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ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

ちょっと、ぶらーっと  


ついこのあいだの休みの日、カメラを持って散歩へ。


001紅屋.jpg


できるだけ歩いたことのない道を探して、
住宅街を縫うようにして歩いていたら、
グレーの鍔つきの帽子を被ったじいさんが
歩いていたんだよ。

横を抜き去ろうとしたら、ぐい、と寄って来た。
「すみません、駅はどっちでしょうか?」

外を歩いていると、よく道を聞かれたりするんだよなあ。
平日に仕事で移動中でも、休みの日でもけっこう
捉まるんだよ、昔から。

で、なぜか外国人が多いような気がする。
しかも、白人。
英語がそんなにできるわけでもないし、
そんなに外をぶらぶらしてるわけでもないのに。

外国人に道を聞かれやすい風貌とかあるんだろうか?
でも、今回は日本人のじいさんだわ。

「んーと、この辺からだとどこの駅にも近くないけど、
どこへ行くつもりなんですか?」
「石神井公園」
「んーと、西武池袋線だよね」
「はい」
「だったら、所沢駅がいいですね」
「ああ、西武線だったらどこの駅でも大丈夫です」

・・・と言っているけど、全然大丈夫そうには見えない。
現に、道に迷っているんだろ、
西武新宿線の電車に乗ったとして、
この昭和レトロじいさんは池袋線に
乗り換えられるのかい?

002行き止まり.jpg


「わかった、所沢駅まで一緒に行きましょう。
僕も所沢駅まで行こうと思って歩いていたんです」
「はっ、ありがとうございます!」

「けっこう遠いけど、大丈夫?」
そうして、僕らは家の建て込んだ路地を
ひたすら歩いた。

「石神井公園へは、何しに?」
「住んでるんです」
「へ? じゃ、石神井公園から所沢へ来たんだ?」
「はい」

「所沢へは、何しに来たの?」
「ちょっと、呑みにでも、と思って」
「・・・って、まだ昼飯どきだよ。石神井公園の駅の
付近にだって飲み屋はいっぱいあるんじゃない?」

「ありますが、ちょっとぶらーっと、
遠くへ行きたい気分で」
「ふーん」
「昔はよく所沢へ来たんだけど、
駅から出たら道に迷ってしまって」

迷うにも程がある。
「駅までは、まだ20分くらいかかるよ」
「最近、頭がおかしくなってねぇ」

いわゆる “徘徊老人” というやつか、って思ったんだけど、
会話の内容はそんなに変な感じはしないよな。
「ホントに頭がおかしな人は、最近、頭がおかしいかも
なんて言わないでしょう、そういう人はたいがい
オレは頭がおかしくなんぞねえ、って言うんですよ」
「わはは」

「あ、ここはさっき通ったところですな」
ちゃんとわかっているのだ。

003あまのや.jpg


駅近くの商店街にたどり着いた時、じいさんは言ったよ。
「お礼に、この辺でビールでも一杯どうですか」
「んー、まだ昼間だし、夕方から少し片づけたい
仕事もあるしねぇ」
「ああ、そうですかあ」

「ほら、あそこが所沢駅のエスカレーターですよ」
「ああ、わかります。もう、帰れます」
「ん、改札まで行ける? キップ買える? 池袋線のホームわかる?」
「わかります、わかります」
「んー、ついでだから、券売機のところまで
一緒に行きましょう」

「ほらほら、石神井公園までなら240円ですよ。
池袋線だから3番線ですよ、行けます?」
って、振り返ってじいさんを見ると、
黒っぽいウェストポーチから千円札の束をごそっと
つかみ出して、こちらへ突き出しているではないか。

「お礼と言ってはなんですが、受け取ってください」だと。
「いやいや、いらない、いらない、そんなつもりは
毛頭ないんですよ、ちょうど僕も駅まで歩くところ
だったんですから」
「でも・・・」
「いいから、物騒だから早くしまって、
石神井公園に着いたら、それでビール呑むんでしょ?」

それから、じいさんは僕に礼を言って、
改札を通って3番線のほうへ歩いて行ったっけ。



後から振り返れば、その日は「敬老の日」だったんだ。
僕は、いいことをしたと思っていたんだけど、
そうではなかったのかもしれないなあ。



ちょっと、ぶらーっと出かけたくなって・・・
住宅街をジグザグ30分ほど歩いて遠くの駅へ・・・
じいさんも僕も、やってることは同じこと。


004枯葉.jpg


005彼岸花.jpg







♪ Uncleあるちゅうの唄 / ふきのとう





♪ Alone Again / John Lennon





♪ 白いページの中に / 柴田まゆみ




コメント

良い敬老の日を過ごされましたね。
そのおじいさん・・・ 将来自分もそんなおばあさんになっていたりしそうで
読んでいてヒヤヒヤしましたよ。

お写真・・・もう秋なんですねぇ〜。
でも、今日の昼間は暑かった!

さとちん #- | URL
2018/09/24 20:28 | edit

本文とは関係ない話ですが、柴田まゆみの“白いページの中に”について。

というか、この曲と北海道の函館の有名な坂って、関係あったような・・・?

彼女のレコード写真に坂道の写真がつかわれたとか・・・

スミマセン、どうでもいいことで(^_^;)

突然、そんなことを思い出しました。

それとジョンのアローン・アゲインなんてものがあったんですね!?

バニーマン #- | URL
2018/09/24 21:37 | edit

いいお話ですね。
それがたまたま敬老の日だったという。
でも、普段からそういう行動をとられているから、“それがたまたま”という偶然の一致も起こりうるんだと思います。

それにしても、手打ちうどん「あまのや」って…。
所沢駅からどう間違えてそんなとこうろついてたんでしょうね? 下って上ってるじゃないですか(笑)。
途中、プロペで一杯と誘われたくだりで、「百味」にでも入ったのかと期待してしまいました。

僕も昔から実によく道を尋ねられます。
じいさんやおばちゃんが多いです。
外国人もときどきあります。白人もアジア系も。
人に道を聞かれやすい風貌とかあるんでしょうかね?(笑)

hobohobo #- | URL
2018/09/25 15:40 | edit

Re: バニーマンさん、コメントありがとうございます。

> 本文とは関係ない話ですが、柴田まゆみの“白いページの中に”について。
>
> というか、この曲と北海道の函館の有名な坂って、関係あったような・・・?
>
> 彼女のレコード写真に坂道の写真がつかわれたとか・・・
>
> スミマセン、どうでもいいことで(^_^;)
>
> 突然、そんなことを思い出しました。

↑ いえいえ、脱線大歓迎です。
もともと、脱線狙いです。

へぇ、そういう風なエピソードでもあるんですかね?
薄い記憶では、テレビ版の「コッキーポップ」で
この曲がオープニングかエンディングで使われていた時に、
函館の風景の動画が使われていたような気がします。
ご本人と函館の関係は謎ですねー、柴田さんは関西生まれの人みたいだし。

> それとジョンのアローン・アゲインなんてものがあったんですね!?

↑ はい、これは僕も「アローン・アゲイン」で検索して出てくるまで
知らなかったです。
どうも、いろんな人がカバーしているみたいですね。

原曲にかなり忠実なバッキングで、素直に歌っているのが
とても好ましく思います。
まるで、ジョンの持ち歌みたいな完成度ですよね?
きっと永遠の名曲のひとつなんじゃないでしょうか。

つかりこ #- | URL
2018/09/25 18:00 | edit

Re: さとちんさん、コメントありがとうございます。

> 良い敬老の日を過ごされましたね。
> そのおじいさん・・・ 将来自分もそんなおばあさんになっていたりしそうで
> 読んでいてヒヤヒヤしましたよ。

↑ けっこうスリリングでしょ?
相手がじいさんではありましたが、
「僕、何かの狙いで騙されているんじゃないか?」とか、
往来に向かってじいさん「助けてくださーい!」とかって、
叫び出したり(濡れ衣)、突然倒れたりするんじゃないかって
想像したりしてドキドキしましたよ。
駅の券売機のところで、札束を出した時には、
僕が通りすがりの大勢の人たちに、強盗に見えてるんじゃないかって、
マジでヒヤヒヤしました。(汗)

さとちんさんが、そんなばあさんになるのはまったく想像できませんねー。
いつまでも、陽気なおばはん・・・あ、ちゃった、おねーたまでいてくださいな。

> お写真・・・もう秋なんですねぇ〜。
> でも、今日の昼間は暑かった!

↑ 葉っぱのやつは、「航空公園」というところの林の中で撮ったものです。
地面は、枯葉がいっぱいの季節になりました。
彼岸花は・・・んー、忘れた。
たぶん、その辺の他人っちのです。(汗)

つかりこ #- | URL
2018/09/25 18:48 | edit

Re: hobohoboさん、コメントありがとうございます。

> いいお話ですね。
> それがたまたま敬老の日だったという。
> でも、普段からそういう行動をとられているから、“それがたまたま”という偶然の一致も起こりうるんだと思います。

↑ 記事にしようと思って、思い出していたら、そういえば敬老の日だ、
って気づいたんです。
わしって、「敬老の日に何か一ついいことやろうボランティアおじさん」かい
と思いました。(笑)

「誰か困っている人はいないか」という顔をして歩いているわけではないんですけどねぇ。
「何かおもしろいことないかな?」とは思っているのですが。

> それにしても、手打ちうどん「あまのや」って…。
> 所沢駅からどう間違えてそんなとこうろついてたんでしょうね? 下って上ってるじゃないですか(笑)。

↑ あ、写真は、じいさんと歩いている時に撮ったものではないんです。
たしかにその日に撮ったものですが、じいさんに出くわす前に僕一人で歩いていた時に
撮ったものです。
写真はアバウトに並べたんです。
文章とズレがありますが、じいさんと出会ったところが、「あまのや」の付近ですね。
じいさんは、所沢駅から線路沿いに航空公園駅のほうに歩いてきたようです。
迷っている間に何人にも道を聞いた、と言っていたので、
きっと、航空公園駅に行くのか所沢駅に行くのかわからなくなったのではないでしょうか。
それにしても、ずいぶん遠くまで迷ったもんです。

道を聞かれた時、航空公園駅が最寄りなので一緒に行こうかと思ったのですが、
石神井公園へ行くというので、「新宿線から池袋線に乗り換えできるのか不安」と
「僕は所沢へ行くので」とで、一緒に所沢駅へ行こうと判断しました。
あそこからは、じいさんにはけっこう遠いのですが。

> 途中、プロペで一杯と誘われたくだりで、「百味」にでも入ったのかと期待してしまいました。

↑ なははは
僕も誘われた時に一瞬、「お、百味に行くことになるのか?」と浮かびましたが、
本文の通り、仕事が控えていたので呑むわけにはいかなかったのと、
「オレ、じいさんにナンパされてるのか?なんかヤバイことになるのでは?」
という恐怖がちょびっとあったから断ったんです。

でも、認知症なのか健常なのかわかりにくいものがありましたが、
後から、あのじいさんひょっとして、さみしかったのではないか、
誰かと話をしたかったのでは?一人住まいなのか?家族は?
なんて考えがぐるぐるしてしまって、
敬老の日の贈り物ならば、もう少しなんとかしてあげられたかなあ、
一杯くらいビールに付き合って、話を聞いてあげればよかったかなあ、
なんても思った次第なんです。

> 僕も昔から実によく道を尋ねられます。
> じいさんやおばちゃんが多いです。
> 外国人もときどきあります。白人もアジア系も。
> 人に道を聞かれやすい風貌とかあるんでしょうかね?(笑)

↑ おお、仲間がいましたね!
これは、社会学的にか、心理学的にか、生物学的にか、
立派な研究の題材になりますよね。(笑)

つかりこ #- | URL
2018/09/25 19:20 | edit

おはようございます。

じいさん、あるあるですね。

きっと、つかりこさんに感謝していらっしゃったのですね。

また、一緒に飲みたかったのでしょうか。

いつか、近いうちにそんな感じの高齢者になって行くのですから。

皆、順番に歳を重ねて行きますよね。

老後は、楽しい日々を過ごしたいと思います。

記事を読み、優しい気持ちになりました。

Miyu #- | URL
2018/09/27 06:08 | edit

Re: おはようございます。

Miyuさん、コメントありがとうございます。

> じいさん、あるあるですね。

↑ あ、「あるある」ですかね。
Miyuさんはたしか、その道のエキスパートでいらっしゃいましたよね。
僕は、初めてでした。
所沢市の広報メールに登録しているのですが、
毎日のように徘徊老人のお尋ねが来ます。
高齢化社会をつぶさに感じますね。

なんか、じいさんを茶化したみたいになっちゃいましたが、
決してそうではなく、別の町に飲みにでも出かけようかな、
というご老人がいるんだなー、自分もそうなりそうだな、
っていう感慨があったもんですから、記録してみました。

> きっと、つかりこさんに感謝していらっしゃったのですね。
>
> また、一緒に飲みたかったのでしょうか。

↑ そうそう、お礼をするのは人として至極まっとうなことですよね。
まあ、げんなまを出すのは少々驚きですが。

でも、後から考えると、じいさんは道案内してほしかったのではなく
一緒にビールでも片手に話をする相手がほしかったのでは?
寂しかったのでは?
したがって僕の対応は、ちょっと間違っていたのでは?
と反省しました。

> いつか、近いうちにそんな感じの高齢者になって行くのですから。
>
> 皆、順番に歳を重ねて行きますよね。
>
> 老後は、楽しい日々を過ごしたいと思います。
>
> 記事を読み、優しい気持ちになりました。

↑ ありがとうございます。
そうですよね。
老後は、「孤独」が一番つらいことなのかもしれませんね。

つかりこ #- | URL
2018/09/27 13:40 | edit

こんばんわ
彼岸花を見ると秋を感じますね

ネリム #oM6tt0T6 | URL
2018/10/03 23:01 | edit

Re: ネリムさん、コメントありがとうございます。

> こんばんわ
> 彼岸花を見ると秋を感じますね

↑ ホントにそうですよね。
僕はとても植物に弱いのですが、
ブログを始めて続けるうちに、皆さんに教えられて
彼岸花の畑を眺めに訪ねるほどのまっとうな人間になりました。(笑)
いつもありがとうございます。

★ネリムさんのところへうかがって、コメしようとするんですが、
弾かれてしまうんですよねぇ。
何が悪いのでしょうかねぇ。

つかりこ #- | URL
2018/10/04 19:30 | edit

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