

すごい有名なのに見たことないかも

あ~情けない。

Re: ピュアですね。

自分の子供の頃の思い出、
しかも、恋ばなを書くって、
めっちゃ恥ずかしいもんですねー。

でも、私にとってこの映画は、
鮮烈な思い出があるもんですから、
いつかどこかに書き残しておきたいと。
恥をさらしてしまいました。

そうそう、日本では有名な作品なんですよ。
この映画をオマージュというかモチーフとした
歌がたくさん作られているんですよ。
斉藤和義さんもこの映画、好きみたいですね。
短くて、のんびり観られる、素敵な作品ですよ。

いつも、最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくです!

この映画、見ました。
ビージーズの音楽も良かったです。

知りませんでした

デビッド・パトナムとアラン・パーカー…。凄い取り合わせですね。知れませんでした。そして、トレーシー・ハイド、凄く可愛かったですね。スクーンやロードショーでは、常に人気ナンバーワンだった事を思い出しました。

Re: ペチュニアさん

はじめまして。
コメントたまわり、ありがとうございます!

アートとか文学とはほど遠い作品ですが、
のちに有名になる画家の習作のような映画ですよね。

これからも、細く長くおつきあいくださいませ。

好きですよ♪

この映画何度見ても
キュン♪ってしちゃいますよね!

あの挿入歌を今でも聴くと
可愛い気持ちになりますよ

。。。可愛いって(汗)

Re: 知りませんでした

でしょ?びっくりですよね。
私は原作というか、ノベライズというか、書籍版を読んだことがあったので、
アラン・パーカーの名前は記憶していたのですが、
デビッド・パットナムが絡んでいたことは、
おとといまで知りませんでした。

のちの巨人と巨匠コンビの作品ですが、
当のイギリスやアメリカでは不発だったそうです。
日本で大ヒットしなかったら、
このふたりの映画人人生は少し変わっていたかもしれませんね。

うんうん、トレーシー・ハイド!
ホントかわいくて、当時、スクリーンやロードショーの誌面を切り抜いて、
部屋の壁に貼ったりしていました。
月刊平凡や明星などにもよく載っていて、
一種、社会現象のようになったのを覚えています。

少女としての彼女の魅力が、
見事に映像と音楽で表現されていると思います。

書込み、ありがとうございました!

Re: 好きですよ♪

うんうんうん!そうですよね!

何回観ても、胸キュンです。
何度聴いても、可愛い気持ちになります。
あれ、さん平さんのコメントそのまんまですね。

でもほんとに、おっしゃる通りです!
共感できてうれしいですぅー。

いつもありがとうございます!

ボクの原点

つかりこさん、こんにちは!
小さな恋のメロディは、ボクの原点です

いつまでもこういうのを大切にしていきたい(行きたい&生きたい)と思っています

特に最後のシーンは大好きです!!

オムライスを象徴にピュアを描きたい、語りたい

この記事を見て改めて思いました

ありがとうございます!

Re: ボクの原点

Omunaoさん、ご来臨ありがとうございます!

この映画を大切に思ってくれている人が他にもいて
とてもうれしいです。

何かを触媒に、喜びを共感できるって、
すごく楽しくてうれしいことですよね。
希望が湧いてきます!

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

そちらにも、ちょくちょくおうかがいしますね。

長寿庵のオムライス

つかりこさん、こんにちは!
長寿庵情報ありがとうございます!
蕎麦屋のオムライスっていうのも面白いですね!
で、そのオムライスを紹介したいのですが、あわせてつかりこさんのブログを紹介しても大丈夫でしょうか???
OKでしたら明日にでも書きます!!

Re: 長寿庵のオムライス

うーん、承知いたしました!
ありがとうございます。

この前、飯能の知人と「蕎麦でも行こうぜ」と
近所をぐぐったんですが、
Omunaoさんのブログのおかげで、
オムライスが頭に棲みついちゃってまして、
オムライスのある蕎麦屋があったりして!
思わず行っちゃったお店です。

普通盛りでも、お父さんのご飯茶碗で4杯分くらいの
米の量がありましたが、あすなろ&オーションビュー
に比べれば子供だましですよー。

あ、私のブログの紹介は、ホントにちょろっ、でいいんですよ。
記事の更新も遅いし、恥ずかしいし、プレッシャーにも弱いんです。

ありがとうございます!

No title

素敵な和訳ですね。
個性というか、キャラがちゃんと出ていて楽しいです。
特につかりこさんのスタイルは、美しくてかわいい
この詞との相性はピッタリだと思います。

とってもいい訳に出合えました!

Re:Beat Wolf さん、ご来臨ありがとうございます!

あ、いま見たら、歌詞の原文がないですね!
すみません!
きっと、めんどくさい目に合わせてしまいましたね。
すみませんでした。
なのに、読んでいただいてありがとうございました。
感謝申しあげます!

和訳はまったくのシロウトで、ここで和訳をさらすつもりもなかったのですが、
つい映画に対する思い入れがそうさせてしまいました。
恥ずかしいかぎりです。
いいかげんな訳にやさしいお言葉、ありがとうございます。

Beat Wolfさんのブログには、実はいつも寄らせていただいております。
好きな曲を見つけて聞いては感動、訳を拝見して感動、
ひと粒で2度おいしい思いをさせてもらってます(苦)。

あれだけの量の訳、たいへんな宝物だと思います。
これからもどうぞよろしくご教示くださいませ!