ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。


うん、これはけっこういいぞー。

封切られてから、レンタルが出るまで・・・
「あー、あの森三中とか、オアシズとか、椿鬼奴とかが出てくる
“女お笑い芸人・最後にちょっぴり泣かせるわいわいコメディ系” か、
なんて思ってた。

でも、違ったわー。
これは、れっきとしたヒューマンドラマだなあ。
なるほど、これは海外でも評価されるわけだなあ。

たしかに、森三中の大島ちゃんが男の役をやってることで、
それだけで物語の “ツカミ” はオッケーだし、
彼女(彼)そのものが映画全体の空気を作り出しているんだけど、
それは、よくある女お笑い芸人の “汚れ芸” をやるための小細工じゃなかったんだよ。
大島ちゃんは、見事に男しかも主役になりきっていたぜー。

001大島.jpg

たしかに、日本映画にありがちなぽよよ~んとした “間” の作りと、
“ちょっといきすぎた変なやつ” がいろいろ出てきて、
「やれやれ、そうやって笑わせようってかい?」って感じのシーンが
散りばめられたコメディではあるんだけど、
ちゃんと、いまの世の中が抱える問題や空気をつかんだストーリーだからなんだろうな、
結果、けっこうジーンとくる作品にできあがっていると思う。



<大ざっぱなストーリー>

福ちゃんこと福田辰男は、坊主頭でややぽっちゃり系の塗装工。
32才、独身。
仕事はまじめ。
趣味はイラスト描きと凧づくり。
福福荘っていう木造のアパートに住んでる。

福福荘の住人は、変なやつばかりだ。
寅さんみたいなお人よしの福ちゃんは、
その変な奴どうしのケンカを仲裁してやったりして
驕らずヘコまず平々凡々と暮らしてる。

002凧揚げ.jpg

ある日、仕事仲間の、これまた人のいいダチ(荒川良良)が、
平凡な暮らしに落ち着ききった32才のふくちゃんに、
カノジョを作らせようと持ちかける。
でも、奥手なだけだと思っていた福ちゃんには、深刻な過去が・・・。

003良良と.jpg

またある日、福ちゃんのもとに、杉浦千穂という美女が訪ねてくる・・・。

004水川あさみと.jpg


・・・ってな感じ。



主役の福ちゃんって、フツーの人なんだよ。
塗装工だし、イラストを書くのがけっこううまい、
という設定になっているけど、全然スーパーマンではないんだ。

だめなことはだめ、いいことはいい、
友達のためにひと肌もふた肌も脱ぐし、仕事もちきんとやる、
怒る時は怒こるし、苦手なことはできない・・・
ってな意味で極めてまっとうな人間。

でもね、まわりの人が変な人ばかり。
そういえば、自分のまわりも変なやつばかりじゃないか?
うん、だから福ちゃんがすごくいいやつに見えるようにできているんだな。
「うんうん、フツーってあったかい! フツーってすばらしい!
って、なぜか泣かされてしまったよ。



物語の中盤以降は、大島ちゃんが女であることをすっかり忘れてしまう
そう、この映画は、女子が男に扮装して笑わせる必要なんてまったくないんだな。
逆に考えると、主役は女である大島ちゃんをざわざ起用しなくても
よかったんじゃないかって、一瞬思ってしまった。

でも少し考えて思ったよ。
「いやいや、大島ちゃんだから良かったんだな」って。
その理由は、この物語が必要としている主役のキャラクターを
見事に演りきっている “彼” を観ればわかるさ。



005福ちゃん.jpg





006ポスター.jpg

●福福荘の福ちゃん
2014 日本・イギリス・台湾・イタリア・ドイツ
上映時間:111分
監督:藤田容介
脚本:藤田容介
エグゼクティブプロデューサー:
小西啓介、藤本款、皆川一、杉田浩光、中谷泰志、許潤行
プロデューサー:新井直子、藤村恵子、アダム・トレル
ラインプロデューサー:金森保
制作担当:刈谷真
助監督:海野敦
撮影:池内義浩
編集:堀善介
照明:斉藤徹
美術:安宅紀史
装飾:吉野昌秀
衣装:小里幸子
ヘアメイク:百瀬広美
録音:深田晃
音楽:エコモマイ
制作会社:テレビマンユニオン
制作協力:キリシマ1945
協賛:プロタイムズ・ジャパン
製作会社:「福福荘の福ちゃん」製作委員会
     (ファントム・フィルム、クロックワークス、Third Window Films、
      naniiro、ライトハウス・エンターテイメント、テレビマンユニオン、
      デジタルワン、インクウェル)
配給・宣伝:ファントム・フィルム
出演:大島美幸(森三中)、水川あさみ、荒川良々、芹澤興人、飯田あさと、
   平岩紙、黒川芽以、山田真歩、山本剛史、徳永ゆうき、真行寺君枝、
   古舘寛治、北見敏之、田口主将 ほか
受賞:第6回沖縄国際映画祭 正式出品
   ウディネ・ファーイースト映画祭2014 正式出品
   ドイツニッポンコネクション 正式出品
   ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル2014 正式出品
   台湾・台北映画祭2014 正式出品
   レインダンス映画祭2014 正式出品
   香港アジア映画祭 正式出品
   ハワイ国際映画祭 正式出品
   第18回ファンタジア国際映画祭 最優秀女優賞受賞(大島美幸)
   第24回日本映画批評家賞 新人女優賞(小森和子賞)受賞(大島美幸)







“ Just The Way You Are “ / Billy Joel




コメント

えっ、日本・イギリス・台湾・イタリア・ドイツの作品?

つかりこさんがオススメしないとスルーしそうな作品ですよね(^_^;)。

大島美幸が男役ということで話題になりましたが、そこにしか話題が行かないと
ある種のキワモノ扱いになっちゃうタイプですよね。
製作者も勇気あったなーと思います。

ビリー・ジョエルのあの歌が選ばれているということは、そういう映画でもあるんですね(イメージとしてかもしれませんが)。
ちょっと興味が沸いてきましたよ!

バニーマン #- | URL
2015/09/18 21:09 | edit

Re: バニーマンさん、コメントありがとうございます。

> えっ、日本・イギリス・台湾・イタリア・ドイツの作品?

↑僕もよくわからないんですが、
この映画、最初にどっかの映画祭に出品してから注目されて、
各国で封切られた経緯があるようなんですね。
その時にたぶん、各国の配給会社が「出資」したと
いうことなのではないかと想像しています。

> つかりこさんがオススメしないとスルーしそうな作品ですよね(^_^;)。

↑なはははは(^_^;)。
ハズレが多いので、疑問を感じたらすっとばしてくださいねー。

> 大島美幸が男役ということで話題になりましたが、そこにしか話題が行かないと
> ある種のキワモノ扱いになっちゃうタイプですよね。
> 製作者も勇気あったなーと思います。

↑もともと、大島美幸ちゃんの「おっさんコント」を観た監督がそれを気に入って
オリジナルの脚本を書いたらしいので、キワモノになる可能性が高かったんでしょうけど、
結果、そういう映画じゃなくできあっていると思います。

> ビリー・ジョエルのあの歌が選ばれているということは、そういう映画でもあるんですね(イメージとしてかもしれませんが)。

↑あ、すんません、全然関係ないです。(汗)
映画のほうは、「誠実さ」とか「やさしさ」とかがテーマだと思います。
そういう意味では『オネスティ』のほうがふさわしかったかな?
まあ、いずれにしてもこの映画に合うメロディは全然洋楽って感じじゃないです。(汗)

つかりこ #- | URL
2015/09/19 07:30 | edit

こんばんは

 当地の「ゲ○」に行ってきましたが、ありませんでした。
 去年の春に「つた○」グループのレンタルビデオ屋が撤退し、文化面での貧しさと過疎化を感じます。ま、札幌のいちばん近い所まで15分ほどで行けるのですが。
 この映画は制作がテレビマンユニオンなのですね。中身は変わったのでしょうが、1960年代、70年代は優れたドキュメンタリーを撮ってましたね。

mikitaka08 #- | URL
2015/09/20 00:37 | edit

Re: mikitaka08さん、コメントありがとうございます!

えー、ゲ○にないですか?
んー、そんなにマイナーな作品ではないはずですがねぇ。
いま見たら、オンラインショップにはあるみたいなので、
ゲ○で扱っていないことはないようですね。
そちらの店舗で問い合わせると、取り寄せてくれるかも知れませんね。
でも、観てみてお気に召さなかったらごめんくださいねー。(笑&汗)

テレビマンユニオンは、そうですね、ドキュメンタリーと
海外取材ものの番組が得意なようですねー。
映画もけっこう撮っているようですが、
是枝監督と西川美和監督のものが多いので、
ドキュメンタリーではないですが、やはり
ドキュメンタリータッチな社会派系が多いみたいです。

でも、『福福荘・・・』は、だいぶんタッチが違うと思います。
コメディですからね。
全然、テレビマンユニオンらしくないですねー。
少し転換を図りつつあるのでしょうかね。
今後も楽しみです。

つかりこ #- | URL
2015/09/20 05:01 | edit

観る

観ようかな、やめよっかな、と思っていた作品です。
まあ、つかりこさんがそうおっしゃるなら、観るわよん。
楽しみが増えました。

きたあかり #- | URL
2015/09/20 23:34 | edit

おはようございます。

観たいと思っていた映画です。
つかりこさんの紹介で、なお観たいと思いました。
大島さん、男役すごく似合うでしょうね。ママにもなられましたけど。

この手の映画は、意外と好きなのです。
ハラハラドキドキするよりも、ありふれた日常を感じるものがいいですね。
友人の医師は、涙が出るような感動ものは観ないそうです。
ただ、笑いたいらしいです。

常に緊張にさらされると頭を休めたいのでしょうか(*^_^*)
この映画すすめてみようかしら。

Miyu #- | URL
2015/09/21 07:01 | edit

未見ですが、大島ちゃん、すごいですね。

> もともと、大島美幸ちゃんの「おっさんコント」を観た監督がそれを気に入って
> オリジナルの脚本を書いたらしいので、
そんな脚本書いてもらったら芸人冥利につきますね。
めっちゃ嬉しいと思うわ。

>「うんうん、フツーってあったかい! フツーってすばらしい!」
ふふふ、そしたらコレは我らフツー人に対する応援歌だね。
自分がフツー過ぎてつまらなく感じた時にでも観よっかな。

さとちん #- | URL
2015/09/21 18:16 | edit

Re: 観る

きたあかりさん、コメントありがとうございます。

> 観ようかな、やめよっかな、と思っていた作品です。
> まあ、つかりこさんがそうおっしゃるなら、観るわよん。
> 楽しみが増えました。

↑お忙しそうでしたら、いつでもごゆっくりどうぞ。
芸術的というような作品ではないと思うのですが、
「お笑いタレントもの」ではないですねー。
個人的には、コメディでもないと思っています。

つかりこ #- | URL
2015/09/22 10:13 | edit

Re: さとちんさん、コメントありがとうございます。

> >「うんうん、フツーってあったかい! フツーってすばらしい!」
> ふふふ、そしたらコレは我らフツー人に対する応援歌だね。
> 自分がフツー過ぎてつまらなく感じた時にでも観よっかな。

↑うん、コレ観てて思ったんですが、
人間、どっか変なとこ、イヤなとこがあるのがフツーなんだろうなって。

この映画の主人公は、誠実で、友達想いで、感受性も豊かで、
まじめに働いていて、おならもするし・・・フツーというか
至極「まっとう」な人間なんですよ。
それで、そのまっとうな人間がもっともスーパーマンなんだろうな
って、いまさらながらに思ったしだいでした。

この映画は、僕に言わせれば、コメディじゃないですねぇ。
お約束のオチですが、なかなかよかったです。
寅さん映画がダメな人はもだめかもです。

つかりこ #- | URL
2015/09/22 15:18 | edit

Re: おはようございます。

Miyuさん、コメントありがとうごさいます。

> 観たいと思っていた映画です。
> つかりこさんの紹介で、なお観たいと思いました。
> 大島さん、男役すごく似合うでしょうね。ママにもなられましたけど。

↑大島さんは演技がうまかったです。
観る前は、お笑いネタとして男役をやっているのかと思いましたが、
見事に男になり切った、名演でした。

> この手の映画は、意外と好きなのです。
> ハラハラドキドキするよりも、ありふれた日常を感じるものがいいですね。
> 友人の医師は、涙が出るような感動ものは観ないそうです。
> ただ、笑いたいらしいです。
>
> 常に緊張にさらされると頭を休めたいのでしょうか(*^_^*)
> この映画すすめてみようかしら。

↑そうですね、肩の力を抜いて観ることのできる作品だとは思いますが、
人によっては、うれし涙が出るかもしれません。
あったかい、いい映画だと思います。

お仕事で、心の問題にも接しているのでしたっけ?
虐待等で心に問題を抱える子供たちを預かる施設の
シリアスなハナシを最近観たのですが、
↓もし、ご興味があるようでしら、どうぞ。

『ショート・ターム』(96分・米・2013)

つかりこ #- | URL
2015/09/23 01:13 | edit

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