あっちがなくなって、こっちがあった ~ 『ニ八そば ひらい』


ちょいと所用があって、秩父へ行ったんだよ。
埼玉県の西のはじっこ。
秩父は最近は、都心からすぐに行けるリゾート、みたいな言い方をされていて、
けっこう人気なんだな。

いろんな名所や催し(「龍勢」とか)が行なわれてるけど、
これからおもしろそうなのは、12月1日~6日に行なわれる
『秩父夜祭(ちちぶよまつり)』だよなあ(行ったことないんだけど)。

京都の祇園祭や飛騨高山祭と並んで、「日本三大曳山祭」って言われているんだってさ。
「曳山(ひきやま)」というのは、「山車(だし)」のことだから、
京都祇園の山車みたいなやつをぞろぞろ街の中を引き回す系ということだね。

「三大」に入っているのは、歴史が古いからかな。
なんせ、300年前からやってるらしいね。
人出もすごいらしいけど。

で、この祭の変わっているところは、その名の通り夜中にやるところ。
12月3日の例大祭には、夜の9時あたりから12時過ぎまで山車が練り歩くらしいんだね。
電車なくなるだろ、って思ったら、その日ばかりは西武鉄道も夜中に臨時運行するんだってさ。
「秩父祭の屋台行事と神楽」が、国重要無形民俗文化財に指定されているそうだ。



用事を終わらせて腹が減ったぜー、ということで当然「蕎麦食おうぜ」というわけ。
これまでは、「こいけ」(http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-category-46.html)
という名店にちょくちょく寄らせてもらっていたんだけど、
残念ながら店主が高齢となったということで、今年の9月に閉店してしまった。

ちなみに、店主の小池さんは、故・片倉康雄氏の直接の弟子だったんだよ。
片倉康雄氏とは、昭和の名店「一茶庵」を創業して現在の手打ちそばブームを創り出し、
蕎麦業界に関わる人たちに神様と呼ばれている人。

昭和の始め頃は、実はほとんどの蕎麦屋が機械打ちだったんだな。
江戸時代から続くような老舗名店でさえもさ。
そんな中で一人がんばって、江戸蕎麦の手打ちにこだわり、
さらには、蕎麦屋を洗練された料理を出す料亭レベルにまで引き上げたのが
片倉康雄氏だったんだよ。
現在の蕎麦屋は、そのほとんどが片倉康雄氏のこだわりとスタイルの
影響を受けていると言っても過言でないというやつなんだな。

その直弟子の一人が小池さんだったというわけ。
神様直伝の蕎麦を打っている人はいまではもう少ないので、
やめてしまったのは、ホントにホントに残念。

ちなみに、「翁」や「達磨」の創業者として名人の名をほしいままにしている
高橋邦弘氏
は、小池さんとは片倉康雄氏の弟子仲間。
いまでは、ちょくちょく見かける石臼挽きの蕎麦だけど、
最初に自家製の石臼製粉機を開発したのは、この二人が協力してやったことだそうだ。

小池さんは、秩父在来種の蕎麦を発展させたり、
蕎麦農家と相談していい蕎麦を作ってもらったり、
開店前に必ず自分の打った蕎麦を試食したり、
自分に合った麺棒を手づくりしたり・・・
いまのニューウェイブと呼ばれるこだわり蕎麦職人の手本となることを
50年も前から毎日フツーにやってきた人だったのさ。



秩父にはうまい蕎麦屋がけっこうあるんだけど、そんなわけで、
あー、秩父からホントにうまい蕎麦屋がなくなってしまったー、って嘆いていたんだよ。
でも、用事ついでとはいえ、「せっかく秩父へ行くんだから、
どっかうまいとこないのかよー」ということでぐぐったら、
けっこうな高評価の店が現れたんだな。

それが、タイトルの『ひらい』なのだっ。
まあ、WEBで高評価でも、んー、それほどでもないかな、
という蕎麦屋はたくさんあるんだけど、ここはかなり良かったわー。

都心方面から行って、秩父の駅に着く少し前に右へ折れて
山の方へ何の変哲もない道を少し行くと、ぽつんと道端にあったよ。

おーおー、なんだあ、プレハブの飯場小屋みたいな建物だわな。

001外観.jpg

これは、何にも知らないで通りすがると、立ち食い蕎麦屋だと思うね。
(立ち食い蕎麦屋を卑下しているわけではないぜー)
なんぼうまいと言ったって、これはちょっと腰がひけるかも。

のれんや、すだれを垂らして、局部的には本格蕎麦屋だな。

002のれん.jpg


「ちわー」って入ると、笑顔とやわらかい声で「いらっしゃいませー」。
人柄(とアタマ)が輝いているわ。

003店内.jpg


4人掛けのテーブルが2~3卓と、奥に上がりがあって、そこも2~3卓。
11:30~15:00だけの営業のところへ14時頃に行ったせいか
客は上がりの卓に4人いるだけだったよ。

004蕎麦茶.jpg

005黒板.jpg

材料を黒板に書いてあって、いいねー。
田舎蕎麦の「秩父産荒川在来種」というのを食べたかったんだけど、
品切れ、無念。
二八の「池田製粉(丸抜き)」というのはなんだ?
品種が書いていないので、なんだかごまかされたかな、って感じ。

006メニュー.jpg

007セットメニュー.jpg

僕がたのんだのは、「ランチセット」の「そばと野菜天丼のセット」。
ツレがたのんだのは、「そばとむぎとろご飯のセット」。
いずれも蕎麦は、メニューにある「もりそば」だそうだ。


008天丼蕎麦全景.jpg

ほれ、これが「そばと野菜天丼のセット」。

009きんぴらと薬味.jpg

ご覧の通り、きんぴらごぼうときゅうりの浅漬けもついているね。
おっと、気づいた?
薬味にネギはないんだなー。
でも、これはケチっているわけではなくて、たのんだらくれるんだよ。
要は、「つゆにネギを入れないで蕎麦をすすってほしい」いうことだよな。


010天丼.jpg

011天丼蕎麦もり.jpg

写真ではわかりずらいけど、これはけっこう白い!
メニューには「さらしな系」って書いてあったけどね。
でも、まっ白ではなくて、ご存知の蕎麦の色(黄緑+グレー+マット)でもない。
限りなく更科(蕎麦の実の挽き始めに出る白い粉)に近い二八ってことだなー
んー、一番粉と二番粉か三番粉を混ぜて作ったりしてんのかな?
きれいに白い二八蕎麦。


012天丼蕎麦アップ.jpg

しかも、瑞々しい透明感がある!
ますます更科っぽいなー。
でもどうやったら、この “透け” が出るんだろう?
水じゃなくて、お湯で打っているのかな?

いわゆる二八蕎麦とは、かなり違うよ。
たぶん、フツーに暮らして蕎麦を食べている人には
見たことのない蕎麦のはず。
「一茶庵」系の典型的な「こいけ」の二八とも、全然違うぞ。


013とろろ蕎麦全景.jpg

ツレのたのんだ「そばとむぎとろご飯のセット」。

014とろろ.jpg

015とろろ蕎麦もり.jpg

やっぱし、白い。


016とろろ蕎麦アップ.jpg

ほら、やっぱし透き通っているだろ?


017箸上げ.jpg

つべこべ言ってないで、とっととすするだけ!

んー、うまいぞー。
店の外観とは大違い。
歯ごたえ、蕎麦の香りと味がバツグンだねー。
辛汁も、魚出し臭くなく、甘過ぎず、やや塩からめでまろやか。
なるほど、こいつは高評価に決まっているわー。

こういう蕎麦は、みんな食べたことないんだろうなあ、
なんて、ドヤ顔で記事書かせてもらってまっせー。
だって、こういう透き通っていて、コシが強めで、ホロッとした噛み応えで、
蕎麦の香りも味も豊かな蕎麦なんぞ、老舗でも名店でも食べたことないものさ。
(もう一軒だけ知ってるけど)
まあ、すべての蕎麦屋に行ったわけじゃないけどね。


018蕎麦湯.jpg

おー、“粉溶かし系” の蕎麦湯が出てきたよ。

019梅干し.jpg

おおっ、梅干し!
こんなに上等な梅干しを蕎麦湯のアテに付けて、
商売大丈夫なのかい?

020蕎麦湯02.jpg


021武甲山.jpg

んー、雲のかかった武甲山のように、
謎に包まれた激ウマの『ひらい』の蕎麦であった。
他のメニューも試して、謎解きに何度も来ることになりそうだべ。



ところで、↓こんなこと知ってた?

■二八蕎麦(にはちそば)って何だべ?

いわずと知れた、
小麦粉と蕎麦粉の割合を2対8で打った蕎麦のことだよね。
ところがだ、この「二八」というのは、
まだ蕎麦に小麦粉を混ぜることをしていなかった(つまり十割蕎麦)が
あたりまえだった時代(文献では江戸時代の慶応年間(1865~1868)以前)
からある言葉なんだね。

じゃ、「二八」って何よ?ってことになるんだけど・・・
当時のもり蕎麦やかけ蕎麦の値段って、16文だったんだよ。
それを江戸っ子のノリと語呂で、“にはちの16文蕎麦” って
言っていたんじゃないかって説があるんだね。

それから、16文払って蕎麦を食って、もう一杯おかわりしても値段は同じ
っていうような商習慣もあったとかで、
なら1杯あたり8文で、8文×2杯で16文だから「二八」ってか、
という説もあるんだな。

ちょびっと、江戸時代の風俗っぽいことも知れたりして、
蕎麦っておもしろいっしょ?


■16文っていくらよ?

そこで気になるのが、
16文っていまの金額に換算したらいくらよ?ってことだわ。

これは、江戸時代って言っても250年あまりも続いたし、
1文あたりの価値が激しく変動したので難しいんだけど、
大ざっぱに1文 = 20円というやり方がわりと一般的のようなので
それで計算すると20円 × 16文 = 320円ってことになるわな。
んー、なるほどいまの立ち食い蕎麦の値段くらいだ、というわけ。

ちなみに、「守貞漫稿」(1853年)という幕末頃の風俗誌に書かれている
蕎麦屋のメニューを見ると・・・

022守貞漫稿_蕎麦屋メニュー.jpg

●蕎麦:16文 = 320円 ※もり蕎麦のことだろうね
●あんかけうどん:16文 = 320円 ※これはなんだろう?かけうどん?
●あられ(蕎麦):24文 = 480円 ※アオヤギの小柱をのせたもの。いまはこれはすごく高いぞ。
●天ぷら(蕎麦):32文 = 640円 ※当時は芝えびの天ぷらのこと。これもいまはもっと高い。
●花巻(蕎麦):24文 = 480円 ※浅草のりを焼いて揉み、花びらみたいにかけそばにトッピング。
●しっぽく(蕎麦):24文 = 480円 ※卵焼き、蒲鉾、椎茸、鶏肉をのせたもの。
●玉子とじ(蕎麦):32文 = 640円 ※溶き玉子をかけ汁に入れて熱を通したもの。
●上酒一合:40文 = 800円


これを見てわかるのは、少なくとも幕末の頃には、
隅田川河口付近の海(江戸前)で、「アオヤギ」や「芝海老」、
「海苔」などがふんだんに獲れたということだよね。
いまは、あんまり獲れないんだよ。

酒が高いねー。

それから、「あられ」とか「花巻」、「しっぽく」、「玉子とじ」
というメニューはいまでもあるところにはあるんだけど、
江戸時代から続く伝統メニューだということ。
めったに見かけないけど、あったら、浅草のすぐそばに浜があって、
ちょんまげ結った漁師さんがアオヤギを水揚げしたり海苔を干していたりする風景を
想像しながら食べてみるのも一興だよね。

ちなみに・・・
●豆腐1丁:60文 = 1,200円!
●玉子1個:20文 = 400円!

●旅籠宿代1人:200文 = 4,000円
●醤油1升:188文 = 3,760円
●髪結(大人):32文 =640円
●吉原(太夫の揚げ代):1両2分 = 約100,000円
●吉原(身売/夫の窮地を救うために妻が吉原へ):80両 = 約5,500,000円
●不倫の示談金:7両2分 = 約500,000円
●富籤(宝くじ当選金):1,000両 = 約70,000,000円
●長屋の家賃(九尺二間の1間/1か月):600文 = 約12,000円
●参勤交代費(金沢~東京 2,000人/12泊13日):3,000両 = 約200,000,000円


がっはっはー



●『ニ八そば ひらい』
埼玉県秩父市山田2675-20
0494-25-1293
11:30~15:00
ランチ営業
定休日/火曜





♪さすらいのギター / 小山ルミ





♪24,000回のキス / ゴールデン・ハーフ





♪私は泣いています / リリィ  (1974年、作詞・作曲 リリィ)


最近、ドラマや映画でよく拝見していたのですが・・・まだ64才という若さなのに。
合掌

Comment

No title
そうそう。ネギを入れると風味が変わる気がして、アタシは最初はネギを入れずに蕎麦をつゆにつけて食べたい派なんだけど、夫は最初からネギを入れるべきだ派で、いつも喧嘩になります!

>こういう透き通っていて、コシが強めで、ホロッとした噛み応えで、
蕎麦の香りも味も豊かな蕎麦なんぞ、老舗でも名店でも

は~い、食べたことな~い。食べてみたいものです。美味しそう。お腹すいてきた。
蕎麦湯、濃いわ~。そんな濃いのも見たことないわ~。梅干しついてるのも見たことないわ~。

と、
>●吉原(身売/夫の窮地を救うために妻が吉原へ):80両 = 約5,500,000円

なるほど。勉強になりました。
がっはっはー

  • 2016/11/11 16:28
  • きたあかり
  • URL
Re: きたあかりさん、コメントありがとうございます。
> そうそう。ネギを入れると風味が変わる気がして、アタシは最初はネギを入れずに蕎麦をつゆにつけて食べたい派なんだけど、夫は最初からネギを入れるべきだ派で、いつも喧嘩になります!

↑僕もたいがいは、ネギは蕎麦湯に入れて飲み食べしますねー。
わさびもつゆには入れません。
蕎麦をすすりながら、口直しにちびちび箸でつまんで食べます。
まあ、その日の気分でつゆに入れてもいいんじゃないかとは思っています。
その人の自由です、自由。

> >こういう透き通っていて、コシが強めで、ホロッとした噛み応えで、
> 蕎麦の香りも味も豊かな蕎麦なんぞ、老舗でも名店でも
>
> は~い、食べたことな~い。食べてみたいものです。美味しそう。お腹すいてきた。
> 蕎麦湯、濃いわ~。そんな濃いのも見たことないわ~。梅干しついてるのも見たことないわ~。

↑はい、珍しいでしょ?
蕎麦屋にはたまに、蕎麦の実を製粉する時に最初の方に出てくる真っ白な蕎麦粉だけを使った
「更科蕎麦」というのがあるんですよ。
それは、水で混ぜてもコネても粘り気の出ない粉なので、
コネる時に熱湯を使うんですよ。
そうすると、配合した小麦粉や蕎麦粉の一部が「糊化」して、
少し透き通った麺ができあがるんです。
ここの蕎麦は、更科粉を使っているわけではないのですが、
かなり白くてなおかつ透き通り気味なので、
フツーの蕎麦粉と更科粉を混ぜた粉をお湯をまわして
コネているんじゃないかと想像しています。
それが、いいとか邪道だとかは僕は全然気にしなくて、
単純に、すごくうまい!というルポでした。

> と、
> >●吉原(身売/夫の窮地を救うために妻が吉原へ):80両 = 約5,500,000円
>
> なるほど。勉強になりました。
> がっはっはー

↑がっはっはー
江戸時代の物価、おもしろいですよねー。
妻の身売り=550万円は高いのか?安いのか?
夫は悲しいのか?うれしいのか?

おいらんさん同士で、「あら、私は580万だったわよ、おほほ」
なんて会話をしてたんでしょうかねぇ?
  • 2016/11/11 18:31
  • つかりこ
  • URL
更新ありがとうございます!
スゴイ!
蕎麦について、これだけ多くの事を語れるなんて!
つかりこさんの蕎麦に対する想いが、しっかりと伝わってきましたよ。
それにしても蕎麦って、深いですね~

このお店の外観からは想像もできないほどの美味しさだったんですね~
ホント麺の色が真っ白!美人さんのお蕎麦ですね♪
コシもあるように見えます。食べてみたい!

つかりこさんのお話を聞いていたら、
小さい頃に食べていた蕎麦のことを思い出して懐かしい気持ちになりました。
ちょっと書いてみようかな。

普段はうどん食べることが多いけど、いま無性に蕎麦が食べたいです!^^


  • 2016/11/12 11:13
  • ももこ
  • URL
こんばんは。

う~ん、ここまで白い、というより多分更級って食べたことが無いと思います・・・?
更級みたいに白っぽいというだけで、更級そのものは食べていないな~。

まいたけの天ぷらがあるのは、関東方面ならでは?
まいたけの天ぷらはもちろん食べますが、中部地区では普通店のメニューに無いです。

立派な梅干しがオマケ!?、それはスゴイ。

何はともあれ、いちどは行きたいですね!

そうそう落語の「時そば」は、しっぽくが十六文だったかな?
違ったかな・・・、記憶があやふやで(^_^;)

りりぃはビックリですね。
合掌。
こんにちは
秩父って聞いただけで、何だか美味しいお蕎麦がありそう、と思っちゃいますが、
やっぱり独特の在来種があるんですね!
そういうのってすごーく心惹かれます♪
在来種を使ったお蕎麦を出すことで、栽培農家さんの応援にもなりますね。
(もちろんそれを食べることも、何よりの応援だけど!)
いい素材のお蕎麦は、しみじみと味わいたくなりますねー。
蕎麦湯のあてが梅干、なんてのもいいですね。

美味しいお蕎麦を食べた後は、景色も違って見えたのでは?
  • 2016/11/13 08:12
  • 里花
  • URL
秩父は少し遠いこともあり、実はまだ行ったことがありません。記事で「こいけ」が今年の9月に閉店したことを知り、行こう行こうと思いながら先延ばしにしたことを非常に後悔しています。長坂翁も訪ねた時はすでに高橋邦弘はおらず、私には普通の蕎麦でした。このまま広島まで行かないと後悔することは目に見えておりますが、さすがに遠くまだ行くことが出来ておりません。ただ新しい蕎麦屋がいろいろと出てきていることは、非常に嬉しいことです。

ちなみに私もネギ、わさびは箸でつまんでちびちび食べる派です。
Re: 更新ありがとうございます!
ももこさん、いつもありがとうございます。
ブログ、やめた訳ではないんですよ。
言い訳はなさけないですが、
最近、ちょっと出張が多くて時間がうまく作れないんですよ。
でも、ぼちぼちまいりますので、
更新に気づいたらいじってやってくださいねー。

> スゴイ!
> 蕎麦について、これだけ多くの事を語れるなんて!
> つかりこさんの蕎麦に対する想いが、しっかりと伝わってきましたよ。
> それにしても蕎麦って、深いですね~

↑僕は蕎麦は好きですが、実はグルメというほどのもんでもないんですよ。
蕎麦屋って歴史が古いところが多いでしょ?
で、その歴史を知ったりするのが好きなんですよ。
でも、そこそこ食べ歩いてみると、たしかに「こりゃ、全然フツーの蕎麦と違うわ」
ってのにも出くわすんですねー。
蕎麦って、フツーに食べているとほとんどどこでも同じようなものですが、
何か話題になっているようなところを見つけて行くと、
新しい個性を発見できたりして楽しいですね。

> このお店の外観からは想像もできないほどの美味しさだったんですね~
> ホント麺の色が真っ白!美人さんのお蕎麦ですね♪
> コシもあるように見えます。食べてみたい!

↑はい、おいしかったです。
やや色白なのは写真の通りですが、フツーの、グレーでつるつるしてて、
クニョッとした歯ごたえの蕎麦とはまったく違うものでした。
コシはあるのですが、ラーメンの麺にような弾力ではなくて、
ホロッとした歯ごたえです。(わかりずらいですねー・汗)
まっ白な「更科」というやつは、香りも味も淡いものですが、
これはけっこう蕎麦の風味が強くて、初めての味わいでしたよ。

> つかりこさんのお話を聞いていたら、
> 小さい頃に食べていた蕎麦のことを思い出して懐かしい気持ちになりました。
> ちょっと書いてみようかな。

↑おー、ぜひ書いてください!
蕎麦のおいしいところというと、よく長野とか山形とか福井とか出雲とか、
いくつかの地域を挙げられますが、実は昔から日本中の人が食べていたもので
土地土地のおいしさがあるはずなんです。
長崎や五島の地粉を食べたご経験があられるなら、
それはとても興味深いお話ですねー。

> 普段はうどん食べることが多いけど、いま無性に蕎麦が食べたいです!^^

↑そうですよね、九州はラーメンより昔から「うどん王国」ですよね。
あごだしの熱いうどんは、讃岐とはまた違ったうまさがありますよね。
そちらの蕎麦、おいしいところを見つけたら、教えてくださいねー。
  • 2016/11/14 18:51
  • つかりこ
  • URL
Re: バニーマンさん、コメントありがとうございます。
> う~ん、ここまで白い、というより多分更級って食べたことが無いと思います・・・?
> 更級みたいに白っぽいというだけで、更級そのものは食べていないな~。

↑あ、そうですか。
「更科」は、もっと白いです、まっ白。
これの起こりは、江戸時代に大名や皇室とかでもてはやされたやつらしいです。
白いので、上品なイメージがお金持ちにウケたんでしょうね。
「御膳蕎麦」などとも呼ばれています。
だから、たぶんいまは東京方面のしかも一部の蕎麦屋でなければ見かけないかもしれません。

でも、「御膳」とか言っていますが、
個人的にはそんなありがたいものでもないと思っています。
蕎麦の実は内側ほど白くて柔らかく、外側にむかって黄緑色が濃くなって固くなっています。
それを製粉機にかけると、まずパカっと実が割れて、内側から粉になっていくんですよ。
だから挽き始めのほうに白い粉が出ることになります。
この粉は白くて美しいのですが、実は蕎麦の香りが薄くで粘り気の出にくい粉なんですね。
ですから、値段も安く、蕎麦を打つ時の「打ち粉」に使われたりする部分なんです。
たしかに、「一番搾り」って感じだし、量も限られるので、
ありがたい感じがしますが、僕的にはそんなにおいしいものでもないという印象ですね。
その、粉で打ったそばが「更科」というわけです。
小麦粉を入れて「つながりやすさ」を確保しても、
なかなかつながらないので、熱湯で粘り気を出してつなげます。
それで、少し透けた麺ができあがります。

ここの蕎麦は、完全な更科ではないですが、更科のよさとフツーの蕎麦のよさを
ブレンドした蕎麦だと感じました。
それが、この店のスタンダード(フツーのもり蕎麦)だというのですから、
かなりひねくれた蕎麦屋ですよね。(笑・汗)
バニーマンさんがこの間食べられた、長坂の翁の蕎麦は
それこそオーセンティックな二八の手打ちの店なので
あれとはだいぶん見た目も食感も違うはずですねー。

> まいたけの天ぷらがあるのは、関東方面ならでは?
> まいたけの天ぷらはもちろん食べますが、中部地区では普通店のメニューに無いです。

↑蕎麦屋にまいたけ天ぷらがあるのは、ポピュラーですね。
もひとつ意味がわかりにくいのですが、そちら方面ではあまりに家庭的なおかずで
店屋物のメニューにはなりにくいということでしょうか?
単に、蕎麦屋ではポピュラーじゃないメニューということでしょうかね?
あ、きのこの天ぷらといえば、しめじの天ぷらって食べたことあります?
こちらでもあまり見かけないのですが、家庭でも簡単に作れるのに
ものすごくうまいですよね?

> 立派な梅干しがオマケ!?、それはスゴイ。

↑よく見かけるのは、「カリカリ梅」ですよね。
ここのは、やや大きめで食紅もあまり使っていなくて、
手づくりっぽかったです。

> 何はともあれ、いちどは行きたいですね!

↑手引きの「田舎」とか「二八」というのを一度に頼んで、
味比べをしてみたいです。
機会がありましたら、ぜひどうぞ。

> そうそう落語の「時そば」は、しっぽくが十六文だったかな?
> 違ったかな・・・、記憶があやふやで(^_^;)

↑あ、そうですねー。
しっぽくを食べて、具込みで16文で、「ひー、ふう、みい・・・」って
数えていくんですよねー。
蕎麦屋、おまけしたんでしょうか?
まあ、江戸時代って物価が事あるごとに激しく変動したので、
その時はかけそば一杯が12文くらいだったのかもしれませんね。

> りりぃはビックリですね。
> 合掌。

↑最近、映画やドラマでよく見かけていて、
りりィさんの芸能活動にとって、またいい時期が来てるなあ
って思っていたのですが・・・残念です。
「私は泣いています」、めっちゃハイキーハスキーですねー。
  • 2016/11/14 19:37
  • つかりこ
  • URL
まいたけの天ぷら
確か群馬の水沢うどんにはまいたけの天ぷらがつきものだったと記憶しています(水沢うどんを食べたことが無いです・・・)が、その情報を知って、知り合いとへ~!?と思ったぐらいまいたけの天ぷらはこちらではメジャーでは無いです。

自宅ではたまに食べるし、宴会料理でもたまに出たりしますが、基本的に蕎麦屋だろうが料理屋だろうが、まいたけの天ぷらが常時あるということは無いです。

“きのこの天ぷら盛り合わせ”というのは、ちょっと山側の方に行くとありますが、
それこそ何のきのこか食べても分からないものが多いです。
毒キノコだったらどうしよう・・・とか言いながら食べています(笑)
Re: まいたけの天ぷら
バニーマンさん、コメントありがとうございます。

> 確か群馬の水沢うどんにはまいたけの天ぷらがつきものだったと記憶しています(水沢うどんを食べたことが無いです・・・)が、その情報を知って、知り合いとへ~!?と思ったぐらいまいたけの天ぷらはこちらではメジャーでは無いです。
> 自宅ではたまに食べるし、宴会料理でもたまに出たりしますが、基本的に蕎麦屋だろうが料理屋だろうが、まいたけの天ぷらが常時あるということは無いです。

↑あー、そういうことだったんですね。
こっちのほうでは、定番というほどではないですが、
わりとポピュラーではありまね。
しかも、なんとなくですが、東京都内より東京の多摩方面や埼玉西部のほうが
まいたけやしめじの天ぷらが付くことが多いような気がします。
江戸蕎麦は、元々はキノコ類のおかずはないはずですし。

ひょっとすると、東京の多摩とその北の埼玉西部は、
さらにその北の群馬の影響を受けているかもしれません。
東京の多摩とその北の埼玉西部は、「武蔵野」と呼ばれる地域で、
「武蔵野うどん」という食文化があるんですよ。
それは、どうも武蔵野の地つながりである群馬のうどん文化が南下したらしいんです。
家庭で打ち、呉汁(大豆のすり汁)で食べたり、お祝いごとや収穫時に食べるなど
習慣が似ているらしいんですね。
うどんや蕎麦のおかずにキノコを食べるのも群馬の食文化の
影響があるのかも知れないな、と感じます。

> “きのこの天ぷら盛り合わせ”というのは、ちょっと山側の方に行くとありますが、
> それこそ何のきのこか食べても分からないものが多いです。
> 毒キノコだったらどうしよう・・・とか言いながら食べています(笑)

↑んーなるほど、キノコの天ぷらは元々は
山のほうのポピュラーな食べ物なのかもしれませんね。
フツーは、キノコは日常的な食べ物じゃないのかも。
でも、東京でも埼玉でも、蕎麦屋に限らずわりとよく食べているかもしれません。
こういう習慣の違いっておもしろいですねー。
ご教示ありがとうございました。
  • 2016/11/15 19:07
  • つかりこ
  • URL
Re: こんにちは
里花さん、コメントありがとうございます。

> 秩父って聞いただけで、何だか美味しいお蕎麦がありそう、と思っちゃいますが、
> やっぱり独特の在来種があるんですね!
> そういうのってすごーく心惹かれます♪
> 在来種を使ったお蕎麦を出すことで、栽培農家さんの応援にもなりますね。
> (もちろんそれを食べることも、何よりの応援だけど!)
> いい素材のお蕎麦は、しみじみと味わいたくなりますねー。
> 蕎麦湯のあてが梅干、なんてのもいいですね。
>
> 美味しいお蕎麦を食べた後は、景色も違って見えたのでは?

↑そうですよね。
在来種というのにはそそられますねー。
その土地の風土を「味」として確かめられるのは
楽しくうれしいものですよね。

本来、日本の各地には在来種がたくさんあるんですよ。
でも、蕎麦は元々それほどありがたい農作物でもなくて、
お米の品種みたいに地域の自慢でもなんでもなかったんですね。
救荒作物と言って、米が不作だった時の代替食料だったからなんです。
でも最近は、蕎麦打ちみたいな手づくりということや
国産の食材が愛されるようになって、
がぜん注目度アップですよねー。

正直、秩父は山の上にでも登るでもしなければ、
さほど風光明媚というものでもないと思うのですが、
蕎麦がうまい、というのは個人的には美しい風景にも
勝るとも劣らない魅力ですわー。
  • 2016/11/16 05:39
  • つかりこ
  • URL
Re: 魔笛さん、コメントありがとうございます。
> 秩父は少し遠いこともあり、実はまだ行ったことがありません。記事で「こいけ」が今年の9月に閉店したことを知り、行こう行こうと思いながら先延ばしにしたことを非常に後悔しています。

↑そうなんですよ。
「こいけ」は去年の10月に行った時に、あと1年やってやめます、
というのを聞いていたのですが、「後進が育たなかったのかなあ」とか
「ぼちぼちでも続けてほしい」と思っていたのですが、
やはりなくなってしまったんです。
「もり」は、細打ちの正統派で香り高く、つゆもさすがのおいしさでしたよ。
それと、更科粉で平打ちした「芥子切り」はバツグンのうまさでした。
私も、遠かったり忙しかったりで、実行できずに後悔することが多いのですが、
短い人生、少しでも多くインプットとアウトプットをしたいなとしたいものだと
思っております。


> 長坂翁も訪ねた時はすでに高橋邦弘はおらず、私には普通の蕎麦でした。このまま広島まで行かないと後悔することは目に見えておりますが、さすがに遠くまだ行くことが出来ておりません。ただ新しい蕎麦屋がいろいろと出てきていることは、非常に嬉しいことです。

↑あ、長坂は行ったことがないんですよ。
近くの狭山に高橋さんの弟子の「翁」があって、
行ったつもりになっていたのですが、そうですか、フツーですか。
まあ、世の蕎麦屋やスーパーで買える蕎麦でさえも、
あの一茶庵や翁のような正統派の二八蕎麦をめざしていると思われるので、
おもしろみが失われているのかもしれませんね。
老舗、名店の蕎麦は、安定感こそがウリなのかもしれません。

そうそう、おっしゃる通り、ニューウェイブと呼ばれる蕎麦屋には、
粗びきとか、寒ざらしとか、富倉そばとか、すごいところがけっこうありますよ。
そして、記事に書かれている通り、それは都心から離れているところに
多いような気がします。
家賃がネックになるのと、水や材料の確保に都会は適さないのかもしれませんね。
この「ひらい」も有名店で修業してから独立したと言っているので、
そのクチにちがいありません。
ただひとつ残念なのは、街なかにないと車で行かざるを得なくなり、
酒と蕎麦前を楽しむことができないことですよね。

> ちなみに私もネギ、わさびは箸でつまんでちびちび食べる派です。

↑麺自体がうまいとか、つゆが絶妙とかということになると、
何も入れないで食べたくなりますよね。
まあ、でも個人的には作法のようなものとして固持するつもりはなくて、
食べる人の好きなようにやればいいと思っています。
まあ、おいしければなんだっていいやな、ってスタンスです。(笑)

うまい蕎麦屋探し、ご一緒したいですねー。
  • 2016/11/16 06:24
  • つかりこ
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