ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。



蕎麦屋の建物って、どんなもんだろう?

外観のハナシだけど・・・

まずは、①純和風一軒家店舗タイプだよね。
一部焼けちゃった “かんだやぶ” や “虎ノ門砂場” や “神田まつや” みたいなやつから、
街の蕎麦屋みたいな昭和食堂タイプのものまで。
数寄屋造りのような由緒正しいものから、最近建ったものまで、「町屋建築」のもの。
江戸蕎麦系の蕎麦屋の建物だよね。

それから、地方でよく見る、②古民家民芸タイプ
豪農とか田舎の商家のでかい木造建築。
一本木切り出しの梁や柱が立派な取り廻しのやつ。
昔の住居を転用してるやつや、最初から民芸風店舗として建てたものがあるよね。

②に似てるんだけど、民芸調ではないし、古いとも限らない、
③“農家タイプ” というのもあるよね。
一軒家に違いないんだけど、繁華街なんかの街では “町屋”だよね。
でも、郊外や田舎の一軒家には、この “農家” がかなり多い。
そう、故郷の親戚の本家、って感じの家。
けっこうでかくて、和室が床の間のある部屋から襖仕切りで3部屋くらいつながっているようなやつ。
正月や法事に親戚がわんさか集まって宴会やっちゃうような。
座布団で座って、いすはゼロ。
ちょっと気が利いていて、掘りごたつ式のテーブルがあるとこもあるね。

ニューウェイブ系でよくあるのが、④一軒家住宅改造タイプ
これは、古い町屋でもなく、古民家でもなく、農家でもない、フツーの一軒家。
自分ちの表玄関と1階の和室と厨房を改造して店舗化してるとこ。
これは、住居と兼用だし、高い家賃がかからない分、
このスタイルで独立開業する人が多いんだろうね。
固定資産税はかかるけど。
こちらの内装は、和モダンやモダンが多いかな。

⑤商業ビルやマンションのテナントは、繁華街ならあたりまえだよね。
東京都内みたいな地価の高いところで、
気軽に楽しめる店を成立させるのは難しいんだろうなあ。
これは外装のハナシであって、内装は純和風もあれば、
民芸調も和モダンもモダンもなんでもあり。

あとは、いわゆる “デパ蕎麦” の⑥デパート・専門店ビル食堂街テナント
⑦ドライブインタイプかな。
いずれも、内装はいろいろ。

僕的には、街でも田舎でも、古い一軒家がいいなあ。
江戸時代や明治、大正から続く歴史的建造物とは言わないまでも、
せめて戦後以前くらいに建った、それなりに古い建物で、
駅か自分ちに近くて、蕎麦屋らしいツマミがそこそこあって、
種類が多くなくてもうまい燗酒と冷酒の銘柄が置いてあって、
できれば手打ちで、粗挽きも微粉もあって、安くて。
それで、愛想のいい花番さんがいればいうことなしだなあ。


この前行ったとこは、思いっきり②の古民家の店。

01まるい小手指店_正面外観

古民家どころか、築200年以上というから古古民家くらいの博物館入りクラス!

02まるい小手指店_庭

古民家 “風“ とか民芸 “調” とかじゃなくて古民家そのものなんだよ。

03まるい小手指店_茅葺

昔の武蔵野の民家って、こんなんだったんだ、って実物の中に入れる貴重な一軒だろうなー。

04まるい小手指店_裏外観

もう、かなり傾いちゃっているけどねー。

05まるい小手指店_内観

『まるい』って言って、“うどんと蕎麦” の店。
たまに、“うどんもある蕎麦の老舗名店” もあるけど、
ココは明らかに “蕎麦もあるうどん屋” だなー。

埼玉県所沢市あたりや東京都東村山市あたりには、おいしいうどん屋が多いんだよね。
そう、「武蔵野うどん」って言って、地粉を使って打った、太くて、黒っぽくて、
つるつるしてなくて、コシが強いうどん。
素朴な郷土料理なんだけど、けっこううまいよ。
最近では、まっ白な麺だったり、妙にやわらかかったりする武蔵野うどん屋もあるらしくて、
要は、地元の手打ちうどん屋さん、ってことだよね。

武蔵野うどんは、広大な武蔵野台地の中でも、東京都西部(多摩地区)と埼玉県西部を
合わせた地域に伝わる郷土料理だとのこと。
もともとこのあたりは、関東ローム層である台地の水はけが良すぎて水田を作りずらいため、
小麦の生産がさかんだったらしいんだよね。
このあたりの農家や民家では、家庭でうどんを打って食べるのがあたりまえだったそうだ。
いまでも、冠婚葬祭などの行事でうどんを出すのが習慣になっているところもあるんだって。
長年多摩地区に住んでたけど、僕もついこの間まで知らなかったんだな、このことは。
東京都西部と埼玉県西部ではやたらと沿道で見かける
かかしのイラストでおなじみの「山田うどん」の本社は、所沢にある
というくらい “うどんのくに” なんだよね、武蔵野って。

というわけで、この『まるい』は、この辺の典型的な武蔵野うどん屋さんなのだ。
所沢近辺で、僕が知っているかぎりで3店展開してるはず。
でも、古民家なのはココだけ。
どの店も、うどんの他に、丼ものや刺身、天ぷら、焼き物、煮物など各種料理メニューも豊富で、
地元で大人気の “うどん&蕎麦食堂” なのだ。

パンフレットには、「手打ちうどん そば」とショルダーコピーが書かれていて、
これを見て僕なんかは、うどんの方が主役だというだけじゃなくて、
「うどんは手打ちだけど、そばは製麺会社におまかせ」なのか、
と勘ぐってしまうんだけど、そんなこたあどうでもいいや、
と思わせるパワーがあるんだよ、ココには。

だってね、機械打ちかなんか知らないけど、うまいんだよ蕎麦も。
天ぷらも相当うまいし、茶碗蒸しもうまい。
そして、量も多い。
なによりも、安い!
ココは、前にも書いたけど(※1)、“「めし屋」系蕎麦屋” の典型であり、
その最高峰であると言いたい。
でなけりゃ、平日も休日もなく、ランチタイムも晩ご飯タイムも、
長い行列ができるわけがないもんねぇ。

06まるい小手指店_内壁

07まるい小手指店_柱時計

柱時計のかかる壁を見ると、おつまみメニューに違いないから、
夕方は家族連れや友人連れ、地域の宴会などでも賑わうんだろうね、きっと。


同行2名で行ってたのんだのは、ランチセットメニュー。
もちろん、うどんじゃなくて蕎麦だよー。

最初に出てきたのは「日替わりランチ」
もり蕎麦、かき揚げ(中2個)、茶碗蒸し、しらすと大根おろし、きゅうりと大根の糠漬け、ライス
の全部が、小さなテーブルみたいなでかいお盆に乗っかって出てきて、870円(税込)!

08まるい小手指店_日替わりランチ

桜海老の入った、中くらいのかき揚げが2個だし・・・

09まるい小手指店_日替わりランチかき揚げ

10まるい小手指店_日替わりランチ_小もり

手打ちにも勝るとも劣らない風味豊かな蕎麦が、
小もりに見えるけどたっぷり1人前。
これに、ライスや茶碗蒸しもついているからものすごく腹いっぱいになるんだよ。
これで、870円なんてとんでもない安さだよね。

次に出てきたのが、季節のランチメニューの「穴子天重セット」、780円(税込)!!

11まるい小手指店_穴子天重セット

これも、小もりのせいろに見えるんだけど、
実はせいろに深さがあるので、たっぷり1人前あるんだな。

12まるい小手指店_穴子天重セット_小もり

13まるい小手指店_蕎麦麺

麺の太さの均一度が高いので、たぶん “切り“ は機械に違いないと思うんだけど、
味も香りもちゃんとあって、コシも異常のない、おいしい麺だよ。

それよりも、この穴子天!
一本まるまるで、はみ出すぎー!

14まるい小手指店_穴子天

なすと椎茸の方もサクサクで、つゆのかけ具合も絶妙。
ご飯の炊き方も含めて、手抜きなんて微塵もなくて、うまいのひとことだよ。
その辺の気取った蕎麦屋の天ぷらよりうまいかもしれないや。

15まるい小手指店_穴子天2

うまくて、うまくて、安くて、超腹いっぱい!
なるほど、ココは長年休みなく、こうやって所沢人のパワーを応援してきたんだなあ。
ありがたい店です、いやホント。



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※1
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蕎麦屋ってなんだろう、ってたまに考えることがある。
めし屋なのか、呑み屋なのか、料亭なのか・・・。

それは蕎麦屋が、“○○庵” とか “○○屋” とか言っても、
高いのか安いのか、うまい酒やツマミがあるのかないのか、こだわり系かフツーなのか、
店名やお店の外観、営業時間などではわかりずらいからだと思う。

イタメシ屋なら、パスタ屋なのか、ピザ屋なのか、トラットリアなのか、リストランテなのかで
どんな使い方をしたらいいのか、なんとなくわかるよね。
和食なら、食堂なのか、居酒屋なのか、小料理なのか、割烹なのか、
懐石料理なのかなどでそれとなくわかる。

でも、蕎麦屋となると急に難しくなるよね。
天ぷらとか寿司とかうなぎとか、専門店だと難しいのかなあ。


① ウチは「めし屋」である

営業時間は、昼と夕方の3時間ずつくらい。
丼物とのセットメニューもいろいろある。盛りもいい。
時にはチキンライスもあったりする。値段もだいたい安い!
酒は日本酒1種とビール大瓶、つまみは枝豆くらい。
そう、働く者の強い味方、いつもの店だ。
バカにしているんじゃないよ、僕は実はこういう店が大好きなんでーす。
腹いっぱい、幸せいっぱい食べられるし、
「蕎麦は手打ちで、天重も天ぷら屋顔負けのうまさ」、
というような店も探せばけっこうあるからね。
こういう店が、1980年代までの日本の経済成長を引っ張って来たんだよ。
残念ながら、最近はこういう店を見つけるのが難しくなってきたね。
昔は、駅前といえば1軒や2軒必ずあったんだけど。


② ウチは「ちゃんとした蕎麦屋」である

営業時間は、昼3時間&夕方3時間くらい。
蕎麦屋らしいメニューがそれなりの値段で押さえてあって、
季節を感じさせる天ぷらなどもその折々にある。
ツマミも伝統的な品書きのほか、季節のものやオリジナルもあって蕎麦前をそそる。
「天ぬき」や「鴨ぬき」などの蕎麦屋裏メニューも通じる。
酒も燗酒、冷酒でこだわり銘柄がある。
惜しむらくは、中休みがあるので、昼下がりの蕎麦屋酒ができない。
・・・といった感じかな。


③ ウチは「蕎麦にこだわる、こだわり蕎麦屋」である

一日に、昼の2時間しかやってなかったりする。
昼&夜それぞれ2時間くらいやってても、
「蕎麦がなくなりしだい閉店」だったりする。
酒にもツマミにもあまりこだわっていない。
むしろ、酔っぱらいにはいてほしくないようすだ。
蕎麦単品の値段は、そこそこ高い。
店主に語らすと、長い、説教っぽい。


④ ウチは「蕎麦前を楽しめる蕎麦屋」である

②とあまり変わらないけど、
ツマミメニューと酒のラインナップがもっと多くて、
ぐぐっと呑みたくなる。
夜は、フツーの蕎麦屋は午後8時頃に終わるけど、
このテは9時か10時頃までやっていることが多い。


④’ ウチは「昼下がりの蕎麦前を楽しめる蕎麦屋」である

②または④の「中休みなし」バージョンのありがたい店。
これが意外と少ないよね。
中には、11:00~16:00だけとか、12:10~17:00だけといった
“昼下がりのまったり” を思い切りねらった店もあるよねー。
昼酒をする習慣というか気力というかがなかった僕には、
このテが最も “大人の世界” でわかりにくいんだなあ。
法事の時に、昼間っから酔っぱらっていた、親戚のおっさんを思い出してしまう。
でも、自分も正月なんかは昼から呑むかあ。
ともかく、昼酒の好きな向きには、とってもありがたい店だ。
このタイプが、江戸の蕎麦屋やうなぎ屋の真骨頂なんだろうな。


⑤ ウチは「蕎麦で〆られる呑み屋」である

これは、④と似ているけど、蕎麦屋の範疇から逸脱したツマミがたくさんある店。
逆に蕎麦のメニューがもりだけだったりして、“呑み” と “蕎麦” が逆転している感じ。
そもそも蕎麦屋だから、ツマミが手作りで手間がかかっていて、
器も凝ったりしてるから、まるで小料理屋や割烹料理屋みたいなレベルのとこも。
和風ダイニングバー、という言い方もできるかもね。
ランチタイムに加えて夜遅く11時頃までやっているか、
17:00~23:00だけといった、完全呑み屋型のとこもあるね。


⑥ ウチは「蕎麦懐石料理屋」である

文字通り、蕎麦周辺の素材や季節の食材を使った懐石料理屋。
高いよ。


⑦ ウチは「手打ち蕎麦を食べられる日本料理屋」である

コース料理が蕎麦でシメという料亭や割烹って多いよね。
でも、コレって蕎麦屋じゃないね、すんません。


・・・といったくらい、蕎麦屋にはいろんなスタイルがあるよね。
まあ、ネットで情報収集すればいいんだけど、
行き当たりばったりの看板やたたずまいではわかりずらくてさ。

こうやってみると、東京の老舗名店って、
①から④'までをピシッと押さえているとこがほとんどなことがわかる。
なるほど、さすが!
でも、ほぼ午後8時頃で終わりだから、
昼のほろ酔いはよしだけど、夜中の酩酊に加担する気がないのも特徴だね。
きっぱりと、「酔っぱらってぐだぐだ言ってんじゃねぇや、蕎麦食わねぇんならほか行っとくれ」
っちゅう潔いスタンスが伺えるね。

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『まるい』小手指店
埼玉県所沢市小手指元町3-26-21
04-2948-9759
10:00~21:00
無休


コメント

こんちわぁ♪

全てがすごぉーーーっい!!

店も蕎麦もアナゴも値段も!

萱葺き維持するの大変でしょうね。。。
勝手に無駄な心配しちゃう(笑)

長野は観光客相手の蕎麦屋が多く値段高めが多いから
こういう地元重視のお店は少ないのですよ。

だからたまに雰囲気あって安いお店見つけるとテンション上がっちゃうんですよね♪

近くにあったら是非行きたいお店です!

さん平 #- | URL
2013/04/10 11:25 | edit

Re: こんちわぁ♪

さん平さん、んちゃー!
コメントありがとうございます。

でしょ?なかなかでしょ。
おいしくて、量も多くて、ハナシのタネにもなる店です。
完全に庶民の味方、ってお店ですが、
僕の場合、蕎麦通ではないので、こういう店も好きなんです。
たまに、むしょうに食べたくなって、ガッツリいくんですが、
後から後悔しちゃいます。
あまりにもお腹が苦しくなるので・・・。
こちらにお越しの折りで、もしその時にすごーくお腹が減っていたら
ぜひおすすめです。
(後悔しないでくださいね)

長野は、安曇野にたまたに行くことがあるのですが、
もっともっといろいろなお店に行ってみたくて、
いつもさん平さんのサイトを見て、むずむずさせてもらっています。
これからも楽しみにしておりまーす。
どうぞよろしくです。

つかりこ #- | URL
2013/04/10 15:44 | edit

まるいうどんさん、老朽化を理由に閉店してしまったようです。
今では建て売り住宅が建っています。…(ストリートビュー参照)

今から作ろうとしても作れない、歴史とおもむきのあるお店で、非常に残念ですが、長きに渡りお疲れさまでしたといいたいですね。

貴重なブログ記事をありがとうございました(^^)

ぽぽ #L8Zvtm4s | URL
2016/11/24 18:54 | edit

Re: ぽぽさんコメントありがとうございます。

> まるいうどんさん、老朽化を理由に閉店してしまったようです。
> 今では建て売り住宅が建っています。…(ストリートビュー参照)

↑ああ、そうですねー!
なくなっていましたー。
以前、僕が通りかかった時は、まだ建物は残っていたのですが、
もう建て替わっていますか。

> 今から作ろうとしても作れない、歴史とおもむきのあるお店で、非常に残念ですが、長きに渡りお疲れさまでしたといいたいですね。

↑そうですね、とても残念です。
あれは、博物館ものでしたよね。
市か県が買い取って、移築するなりして
文化財として残せばよかったんじゃないでしょうか。
惜しいと思います。

> 貴重なブログ記事をありがとうございました(^^)

↑いえいえ、拙い記事で申し訳ありません。
ご指摘ありがとうございました!

つかりこ #- | URL
2016/11/25 20:24 | edit

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