ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

入札に勝つ方法 ~ 『悪い奴ほどよく眠る』  


もしキミがゼネコンとかに勤めていて、
築地市場移転建設とか、2020東京五輪のボート競技施設建設なんかの
でっかい入札で絶対勝たなきゃならないとしたら、
どうやればいいか知ってる?



① 依頼主と結託して絶対勝つ

入札って、↓こんなふうなもんなんだよ。

●依頼の条件や仕様について細かな内容が設定されていて、
 入札参加社に等しく伝えられる
●参加社は、その内容をきっちりクリアした計画書と見積書を提出する
(フツーは、必要以上の品質や付加価値を求められない。
  必要以上のものを計画書に盛り込むと逆に失格になったりする場合もある)
●参加社の中から、最も安いところに業務委託する

まあ、できるだけリーズナブルな費用で100点をとるといったことなんだわ。
で、よく聞く「コンペ」というやつは、依頼主の要望をどれだけオーバーした
クオリティを提供するかという、150点くらいとるといった戦いなんだけどね。

で、入札。
これは必然、品質は同じでコストの低さで勝負になるんだな。
それで、参加社みんなが本気でコストの検討をすれば
費用なんてどこもほとんど変わらなくなるんだな。
ぎりぎりの相場に落ち着くということ。

「いや、ウチは利益が出なくてもこの金額でやる」というところが出てきても、
それは他社もおんなじ程度の範囲で競合してくるんだよ。
限度というのは、そんなに差がないんだな。
そうすれば、勝負が微妙なものになる。
決定的に勝つ方法などない、努力のしようがないということになる。

で、大昔から行なわれてきたのが、賄賂だよね。
委託先の決定権を持つ人物(1人か複数かわからないけど)をつかまえて、
ハデな接待をしたり、勝たせてもらったらいくらいくら払う、
といった約束をする
わけだ。



そうやって依頼主側の有力者と結託したら、
次はどうやって「勝つ」かだよね。
なんせ、一番安いところが勝つ、というのが原則だからね。

たとえば、当該案件で、A社が一番安い98億の見積もりを出したとする。
キミの会社B社は安さ2番目で、100億だったとする。
これはもうほっといたら、A社の勝ちとなるでしょ。
そこで先の結託者が登場してくるわけだ。

その部下かなんか知らないけど、審査に絡む人間に、
A社の入札に不備があった事実をねつ造させるんだな。
どこどこの部分が見積もり項目から漏れてたとか、
どこそこの部分がオーバークオリティ過ぎたとか、
場合によっては計画書のホッチキスの止め方がだめだったとか、
いちゃもんをつけて失格にしたりするんだよ。
そうすれば、2番手のB社が不戦勝繰り上げということになるでしょ。



② 賄賂を見えなくする

仮に、B社の入札価格100億のうち、20億が結託者側への賄賂しよう。
でも、これを単純にぽんと渡したら、すぐバレるよね。
建設にかかる見積もりや領収書の類と、請求書を照合すればすぐに
その20億はどこへ行った?ということになるから。

そう、それをわからなくする方法が「手抜き工事」なわけだ。
盛り土を入れる仕様で、100億でやる予定だった工事について、
こっそり盛り土をやめて完成させて100億で請求すれば、
当初かかる予定だった盛り土の代金と工事作業費用が浮くよね。
もしくは、耐震構造用の建築部材をもっと安い物にすり替えるとかね。

そうやって浮かした金を黙って結託者に渡せば、
不正が見えにくくなるというわけ。
そうやって、よくニュースになったりしてる欠陥建築物ができあがって、
後から露呈したりするんだね。

はい、上記の2点をうまいことやって、入札に勝ちましょうね。
てか、見え見えだけどね。



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この映画は、建設関係の公団と民間の建設会社が
そんなことをやらかして事件になるという物語なんだよ。
いまでこそ、これ系はたくさんあるけど、これが、1960年の作品だからね。
建設ラッシュだったはずの当時は、すごい衝撃作だったんだろうね。

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ま、それはさておき、やはりさすがの黒澤明監督の作品としか言いようがないね。
シャープでひらめきのあるカメラワーク。
超こだわりのセット。
大道具、小道具の質感、モノクロならではのメイク、ライティング。
すごいクオリティだよねー。

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特に、三船敏郎と公団の課長補佐(藤原釜足)が、課長補佐自身の葬式に行って、
車の中から葬儀場を眺めつつ、キャバレーで録音したテープを流すシーン!
緊迫した空気のシーンと、キャバレーで流れている楽しい音楽の
ミスマッチを狙ったカット
なんだけど、これには鳥肌が立ったねー。
ああ、これが世界のクロサワなんだー、って目からウロコが落ちたわ。
このやり方は、世界中の映画制作者に影響を与えたんたろうな、って思う。

あと、最初のほうの結婚披露宴のシーンで、
新聞記者の会話を通して登場人物の相関関係を紹介するやり方は、
フランシス・フォード・コッポラ監督が『ゴッドファーザー』でパクったんだそうだ。

それから、俳優の演技!
この作品の主演は三船敏郎なんだろうけど、
僕に言わせればMVPは、間違いなく西村晃でしょ。
ド迫力の怪演!
精神的に追い詰められていく課長、といえばコレで決まりだよ。

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そして、香川京子ちゃん。
僕の中では子供の頃から、香川京子といえば母親くらいの年齢になっていたので、
「お金持ちの奥さん」というイメージしかなかったんだけど、
若い頃は、独自の個性のあるかわいこちゃんだったんだねー。
山本美月系とでもいうのかなあ(あ、山本美月が香川京子系なのか)。
こりゃ、小津監督や黒澤監督に好まれたわけだ。

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築地市場の移転や五輪施設の問題で湧くいま、
こんな作品は笑いごとじゃないぜー。
というわけで、あえておすすめしちゃおうかなと思ったわけ。



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●悪い奴ほどよく眠る
1960 日本
上映時間:150分
監督:黒澤明
脚本:小国英雄、久板栄二郎、黒澤明、菊島隆三、橋本忍
製作:田中友幸、黒澤明
撮影:逢沢譲
照明:原一郎
音楽:佐藤勝
録音:矢野口文雄 、下永尚
音響効果:三縄一郎
美術:村木与四郎
小道具:浜村幸一
衣装:栗原正次
特殊技術:東宝技術部
配給:東宝
出演:三船敏郎、森雅之、香川京子、三橋達也、志村喬、西村晃、加藤武、藤原釜足、
   笠智衆、宮口精二、三井弘次、三津田健、中村伸郎、藤田進、南原宏治、清水元、
   田島義文、松本染升、土屋嘉男、山茶花究、菅井きん、賀原夏子、田代信子、
   一の宮あつ子、樋口年子、近藤準、佐田豊、沢村いき雄、横森久、田中邦衛、
   桜井巨郎、清水良二、生方壮児、土屋詩朗、小沢経子、峯丘ひろみ、上野明美、
   小玉清 ほか
受賞:第15回毎日映画コンクール
   ・音楽賞 受賞
   ・男優助演賞(森雅之) 受賞
   第34回キネマ旬報ベスト・テン 第3位







♪ Fair Warning(full album)/ Van Halen





♪ TOBACCO ROAD / CREATION





♪ Inside Looking Out / Grand Funk Railroad




もう、神様ったら ~ 『神様メール』  


もし、キミのお父さんが「神様」だったらどうする?

で、当然キミのお母さんがマリアでしょ?
ということは、兄貴がイエス・キリストなわけだ。
だから、キミはイエスの妹(または弟)ってことだな。

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キミのお父さんは、世の中を良くしようとして働いてきたわけだ。
でも、戯れに人間と関わって(作って)しまったせいで、
世の中、アダムとイヴから始まって、愚かな人間だらけになってしまった。

お父さん、もう完全にアタマにきて、ひねくれてしまった。
だから、お父さんのやることといったら、人間たちへの意地悪ばかり。
家の奥の部屋に引きこもって、パソコンを使ってあらゆる人間に
不幸や災難をもたらしている
んだよ。
(おお、人間の不幸って、こうやって生み出されているのかあ)

それを見かねたJC(お兄ちゃん)は、親父に反抗。
世間に出て行って、12人の使徒とつるんで世の中をよくしようとしたんだけど、
やはり愚かな人間のせいで殺されてしまったのだ。

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妹のキミは、そんなお兄ちゃんの善行にも冷たい親父が大嫌い。
なんとかして、親父の悪行をやめさせるテはないかと、
親父のパソコンを勝手にいじって、人間界に異変を生じさせる!

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そして、人間世界へと冒険の旅へ!
がははー、なに言ってんだかわかんねぇー?



うーむ、エスプリのきいたコメディなんだなあ。
「はい、笑うとこー」って感じに媚びていないところがいいなー。
そして、ヨーロッパ映画らしいファンタジー。
よくよく考えると、かなり哲学的だね。

お父さん役(神)は、『チャップリンからの贈りもの』のブノワ・ポールヴールド。
お母さん役(マリア)は、『アメリ』にも出てたヨランド・モロー。
『エール』のフランソワ・ダミアン。
なんと、カトリーヌ・ドヌーブが濡れ場を演じる!

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ハリウッドでは、こんな映画は作られないなあ。





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●神様メール(Le tout nouveau testament/THE BRAND NEW TESTAMENT)
2015 ベルギー・フランス・ルクセンブルク
上映時間:115分
監督:ジャコ・バン・ドルマル
脚本:ジャコ・バン・ドルマル、トーマス・グンズィグ
製作:ジャコ・バン・ドルマル、オリビエ・ローサン、ダニエル・マルケ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
録音:ドミニク・ヴァルニエ 、 フランソワ・デュモン
編集:エルベ・ド・リューズ
美術:シルビー・オリベ
衣装:カロリーヌ・コネール
メイク:カーチャ・ヴァン・ドルマル
音楽:アン・ピエールレ
配給:アスミック・エース
出演:ブノワ・ポールブールド、カトリーヌ・ドヌーブ、
   フランソワ・ダミアン、ヨランド・モロー、ピリ・グロワーヌ、
   ローラ・ファーリンデン、セルジュ・ラリヴィエール、
   ディディエ・ドゥ・ネック、ロマン・ジェラン、マルコ・ロレンツィーニ ほか
受賞:第73回 ゴールデングローブ賞/外国語映画賞ノミネート
   第68回カンヌ国際映画祭/監督週間正式出品作品
   第6回マグリット映画賞(ベルギーのアカデミー賞)
   ・最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、オリジナル音楽賞 受賞
   ・助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、録音賞、新人男優賞、新人女優賞 ノミネート
   第43回ノルウェイ国際映画賞/観客賞 受賞
   オースティン ファンタスティック映画祭2015/最優秀コメディ作品賞 受賞
   バイオグラフィルム映画祭/観客賞 受賞
   ハンブルク映画祭/芸術映画賞 ノミネート
   サテライト賞/最優秀外国語映画 ノミネート
   シッチェス・カタロニア国際映画祭/最優秀女優賞 受賞







♪ Black Friday / Steely Dan





♪ Bodhisattva / Steely Dan





♪ The Fez / Steely Dan




『うずら屋』のオムライス、ということは・・・  


ぽかぽかしたある日、近所を散歩でもすっかー、
ということで出かけてみたよ。

ウチを出て、ぷらぷら住宅街を行くと、おお、
下界は秋の花の季節であった・・・


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むむむ、しまった、不得意分野であった、これは何の実?


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ツバキかな?


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およよ、これもツバキか?


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あれれ、これもツバキ? サザンカ?


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おお、何かわかんないけど、美しい!


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もちつき大会をやる町内って、いいねー。


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これもわかんないなあ。他所んちの庭の花を撮るのって、スリリング。


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これは、誰が見ても柿だよね。


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柑橘類なことはわかるけどさ。


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紅葉には違いないけど、モミジではないと思う。


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ピンが後ろのほうに合ってちゃって、妙な写真になっちゃった。


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そうだ、輝くのだ!


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・・・・・・・・・


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メキシコかい?


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所沢名物、飛行機雲でござーい。



さてさて、着いたー。

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ここが、あの『うずら屋』たぜー。

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うずらの玉子の生産者なんだよ。
このカフェの横に、小さな工場みたいなのがあるんだよ。
でも、ここでうずらを飼っている雰囲気は、感じられないけどなー。
フランス種のうずらが産む玉子も扱っているそうだ。

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「フランスうずらの贅沢オムライス」
「うずらナーラ」が本日のランチだとさ。



ちわー

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おお、おしゃれな店内!
フランスの田舎風なのかな?
行ったことないけど。(汗)

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ちょっと狭いけどね。
2人掛けのテーブルが3つだっけかな。
それと、カウンターに2人だから、8人も入れば満席。

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ツレと2人で行ったので、2人ともオムライスが食べたかったんだけど、
本日ランチ2種を両方ともたのんで、「それぞれ半分食べたら交換する条約」を締結。

待っている間に、こんなのが出てきたよ。

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「半熟卵のダシ醤油漬け」と「半熟卵の西京味噌漬け」だそうだ。
売ってる商品の試食(無料)だそうだ。
うん、うまいなあ! うむ、商売もうまい。
こいつは、日本のうずらの玉子を使用。

そうこうしてるうちに、最初に出てきたのは・・・

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「フランスうずらの贅沢オムライス」。
おー、なるほどー。

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玉子はフランス種うずらの「エル・フランス」というやつ。
完全に溶かずにふわふわ感を出しているんだね。

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サラダには、「半熟卵のダシ醤油漬け」が。

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スープは、うずらで出しをとったオニオンスープ。

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ドミグラスソースにも、うずら出しのスープとうずらの肉が入っているそうだ。

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ライスは白米で、ケチャップはどこにも使われていないんだな。
だから、ハヤシライス系のオムなのだ。

んー、ならばドミソースにもっと肉を入れてほしいかな。
そうしたら、もっと高くなっちゃうか。
でも、じゅうぶんおいしいけどね。

はっきりした個性という意味では、
うずら出しのオニオンスープのほうがうまいかも。



かたや、「うずらナーラ」。

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想像してた通り、カルボナーラだよ、っと思っていたら、
おっと、決定的な違いが!
この麺は、ラーメンだあ!

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聞くと、小麦粉をうずらの玉子をつなぎにして打った
ここのオリジナル麺なんだそうだ。
んー、かんすいの匂いがしないので、
やわらかい生パスタって感じの食感だね。
おもしろーい。

生クリームをうずらスープとうずらの玉子で伸ばしたスープに、
麺を沈めてある。
うずら肉のそぼろみたいなのが散らしてあるねー。
頂上には、もちろんうずらの半熟玉子で決まり。

最近始めたメニューらしいけど、これは正解でしょ!
うま~い。



店内には、ここんちのうずら商品を並べたコーナーも。

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これが「エル・フランス」。
左にある日本のうずらの玉子との大きさの違いがわかる?



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お土産買って来たった。

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●『うずら屋』
埼玉県所沢市宮本町2-5-8
04-2935-3000
[月] 11:00~16:00(L.O15:30)
[火~土] 11:00~18:00(L.O17:30)
ランチ営業
定休日/日曜





♪ Autumn Leaves / Cannonball Adderley





♪ Glamour Profession / Steely Dan





♪ FM (No Static At All) / Steely Dan





♪ Green Earrings / Steely Dan





♪ その時はじめて / OFF COURSE





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世界は僕に、たくさんのかけがえのないものをくれているんだなあ。

僕は世界に、何かかけがえのないものをあげているんだろうか。

僕がいた世界と、僕がいなくなった世界に、何か違いはあるんだろうか。



・・・そんなことを考えさせられたなあ。

函館の風景がいいねー。



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●世界から猫が消えたなら
2016 日本
上映時間:103分
監督:永井聡
原作:川村元気『世界から猫が消えたなら』
脚本:岡田惠和
製作:映画「世界から猫が消えたなら」製作委員会(東宝、博報堂DYメディアパートナーズ、
   小学館、アミューズ、ストライプインターナショナル、マガジンハウス、
   ローソンHMVエンタテイメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント、
   KDDI、GYAO、日本出版販売)
制作:東宝映画
制作協力:ドラゴンフライ
撮影:阿藤正一
照明:高倉進
録音:郡弘道
音効:齋藤昌利
編集:今井剛
美術:杉本亮
装飾:渡辺大智
衣装:荒木里江
VFXスーパーバイザー:神田剛志
音楽プロデューサー:北原京子
音楽:小林武史
主題歌:HARUHI「ひずみ」(Sony Music Labels Inc.)
配給:東宝
出演:佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、奥野瑛太、石井杏奈、
   奥田瑛二、原田美枝子、パンプ ほか





♪ ひずみ / HARUHI





ちょいと所用があって、秩父へ行ったんだよ。
埼玉県の西のはじっこ。
秩父は最近は、都心からすぐに行けるリゾート、みたいな言い方をされていて、
けっこう人気なんだな。

いろんな名所や催し(「龍勢」とか)が行なわれてるけど、
これからおもしろそうなのは、12月1日~6日に行なわれる
『秩父夜祭(ちちぶよまつり)』だよなあ(行ったことないんだけど)。

京都の祇園祭や飛騨高山祭と並んで、「日本三大曳山祭」って言われているんだってさ。
「曳山(ひきやま)」というのは、「山車(だし)」のことだから、
京都祇園の山車みたいなやつをぞろぞろ街の中を引き回す系ということだね。

「三大」に入っているのは、歴史が古いからかな。
なんせ、300年前からやってるらしいね。
人出もすごいらしいけど。

で、この祭の変わっているところは、その名の通り夜中にやるところ。
12月3日の例大祭には、夜の9時あたりから12時過ぎまで山車が練り歩くらしいんだね。
電車なくなるだろ、って思ったら、その日ばかりは西武鉄道も夜中に臨時運行するんだってさ。
「秩父祭の屋台行事と神楽」が、国重要無形民俗文化財に指定されているそうだ。



用事を終わらせて腹が減ったぜー、ということで当然「蕎麦食おうぜ」というわけ。
これまでは、「こいけ」(http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-category-46.html)
という名店にちょくちょく寄らせてもらっていたんだけど、
残念ながら店主が高齢となったということで、今年の9月に閉店してしまった。

ちなみに、店主の小池さんは、故・片倉康雄氏の直接の弟子だったんだよ。
片倉康雄氏とは、昭和の名店「一茶庵」を創業して現在の手打ちそばブームを創り出し、
蕎麦業界に関わる人たちに神様と呼ばれている人。

昭和の始め頃は、実はほとんどの蕎麦屋が機械打ちだったんだな。
江戸時代から続くような老舗名店でさえもさ。
そんな中で一人がんばって、江戸蕎麦の手打ちにこだわり、
さらには、蕎麦屋を洗練された料理を出す料亭レベルにまで引き上げたのが
片倉康雄氏だったんだよ。
現在の蕎麦屋は、そのほとんどが片倉康雄氏のこだわりとスタイルの
影響を受けていると言っても過言でないというやつなんだな。

その直弟子の一人が小池さんだったというわけ。
神様直伝の蕎麦を打っている人はいまではもう少ないので、
やめてしまったのは、ホントにホントに残念。

ちなみに、「翁」や「達磨」の創業者として名人の名をほしいままにしている
高橋邦弘氏
は、小池さんとは片倉康雄氏の弟子仲間。
いまでは、ちょくちょく見かける石臼挽きの蕎麦だけど、
最初に自家製の石臼製粉機を開発したのは、この二人が協力してやったことだそうだ。

小池さんは、秩父在来種の蕎麦を発展させたり、
蕎麦農家と相談していい蕎麦を作ってもらったり、
開店前に必ず自分の打った蕎麦を試食したり、
自分に合った麺棒を手づくりしたり・・・
いまのニューウェイブと呼ばれるこだわり蕎麦職人の手本となることを
50年も前から毎日フツーにやってきた人だったのさ。



秩父にはうまい蕎麦屋がけっこうあるんだけど、そんなわけで、
あー、秩父からホントにうまい蕎麦屋がなくなってしまったー、って嘆いていたんだよ。
でも、用事ついでとはいえ、「せっかく秩父へ行くんだから、
どっかうまいとこないのかよー」ということでぐぐったら、
けっこうな高評価の店が現れたんだな。

それが、タイトルの『ひらい』なのだっ。
まあ、WEBで高評価でも、んー、それほどでもないかな、
という蕎麦屋はたくさんあるんだけど、ここはかなり良かったわー。

都心方面から行って、秩父の駅に着く少し前に右へ折れて
山の方へ何の変哲もない道を少し行くと、ぽつんと道端にあったよ。

おーおー、なんだあ、プレハブの飯場小屋みたいな建物だわな。

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これは、何にも知らないで通りすがると、立ち食い蕎麦屋だと思うね。
(立ち食い蕎麦屋を卑下しているわけではないぜー)
なんぼうまいと言ったって、これはちょっと腰がひけるかも。

のれんや、すだれを垂らして、局部的には本格蕎麦屋だな。

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「ちわー」って入ると、笑顔とやわらかい声で「いらっしゃいませー」。
人柄(とアタマ)が輝いているわ。

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4人掛けのテーブルが2~3卓と、奥に上がりがあって、そこも2~3卓。
11:30~15:00だけの営業のところへ14時頃に行ったせいか
客は上がりの卓に4人いるだけだったよ。

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材料を黒板に書いてあって、いいねー。
田舎蕎麦の「秩父産荒川在来種」というのを食べたかったんだけど、
品切れ、無念。
二八の「池田製粉(丸抜き)」というのはなんだ?
品種が書いていないので、なんだかごまかされたかな、って感じ。

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僕がたのんだのは、「ランチセット」の「そばと野菜天丼のセット」。
ツレがたのんだのは、「そばとむぎとろご飯のセット」。
いずれも蕎麦は、メニューにある「もりそば」だそうだ。


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ほれ、これが「そばと野菜天丼のセット」。

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ご覧の通り、きんぴらごぼうときゅうりの浅漬けもついているね。
おっと、気づいた?
薬味にネギはないんだなー。
でも、これはケチっているわけではなくて、たのんだらくれるんだよ。
要は、「つゆにネギを入れないで蕎麦をすすってほしい」いうことだよな。


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写真ではわかりずらいけど、これはけっこう白い!
メニューには「さらしな系」って書いてあったけどね。
でも、まっ白ではなくて、ご存知の蕎麦の色(黄緑+グレー+マット)でもない。
限りなく更科(蕎麦の実の挽き始めに出る白い粉)に近い二八ってことだなー
んー、一番粉と二番粉か三番粉を混ぜて作ったりしてんのかな?
きれいに白い二八蕎麦。


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しかも、瑞々しい透明感がある!
ますます更科っぽいなー。
でもどうやったら、この “透け” が出るんだろう?
水じゃなくて、お湯で打っているのかな?

いわゆる二八蕎麦とは、かなり違うよ。
たぶん、フツーに暮らして蕎麦を食べている人には
見たことのない蕎麦のはず。
「一茶庵」系の典型的な「こいけ」の二八とも、全然違うぞ。


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ツレのたのんだ「そばとむぎとろご飯のセット」。

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やっぱし、白い。


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ほら、やっぱし透き通っているだろ?


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つべこべ言ってないで、とっととすするだけ!

んー、うまいぞー。
店の外観とは大違い。
歯ごたえ、蕎麦の香りと味がバツグンだねー。
辛汁も、魚出し臭くなく、甘過ぎず、やや塩からめでまろやか。
なるほど、こいつは高評価に決まっているわー。

こういう蕎麦は、みんな食べたことないんだろうなあ、
なんて、ドヤ顔で記事書かせてもらってまっせー。
だって、こういう透き通っていて、コシが強めで、ホロッとした噛み応えで、
蕎麦の香りも味も豊かな蕎麦なんぞ、老舗でも名店でも食べたことないものさ。
(もう一軒だけ知ってるけど)
まあ、すべての蕎麦屋に行ったわけじゃないけどね。


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おー、“粉溶かし系” の蕎麦湯が出てきたよ。

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おおっ、梅干し!
こんなに上等な梅干しを蕎麦湯のアテに付けて、
商売大丈夫なのかい?

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んー、雲のかかった武甲山のように、
謎に包まれた激ウマの『ひらい』の蕎麦であった。
他のメニューも試して、謎解きに何度も来ることになりそうだべ。



ところで、↓こんなこと知ってた?

■二八蕎麦(にはちそば)って何だべ?

いわずと知れた、
小麦粉と蕎麦粉の割合を2対8で打った蕎麦のことだよね。
ところがだ、この「二八」というのは、
まだ蕎麦に小麦粉を混ぜることをしていなかった(つまり十割蕎麦)が
あたりまえだった時代(文献では江戸時代の慶応年間(1865~1868)以前)
からある言葉なんだね。

じゃ、「二八」って何よ?ってことになるんだけど・・・
当時のもり蕎麦やかけ蕎麦の値段って、16文だったんだよ。
それを江戸っ子のノリと語呂で、“にはちの16文蕎麦” って
言っていたんじゃないかって説があるんだね。

それから、16文払って蕎麦を食って、もう一杯おかわりしても値段は同じ
っていうような商習慣もあったとかで、
なら1杯あたり8文で、8文×2杯で16文だから「二八」ってか、
という説もあるんだな。

ちょびっと、江戸時代の風俗っぽいことも知れたりして、
蕎麦っておもしろいっしょ?


■16文っていくらよ?

そこで気になるのが、
16文っていまの金額に換算したらいくらよ?ってことだわ。

これは、江戸時代って言っても250年あまりも続いたし、
1文あたりの価値が激しく変動したので難しいんだけど、
大ざっぱに1文 = 20円というやり方がわりと一般的のようなので
それで計算すると20円 × 16文 = 320円ってことになるわな。
んー、なるほどいまの立ち食い蕎麦の値段くらいだ、というわけ。

ちなみに、「守貞漫稿」(1853年)という幕末頃の風俗誌に書かれている
蕎麦屋のメニューを見ると・・・

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●蕎麦:16文 = 320円 ※もり蕎麦のことだろうね
●あんかけうどん:16文 = 320円 ※これはなんだろう?かけうどん?
●あられ(蕎麦):24文 = 480円 ※アオヤギの小柱をのせたもの。いまはこれはすごく高いぞ。
●天ぷら(蕎麦):32文 = 640円 ※当時は芝えびの天ぷらのこと。これもいまはもっと高い。
●花巻(蕎麦):24文 = 480円 ※浅草のりを焼いて揉み、花びらみたいにかけそばにトッピング。
●しっぽく(蕎麦):24文 = 480円 ※卵焼き、蒲鉾、椎茸、鶏肉をのせたもの。
●玉子とじ(蕎麦):32文 = 640円 ※溶き玉子をかけ汁に入れて熱を通したもの。
●上酒一合:40文 = 800円


これを見てわかるのは、少なくとも幕末の頃には、
隅田川河口付近の海(江戸前)で、「アオヤギ」や「芝海老」、
「海苔」などがふんだんに獲れたということだよね。
いまは、あんまり獲れないんだよ。

酒が高いねー。

それから、「あられ」とか「花巻」、「しっぽく」、「玉子とじ」
というメニューはいまでもあるところにはあるんだけど、
江戸時代から続く伝統メニューだということ。
めったに見かけないけど、あったら、浅草のすぐそばに浜があって、
ちょんまげ結った漁師さんがアオヤギを水揚げしたり海苔を干していたりする風景を
想像しながら食べてみるのも一興だよね。

ちなみに・・・
●豆腐1丁:60文 = 1,200円!
●玉子1個:20文 = 400円!

●旅籠宿代1人:200文 = 4,000円
●醤油1升:188文 = 3,760円
●髪結(大人):32文 =640円
●吉原(太夫の揚げ代):1両2分 = 約100,000円
●吉原(身売/夫の窮地を救うために妻が吉原へ):80両 = 約5,500,000円
●不倫の示談金:7両2分 = 約500,000円
●富籤(宝くじ当選金):1,000両 = 約70,000,000円
●長屋の家賃(九尺二間の1間/1か月):600文 = 約12,000円
●参勤交代費(金沢~東京 2,000人/12泊13日):3,000両 = 約200,000,000円


がっはっはー



●『ニ八そば ひらい』
埼玉県秩父市山田2675-20
0494-25-1293
11:30~15:00
ランチ営業
定休日/火曜





♪さすらいのギター / 小山ルミ





♪24,000回のキス / ゴールデン・ハーフ





♪私は泣いています / リリィ  (1974年、作詞・作曲 リリィ)


最近、ドラマや映画でよく拝見していたのですが・・・まだ64才という若さなのに。
合掌

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