ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。



001シュガーマン_ロドリゲス02.jpg



ロックミュージシャンのドキュメンタリー映画。



主人公の名前は、ロドリゲス。

ネイティブアメリカン系のアメリカ人。

1960年代後半の不況の真っただ中のデトロイトの片隅を漂っていた。

そう、漂っていた。

45年前の彼を知っている人間は、彼を浮浪者だと思っていたんだから。



彼はビルの解体工事の仕事をしながら、地元のライブハウスで歌っていた。

景気後退で希望がシュリンクしつつある街の片隅で、打楽器のようなギターの音に載せるものは “嘆きの詩” だ。



貧困や、貧困から生まれる犯罪や、不当な管理社会などへの嘆きと罵倒。

ロドリゲスの歌は、狭くて不幸な街の人々の胸を打ち続けた。



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大物プロデューサーに拾われ、彼はメジャーレーベルからレコードデビューした。

2枚リリースしたアルバムは、まったく売れなかった。



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004シュガーマン_カミング・フロム・リアリティジャケ.jpg



ボブ・ディランに似ていると言われるが、それはかなり違う。

もっと、エッジが立っているのだ。

静かだけど、触れると手を切りそうな心の叫びは、鋭利すぎてアメリカに受け入れられなかった。



ロドリゲスの歌と名前は、アメリカに広まることはなかった。

知っている少数の人たちの脳裏には “自殺” と記され、生きていた時の記憶も消えつつあった。





ある音楽ジャーナリストが、不思議な現象に目をとめた。

ロドリゲスのレコードとCDが、南アフリカで売れているという!



アメリカで6枚しか売れなかったレコードが、どうやってアフリカ大陸に渡ったのだ?

アパルトヘイト時代に、発禁になりながらも爆発的に売れたという。

この40年で100万枚以上も売れているのだ。

アメリカでの数字とはわけが違う。

人口や経済力で計ると、とんでもない数字だ。



ロドリゲスの歌は、アパルトヘイト反対を掲げる音楽ムーブメントのバイブルになっていた。

本人が行ったこともない国で。



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“シュガーマン” を愛してやまない、ヨハネスブルグのレコード店店長



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ロドリゲスの版元、サセックス・レコーズ元社長。著作者に無断で南アのレーベルに版権を売ったのか?



彼のレコードを出版してる南アのレーベルは、どこから版権を買ったのか?

それとも海賊版なのか?

作者が取るべき印税はどこに支払われているのか?





調べ着いたところには、驚愕の事実と大きな感動が・・・。



007シュガーマン_ロドリゲス01.jpg





アメリカのロックはまやかしもんだ。

本物のロックは南アフリカにある。

1994年、アパルトヘイト撤廃。

2013年12月5日、ネルソン・マンデラ死去。

ロドリゲスの歌が売れているうちは、南ア国民の幸福はまだまだ遠いところにある、と僕は思う。






008シュガーマン_ポスター.jpg

●『シュガーマン 奇跡に愛された男』(Searching for Sugar Man)
2012年 スウェーデン、イギリス
上映時間: 86分
監督:マリク・ベンジェルール
製作:サイモン・チン
製作総指揮:ジョン・バトセック
音楽:ロドリゲス
撮影:Camilla Skagerstrom
編集:マリク・ベンジェルール
配給: ソニー・ピクチャーズ・クラシックス(米)、角川映画(日)
受賞:アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞
   英国アカデミー賞 ドキュメンタリー映画賞
   英国インディペンデント映画賞 外国作品賞ノミネート
   放送映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞
   シカゴ映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞ノミネート
   ロンドン映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞ノミネート
   ワシントンD.C.映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞ノミネート
   ロサンゼルス映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞次点
   トロント映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞次点
   ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 ドキュメンタリー映画賞
   全米製作者組合賞 ドキュメンタリー映画賞
   ダーバン国際映画祭 観客賞(ドキュメンタリー部門)
   サンダンス映画祭 ワールドシネマ ドキュメンタリー部門 観客賞
   ワールドシネマ ドキュメンタリー部門 審査員特別賞
   ワールドシネマ ドキュメンタリー部門 審査員大賞ノミネート
   ロサンゼルス映画祭 観客賞(ドキュメンタリー部門)
   モスクワ国際映画祭 ドキュメンタリー映画賞


コメント

No title

>調べ着いたところには、驚愕の事実と大きな感動が・・・。

え~?なになに~??どうだったワケ~???
ワタシにも驚愕と感動のおすそわけをくださ~い!!!

さとちん #WOq6nlhY | URL
2014/04/29 16:42 | edit

Re: さとちんさん、コメありがとうございます!

> え~?なになに~??どうだったワケ~???
> ワタシにも驚愕と感動のおすそわけをくださ~い!!!

↑その後のストーリーは内緒ですー。
 ドキュメンタリーなので、シンプルなストーリーなんです。
 あらすじを語ると、それだけでかなりネタバレになるので。
 すんません。(笑)

 あとふたつ、この作品の魅力を挙げれば・・・
 ●その幻の歌を聞くことができる。静かな曲です。
 ●ドキュメンタリーなのに映像がかなり凝っている&きれい!
 ・・・です。
 ぜひ、どうぞ。

つかりこ #- | URL
2014/04/29 22:10 | edit

No title

なんか感動。そして自分も続きがしりたくてしょうがないんですが(^_^;)
レンタルされてるんですか?

ヒッシー #- | URL
2014/04/30 07:23 | edit

Re: ヒッシーさん、コメありがとうございます

僕もTSUTAYAでレンタルして観たんですよ。

この映画は、セルDVDの特典映像によく、
監督やスタッフのインタビュームービーが入ってたりするでしょ?
あんな感じで進むんだけど、
映像や編集が凝っていて、雑なドキュメンタリーとは
一線を画している作品にできあがっています。

ロドリゲスの曲は、僕の記事を読むと、
自分でもパンクか何かみたいな印象ですが、
フォークというかポップスというか、うるさい系の音楽ではないです。

もちろん、感動ももらえます。

ぜひ、どうぞ!

つかりこ #- | URL
2014/04/30 13:37 | edit

こんにちは

アメリカで受け入れられなかったロックが、南アフリカで・・・。
何だかゾクゾクする話ですね。
音楽になった魂の叫びは、国や民族を超えて、人の魂に響くのでしょうね。
そしてギターも・・・。

里花 #- | URL
2014/04/30 16:11 | edit

Re: こんにちは

里花さん、コメありがとうございます。

毎日毎日、アーティストがデビューしては消えて行くのが音楽ビジネスの世界ですが、
この映画みたいにどこかで評価されて生き残れるとうれしいですよね。

ロドリゲスはネイティブアメリカン系の人で、70年代には差別されていたはずです。
1に黒人、2に黄色人種、3・4がヒッピー、ゲイという順番でしいたげられていたようです。
そんな彼の叫びが、アパルトヘイトに苦しむ南アの民衆の気持ちに
マッチしたということみたいです。
音楽をなりわいとしようと考えたことのある人には、しみる作品だと思います。

魂の音色、国や民族を超えて響かせてくださいね、里花さんも!!

つかりこ #- | URL
2014/04/30 18:45 | edit

こんばんは
アーテイストは売れる人ばかりではないんだなと思いました。

ネリム #oM6tt0T6 | URL
2014/04/30 18:56 | edit

Re: ネリムさん、いつもありがとうございます。

> アーテイストは売れる人ばかりではないんだなと思いました。

↑ていうか、ほとんどが売れないんでしょうね。
 才能があって、ホントにいい作品を作れても、
 売れない人は売れない。

 そういうことに出くわすと、
 やっぱり世の中は人と人の絆で動いているんだ、
 って思い知らされます。

つかりこ #- | URL
2014/04/30 19:21 | edit

観てみたい

シュガーマン 奇跡に愛された男…。
ここまで書かれたら、何が何でも観てみたい!!
TSUTAYAを覗いてみます。

映画カッパ #- | URL
2014/04/30 23:53 | edit

Re: 観てみたい

師匠、コメントありがとうございます。
風邪、治りましたか?

お好みに叶うかどうかはわからないのですが、ぜひどうぞ。
音楽ムービーとして、気楽に観てもいい感じですよ。

つかりこ #- | URL
2014/05/01 13:52 | edit

No title

面白そうな映画ですね、初めて知りました。
シュガーマン、聴いてみましたがイイですね!
大ヒットはしなくとも、根強いファンが支持しそうですが…。

どんな優れた作品もプロモートがなければヒットは難しいですが
彼の出自とか作用したのでしょうか…。

Beat Wolf #- | URL
2014/05/05 22:04 | edit

Re: Beat Wolf さん、コメントありがとうございます!

映画を観るとわかりますが、プロデューサーは超大物のヒットメイカーですし、
レーベルも申し分ないので、そうとうな力の入ったデビューだったんじゃないか
と思います。

'70年代初頭ですから、映画の世界では、反体制的な「アメリカン・ニューシネマ」
の時代だったので、こういう反抗的な路線を狙いに行ったんでしょうが、
歌詞が退廃的過ぎてウケなかったのでは?と憶測しています。

また、おっしゃるように、人種差別の風が吹き荒れていた頃でもあるので、
ネイティブアメリカン系の彼は、黒人と同じように差別されたのではないか
とも想像しています。
映画では、僕の想像のように、なぜ売れなかったのか、はっきり語られては
いないように見受けられますねー。

劇中で聴く彼の曲は、感動も倍増です。
TSUTAYAにあると思います。
ぜひ、どうぞ!

つかりこ #- | URL
2014/05/06 00:41 | edit

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