ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

県警広報担当官が見たもの ~ 『64 -ロクヨン-』


001広報室.jpg


ド渋な映画だわ。

原作は読んでいないので、実のところはわからないんだけど、
「推理小説」となっているんだね。
でもね、この映画のほうは僕に言わせれば、推理ものじゃないねぇ。
これは、ヒューマンドラマだなー。

前・後編合わせて240分を一気に観たけど・・・
ぶん殴り合いアクションなし、カーアクションなし、爆発なし、
ガンアクションなし、流血なし、スリルなし、謎解きなし、
色恋沙汰なし
・・・でおもしろいんだからすごいよなあ。

ちなみに、映画やテレビドラマのヒットの三大要素は、
「金」、「暴力」、「恋愛・エロ」。
女性誌の三大テッパン記事は、
「ダイエット」、「占い」、「芸能ゴシップ」(最近は記事より「付録」)。

もとい
そう、謎が謎を呼ぶ推理ミステリーというより、
実力派俳優の名演を味わいながら、警察組織というものや
被害者、加害者の心理を探る人間ドラマなんだな。
そして、やっぱりテーマは、「愛」なんだろうな。

そもそも、設定がフツーと違うんだよ。
主役が、県警の広報担当
つまり、マスコミに事件の様子をアウフトプットするという
役割を果たすために、警察の動きと被害者や加害者の動きの両方を
半ば第三者として客観的な目で追う、といったスタイルになってんだよ。

002対峙.jpg

003逆探知.jpg


その視点は、きっと、僕ら映画の観客と同じ感情を持っているんだろうね。
だから、淡々、粛々としたストーリー展開なのに、グイグイ引き込まれるわけだ。

警察の、都合の悪いことを隠蔽する体質、出世のための事なかれ主義、
上司と部下の確執、県警と警視庁の争い、
警察上部からの押さえつけとマスコミの突き上げの板挟みに合う広報官・・・
そういった困難を乗り越えながら進めなければならない捜査、
被害者の悲しみ、恨み、執念、加害者と広報官の家族を思う心のリンク、
そんな事象と心理が入り混じりながら、物語の歯車が重々しく回り続ける。


004犯人.jpg


うむ、ド渋。
節制のきいた、ザ・邦画。
いい作品ですー。

日本のポルノ映画畑で苦労してきた
瀬々監督にも、拍手ですー。





005ポスター.jpg

●64-ロクヨン- 前編/後編
2016年 日本
上映時間:121分/119分
監督:瀬々敬久
原作:横山秀夫
脚本:久松真一、瀬々敬久
製作:映画「64」製作委員会(TBSテレビ、東宝、電通、CBCテレビ、WOWOW、
   朝日新聞社、毎日新聞社、TBSラジオ、毎日放送、RKB毎日放送、KDDI、
   コブラピクチャーズ、北海道放送、東北放送、新潟放送、静岡放送、山陽放送、
   中国放送、GYAO、TCエンタテインメント、日本出版販売)
エグゼクティブプロデューサー:平野隆
企画:越智貞夫
企画協力 - 文藝春秋
プロデューサー:木村理津、大原真人、渡邉敬介、浅野博貴、伊藤正昭
共同プロデューサー:藤井和史、山田昌伸
ラインプロデューサー:武石宏登
制作プロダクション:コブラピクチャーズ
撮影:斉藤幸一
編集:早野亮
美術:磯見俊裕
照明:豊見山明長
録音:高田伸也
音楽:村松崇継
スクリプター:江口由紀子
装飾:柳澤武
スタイリスト:纐纈春樹
ヘアメイク:那須野詞
VFXスーパーバイザー:立石勝
サウンドエフェクト:北田雅也
助監督:海野敦
制作担当:篠宮隆浩
配給:東宝
出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、
   坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、
   烏丸せつこ、小澤征悦、金井勇太、芳根京子、菅原大吉、
   柄本佑、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、
   瑛太、永瀬正敏、三浦友和 ほか
受賞:第8回TAMA映画賞(2016年)
   ・最優秀男優賞/三浦友和(『葛城事件』とあわせて)
   第41回報知映画賞(2016年)
   ・助演男優賞/綾野剛(『リップヴァンウィンクルの花嫁』『怒り』とあわせて)
   第29回日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎賞(2016年)
   ・作品賞
   ・主演男優賞/佐藤浩市







♪ Dirty Work / Steely Dan




Posted by つかりこ on  | 13 comments  0 trackback

13 Comments

きたあかり says...""
あたし、この佐藤浩市さんって苦手でして、だって、『クライマーズ・ハイ』って映画で最悪な役どころでさ~、、、あれ?あれは堤真一さんだった。いつもどっちがどっちかわかんなくなるのよ~。だいたい同じなんですもの。同じですよね~。え?違う?

つかりこさんが「いい映画」とおっしゃるんですもの。いい映画なんだわ!長い尺、グイグイ引き込まれてみます。

>節制のきいた、ザ・邦画

え、どんなだ~(`・ω・´)
2017.03.13 15:19 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.03.13 15:40 | | # [edit]
さとちん says...""
私もこれ観ました。
渋くて面白かったんだけど、長過ぎ〜。
そして記者クラブとのせめぎ合いシーンが・・・なんか・・・いまいち。
これ〜前後編の映画にする必要があったんだろうか〜
NHKのドラマはこけたという噂だけど〜
と映画館へ足を運ばず結局DVDしか観ていないアタシは思いました。
2017.03.13 17:56 | URL | #- [edit]
つかりこ says..."Re: きたあかりさん、コメントありがとうございます。"
> あたし、この佐藤浩市さんって苦手でして、だって、『クライマーズ・ハイ』って映画で最悪な役どころでさ~、、、あれ?あれは堤真一さんだった。いつもどっちがどっちかわかんなくなるのよ~。だいたい同じなんですもの。同じですよね~。え?違う?

↑だはははははー、たしかにキャラがかぶっていますよねー。
堤真一のほうが、怒鳴り声がでかいというか、
ちょっとだけ庶民的なイメージがありますが・・・。
どっちかわかんなくなる俳優、女優、僕も何パターンかありますわー。

> つかりこさんが「いい映画」とおっしゃるんですもの。いい映画なんだわ!長い尺、グイグイ引き込まれてみます。
>
> >節制のきいた、ザ・邦画
>
> え、どんなだ~(`・ω・´)

↑んー、ドンパチが好きな人には地味に見える映画かもですねぇ。
ホントにアクションとかないんですよ。
しかも長いでしょ。
人によっては、眠くなるかもしれませんねー。
「ザ・邦画」と書いたのは、地味で重いトーンが、
昔の推理ものや犯罪ものの映画とおんなじ感じだからです。
何か哲学的な意味とかはないんですよ。
映画のテーマも難しく考えさせるようなものでもないです。
まあ、お時間がある時にでもご覧ください。
観て損するということはないと思うのですが。(汗)
2017.03.13 17:59 | URL | #- [edit]
バニーマン says...""
こんばんは。

永瀬正敏、佐藤浩市より年上に見える!

そんなことは兎も角、そうなんですか、そんなに渋い作品なんですね。
でもこれは観たいな~と思っておりますので。

2017.03.13 19:26 | URL | #- [edit]
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2017.03.13 20:10 | | # [edit]
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2017.03.14 19:51 | | # [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
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2017.03.15 16:59 | | # [edit]
きたあかり says...""
観ました。全編も後編も。

最後、川での格闘シーン、あ~また奥さんが革靴磨くの大変だわ、こりゃ、と思いました。。。
と、そこが一番じゃなくってですね、笑

つかりこさんのおっしゃるとおりで、とても引き込まれました。地味、確かに地味と言えば地味ですが、また、記者クラブとの揉め方の描き方は大げさすぎてゲンナリでしたが、面白いんです。
役者さんの魂の演技も素晴らしい。特に吉岡秀隆が良かったです。人として信念をもって生きるすばらしさよ!ど渋バンザイ!

原作も読んでみよう。ドラマ版も見たいな~( `ー´)ノ
2017.03.15 18:32 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.03.15 18:35 | | # [edit]
つかりこ says..."Re: さとちんさん、コメントありがとうございます。"
> 私もこれ観ました。
> 渋くて面白かったんだけど、長過ぎ〜。

↑そうですよね、激しいことが起こらない分、
少し間延びした感が拭えないでしょうか?
あ、でも、劇場公開は前篇、後編の間が何か月も空くので、
あんなもんでしょうか。
一気観すると、間延び感を感じますかね。

> そして記者クラブとのせめぎ合いシーンが・・・なんか・・・いまいち。
> これ〜前後編の映画にする必要があったんだろうか〜

↑はいはい、僕もそれを感じました。
瑛太くん、あんなに怒鳴ってばかりじゃなくてもいいのに。
せめぎ合いが、薄っぺらなものになってしまっていますよねぇ。

> NHKのドラマはこけたという噂だけど〜
> と映画館へ足を運ばず結局DVDしか観ていないアタシは思いました。

↑申し訳ないけど、でかい画面で観る理由があるかなあ、
って気がしますよねぇ。(汗)
まあ、劇場で観てない人が言ってはいけないセリフでしょうけど。
2017.03.15 20:38 | URL | #- [edit]
つかりこ says..."Re: バニーマンさん、コメントありがとうございます。"
> こんばんは。
>
> 永瀬正敏、佐藤浩市より年上に見える!

↑永瀬正敏50才、佐藤浩市56才だそうです。
まあ、人によってはどっちが年上かわからなくなる年頃ではありますよねぇ。
写真の永瀬正敏は、年をとって疲れた感を出したメイクをしているんでしょうけどね。
永瀬正敏、あまりしゃべんないけど、名演です。

> そんなことは兎も角、そうなんですか、そんなに渋い作品なんですね。
> でもこれは観たいな~と思っておりますので。

↑おもしろくないことはないですよ。
気持ちのあり方に、1本筋の通った作品だと思います。
観て損はないと思います。
2017.03.15 20:43 | URL | #- [edit]
つかりこ says..."Re: きたあかりさん、コメントありがとうございます。"
> 観ました。全編も後編も。

↑おー、行動が早いですねー!
上子さん、お母さんに似たのでは?
ありがとうございました。

> 最後、川での格闘シーン、あ~また奥さんが革靴磨くの大変だわ、こりゃ、と思いました。。。
> と、そこが一番じゃなくってですね、笑

↑ぐふふ、これまた目の付け所がド渋ですねー。
それは、思いつかなかったです。

佐藤浩市が奥さんに、「いつも靴を磨いてくれてありがとう」というシーン、
上司に靴の事で嫌味を言われたのが思い出されて、
上司のバカさと奥さんのやさしさ、佐藤浩市のやさしさが浮き彫りにされて
心動かされました。

> つかりこさんのおっしゃるとおりで、とても引き込まれました。地味、確かに地味と言えば地味ですが、また、記者クラブとの揉め方の描き方は大げさすぎてゲンナリでしたが、面白いんです。

↑そうですね。
さとちんさんへのコメ返しにも書きましたが・・・
記者クラブのシーンは何度も出てきましたが、
記者たちがどなってばかりで、短絡的でしたよねぇ。
もっと、広報官がじわじわと追い込まれるような演出に
できなかったんでしょうか。
あそこは残念ですね。

> 役者さんの魂の演技も素晴らしい。特に吉岡秀隆が良かったです。人として信念をもって生きるすばらしさよ!ど渋バンザイ!
>
> 原作も読んでみよう。ドラマ版も見たいな~( `ー´)ノ

↑これまたまた、ド渋な人を観てましたねー。
うん、たしかに吉岡秀隆と久保田くんは脇役でしたが、
泣かされました。
吉岡秀隆って、あの訴えるような目つきが持ち味ですよね。
いわれてみれば、この映画の役にはばっちりハマっていましたよね。

原作は、主人公の広報官の一人称が書かれていると何かで見ました。
おもしろそうですよね。
2017.03.16 08:58 | URL | #- [edit]

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