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ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

キミの余命はどれくらい? ~『君の膵臓をたべたい』  


よくある、高校生恋愛もの。
でも、僕は不覚にも泣いてしまった。

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二人の男子女子がいて、その片いっぽうが余命数カ月という
ことがわかってから始まる恋のハナシなんだな。


ふたりの時間はあと少ししかないがゆえに、
つかずはなれずのもどかしさが妙に胸にキュンキュンくる。
そして、最後に恋人が亡くなってしまって、泣かされる。
はい、よくあるパターンでしょ。

でもね、この作品は『セカチュー』みたいな昔からある
「恋人が死んでしまってわかる愛の深さ」的な映画とは
少し違うんだな。
絶妙なスパイスが振りかけてあって、ちゃんと
“いまだから泣ける” 作品に仕上がっていると思うんだよ。



主人公の女子は、クラスの明るく楽しいグループの中心的な存在。
一方、男子のほうは、グループだとか友達だとかクラブ活動とか
人づきあいのわずらわしさが嫌いで、本だけが友達のぼっち少年。
まったく正反対の二人。

その二人が突然、ただの同級生から友達、友達からから恋人へと
なろうとするんだよ。
そう、なろうとしていくところがキュンキュン部分。

そうそう、その正反対なキャラがくっつこうとするところが
このハナシのミソなんだなー。



この映画はね、たぶん、"いじめ" とか "ぼっち" のことを
取り上げたハナシ
なんだろうね。
そのせいで、ただの「恋人が死んでしまう映画」ではなくて、
人を大切に思う気持ちを持つ喜びや、生きてることのうれしさ、
つまり、人が孤独から逃れて「希望」を持つことを
教えてくれるような作品になっているんだろうと思うんだよ。

主人公の女子は、クラスの明るく楽しいグループの
中心的な存在であっても、孤独だったのだ。
たくさんの友達がいても、毎日、おもしろおかしいことばかり
の上っ面のつきあいで、逆に孤独だったのかもしれない。
ホントに人を好きになったり、思いやったりしたことがないんだな。

かたや男子の方も、ぼっちなんだから友達とつきあう楽しさはもちろん、
異性でも同性でも、ホントに人を好きになったことなんて
これっぽっちもないに決まってる。

002図書館.jpg



ヒトの愛情というものが、
質も量も最大値は一定(= 1)であると仮定
するならば、
それを分子にもってきて、友達といつも群れている彼女の愛情は
「1/多数(たすうぶんのいち)」
でできているんだろうな。
自分の持てる愛情を、友達の人数で割ってみれば、
1人あたりの愛情がわかるでしょ?
友達がたくさんいればいるほど、少なくなる。

彼のほうはというと、「1/1(いちぶんのいち)」なんだろう。
しかも、分母も分子も「自分自身」。(笑)

この二人が、分母を「1」にしようとする
しかも、自分自身ではなくて、特定の異性の相手で
そうして二人の愛情を合わせると、「2/1」= 2 ってことになって、
「1/1」よりいいね、ってわけだよね。

要するに、
彼女は、多数分配型の愛情を「一点集中型」に、
彼は、自分への「一点集中型」を相手への「一点集中型」に

死んでしまう前に、変えようとするハナシなんだよ。

「そんなもん、恋愛なんだから、男女の1対1に決まっているだろ」
なんて言わんといてーな。
"群れていても孤独" だった女子と "ぼっちで孤独" な男子のという
設定なんだからさ。

だから、僕がエンディングで感じたことは、
「恋することってすばらしいことだなあ」ということよりも
「人の幸せや孤独って、数で決まるもんじゃないんだな、
質なのだ。ホントに心を許せる人がひとりでもいるか、
ってことなんだなあ」
ってこと。
んー、だからベタな恋愛ものとはちょっと違う感じが
したんだよなあ。

これは、前にも同じような感想を持ったことがあったっけ。
そうそう、重松清さんの『きみの友だち』。

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それから、不幸にも病気で早く死ぬ人と、
フツーに長生きする人とどちらが幸せか?

なんてことも考えたなあ。

時節柄、
日常生活でハンデを抱えながらもパラリンピックで
金メダルをとる人と、フツーに長生きする五体満足な人は
どちらが幸せなのか?
なんてことも。

誤解を恐れず言えば、
たまたま、自分の命が短いことがわかった人とか、
たまたま、不運に見舞われて体が不自由になってしまった人とかは、
ネガティブなことがきっかけではあっかもしれないけど、
たまたま、健常者より少しばかり早く
「ホントの恋や愛をしたり、何かに一所懸命打ち込んだり、
いろんなことを大切にしっかり感じて生きることこそが、ヒトの幸せ」
であることを知った人
なんじゃないかな。

とにかく、想い残しのないようにひたむきに生きるのが幸せ
というもんじゃないのか?

だって、余命宣告をされていない僕らは、
たまたま余命がちょっとばかり長いだけで、
いま体が不自由でない僕らは、
たまたままだ不自由でないだけなんだから。

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原作は、住野よるさんの小説。
監督は、『黒崎くんの言いなりになんてならない』、
『君と100回目の恋』の月川翔
脚本は、『僕等がいた』、『奇跡のリンゴ』、
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、『ホットロード』、『アオハライド』、
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、テレビの『カエルの王女さま』、
『嫌な女』、『わろてんか』の吉田智子

スターダスト・プロモーションの肝いり作品だけど、
いいものはいいわー。





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●君の膵臓をたべたい(君の膵臓をたべたい)
2017 日本
上映時間/115分
原作/住野よる『君の膵臓をたべたい』
監督/月川翔
脚本/吉田智子
撮影/柳田裕男
美術/五辻圭
録音/久野貴司
照明/加藤桂史
編集/穂垣順之助
音楽プロデューサー:北原京子
音楽/松谷卓、伊藤ゴロー(追加編曲)
主題歌/Mr.Children「himawari」
助監督/二宮孝平
製作/市川南
企画・プロデュース/臼井央、春名慶
プロデューサー/神戸明
製作総指揮/山内章弘、上田太地
共同製作/村田嘉邦、戸塚源久、弓矢政法、山本浩、髙橋誠、吉川英作、
     細野義朗、荒波修、林誠、清水美成
ラインプロデューサー/阿久根裕行
製作担当/濱崎林太郎
プロダクション統括/佐藤毅
オリジナル・サウンドトラック/WARNER MUSIC JAPAN
制作会社/東宝映画
製作会社/「君の膵臓をたべたい」製作委員会(東宝、
     博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、双葉社、
     ジェイアール東日本企画、博報堂、KDDI、日本出版販売、
     トライストーン・エンタテイメント、S・D・P、
     東急エージェンシー、GYAO、トーハン)
配給/東宝
出演/浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、
   上地雄輔、北川景子、小栗旬 ほか
受賞/第41回日本アカデミー賞
   ・優秀作品賞
   ・優秀脚本賞 吉田智子
   ・新人俳優賞 浜辺美波、北村匠海
   ・話題作品賞
   第30回日刊スポーツ映画大賞
   ・新人賞 浜辺美波
   第42回報知映画賞
   ・新人賞/浜辺美波、北村匠海







♪ himawari / Mr.Children







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コメント

> 誤解を恐れず言えば、
> たまたま、自分の命が短いことがわかった人とか、
> たまたま、不運に見舞われて体が不自由になってしまった人とかは、
> ネガティブなことがきっかけではあっかもしれないけど、
> たまたま、健常者より少しばかり早く
>「ホントの恋や愛をしたり、何かに一所懸命打ち込んだり、
> いろんなことを大切にしっかり感じて生きることこそが、ヒトの幸せ」
> であることを知った人なんじゃないかな。
そうですよね。本当にそうだと私も思います。
それに、人の幸・不幸って外から見てるだけじゃ分からないものでもありますよねぇ。
ああ、でも、そしたら、ネガティヴなきっかけに遭うこともなく
若くして突然ぽっくり逝くのが一番哀しいかしら?
うん。哀しいよね・・・周りの人も。
哀しみに順位なんて付けられないけど、いろいろと想像を巡らしてしまいます。

つかりこさんを泣かせたこの映画、
テレビで放送されたら(そのうちやりそうですよね)必ずや観たいと思います。
ご紹介ありがとうございました。

さとちん #- | URL
2018/03/22 19:51 | edit

Re: さとちんさん、コメントありがとうございます。

> > 誤解を恐れず言えば、
> > たまたま、自分の命が短いことがわかった人とか、
> > たまたま、不運に見舞われて体が不自由になってしまった人とかは、
> > ネガティブなことがきっかけではあっかもしれないけど、
> > たまたま、健常者より少しばかり早く
> >「ホントの恋や愛をしたり、何かに一所懸命打ち込んだり、
> > いろんなことを大切にしっかり感じて生きることこそが、ヒトの幸せ」
> > であることを知った人なんじゃないかな。
> そうですよね。本当にそうだと私も思います。
> それに、人の幸・不幸って外から見てるだけじゃ分からないものでもありますよねぇ。
> ああ、でも、そしたら、ネガティヴなきっかけに遭うこともなく
> 若くして突然ぽっくり逝くのが一番哀しいかしら?
> うん。哀しいよね・・・周りの人も。
> 哀しみに順位なんて付けられないけど、いろいろと想像を巡らしてしまいます。

↑ そうですね、何の意識もなしに若くして不慮の事故などで亡くなってしまうのが
一番悲しいのかもしれませんね。
覚悟する間も、残りの時間を謳歌する間もないから。
思い残しばかりで、思い残しを確かめる間もないですもんね。

昔、テレビで変なアンケート結果を公表してる番組がありました。
「あなたは、死ぬ時に何を想ったか?」
一番多かったのは、
「あー、あれをやればよかった、あれをやらずに終わってしまった」って、
ことだそうです。
どうやってアンケートしたのかわからないけど。(汗)

> つかりこさんを泣かせたこの映画、
> テレビで放送されたら(そのうちやりそうですよね)必ずや観たいと思います。
> ご紹介ありがとうございました。

↑ 僕はまったく観る気がなかったのですが、
ツレが小説のほうを読んで、「おもしろかったよ」というので
観てみることにしました。
まあ、けっこう「当たり」でした。
ツレは、ラノベみたいだけど、本のほうがおもしろかったと言っていました。

つかりこ #- | URL
2018/03/26 21:08 | edit

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