ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。
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韓流ラブロマンスを生んだ日本映画 ~ 『Love Letter』


中学の時や高校の時に、“好きな人“ っていた?

それで、その恋愛は成就した?
うん、うまくいかなかったよね。

きっと、クラスに一人か二人くらいだよね、ラブラブで青春を謳歌できた人は。
だいたいが、フラれたり、告白もできずにただ毎日その人を見つめていただけだよね。

中には、好きな人なんかいなかったし、恋愛したいとも思っていなかった、
という人もけっこういるかもしれない。

でも、ホントにそうだろうか。
その当時、日記をつけていたとしたら、読み返してみるといいかもしれない。
卒業アルバムや、修学旅行の写真や、文化祭のしおり、古い教科書・・・、
そこには、ひょっとすると、その頃のせつない恋の思い出がしるされていて、
忘れているだけかもしれないよ。

それでもやっぱり、思い当たるフシがないとしても、
逆に、自分のことを好きだと想ってくれていた人が、実はいたんだとしたらどうだろう。
友達も思い出も、時間と一緒に放射状に散らばってしまって、もう知る方法もないけれど。



001LoveLetter_上向き

002LoveLetter_タイトル

この映画では、
取り戻すことのできないはずの、あの頃の恋心や、
知る由もないはずの、あの頃のあの人の自分への恋心に出会って、
“過去の人“ と恋をして幸せな気持ちになるミポリンと、
“過去の恋人” に失恋するミポリンが登場する。
そう、二役なんだね。

005LoveLetter_小樽ポスト

つらい失恋と、幸せな相思相愛。
ひょんなきっかけで、そのことに気づいてしまう。
でも、どちらも取りもどすことのできない過去のできごと。
だから、せつなくて、もどかしくて、甘酸っぱい涙があふれてくる・・・


『Love Letter』はそんな物語です。

012LoveLetter_こだま

015LoveLetter_書棚

中山美穂が24か25歳くらい。
映画女優として、一番波に乗っていた時だね。

003LoveLetter_最初の手紙

004LoveLetter_キス

酒井美紀にとっては、映画初出演作。
デビュー時から、目力の強さと思わず惹きつけられる表情は、
タダ者じゃないことを伺わせるね。
ホント、黙っている時の表情がすごい!

006LoveLetter_酒井

007LoveLetter_柏原

監督は、岩井俊二。
岩井監督の最初の劇場用長編映画作品なんだね!
いまでは、“クール・ジャパン映画部門” をしょってたつ岩井監督だけど、
この映画は、『花とアリス』なんかとは違うホットな作品だね。
いわゆる “岩井節” とはだいぶん違うと思う。

008LoveLetter_図書室二人

この実にうまくできたストーリーと
複数のロケ地と時制別の配役、二役などを緻密に取りまとめた脚本も、
岩井監督の仕事だというからすごいのひとこと!

013LoveLetter_喪中酒井

014LoveLetter_転校柏原



日本アカデミー賞の優秀作品賞やキネ旬の上位なんかを取っているから、
けっこうヒットしたんだね。
でもね、日本ではそこそこだったかもしれないけど、
この映画は韓国や香港で、ものすごくヒットしたんだよ。
何か東アジア人の胸を打つものがあるのかねぇ。

韓国では'99年11月に公開されたんだけど、
2000年のロードショウ終了までに150万人の観客を動員したんだそうだ。
この数字はその時点までに韓国で封切られた日本映画の中ではダントツの1位!
それまでは、『鉄道員』や『踊る大捜査線 THE MOVIE』で50万人、
『HANABI』や『影武者』などは10万人にいたらずだったという。
ロードショウに限っていえば、外国映画の中でも1位の観客動員数だったはず。

韓国での大ヒットには、作品のすばらしさの他にも訳があって、
'98年から金大中大統領が始めた「日本文化の段階的門戸開放政策」というのが影響
しているらしいんだな。
'98年時点では、まぁ、硬くてあまりおもしろくない作品しか紹介が許されず、
'99年と2000年のさらなる開放政策を受けて封切られたこの『Love Letter』が
それまでに紹介されなかった柔らかくてすばらしい娯楽作品だったので、
ドカーンと人気が出たみたい。

韓国では、何年もこの作品が劇場公開され続けて、
劇中に出てくる「お元気ですか?」という言葉が流行語になったり、
舞台となった小樽に韓国人観光客がどっと押し寄せたそうだ。
いまでもロケ地めぐりにやってくる人がたくさんいるそうだ。
とにかく、当時、韓国の若者でこの映画を知らない人間はひとりもいない、
といわれるくらいで、大変な社会現象になったんだとさ。

2004年時点で、韓国に単身赴任してた友達が、
「こっちのケーブルテレビで観た。“お元気ですか?” は、
いまでも韓国で最もポピュラーな日本語」って言ってたっけ。

さらには、この映画は、
1999年以降の韓国の恋愛映画・恋愛ドラマの作り方を変えた作品
位置づけられているんだそうだ。

2005年にわが高校のクラス会があって、
クラス会気分が盛り上がると思って、田舎の友達にこの作品を紹介してやったら、
「“冬ソナ” みたいな感じだね」とか「“イルマーレ” と着想が似ているね」とか
感想をメールしてくるやつがいたけど、それはちゃう。

“冬ソナ” が韓国KBSで放送されたのは2002年だし、
“イルマーレ” が韓国で封切られたは2000年だから、
『Love Letter』が “冬ソナ” や “イルマーレ” の日本版なんじゃなくて、
“冬ソナ” や “イルマーレ” が『Love Letter』の韓国版
なのだ!
『Love Letter』は、韓流ラブロマンスの流れをつくった映画なのだ。

社会現象を巻き起こすほどの人気は、香港でも同じだったらしいよ。
香港での単館上映での最長記録を持っているとのこと。
当時は、香港人は北海道と聞けば、「白い恋人」と「Love Letter」と口にしたそうだ。



僕はいまでもこの映画が大好きなんだけど、
作品のすばらしさはもちろんのこと、
もう一つ思い入れが強くなる理由があるんだ。

010LoveLetter_自転車置き場02

それは、この作品のロケ地の一つに、
僕が卒業した高校の自転車置き場が使われていること。
僕は自転車通学じゃなかったので、自転車置き場へ行く機会もあまりなかったし、
自転車置き場の思い出と言えば、文化祭の時、焼き鳥売り場になって
煙がもうもうとしてたことくらいしかないんだけど、
劇中ではとても大切なシーンで使われているんだな。
よく見ると、背景に校舎や体育館、授業をさぼって登った丘なんかも映っていて、
まるでこの物語が自分のホントの記憶のようで、甘くせつなく胸をつかれてしまう。

009LoveLetter_自転車置き場01

でもこの自転車置き場はもうないんだよ。
いや、自転車置き場自体はあるけど、新しく造り変えられちゃっていて、
あの丸いかまぼこ型の屋根じゃなくなっているのだ。
平らな屋根になっちゃって・・・あの手の込んだ丸いやつがよかったのになあ。

なくなった、といえば、物語のトーンをつくるのに重要なアイテムの一つになっている
主人公が住む家もなくなったらしい。
2007年に焼失したとのこと。
坂(ばん)さんという方の旧邸宅で、小樽市指定歴史的建造物に指定されていたそうだ。
ドラマ『弟』でも、石原裕次郎が幼少期に住んでいた家として撮影に使われた家とのことで、
日本人にもアジア人にも人気の観光スポットだったそうだ。
とても残念です。

017ラブレター_家01

018ラブレター_家02



日々のあれこれに追われて、恋の思い出どころじゃないよねぇ。
ましてや、中学や高校の頃の純愛ストーリーなんて、
しょんべんくさくてちゃんちゃらおかしいやねぇ。
でも、そんなこと言わないで、たまにはこんな映画もどうかなあ。
勇気ややる気が出ること、請け合いでっせ。

011LoveLetter_スケーティング



016ラブレター_ポスター

●『Love Letter』
1995年 日本
上映時間:117分
監督・脚本・原作:岩井俊二
製作:フジテレビジョン
配給:ヘラルド・エース、ヘラルド映画
助監督:行定勲、廣瀬達雄
撮影:篠田昇
美術:細石照美
録音:矢野正人
照明:中村裕樹
衣裳・スタイリスト:高橋智加江
音楽:REMEDIOS、マリオウマリ、桃田英美子
出演:中山美穂(二役)
   豊川悦司
   范文雀
   篠原勝之
   鈴木慶一
   田口トモロヲ
   酒井美紀
   柏原崇
   塩見三省
   加賀まりこ
   光石研
   鈴木蘭々
   神戸浩
   酒井敏也 ほか
受賞:モントリオール世界映画祭・観客賞
   第19回日本アカデミー賞
   ・優秀作品賞
   ・優秀助演男優賞:豊川悦司
   ・話題賞(俳優部門):豊川悦司
   ・新人俳優賞:柏原崇
   ・新人俳優賞:酒井美紀
   ・優秀音楽賞
   第38回ブルーリボン賞
   ・主演女優賞:中山美穂
   第69回キネマ旬報ベスト・テン
   ・ベストテン第3位・読者選出ベストテン第1位
   ・読者選出監督賞:岩井俊二
   第6回文化庁優秀映画作品賞・優秀映画作品賞
   第46回芸術選奨
   ・新人賞:岩井俊二
   ほか多数


コメント
コメント
大好きです
岩井監督の中でも、ダントツ完成度の高い映画ですね。主演の中山美穂さんも一番輝いています。何と言ってもあの映画ポスターの中山美穂さんの表情で映画の出来映えが分かります!!
2013/06/01(土) 00:32:06 | URL | 映画カッパ #- [ 編集 ]
Re: 大好きです
よくできたハナシだし、
複雑なプロットなのによくできた脚本だと驚きます。
こんな芸当ができるんですね、岩井監督って。

メッセッージ、ありがとうございます!
好きな映画で共感できるって、うれしいもんですね。
2013/06/01(土) 06:46:45 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
ミポりん
つかりこさんこんばんわぁ♪

中山美穂メッチャ可愛いですよねぇ
今も昔も…

ちょうど年代なので懐かしいです(^^;
2013/06/02(日) 22:31:25 | URL | さん平 #- [ 編集 ]
Re: ミポりん
さん平さん、んちゃー!

“ミポリン”って呼んだら、おっさんバレバレですねぇ。
10代の頃はそうでもなかった印象ですが、
ある時気づいたら、中山美穂って、ものすごく演技がうまいんですよね。
それから、歌もめっちゃうまい!
いまさらですが。

女らしい、というと語弊があるかもしれませんが、
物腰が柔らかくてかわいらしい。
ドラマ「毎度お騒がせ・・・」のおてんば娘も、
素敵な女性になりました。
2013/06/03(月) 12:47:13 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
またもや残念ながら、この作品は知りませんが記事が素敵な内容でした。

中学生位の純粋な恋心って一生の宝物では?

未だに美しい中山美穂。
当時とあまり変わっていませんね

酒井美紀もあまり変わってないわ。
2013/06/03(月) 14:42:56 | URL | ちっち #- [ 編集 ]
Re: 一生の宝物
ちっちさん、こんにちは!

レンタル屋さんにも、これならたぶんありますよ。
よかったら、ぜひぜひどうぞ。

ミポリンも酒井美紀さんも、
まだまだバリバリ活躍されていますよねー。
2013/06/03(月) 19:54:47 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
観たくなりました
なんとなく、今。
やたらと観たくなりました。
確かに、この映画が…。
韓流の原点かも知れません。
中山美穂いいですよね?

ちょっと自慢ですが、
ワタシは、中山美穂さんと話をした事が在ります。
中山美穂さんと、仲村トオル…、そして
今は亡き、脚本家の野沢尚氏と「眠れぬ森」チームが、
徳島テレビ祭に来てくださり、
映画評論家の白井先生と共にシンポジウムを開催させて頂きました。
中山美穂さんのオーラは凄かったです!!
2013/10/29(火) 23:36:58 | URL | 映画カッパ #- [ 編集 ]
Re: 観たくなりました
あ、いま頃気づきました!すんません。

ブログ「映画を眺めちゃおー」さんのとこに、
「ラブレター」の記事がありましたねー。
カッパさんのコメントも拝見しました。
僕も大好きな1本ですので、思わずコメしてしまいました。
はい、何度観てもいい映画だなーと思います。
大人のミポリンもいいけど、
この年頃のミポリンが一番好きかもしれません。

えー!?
会って話したことあるんですかー。
それは聞き捨てならないですねー。
そうですか、やっぱただならぬオーラがあるんですねー。
人の魅力って、ある人はそこにいるだけでにじみ出るんですね。
いいなあー、ミポリンのオーラにさわっただなんて、
エッチだなー、カッパさんたら、もう。

※楽しげな仕事、ちょいちょいされているんですねー!
2013/10/30(水) 18:25:38 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
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