ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

いまのいやーな空気感 ~ 『恋人たち』  


001橋梁検査1.jpg


ふだん生活していて、なんとなく・・・
「これって、なんか間違ってるんじゃないの?」とか、
「どんだけ我慢すれば、解決するんだろう?」とか、
「こんな泥沼から抜け出したい」とか、
「どうしてこんなに不公平なのだ?」とか思うことって、ない?


002リリー.jpg


僕らの日常には、
●夫婦のマンネリが我慢できなくて、不倫する・・・
●人助けをしようとして、詐欺師に騙される・・・
●すごく有能で価値ある仕事をするのに、給料が少ない・・・
●高過ぎる健康保険料を払っているのに、いざという時の治療費が払えない・・・
●被害者が苦しんでいるのに、犯罪者が法に守られて大手を振って暮らしている・・・
●自分が被害者なのに、世間から咎められる、冷たくされる・・・
●身内が辛い目にあっているのに、見て見ぬふりどころか忌み嫌う・・・
●エラソーに命令するばかりで、責任をとらない先輩・・・
●ゲイだと、危険人物扱いされる・・・
●一番信じていた人が真っ先に去っていく・・・
●あの医者は、あの弁護士は、弱っている人から金を巻き上げる・・・
なんてことが、フツーに転がっているのだ。

003倦怠.jpg

004詐欺.jpg



この映画は、複数の主役がそれぞれの物語を展開する群像劇なんだけど、
僕らがフツーに暮らしていて起こりうる理不尽というか不条理というかの
不幸を淡々と並べた作品
なんだなー。

005先輩.jpg

わざとらしい演出や、びっくりするようなハプニングなんかが
起こらないがゆえに、すごーくリアルな感じがするなあ。
いま身のまわりにある理不尽なことや時代の負の空気
ぜーんぶ詰め込んだんだろうなあ。
そして、『ぐるりのこと』の橋口演出の独特の人間くささ。

そういう、“いま、ホントにリアルな” 社会派の作品として、
2015年のキネマ旬報ベスト・テンで1位をとったんだろうな。

でもねぇ、ハッピーエンドっぽく描かれているけど、
すごーく嫌な気分になる、生活者として落ち着かない気分になる。

ズバリ、観ないほうがいいかもね。(笑)

006弁護士.jpg



こんな不穏な空気の映画を作っちゃってさあ、
では、作った監督ご本人に言い訳してもらいましょう。


007説明.jpg





008ポスター.jpg

●恋人たち
2015年 日本
上映時間:140分
監督:橋口亮輔
原作:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔
製作:松竹ブロードキャスティング
エグゼクティブプロデューサー:平野隆
企画:越智貞夫
企画協力:文藝春秋
プロデューサー:木村理津、大原真人、渡邉敬介、浅野博貴、伊藤正昭
共同プロデューサー:藤井和史、山田昌伸
ラインプロデューサー:武石宏登
制作プロダクション:コブラピクチャーズ
撮影:上野彰吾
編集:橋口亮輔
音楽:Akeboshi
配給:松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ
出演:篠原篤、成嶋瞳子、池田良、安藤玉恵、黒田大輔、山中崇、内田慈、
   山中聡、リリー・フランキー、木野花、光石研 ほか
受賞:第89回キネマ旬報ベスト・テン
   ・日本映画ベスト・テン 第1位
   ・新人男優賞/篠原篤
   ・監督賞/橋口亮輔
   ・脚本賞/橋口亮輔
   第70回毎日映画コンクール
   ・日本映画大賞
   ・録音賞/小川武
   第37回ヨコハマ映画祭
   ・日本映画ベスト・テン 第2位
   ・監督賞/橋口亮輔
   ・助演男優賞/光石研
   第30回高崎映画祭
   ・最優秀監督賞/橋口亮輔
   ・最優秀助演男優賞/黒田大輔
   ・優秀新進俳優賞/篠原篤
   ・優秀新進俳優賞/成嶋瞳子
   ・優秀新進俳優賞/池田良
   第39回日本アカデミー賞
   ・新人俳優賞/篠原篤
   第58回ブルーリボン賞
   ・監督賞(橋口亮輔)
   第25回日本映画プロフェッショナル大賞(2016年)
   ・新進プロデューサー賞/深田誠剛、小野仁史
   第35回藤本賞
   ・奨励賞/深田誠剛、小野仁史







♪ Usual life / Akeboshi





♪ Stop Whispering / Radiohead




コメント

No title

こんばんは。
この作品は観ていないですが、橋口亮輔監督の作品は分かりやすいというか
とっつきやすいというタイプではないけど、見応えがあるものが多いですね。

監督自身がゲイということを、日本においては結構早い段階で公表していましたが、
そういう立場を思って観ちゃうということもあるかもしれないけど、ハッシュの主人公
たちへのまなざしが優しく切なくて、今作もそういった雰囲気があるのかな・・・。
あっ、今作は嫌な気分になるんですね(^_^;)
まー、それも映画の楽しみです。
今はイヤミスが流行っているし、ってそれとはまた違うのかな。

バニーマン #- | URL
2017/04/03 19:27 | edit

面白そう

知りませんでした、この映画。

「恋人たち」ってタイトルつけた意味も観たら分かるでしょうか・・
絶望するけど「再生」もしてくれるんですよね。
でも後味は悪そうですねー。
観る時は口直しの映画も用意して臨みます。笑

ふゆこ #- | URL
2017/04/03 21:38 | edit

Re: バニーマンさん、いつもありがとうございます!

> こんばんは。
> この作品は観ていないですが、橋口亮輔監督の作品は分かりやすいというか
> とっつきやすいというタイプではないけど、見応えがあるものが多いですね。

↑僕は『ぐるりのこと』しか観ていないのですが、
WIKIを読むと、輝かしい受賞歴ですねー。
おかげさまで、ぐんと興味が湧いてきました。

> 監督自身がゲイということを、日本においては結構早い段階で公表していましたが、
> そういう立場を思って観ちゃうということもあるかもしれないけど、ハッシュの主人公
> たちへのまなざしが優しく切なくて、今作もそういった雰囲気があるのかな・・・。

↑『ハッシュ』は、ゲイが出てくる作品なんですか?
監督がゲイということをカミングアウトしたことも知りませんでした。

この作品は、日常的にイヤなめにあっている人たちが登場しますが、
特別にやさしいまなざしというか、贔屓めな視点ではないですねー。
理不尽なめにあっているので、当然登場人物を応援したくなりますが、
特別に肩を持った作り方ではないように思えます。

> あっ、今作は嫌な気分になるんですね(^_^;)
> まー、それも映画の楽しみです。
> 今はイヤミスが流行っているし、ってそれとはまた違うのかな。

↑あ、誤解が生じると困るのですが、
「嫌なヤツらばかりが出てきて、嫌な終わり方で、後味が悪い」
というのとはちょっと違うのです。
「イヤなことばかりが起こるので、気が滅入る」といった感じでしょうか。
でも、映画の撮り方やハナシの作りはピカイチです。
あちらこちらで、心を動かされますし。
やはり、映画賞を撮るだけのことのある作品です。
心が元気な時にでも、ぜひご覧になってみてください。

つかりこ #- | URL
2017/04/04 18:15 | edit

Re: 面白そう

ふゆこさん、いらっしゃませー。
コメントありがとうございます。

> 知りませんでした、この映画。

↑そうですよねぇ。
日本映画、いや外国の映画でも、
劇場公開されてヒットしなかったけど、映画賞などで高く評価された作品って
けっこうあるんですよ。
まあ、そういう作品って「娯楽映画」でないことが多いので、
観ても必ずしもおもしろいとは限らないんですけどね。

この作品もそれ系のひとつと言えるかもしれません。
2015年に、邦画の世界では高く評価された1本ですが、
なんせ、一般庶民の「不幸のようなもの」を描いた作品なので、
暗い、辛い、んですよ。
ただ、「そうだ!僕らはフツーに不条理にさらされながら、
イヤな気持ちをがまんしながら生きているんだ」ってことに
気づかされるという意味では、「えぐり」のきいた
インパクトのある作品だ、ということですよね。

> 「恋人たち」ってタイトルつけた意味も観たら分かるでしょうか・・

↑んー、たしかに複数の「恋人」間で展開する物語ですが、
まったく恋愛ものではないと、僕は思いました。
ご覧になるとわかるはずですが、「いろんなカップルの恋愛機微」
といった種類の内容ではないと思います。
もちろん、「愛」と関係ないことはないのですが、
もっともっと社会派ですねぇ。

> 絶望するけど「再生」もしてくれるんですよね。
> でも後味は悪そうですねー。
> 観る時は口直しの映画も用意して臨みます。笑

↑「再生」らしき終わり方ですが、
あれは「あきらめ」ににも似た感情かもしれません。
他のコメ返しにも書きましたが、
「なんだ、こんな終わり方かよ」みたいな後味の悪さはありません。
イヤなことが散りばめられた映画なので、
全体的に「気が滅入る」感じでしょうか。
でも、強く心を動かされるくだりがいくつもありますので、
このテの作品をあまりご覧になったことがないようでしたら、
一度くらいは観てみてはいかがでしょう?(汗)

つかりこ #- | URL
2017/04/04 18:39 | edit

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# | 
2017/04/05 20:50 | edit

No title

うん、つかりこさんがおっしゃっているような事、日常的と思います。理不尽で回っているのです、世の中は。あたしにとってはそれが当たり前、と感じ、日々生きているのですが、、、それが映画になるとどんな感じ??とても興味を持ちました。え?観ないほうがいい?どうしたら・・・!

きたあかり #- | URL
2017/04/05 21:19 | edit

Re: きたあかりさん、コメントありがとうございます。

> うん、つかりこさんがおっしゃっているような事、日常的と思います。理不尽で回っているのです、世の中は。あたしにとってはそれが当たり前、と感じ、日々生きているのですが、、、それが映画になるとどんな感じ??とても興味を持ちました。え?観ないほうがいい?どうしたら・・・!

↑そうそう!
ポスターのキャッチコピーや監督の言葉をよく見るとわかると思いますが、
私たちはみんな「理不尽に回っている世の中」で、それをもはや「当たり前」として、
「それでも生きている」んですよね。
ホントなら「飲み込めない想い」を「飲み込みながら」生きているという表現です。
「それが映画になるとどんな感じ??」ということで、
バンドエイドを貼ってごまかしごまかし隠している生傷を
わざわざバンドエイドをはがして白昼にさらしているのがこの作品なのです。
嫌なぬるま湯の中をなんとか泳いで生きているのに、
実はその中で溺れていることを思い出させるような作品です。

だから、「何も、痛い、苦しいものをほじくり返さなくても」という気持ちになる。
そこんとこが、僕が「嫌な気分になる=気が滅入る」と言った理由なんです。
「観ないほうがいい」と言ったのは、裏返せば、「そこんとこが平気なら、観るべき」
という意味でっせー。
なんせ、2015年に高く評価された邦画ですから。

つかりこ #- | URL
2017/04/06 04:19 | edit

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# | 
2017/04/07 17:35 | edit

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