ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。
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南極という極上のスパイス ~ 『南極料理人』


観てると、すごくうまそうで、無性に食べたくなる映画。
そういうのって、何て言うんだっけ?

スローフード・ムービー
『かもめ食堂』とか『食堂かたつむり』とか、映画のトーンがぽよよ~んと癒し系で、
特別なハプニングが起こらないんだけど、食べ物を通じてみんなが幸せになっていく、
って感じのやつ。

癒し系じゃないけど、伊丹十三監督のラーメンウェスタン『タンポポ』や
「踊る大捜査線 THE MOVIE」も撮った、本広克行監督の『UDON』なんかも、
食べ物がモチーフで、食べたくなる映画だよね。

最近では、「ゴールデンスランバー」や「アヒルと鴨のコインロッカー」の
中村義洋が監督した、『ちょんまげぷりん』。
食べ物とタイムスリップ系をうまく合わせた映画だったよね。
それとか、なぜか食いもの屋の役が多い江口洋介と、
蒼井優ちゃんが出てた『洋菓子店コアンドル』なんかもそうかな。

ドラマなら、コレでも江口あんちゃんがシェフ長を演ってる『dinner』。
副料理長の松重豊、好きだなあ。
あ、そういえば、漫画『孤独のグルメ』(久住昌之作)の実写版は
妙な味があっておもしろかったなあ(テレビ東京系、2012年1月~3月・毎週水曜)。
松重豊扮するスーツ姿の主人公が、仕事で全国を巡り、行った先でふらっと入った店で
ぶつぶつ言いながらひたすらうまいもの食べるだけのドラマ!
それから、向井理主役の『ハングリー』あたりか。

漫画なら、『美味しんぼ』はもちろん、大好きな『そばもん』とか。
「そばもん」が映画になったらいいなー。

小説なら、村上龍の『料理小説集』というのがあったっけな。

ずいぶん昔に戻れば、スローフード・ムービーとして撮ったわけではなく、
食べ物をモチーフにした映画でもなく、
“食べ物のシーンが妙にうまそう” なムービーというのもあるよね。

映画なら、チャン・ツィイーが若くてかわいい『初恋の来た道』のお弁当を作るシーン。
『酔拳』で、ジャッキー・チェンが食堂でガツガツ食べるシーンもうまそう。
全然うまそうじゃないけど、『家族ゲーム』の食事シーンも印象的だよね。

ドラマなら、『寺内貫太郎一家』の食事シーンは、誰かが口からご飯を飛ばしてたけど、
自分も食卓に加わりたくなったなあ。
日テレ系でやってた『ちょっとマイウェイ』は、代官山のフレンチレストランという設定で、
お洒落な料理を見せてくれたけど、それよりも僕が気になったのは、
腕利きシェフの緒形拳が屋根裏部屋みたいな自分の部屋で、七輪で餅を焼いているシーン。
あれは妙にうまそうだった。

ドラマの劇中じゃないけど、『傷だらけの天使』のオープニングも毎週食べたくさせてくれた。
あれを真似して、家にあるクッキーや煎餅、ハムや梅干しや漬物なんかをテーブルに並べて、
あの曲を思い浮かべて、ガーッと口に突っ込んで牛乳と一緒に食べてたら、
母親に見つかって叱られたということもあったなあ。



南極料理人_生瀬きたろう

この『南極料理人』は、ストーリーにほとんど抑揚がなくて、
ほとんどが、ダイニングでみんなで揃って食事をするシーン、という印象なんだよ。
ちょっとしたいざこざがあったり、真剣に働くシーンがあったり、
かるーくトラブルが発生したりはするんだけど、物語の大筋に影響するようなもんでもないんだ。
(もちろん、映画の構成要素として大切なんだけど)

南極料理人_屋外

でも、この映画はちゃんとおもしろくできている。
その理由は、“南極” にあるんだと思う、僕は。
なんたって、人が生きているのが不思議なくらいの過酷な環境なんだから、そこにいるだけで
生きてるだけでうれしい、仲間がいるだけで楽しい、食べられるだけでおいしい、
と、“感動ポテンシャルエネルギー” が高まるんだと思う、観るほうも。

それって、料理については・・・
「フツーの環境=おいしい」という図式が、南極というシチュエーションになると、
環境の快適レベルが下がる分おいしいレベルとの差が大きくなって、
それが日常化すると、「過酷な環境=すごくおいしい」という図式に
平行移動的にアップグレードされる
ということ。
フードコーディネーターは『かもめ食堂』と同じ飯島奈美さんだから、なおさらだよね。

南極料理人_調理

だから、ちょっとした出来事が、すごーくおもしろい出来事になってしまう。
観客は、“南極” に連れて行かれるだけで、
この映画の魔法にかけられてしまうんだよ、きっと。

「自分の生きている環境をシンプルにすれば、めしはうまくなるし、
仕事に迷いはなくなるし、家族の仲もよくなるぞ」

なんて言っているような気もするな、この映画は。


なんてったって極寒の地、自分の南極観測隊としての任務を遂行して寝る以外、
食べることくらいしかやることがないんだよな。
そうなれば、“食べること” は生をつなぐことであるとともに、
唯一、仲間が集まって、語らい、楽しみ、時にはいさかい、仲直りする場となる。
都会生活の食事より、ずっと大切な営みとなるわけだ。

映画の中では、キホン、隊員8人みんなが揃って食事をする、
時々、1人2人欠けたりするけど。
な~るほど、「みんなで食べると、おいしいよね」って言うもんね。
それから、「同じ釜の飯を食う」という言葉もあるよね。

そうだ!家族でも仲間でも、いつも一緒に、毎日おいしくごはんを食べられれば、
南極でだって生きてけるんだよ。


監督は、その後『キツツキと雨』(2011)や『横道世之介』(2012)を撮った沖田修一。

キャストは、曲者系の “うまい役者” がズラリ!
でも彼らは、南極基地の食事では一言も「おいしい」とか「うまい」なんて口に出さないんだよ。
でも、観てる人には、とってもうまい。
よくできた映画でっせ、おすすめ!

南極料理人_体操



南極料理人_ポスター

●『南極料理人』
2009年 日本
上映時間:125分
配給:東京テアトル
プロデューサー:西ヶ谷寿一
監督:沖田修一
製作:太田和宏
   川城和実
   春藤忠温
   町田智子
   近藤良英
原作:西村淳『面白南極料理人』、『面白南極料理人 笑う食卓』(新潮文庫)
脚本:沖田修一
音楽:阿部義晴(主題歌:ユニコーン「サラウンド」)
撮影:芦澤明子
編集:佐藤崇
VFXスーパーバイザー:小田一生
フードスタイリスト:飯島奈美、榑谷孝子
出演:堺雅人
   生瀬勝久
   きたろう
   高良健吾
   豊原功補
   西田尚美
   宇梶剛士
   嶋田久作 ほか
受賞:第50回日本映画監督協会新人賞最終候補
   2009年度新藤兼人賞金賞
   第29回藤本賞新人賞


コメント
コメント
B級グルメ
確か最後のシーンで、ハンバーガーを食べて「旨い」と叫びますよね。あのシーン何となくよく分かります。
2013/04/20(土) 08:01:35 | URL | 映画カッパ #- [ 編集 ]
コンニチワ
ドラマでも映画でも料理や食べるシーンて
とても重要だと思いますし、食べるシーン
大好きです。

ちなみにつかりこさんの紹介する映画は
私が見ていない作品が多いのでとても参考になります。
2013/04/21(日) 10:30:02 | URL | ちっち #- [ 編集 ]
Re: B級グルメ
あ、ホントだ!
いろいろなところを忘れているようなので、
もう一回観てみました。

ラストは、「家族はやっぱりいいなあ」って
言いたいんでしょうかね?

いつもご来訪ありがとうございます!
2013/04/21(日) 20:48:43 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
Re: コンニチワ
ちっちさん、こんにちは。

「食べるシーン」って、パワーありますよね。
僕も大好きです。

観たことない映画だって、山ほどありますよ。
おもしろそうなのがあったら、教えてくださーい。

それより、お体、快癒をお祈りしております!
2013/04/21(日) 20:54:04 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
コンニチワ。付けたしです。
ロストクライム -閃光-という邦画が
やたら食べるシーンが出てくるのですが
渡辺大がラーメンを食べるシーンが
何故か私のツボにはまりました。

2013/04/24(水) 11:36:10 | URL | ちっち #- [ 編集 ]
Re: コンニチワ。付けたしです。
ちっちさん、いらっしゃーい。
コメントありがとうございます。
(体調、だいじょぶ?)

んー、すっごいおもしろい映画だしぃ、
原作もおもしろく読ませてもらったんですが、
食べるシーン、覚えてないですねー。

奥田瑛二と渡辺大が、居酒屋とかで話している
シーンでしたっけ?

もいちど、見てみよっかな。
情報ありがとうございます!

僕、けっこう「三億円事件マニア」なんですよー。
(そんなマニアいるのかい)
東京の府中市の事件現場や、国分寺市の犯人がバイクで潜んでた場所や
車を隠してた場所、犯人が車を盗んだ日野市平山団地や
その車を捨てた小金井団地とか、ひとり現場ツアーをしたこともあります。
あ、自分もやってみようと思っているわけではありませんよー(苦笑)。

はい、変なやつですんません。
2013/04/24(水) 20:30:05 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
南極かぁ…
つかりこさん(^^)/こんばんみぃ♪

明日からゴールデンウィークが始まりますけどのんびり出来そうですか?
因みに私はキッチリ仕事です(泣)

食べる場所&人てっ大事ですよね!
歳をとると特にそう感じます。
2013/04/26(金) 21:03:03 | URL | さん平てす! #- [ 編集 ]
Re: 南極かぁ…
さん平さん。こんにちはー!
いつもありがとうございます。

私もがっちり仕事です。
当ブログの更新もままならない状態。
他社に仕事を振って休みに入る人、
けっこういるんですよね、世の中には(笑)。
せっかくの休みですが、お互いにがんばりましょうね。

食べる場所、私は場所柄はあまり気にならないのですが、
その場所の混み具合と、すわり心地は気になりますね。

あと、仕事のお客さんと食べるのも苦手。
味がわかんなくなっちゃいます(なはは)
2013/04/27(土) 14:23:17 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
いやわかります。
三億円事件は本でも読んでみました。
犯人は19歳少年説。若干映画と似通っていたような。

私などそれ以外の物でもそういった本を
読み漁っております。

例えば東電OL事件
世田谷一家の事件
北九州一家監禁殺人事件
57人の死刑囚
等々数え上げたらきりがありません。

だからといって
変な奴では決してないのですよ(笑)

なぜそこに至ったか経緯を知りたい
心理を探りたい

やはり変なのかな~
2013/04/28(日) 16:18:07 | URL | ちっち #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
ハハハー、変な人ですねー、ちっちさんたら(ゴメン)。
僕より変。
僕は、東電OL事件どまり。
これも「ひとり現場ツアー」しちゃいましたけど(ちょいとコワかった)。
(やっぱ変なやつですねぇ)
でも、女性ではそういうの好きな人が少なそうな気がするから、
ちっちさんの方が、「変レベル」が上でしょう。
うそうそ、なんでそういうことになったのかとか、
どういう心理だったのかとか、すごーく気になりますよねぇ。
オウム事件なんかも、いまだにわかったようなわからないような、むずむずです。

いつも、お声掛け、ありがとうございます!
2013/04/28(日) 16:47:48 | URL | つかりこ #- [ 編集 ]
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