FC2ブログ

ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

天才が描いた天才 ~『アマデウス』  


001驚き.jpg


あれは、'85年頃だったかな。
社会人になったばかりの頃、同業の友達とシェアハウスというか
シェアアパートしていたんだよ。
2DKの風呂付き。

当時は、バブルがふくらみつつあった時で、
学生や単身者向けのアパート事情もバブル化しつつあって、
それまで聞いたこともなかった、「ワンルームマンション」
というものの林立期だったんだな。

その当時でも、ワンルームマンションなら1部屋・月6万円
くらいしたので、2人で12万円出すつもりなら、
ワンルーム × 2より、もっと広い部屋を借りられる
んじやないか、という算段をしたんだっけ。
結局、2DKで7万円くらいのアパートを見っけ。

それに、僕らの業界、勤務時間が朝も昼も夜もなくめちゃくちゃで、
土日も祝日もへったくれもないことがわかっていたので、
「どうせ、寝に帰ってくるだけ」だから、始終顔を突き合わせて
いることもなく、「野郎二人が同居するわずらわしさもねーべ」、
という想定もあったんだな。



珍しく二人の休みが合致したある日曜日、
「映画でも観るかい?」ということに。
この同居人は、根っからの映画好きで(僕もかなりだったけど)、
ダビングしたソフトをものすごくたくさん持っていたんだよ。

で、僕は、「最近の映画で、これはオススメというのは何よ?」
って聞いたら、すかさず奴は「アマデウス」って答えたんだよ。
アカデミー賞の部門賞をいくつも受賞した作品だから、
僕も少しは内容を知っていたんだけど、
「え、やだなー」って気持ちが湧いたっけ。

だってね、子供の頃に『マクベス』かなんかを観て、
ものすごくつまんなくて、トラウマになっていたんだな。
それからというもの、ヨーロッパの中世とか近世とかの、
あの華美な服装にくるくるカールしたカツラをかぶって、
貴族とか王妃とかが出てくる物語には近づかないように
してた
んだよ。(笑)

ところが奴は、「そういう古典的なハナシじゃないよ。
めっちゃおもしろいから、絶対観てみろ」
と言う。
それでなくても、忙しくて貴重な休みの時間を “ハズレ” に
費やすのはもったいないと思ったんだけど、
「映画好きのコイツが言うんだから」というわけで、
半信半疑のまま観たんだったなー。

ところがこれが確かに、めっちゃおもしろかったんだよ。

くるくるカールのヅラや皇帝とかが出てくる映画への
イメージがいい方へ変わったのはもちろん、
それまで、何を言っているのかわかんなくて全然興味が
湧かなかったオペラへのイメージも変わったし、
“モーツァルトの謎の死” についての興味も湧いたしで、
人生観とか世界観というと大袈裟だけど、
少なくとも映画の好みの幅は広がったんだなー。



それまでの僕は、小学校の時に買ってもらった百科事典の
付録についていたレコードの「モーツァルトのセレナーデ
(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)」くらいしか知らなくて、
モーツァルトといえば皇帝お抱えの宮廷音楽家
とくらいしか認識していなかったんだけど、
この映画を観て全然イメージが変わってしまったんだよ。

映画なんでそこそこの “盛り” もあるだろうから、
鵜呑みにするのは危険に違いないだろうけど、
劇中に描かれたモーツァルトは、まるで「パンクロッカー」
だったんだよ。


002モーツァルト指揮02.jpg


知的で端正な顔立ちをして、きらびやかな貴族の世界で、
美しい音楽を華麗に創り続ける姿という想像とはまったく違ったね。
そりゃ、時代が生んだ天才音楽家には違いないんだけど、
宮廷音楽家というイメージとはだいぶん違うと感じたなー。

常に新しいメロディや歌劇表現を追い求めるあまり、
常に古い考え方やタブーに対抗する、反抗的なミュージシャン
まるで、パンクとかプログレ、グラム、ロキシー、オルタナ
なんかの創始者みたいな。

その上、この映画の美しさといったらないぜ。
名優の演技のすばらしさを最大限に引き立てる衣装、
美術・セット、ロケ、カメラワーク、そしてもちろん音楽・・・
なんてすごい作品なんだろう、って震えたねー。

昔の同居人の受け売りだけど、まだ観ていないのなら、
「絶対、観てみろ」って言いたいな。


003サリエリ老人01.jpg

004サリエリ譜を読む.jpg

005コンスタンツェ03.jpg

006懺悔を受ける神父.jpg

007サリエリのスパイ.jpg



『時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日』、
『カッコーの巣の上で』、『ヘアー』、『ラグタイム』、
『ラリー・フリント』、『マン・オン・ザ・ムーン』、
『宮廷画家ゴヤは見た』・・・
なんて偉大な映画監督を失ってしまったんだろう。

チェコ出身、アメリカ国籍。
両親をアウシュビッツで亡くす。
親戚や友人の家を転々としながら、プラハの国立映画学校を卒業。
米国アカデミー監督賞2回受賞。
『アマデウス』では、アカデミー8部門を独占。

2018年4月13日没。
享年86歳。
Requiescat in Pace - ミロス・フォアマン


008遊興.jpg


009モーツァルト指揮01.jpg





010ポスター.jpg

●アマデウス(Amadeus)
1984 アメリカ
上映時間/158分、180分(ディレクターズ・カット版)
原作/ピーター・シェーファー
監督/ミロス・フォアマン
脚本/ピーター・シェーファー
製作/ソウル・ゼインツ
製作総指揮/マイケル・ハウスマン、ベルティル・オルソン
音楽/ジョン・ストラウス、ネビル・マリナー
撮影/ミロスラフ・オンドリチェク
編集/マイケル・チャンドラー、ネーナ・デーンヴィック
プロダクション・デザイン/パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
特殊メイク/ディック・スミス
衣装/テオドール・ピステック
配給/オライオン・ピクチャーズ(米)、松竹富士(日)
出演/F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、
   ジェフリー・ジョーンズ、チャールズ・ケイ、パトリック・ハインズ、
   ロデリック・クック、ジョナサン・ムーア、ロイ・ドートリス、
   リチャード・フランク、サイモン・キャロウ、ニコラス・ケブロス、
   クリスティン・エバソール、バーバラ・ブリン、シンシア・ニクソン、
   ヴィンセント・スキャヴェリ、ケニー・ベイカー、ケネス・マクミラン ほか
受賞/第57回アカデミー賞
   ・作品賞:ソウル・ゼインツ
   ・監督賞:ミロス・フォアマン
   ・主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム
   ・主演男優賞(ノミネート):トム・ハルス
   ・脚色賞:ピーター・シェーファー
   ・撮影賞(ノミネート):ミロスラフ・オンドリチェク
   ・編集賞(ノミネート):マイケル・チャンドラー、ネーナ・デーンヴィック
   ・美術賞:カレル・サーニー、パトリシア・フォン・ブランデンスタイン
   ・衣装デザイン賞:テオドール・ピステック
   ・メイクアップ賞:ディック・スミス、ポール・ルブランク
   ・録音賞:トム・スコット、クリス・ニューマン、マーク・バーガー、
        トッド・ボークルヘイド
   第9回 日本アカデミー賞(1986年)
   ・外国作品賞
   第42回 ゴールデングローブ賞(1985)
   ・最優秀作品賞(ドラマ部門)
   ・最優秀主演男優賞(ドラマ部門):F・マーリー・エイブラハム
   ・最優秀助演男優賞:ジェフリー・ジョーンズ
   ・最優秀監督賞:ミロス・フォアマン
   ・最優秀脚本賞:ピーター・シェイファー





♪ Andante in C major, K.1a / Wolfgang Amadeus Mozart





♪ Menuett G dur kv.1e, 1f / Wolfgang Amadeus Mozart





♪ "Queen of the Night" aria from "The Magic Flute" by Mozart / Maria Callas









011鉄柱.jpg



012グラフィティ.jpg



013松明堂.jpg


コメント

あー、ミロス・フォアマン!
合掌。

この映画は社会人一年目に、転勤先の倉敷で観ました、多分・・・。
たしか一人で。
基本、映画はほとんど一人で観に行っていましたが。
コンサートは一人で行ったことはないんですけどね。

面白かった!
パンクというかロックンロール!と思いました。

バニーマン #- | URL
2018/04/22 22:28 | edit

お疲れさまです

確か観ましたが・・・すっかり記憶が削除されました^^;
映画好きな同居人!趣味が合う人同士の二人暮らしは楽しそうですね♪
その後、何年ぐらい続いたんですか?
面白エピソードがあれば、いつか聞かせてくださいね^^

ももこ #- | URL
2018/04/23 16:52 | edit

Re: バニーマンさん、コメントありがとうございます。

> あー、ミロス・フォアマン!
> 合掌。

↑そうなんですよ。
あまり大騒ぎにはなっていないようですが、
4月13日に亡くなってしまったんですよ、ミロス・フォアマン。
細部にこだわり、丁寧に、本物の映画をつくる巨匠がまた逝ってしまいました。
僕にとっては、黒澤明監督が亡くなった時と同じくらいのショックです。

> この映画は社会人一年目に、転勤先の倉敷で観ました、多分・・・。
> たしか一人で。
> 基本、映画はほとんど一人で観に行っていましたが。
> コンサートは一人で行ったことはないんですけどね。

↑あ、いいですねー。
僕は、その同居人のビデオで観たので、
劇場で観るべき1本だったと、いまも後悔しています。
いまは、こっちのほうでは「大音響シアター」というのも
ちょぼちょぼあったりして、この作品のデジタルリマスターされたものを
やってくれないかと願っています。

> 面白かった!
> パンクというかロックンロール!と思いました。

↑ね、おもしろいですよね!
モーツァルトやクラッシック音楽やオペラに詳しくなくても
存分に楽しめますよね。

そうか、ロックンロールですねー。
劇中では、あふれる才能で魅力的な音楽を生み出すだけではなく、
宮廷や民心のタブーを打ち破るくだりがいくつもあって、
ただ時代にもてはやされた音楽家というだけでなく、
音楽で世の中を変えるほどの人であったことが描かれていて
とても興味深いものがありました。
モーツァルトは、サリエリのような他の宮廷音楽家に妬まれて
殺されたのか?
体制に反抗的なので、その筋の者に殺されたのか?
仕事を干されて、貧しく野垂死にしたのか?
とにかく、プライベートとは似ても似つかぬ
美しい音楽を残した、ということで、音楽そのもののすばらしさも
教えてくれる映画でしたね。

つかりこ #- | URL
2018/04/24 14:33 | edit

Re: お疲れさまです

ももこさん、コメントありがとうございます。

> 確か観ましたが・・・すっかり記憶が削除されました^^;

↑古い映画の紹介ですみませんねー。
監督が亡くなってしまったので、
ネットやテレビで放映されるのではないかと踏んでいたのですが、
あまり反応がありませんよねー。
お忘れなら、もう一回楽しみが増えます!
ぜひ、また観てみてくださいなー。

> 映画好きな同居人!趣味が合う人同士の二人暮らしは楽しそうですね♪
> その後、何年ぐらい続いたんですか?
> 面白エピソードがあれば、いつか聞かせてくださいね^^

↑3年くらい同居しましたかねぇ。
やはり、仕事がめちゃくちゃ忙しくて、アパートにいる時間も少なかったので
同居人がいてわずらわしいとか、いざこざが起こるということはなかったですよ。
その後、バブルが絶好調になり、彼は職を変えたので、
彼が近所の別のアパートに引っ越して、
僕が一人そこに残ることになりました。
結局、ワンルームマンションより少し高い家賃となりましたが、
一人で2DK暮らしは、快適でしたよ。
掃除・片付けを全然しなかったですが。(汗)

つかりこ #- | URL
2018/04/24 14:44 | edit

こんばんは

映画は長いことまともに見ていないのでアレですけど、モーツァルトは定期的にブームがやって来ます。

そんな中で、昔、“モーツァルトの謎の死”とシンクロするような(笑)体験をしたことがありました。
ちょうど1週間前に別のところにその件のコメントをしたばかりで、今度はつかりこさんで…。
モーツァルトづいていて、やっぱり不思議だな… と。

↓↓↓おもしろい切り口の記事なので、お暇なときにでも…。
https://yonipo.blog.fc2.com/blog-entry-1499.html#comments

hobohobo #- | URL
2018/04/25 19:11 | edit

Re: hobohoboさん、コメントありがとうございます。

> 映画は長いことまともに見ていないのでアレですけど、モーツァルトは定期的にブームがやって来ます。

↑それにしても、通勤電車の中で「レクイエム」ですかあ?
よっぽど、つらい思いでも?(笑)

> そんな中で、昔、“モーツァルトの謎の死”とシンクロするような(笑)体験をしたことがありました。
> ちょうど1週間前に別のところにその件のコメントをしたばかりで、今度はつかりこさんで…。
> モーツァルトづいていて、やっぱり不思議だな… と。
>
> ↓↓↓おもしろい切り口の記事なので、お暇なときにでも…。
> https://yonipo.blog.fc2.com/blog-entry-1499.html#comments

↑あ、ホントだ!
モーツァルト・シンクロですねー。
まあ、僕にはシンクロニシティを呼ぶような能力なんかなく、
ただ、『アマデウス』の監督が亡くなったので、
それこそ、氏の鎮魂のために書いただけなんですけどね。
でも、「鎮魂」ではhobohoboさんとシンクロしてまっか。

僕もスピリチュアルなことはわからないのですが・・・
バロック音楽の音階がヒトを癒すとか、ヒットを生むコツだとか、
チェロの音がヒトを癒すとか、よく言われますよね。
それって、ヒトの聴神経と波長が合っているとか
最近の研究ではヒトの骨や筋肉そのものへ、快楽ホルモンを分泌させる
振動を送る波長だとか言われているようです。

ヒトは、宇宙の運動や化合の法則のもと誕生して、生きているので、
宇宙の一部といえるに違いないですよね。
で、モーツァルトのような天才は、ヒトの快楽や癒しの波長を
生まれながらに知っているのかもです。
そういう意味では、宇宙とパイプでつながっていると言えるのかも。
こういう言い方は、アカシック・レコードと比べて、夢のない説明かもしれませんが、
考察の方法論が違うだけで、行きつくところ同じことなのかもしれませんね。

つかりこ #- | URL
2018/04/26 16:19 | edit

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# | 
2018/06/07 14:14 | edit

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://yurayuragusa.blog.fc2.com/tb.php/324-1ef44db4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

▲Page top