こんなのが、あろうかな !? ~ 緑の玉子


ほれほれ、緑色の玉子だよー。


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アローカナ(Araucana)っちゅう、
南米のチリ原産のニワトリの玉子だそうだよ。

埼玉県の日高市にある「サイボクハム」の道の駅みたいなとこで
売ってたので、思わず買っちゃったよー。
いまは、フツーの玉子で1パック10個で200円くらいだから、
こいつはけっこうな値段だよね。


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これが、この緑色の殻も内側にくっついた薄い被膜も頑丈で、
なかなか割れなかったよ。

ようやく中身を出したら・・・ん、中身は、緑色じゃないんだな。
おー、でも黄身がでかい!


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して、色も濃い!


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もちろん、味の違いがわかりやすい玉子かけごはんで食べてみたよ。

んー、味が濃い!
おー、想像以上にうまかったねー。

なんでも、レシチン(老化防止効果)がフツーの玉子の約2倍、
ビタミンB(疲労回復、免疫力アップ)が10~20倍、
ビタミンE(血液をサラサラ化、新陳代謝活性化)が約11倍なんだそうだ。
うん、なんかそんな気がする味。



子供の頃、よく玉子を買いに行かされたなあ。
近所のフツーの家のおばちゃんとこ。
米もそこんちへ注文してたはずだなあ。
あそこんちは何だったんだろう。

どこの家も洗濯機や、冷蔵庫や、テレビや、電話、車なんかを
我も我もと買い始めた頃だったけど、
まだ、いまみたいに食品スーパーなんかは少なかった時代だから、
他の商品と流通経路が違う米や玉子は、一般家庭が代理店
みたいなことをやってたのかも知れないね。

昔の親って、いまの親より子供に対する人づかいが荒くなかった?。
よく、タバコとか、チリ紙とか、豆腐とか、ところてんとか買いに
おつかいに出されたわ。

玉子を見ると、そんな生前の母のおつかいのことを思い出す。



母が玉子を持ってふざけて、
「ほらほら、おでこを出してごらん、玉子とおでことどっちが割れるかなー」
なんて言いながら、僕の頭をコツンとやったことがあったっけ。

その当時、この緑の玉子がなくてよかった。
だって、殻が固いんだもんよー。







♪ Angelina / Earl Klugh





♪ Weird Fishes / Radiohead




泣かせる爆弾の地雷原 ~ 『湯を沸かすほどの熱い愛』


所沢市って、けっこう文化的なことやってんだよね。
月に1回、新聞に折込チラシが入るんだよ。
「ミューズ イベント・インフォーメーション」って言うんだけどね。

それには、師匠クラスを集めた寄席や、フジコ・ヘミングとか
ウィーン少年合唱団とかのクラシックコンサートや、
人気 J-POPアーティストのコンサートとか、
そして映画の上映会とかが案内されてんの。

いつもすごいアーティストばかりが揃っているし、
市が主催しているので微妙に安いんだよね。
(もちろん税金等が使われているんだろうけど)

これまた、施設がいいんだよ。
「ミューズ」というのは、所沢市の市民文化センターのことで、
大ホール、中ホール、小ホール、バンケットルームで構成された
インベト施設なんだけど、大ホールはオーストリア製の
日本最大級のパイプオルガンが備えられているほどの音響ホールだし、
中ホールはイギリスのシェイクスピア劇場のスワン座を参考に作られた
超ハイクオリティな設備なんだよな。

ちょくちょく目にして、気になっていたんだけど、
年1回かな、「世界が注目する日本映画たち」というのが
催されているのさ。

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よく見ると、企画・制作が「ぴあ」なんだよ。
お金の補助と場所は所沢市が出して、コーディネートとチケット販売を
ぴあがやっているんだろうね。
なんだか、プログラムの安心度も高いだろ?

現にいっつも、日本アカデミー賞やキネ旬ベストテンなんかで
賞をとった系の作品が勢ぞろい

で、1日2~3本やって1,500円くらいだからね、お得でしょ?
しかも、毎回、監督とか出演者を招いてのトークショー
なんかもついているんだな。

こりゃ、ぜってー観に行かなくちゃって思いながら
いつも機会を逃していたんだよ。
で、今回は3日間で8本上映する中に、DVDが出るまでどうしても待てない
と思っていた作品が入っていたので、今度こそ、って心に決めていたんだよ。

その作品が、『湯を沸かすほどの熱い愛』、これだ!
しかも、監督の中野量太氏もやってくる!
さらに、まだ劇場でやっているというのに800円!

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家から、うきうき徒歩で行くことにしたよー。

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道すがら、他人ちの春の花なども鑑賞。(汗)

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家から西武新宿線の航空公園駅まで、徒歩でおよそ20分。

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そこから、駅前通りのオブジェの点在する歩道をまっすぐ10分。

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きたきた、屋外に設置されたポスターボード。

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施設の隣は、日本の航空発祥の地「所沢航空記念公園」。

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お、なんだかお洒落なカフェレストランが!
まだ、開演まで早いので、ちょっと休憩、休憩。

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ほう、「食材の生産者」や「加工業者」、「料理人」の紹介が。
地産地消と食の安全をPRしているんだね。

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わはは、所沢のクラフトビールのテイスティングセットがあったので、
それにしたったー。
1種130mlなので、計520mlかあ。
ちょっと量が多かったかなあ、これから映画を観るのにー。

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左から、ペールエール、セッションエール、IPA、スモークポーター。

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いざ、出陣!





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むむむー、映画を観てこんなに泣いたのは初めてだよー。
この映画はなんだあ。

フツー、映画の「泣けるポイント」って、
多くても3カ所か4カ所くらいだよね。
この映画は、それが10カ所くらいあるぞ。
こんなにたくさん「泣かせる爆弾」が埋めてある作品は、初めて観たよ。

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上映後のトークショーで、自ら原作・脚本を書いた中野監督が言ってたけど、
「これでもかってくらいやりました。なんせ、長編商業映画のデビュー作だから、
コケたくないでしょ?」。

それにしても、始まって数分でいきなり泣かせて、
10分に一度くらい目頭が熱くなって、
そのスキマスキマで、くすくす笑わせるもんだから、
5分に一度くらいキュンキュン来るようにできてるんだな。

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やー、お見事!
最初から最後まで、ぐいぐい引き込まれてしまったわー。
キネ旬ベストテンの表彰式で、フジテレビアナの笠井さんが
「昨年の日本映画で、一番良かった」と言ってた
だけのことはあるわ。

中野監督いわく、
「いろいろこだわって自主制作映画を何本も撮ってきたけど、
ある時からお客さんに伝わらなきゃ、やってる意味がないって
思うようになったんですよ、あざといと言われようと、
やり過ぎと言われようと、ばっちりウケるように意図的に作ったんです」、
「そもそも、関西生まれですし」、とのこと。



内容は、「すばらしい母と家族の物語」とでも、言っておきましょう。
ストーリーは言わない。(笑)
いじめのこと、夫婦のこと、親子のこと、家族のこと、
いまどきの若者のこと・・・。

そして、驚きのラスト!



中野監督は、6才の頃から母子家庭で育ったんだそうだ。
だから、「母親」を描くことや家族を描くことに熱いものがあるんだろうね。

「僕は、家族の定義なんてないと思っています。
たった一つ、個人的な解釈で言えば、
いつも一緒にご飯を食べる人たちのこと、だと思っています」
とも言っていたねー。

そんな経験や想いが、なるほどたくさん詰まった映画だよ。
失礼になるかもしれないけど、文芸作品じゃないし、
芸術作品でもないし、難しいこともない。
監督本人も言っているように、ちょっとだけあざといと感じられるくらい
きっちりおもしろさや感動が作り込まれているんだな。

でも、それがわかっていても、バツグンにいいなー。
中野監督自らの原作&オリジナル脚本!
マンガが原作の映画やテレビドラマがほとんどないま、
監督の思い入れが強ければ、ホントにいい映画が出来上がるんだなー
って思い知らされたよ。


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思わずパンフ買って、サインと握手してもらったよー!

所沢市さん、ぴあさん、ありがとう!





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●湯を沸かすほどの熱い愛
2016年 日本
上映時間:125分
監督:中野量太
脚本:中野量太
エグゼクティブプロデューサー:藤本款、太田哲夫、村田嘉邦、篠田学、板東浩二
プロデューサー:深瀬和美、若林雄介
アソシエイトプロデューサー:柳原雅美
キャスティングディレクター:杉野剛
撮影:池内義浩
照明:谷本幸治
録音:久連石由文
美術:黒川通利
装飾:三ツ松けいこ
音響効果:松浦大樹
ヘアメイク:千葉友子、酒井夢月
衣装:加藤麻乃
編集・題字:高良真秀
音楽:渡邊崇
主題歌:きのこ帝国『愛のゆくえ』
助監督:塩崎遵
ポストプロダクションプロデューサー:篠田学
ラインプロデューサー:大熊敏之
制作プロダクション : パイプライン
製作:「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会(クロックワークス、テレビ東京、
   博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、パイプライン、ひかりTV)
配給:クロックワークス
出演:宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー、松坂桃李、伊東蒼、
   篠原ゆき子、駿河太郎 ほか
受賞:第40回 日本アカデミー賞(2017)
   ・優秀作品賞
   ・優秀監督賞/中野量太
   ・優秀脚本賞/中野量太
   ・最優秀主演女優賞/宮沢りえ
   ・最優秀助演女優賞/杉咲花
   ・新人俳優賞/杉咲花
   第90回キネマ旬報ベスト・テン
   ・日本映画ベスト・テン/7位
   ・主演女優賞/宮沢りえ
   ・助演女優賞/杉咲花
   第41回報知映画賞
   ・作品賞
   ・主演女優賞/宮沢りえ
   ・助演女優賞/杉咲花
   ・新人賞/中野量太
   新藤兼人賞(2016年度)
   ・金賞/中野量太
   第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞
   ・主演女優賞/宮沢りえ
   第59回ブルーリボン賞
   ・助演女優賞/杉咲花
   第31回高崎映画祭
   ・最優秀監督賞/中野量太
   ・最優秀主演女優賞/宮沢りえ
   ・最優秀新進女優賞/杉咲花
   ・最優秀新人女優賞/伊東蒼
   第38回ヨコハマ映画祭
   ・監督賞/中野量太
   ・脚本賞/中野量太
   ・助演女優賞/杉咲花
   HIHOはくさいアワード(2016年度)
   ・10位
   第26回東京スポーツ映画大賞
   ・主演女優賞/宮沢りえ
   ・新人賞/杉咲花
   おおさかシネマフェスティバル2017
   ・日本映画ベストテン/6位
   ・助演女優賞/杉咲花
   ・新人監督賞/中野量太
   第40回モントリオール世界映画祭
   ・Focus on World Cinema部門 正式出品
   第21回釜山国際映画祭
   ・アジア映画の窓部門 正式出品
   第29回東京国際映画祭
   ・Japan Now部門 正式出品







♪ 愛のゆくえ / きのこ帝国





♪ ルネのテーマ / ラリー・コリエル & 渡辺香津美




すべての地方出身者へ ~ 『ブルックリン』


どこ出身だっけ?
沖縄?宮城?熊本?福岡?五島?高知?・・・

どこかの地方から出てきて、いまは都会に住んでいる人、
または、どこかの地方から出てきて、どこかの地方で住んでいる人。
そういう人はきっと、一度くらいは考えたことがあるんじゃないかなあ、
「故郷に留まって生きていた場合と、いまの暮らしと
どっちが幸せだったんだろう?」
って。

僕は、北海道から出てきて、東京の多摩地区に住んで
いまは所沢に住んでいるんだけど、
想像してみると、んー、友達付き合いや、親や親類との関係や、
仕事のことや、恋人との出会い、生活環境、などなど・・・
まあ、どっちもどっちかなあ、って感じ。

でも、未知の可能性のでかさ、ということで言えば
こっちに出てきたいまのほうが、見られる夢の数は多いかな。


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時代は1950年代
アイルランドのさびれた街で生まれ育ったエイリッシュは、
自分の可能性を試しに、アメリカへ一人で移住するんだな。
仕事と恋と自分探し。

まだまだ女性の就職もままならない時代で、
まじめで思慮深いエイリッシュの才能をみた
キャリアウーマンの姉のすすめでそうすることにしたのだ。


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それで、エイリッシュは、母と姉を故郷に残して、
アイルランド人が多く住むブルックリンで新しい生活を始めることに。
アパートは、たぶんアイルランド人が営む若い女子ばかりが住む
下宿のようなところ。
敬虔なカトリック教徒で小言ばかりを言うおかみさんを囲んで
みんなでご飯を食べて、バス・トイレも共同の生活。
ほら、日本の昔の学生や独身者の下宿とおんなじだよね。


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おとなしめで訛りもあるエイリッシュは、
始めはなかなか仕事や人付き合いもうまくできなかったけど、
もともとまじめで思慮深いので、ニューヨークの街で少しずつ成功を
手に入れていくんだな、仕事も恋も。


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そんなある時、家庭の事情でアイルランドに一時帰国することに。
いくつかの事情が重なって、予定より長く故郷にいることになるうちに、
故郷に帰って生きていくのも悪くないと思い始める・・・。


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新天地のアメリカか、あったかい故郷アイルランドか、
エイリッシュは、選択を迫られることになる。
物語は、どっちがいいと言わずに締めくくっているように僕には見える。
そう、そういう問いかけで終わる物語なんだろうな。



ところで、1950年代のアイルランドって、
どんなんだったんだろう?

アメリカって移民の国だから、そりゃ、アイルランドやスコットランドや
イタリアなんかからの移民がたくさんいるよねぇ。
でも、それがアメリゴ・ヴェスプッチ以後入植が盛んになった16世紀や
17世紀のことならわかるけど、20世紀の第二次世界大戦後に、
アイルランドから移住って、どういうことだって思ったわけ。

アイルランドって、17世紀頃からイングランドに侵略・支配されていたんだよな。
1801年には、グレートブリテン王国に併合された。
それで、日本の江戸時代の小作農よろしく、食物の耕作や羊の酪農をやらされて
年貢を納めさせられるような生活を送っていたんだな。

当然、アイルランド人の生活は貧しかったんだけど、
1800年代半ばにイングランドによる「囲い込み」などの圧政や飢饉が相次いだりして
いよいよアイルランド人はイギリスの一部であることに憤りを感じるようになった。
で、この頃からアイルランドから新天地アメリカへの移住が盛んになったんだね。
1840年から1911年の間に、人口が半分に減ってしまうほどだったそうだ。

その後、1919年~1921年にアイルランド独立戦争。
1922年に北部アイルランドをイギリス領として残したまま
アイルランド自由国(イギリス自治領)として独立。
これが、内戦勃発のもととなって、のちにIRAなんかを産む原因になったんだね。

そして、1949年にとうとうイギリス連邦から離脱
(北アイルランドはイングランドのまま)
アイルランドには、そんなイングランドの植民地支配に対する深い恨みがあるんだな。



この映画の時代設定は、このアイルランドの完全独立の後のハナシなのだ。
イギリスから独立して政情は安定したけど、やっぱり経済状況はよくない、
エイリッシュのような頭のいい女性だって、なかなかいい職がない、
「そうだ、アメリカ独立以前からたくさんの同胞のいるアメリカへ行こう」
というわけだ。

その後アイルランドは、1990年代に入って「奇跡の経済成長」を遂げたんだよ。
EUの統合やアメリカを中心とする外国からの投資で、工業の発展が進んで、
今では一人あたりのGDPの大きさでEUの中でもトップレベルなんだそうだ。

それでも、リーマン・ショック以降は成長は減速。
いまもなお、貧困率や失業率は高いというのが現状だそうだ。
うん、いいのか悪いのかわからない、という状況。

かたや、アメリカに移住したアイルランド人の生活といえば、
風変りなカトリックの風習やケルト訛りやイギリスで被征服民として
差別されていたことなどから、入植当時から差別にさらされてきたんだな。

それでも、ひたむきに働いて少しずつ地位も向上していって、
ジョン・F・ケネディやロナルド・レーガンみたいなアイルランド系の
偉人を生んだりもしてきたんだね。

'50年代あたりまでは、アメリカの景気は絶好調で、
アイルランド移民もたくさんの恩恵を受けたはずだよね。

でも、アメリカもベトナム戦争以降少しずつ景気が下降していって、
とどめは金融恐慌。
いまでは、トランプ政権のようなゴリ押しの保護主義
しなければならないほどの状態になってしまったよね。
こちらもまた、いいのか悪いのかわからない状態というわけだ。



この映画は、一人のいたいけな女性がアメリカの新しく夢のある暮らしと
故郷のやさしさ、居心地のよさの間を行き惑う物語なんだけど、
当のアイルランド人にとっては、上に書いたような政治に翻弄されてきた
先祖や自分たちのことが心をよぎる物語なんだと思う


自身の努力で夢も希望もつかめるけど、いまは暗雲が立ち込めるアメリカと、
豊かになりつつあり、親しい人がたくさんいるけど
いまだに不自由な因習やイギリスへの憎しみを抱えるアイルランドと、
どっちがいいんだろうか、
自分たちの居場所は?アイデンティティは?
って問いかけが含まれているんだろうなってこと。

まあ、なんだかんだ言って大昔から移住を受け入れてくれて、
'90年代には産業の発展に投資を通じて貢献してくれたアメリカへの
親愛の気持ちを込めた映画なのかもしれないなー。

'91年にアラン・パーカーが監督した映画に『ザ・コミットメンツ』
というのがあるんだよ。
時は、U2、エンヤ、ポーグス、ヴァン・モリソン、ウォーター・ボーイズ、
クラナド、チーフタンズ、ホットハウス・フラワーズなんかが人気を博していた
アイルランド。

素人の若者たちがバンドを結成するハナシなんだけど、
その中のセリフで、
「どんなバンドをやるって?そりゃ、ソウルに決まってる。
なぜなら、俺たちゃヨーロッパの黒人だからさ」

というのがあったなあ。

あれから、25年以上経ってアイルランドもすこーし変わったんだろうね。

バニーマンさんが記事で書かれているけど
(http://oukei1963.blog90.fc2.com/blog-entry-594.html)、
『シング・ストリート 未来へのうた』なんかは、
そういう観点で観るとどんななんだろうなー。



まあ、そんな小難しいことなんか考えなくても、僕は好きだなー、この映画。
田舎から出てきて、夢と刺激にあふれた都会と
親類や気の置けない友達がいて、あったかさと安住のある故郷と
いまだに心が行ったり来たりする自分と重なるものがあるもの。

自分のホントの居場所は、どこにあるんだろうか。

この春、故郷を出て新しい生活が始まる人や
かつて都会か故郷か選んだことのある人には
ちょっとくらいは響く作品だと思うよ。

それと、シアーシャ・ローナンちゃんのファンなら
当然観るべきでしょう。
だって、22才の美人で実力派の彼女の魅力が満載だもの!
まるで、彼女のプロモーションムービーみたいな作品なんだから。
(いまは、ちょっと太めだけどねー)





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●ブルックリン(Brooklyn)
2015年 カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカ
上映時間:112分
監督:ジョン・クローリー
原作:コルム・トビーン『Brooklyn』
脚本:ニック・ホーンビィ
製作会社:BFI、BBCフィルムズ、HanWay Films、TSG Entertainment、Wildgaze Films
プロデューサー:アマンダ・ポージー、フィノーラ・ドワイヤー、Thorsten Schumacher、
        Beth Pattinson
撮影:イヴ・ベランジェ
編集:ジェイク・ロバーツ
音楽:マイケル・ブルック
美術:フランソワ・セギュアン
衣装:オディール・ディックス=ミロー
配給:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
出演:シアーシャ・ローナン、エモリー・コーエン、ドーナル・グリーソン、
   ジム・ブロードベント、ジュリー・ウォルターズ ほか
受賞:英国アカデミー賞 ・英国作品賞
   英国インディペンデント映画賞 ・女優賞/シアーシャ・ローナン
   カナダ映画賞 ・撮影賞/イヴ・ベランジェ ・作曲賞/マイケル・ブルック
   ダラス・フォートワース映画批評家協会賞 ・Top 10 Films
   デンバー映画祭 ・観客賞
   デトロイト映画批評家協会賞 ・女優賞/シアーシャ・ローナン
   ダブリン映画批評家協会賞 ・アイルランド作品賞
   イブニングスタンダード映画賞 ・作品賞
   ゴールデングローブ賞 ・ドラマ映画女優賞ノミネート/シアーシャ・ローナン
   ゴールデン・トレーラー・アワード ・外国ロマンス作品賞/"Two Worlds"
   ハンプトンズ国際映画祭 ・新人賞/エモリー・コーエン
   ロンドン映画批評家協会賞 ・イギリス/アイルランド女優賞/シアーシャ・ローナン
   ミルヴァレー映画祭 ・観客賞
   ニューヨーク映画批評家協会賞 ・女優賞/シアーシャ・ローナン
   ニューヨーク映画批評家オンライン賞 ・Top 10 Films
   パームスプリングス国際映画祭 ・International Star Award/シアーシャ・ローナン
   ケベック映画賞 ・美術賞/フランソワ・セギュアン ・撮影賞/イヴ・ベランジェ
   サンディエゴ映画批評家協会賞 ・プロダクションデザイン賞/フランソワ・セギュアン
   サンフランシスコ映画批評家協会賞 ・女優賞/シアーシャ・ローナン ・脚色賞/ニック・ホーンビィ
   サンタバーバラ国際映画祭 ・演技賞/シアーシャ・ローナン
   サテライト賞 ・映画女優賞/シアーシャ・ローナン
   バンクーバー国際映画祭 ・観客賞
   バージニア映画祭 ・観客賞
   ワシントンD.C.映画批評家協会賞 ・女優賞/シアーシャ・ローナン
   第88回アカデミー賞 ・作品賞・脚色賞・主演女優賞 ノミネート







♪ Brooklyn (Owes the Charmer Under Me) / Steely Dan




Mへ ~ 2017 春


♪ This time / Earl Klugh





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健康に生まれて来れば、それだけでいい、
と願っていた。




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しかるべき時に立ち上がれて、
人並に声を出せればそれでいい、
と願っていた。




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もうちょっといい点数がとれて、あと少し早く走れたら、
と願っていた。




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もっと賢くなって、もっと丈夫になって、
もっときれいになって、
他人もうらやむほどになってほしい。




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僕がキミにできることは、“もっと” と願うことばかり。



こんな春が、いつまでも続きますように。




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県警広報担当官が見たもの ~ 『64 -ロクヨン-』


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ド渋な映画だわ。

原作は読んでいないので、実のところはわからないんだけど、
「推理小説」となっているんだね。
でもね、この映画のほうは僕に言わせれば、推理ものじゃないねぇ。
これは、ヒューマンドラマだなー。

前・後編合わせて240分を一気に観たけど・・・
ぶん殴り合いアクションなし、カーアクションなし、爆発なし、
ガンアクションなし、流血なし、スリルなし、謎解きなし、
色恋沙汰なし
・・・でおもしろいんだからすごいよなあ。

ちなみに、映画やテレビドラマのヒットの三大要素は、
「金」、「暴力」、「恋愛・エロ」。
女性誌の三大テッパン記事は、
「ダイエット」、「占い」、「芸能ゴシップ」(最近は記事より「付録」)。

もとい
そう、謎が謎を呼ぶ推理ミステリーというより、
実力派俳優の名演を味わいながら、警察組織というものや
被害者、加害者の心理を探る人間ドラマなんだな。
そして、やっぱりテーマは、「愛」なんだろうな。

そもそも、設定がフツーと違うんだよ。
主役が、県警の広報担当
つまり、マスコミに事件の様子をアウフトプットするという
役割を果たすために、警察の動きと被害者や加害者の動きの両方を
半ば第三者として客観的な目で追う、といったスタイルになってんだよ。

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その視点は、きっと、僕ら映画の観客と同じ感情を持っているんだろうね。
だから、淡々、粛々としたストーリー展開なのに、グイグイ引き込まれるわけだ。

警察の、都合の悪いことを隠蔽する体質、出世のための事なかれ主義、
上司と部下の確執、県警と警視庁の争い、
警察上部からの押さえつけとマスコミの突き上げの板挟みに合う広報官・・・
そういった困難を乗り越えながら進めなければならない捜査、
被害者の悲しみ、恨み、執念、加害者と広報官の家族を思う心のリンク、
そんな事象と心理が入り混じりながら、物語の歯車が重々しく回り続ける。


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うむ、ド渋。
節制のきいた、ザ・邦画。
いい作品ですー。

日本のポルノ映画畑で苦労してきた
瀬々監督にも、拍手ですー。





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●64-ロクヨン- 前編/後編
2016年 日本
上映時間:121分/119分
監督:瀬々敬久
原作:横山秀夫
脚本:久松真一、瀬々敬久
製作:映画「64」製作委員会(TBSテレビ、東宝、電通、CBCテレビ、WOWOW、
   朝日新聞社、毎日新聞社、TBSラジオ、毎日放送、RKB毎日放送、KDDI、
   コブラピクチャーズ、北海道放送、東北放送、新潟放送、静岡放送、山陽放送、
   中国放送、GYAO、TCエンタテインメント、日本出版販売)
エグゼクティブプロデューサー:平野隆
企画:越智貞夫
企画協力 - 文藝春秋
プロデューサー:木村理津、大原真人、渡邉敬介、浅野博貴、伊藤正昭
共同プロデューサー:藤井和史、山田昌伸
ラインプロデューサー:武石宏登
制作プロダクション:コブラピクチャーズ
撮影:斉藤幸一
編集:早野亮
美術:磯見俊裕
照明:豊見山明長
録音:高田伸也
音楽:村松崇継
スクリプター:江口由紀子
装飾:柳澤武
スタイリスト:纐纈春樹
ヘアメイク:那須野詞
VFXスーパーバイザー:立石勝
サウンドエフェクト:北田雅也
助監督:海野敦
制作担当:篠宮隆浩
配給:東宝
出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、
   坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、
   烏丸せつこ、小澤征悦、金井勇太、芳根京子、菅原大吉、
   柄本佑、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、
   瑛太、永瀬正敏、三浦友和 ほか
受賞:第8回TAMA映画賞(2016年)
   ・最優秀男優賞/三浦友和(『葛城事件』とあわせて)
   第41回報知映画賞(2016年)
   ・助演男優賞/綾野剛(『リップヴァンウィンクルの花嫁』『怒り』とあわせて)
   第29回日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎賞(2016年)
   ・作品賞
   ・主演男優賞/佐藤浩市







♪ Dirty Work / Steely Dan




わかっちゃいなかった ~ 『クレージー黄金作戦』


最近、覚せい剤やら、タレントの独立問題やら、就業問題やらで
何かとタレント事務所の物騒な話題が多かったよねぇ。
で、しぜん、そんな観点でネットの映画評なんかも見ていたら、
こんなのがあったんだよねー。

検索でひっかかったのは、渡辺プロダクション
いわゆるナベプロと言えば、1960年代 '70年代の有名タレントや歌手の
ほとんどが所属していたと言ってもいいくらいの会社なんだねー。

僕が子供の頃の大スターをちょっと挙げてみても・・・
ミッキー・カーチス、ハナ肇とクレージーキャッツ、浜村淳、ザ・ピーナッツ、
中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり、ザ・ドリフターズ、沢田研二、布施明、森進一、
小柳ルミ子、天地真理、キャンディーズ・・・だもんね。
あのジャニーズだって、結成当初はナベプロと業務提携していたんだね。

悪いこともいっぱいやったみたいだけど、
タレントのマネージメントが主体だった芸能プロが
番組制作や楽曲出版、映画製作なども行なうようになり、
芸能人や芸能界の待遇や地位の向上のためのビジネスモデルを
日本で最初に作ったのがナベプロと言われているみたいだね。



で、映画といえば、“クレージーシリーズ” でしょ。
で、今回観たのが『クレージー黄金作戦』。

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確か、子供の頃に観たことがあったはずなんだけど、
ほら、クレージーキャッツの映画って、似たような感じだから
どれがどれだったのか、こんがらがっていたんだけどさ。

この映画も、植木等がすっとぼけた破天荒なキャラで、
思いつきでなんやかんやドタバタやらかして、
大成功しそうでしそうで、最後に失敗するんだけど、
結果オーライ、ってパターン。

でもね、いま観ると、こりゃいいねー!
すげー作品だわー。
尺が2時間半以上もあるんだよ。
なんたって、あの東宝の創立35周年記念作品だもんね。

カリフォルニア郊外でのロケでしょ、
ラスベガスのメインストリートを封鎖してのミュージカルロケ・・・

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ハワイのワイキキビーチロケ・・・

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歌あり、ダンスあり、ギャンブル、水着、旅・・・
壮大なスケールのミュージカル・サスペンス・コメディ・ロードムービー
とでもいうのかな。

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加山雄三とか、ドリフ、ジャニーズ、ブルコメ、藤田まこと、
E・H・エリック、藤木悠、藤岡琢也あたりだって、
ほんの一瞬出てくるだけのちょい役だからね。

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こういう、有名なタレントや俳優がドバドバ出てくる作品
ってのもいいよねー。
最近では、『シン・ゴジラ』とか『64』とかあったけど、
すごい俳優がいっぱい観られると、それだけでも豊かな気分になるよねー。

やー、「いざなぎ景気」まっただ中!で、明るさ爆発!
ナベプロパワー全開!
クレージー映画なんてわかっている、と思っていたんだけど、甘かった。
なかなかの映画だったわー。



アミューズやジャニーズ事務所が、アーティストを全員集合させて
年末とかにコンサートをやったりしてるけど、
この映画みたいに全員集合映画を作ったらおもしろそうだよなあ。





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●クレージー黄金作戦(Las Vegas Free-for-All)
1967年 日本
上映時間:157分
監督:坪島孝
脚本:笠原良三、田波靖男
製作:渡辺晋
撮影:内海正治
編集:武田うめ
音楽:宮川泰、萩原哲晶
美術:竹中和雄
スチール:岩井隆志
配給:東宝
出演:植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、桜井センリ、石橋エータロー、安田伸、
   浜美枝、園まり、ペギー・ニール、有島一郎、藤木悠、石山健二郎、
   十朱久雄、人見明、藤岡琢也、石田茂樹、藤田まこと、飯田蝶子、
   桐野洋雄、沢村いき雄、アンドリュー・ヒューズ、E・H・エリック、
   塩沢とき、ジョージ・A・ファーネス、ザ・ドリフターズ(いかりや長介・
   加藤茶・荒井注・高木ブー・仲本工事)、加山雄三、
   ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・伊藤ユミ)、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ、
   ジャニーズ ほか







♪ つれてって / 園まり




♪ 五万節・スーダラ節・ハイそれまでよ / クレイジーキャッツ