きゃっち話。

2015/10/29


忘年会の季節だねー。
え、早い?
そんなことないよ。
一度でも、比較的人数の多い忘年会の幹事をやったことある人なら、
10月の声を聞いた瞬間から、とっくに予約合戦が始まっていることを
知っているよね?



そう、この時期になると、毎年必ず思い出すことがある。

あれは、まだ独身だった頃。
会社の後輩と一緒によく呑み歩いていた。

その日も仕事の終わりは夜中の11時頃で、
いつものように、「呑みに行っかー」のひと言で
Iと二人で新宿に繰り出したんだよ。



当時流行っていた「プールバー」で、呑みつつビリヤードをみっちりやって
「次、行っかー」で、再び歌舞伎町の街へ出たのが午前3時頃だったかな。



人通りの少なくなった飲み屋街を歩いていると、
「一緒に、飲みに行かない?」
と、二人組の女の子が声をかけてきた。

キャバクラの客引きかと思ったけど、
見ると、フツーの感じの女のコが二人だ。

ボディコンじゃないし、髪も黒いし、化粧も濃くない
そんなに美人には見えない、または、美人に化けているように見えない。
セーターにジーンズをはいて、薄手のコートを羽織っていたっけ。
二人ともそんな感じ。

ここが、ポイントなのだ。
こんな時間に、客引きとわかるカッコのギャルギャルに声をかけられたって、
むざむざついて行くやつなんているわけないのだ。



「このコ、さっき彼氏と別れちゃって、二人でやけ酒してたんだ」
(なんだと?)って一瞬考え込んでいたら、
すかさず、少し酔ったIが割り込んで、

「いこ、いこ! やけ酒、いこー、いこーっ!」

と叫んで、すでに背の低いほうの女のコと腕を組んでいる。
つくづく軽いやつだ。

僕ら4人は、そんな感じで歩き出した。

「どこ、行こっかー?」
午前3時ともなると、さすがの歌舞伎町でも選べる店が減ってくる。
背の高いほうの女のコが、知ってる店がある、と言うので、
そこへ行くことになった。

道すがら、仕事、何やってるの?と聞くから、
たまたまドカチン風ジャンパーを着ていた僕が、
土建屋だよ、と答えたら、
えっ、建設系?と聞き返して、
女のコ達が無言になったのが忘れられない。

「うそうそ、広告関係の会社員だよ。わっはっはー」

いつの間にか、僕も女のコと腕を組んでいた。
第三者が見れば、Iも僕も鼻の下がかなり伸びていたはずだ。
歩きながら、(酔っぱらって、どっちかの女のコのウチに上がりこむか
ラブホにでも突入するんだろうか。4人で同じ部屋、というのはやだな)
なんて考えていたっけ。



「ここだよ」
と着いたとこは、「かに道楽」の横の道を少し入った雑居ビルの2階。
数百回も来ている新宿歌舞伎町だけど、こんなところにこんな通りがあったとは。

階段を一階分のぼると、ワインレッドの木製の扉だけがペタッとある。
会員制のスナックなんかでよくある、
木彫風のドアに、店の名前をしるした小さいプレートが貼ってある入口だ。

ここで、僕はちょっとひるんだんだな。
(こりゃ、ちょっと高くつくな。1人1万円として、かける4で4万円か。
Iもいることだし、まあなんとかなるか)、なんて3秒くらいの間に考えた。
Iは、ぐいぐいドアを開けようとしてる。

すると女のコが、

「どうしたの、行かないの?」

僕は、(こんな時間に、大手チェーン系の居酒屋とかもうやってないし、
いずれにせよこういう店になるか)と0.5秒で考えた。

「行くけど、高そうだな」
「大したことないでしょ」
(まあ、いいか。知ってる店だとか言ってたし)



ドアを開けると、目の前がカウンター席になっていた。
カウンター席と背中の壁のスキマを左に入って行くと四角い部屋に開けていて、
4~5人掛けのテーブル席が3つくらいあったんだな。

「いらっしゃーい」
ここのママなんだろうな、けっこう太くて大柄な女子がいて
僕らを4人掛けのテーブルに案内した。

001マツコ.jpg
写真とハナシの内容は関係ありません

「何にします?」
まずはビールで乾杯、ということで、大瓶ビールを2本たのんだっけ。
それから、水割りにするかー、ということで、
テーブルに安いウィスキーのボトルとアイスペールなんかが並べられたのだ。

「カラオケやる?」
と女のコたちが言い出したら、Iは

「うん、やる、やるぅ!」

女のコの肩を抱いて、サザンかなんかの曲を歌っている。



ふとカウンターのほうを見ると、あれ?
来た時には見かけなかった、バーテンのお兄ちゃんがいるではないか!
しかも、アイスピックを持って、氷をカシカシ砕いている。
カウンター内の右奥にカーテンが下がっていて、奥まった部屋があるんだな。

002アイスピック .jpg

陽気にカラオケしてるIを横目に、
僕は(間違いなくボラれるな。一刻も早く4人でこの店を出よう)と思った。

歌い終わって、うま~い!もう一曲うたってぇ~、
なんて囃されているIの横っ腹をつついて、
(もうやめろ、急いで出るぞ)と耳打ちした。

Iは不審そうな顔をするも、僕のただならぬ様子を察して、
すんなり首を縦に振った。

僕は、女のコたちに、次いこ、カラオケ行こう、と言って、
ガタイのいいおねーさんに、会計を促した。

「はーい」
と言って、小さな紙を片手にやってきて
「お通し4、ビール大瓶2本、水割り4杯、キスチョコとポッキーとサービス料で・・・
132,630円になります」

!!! やられたー。
僕はこの瞬間にやっと、この店がホントにヤバイ店だということに気づいたんだよ。
ココは、ボッタクリバーではなくて、キャッチバーなのだ。
ベラボーに高く請求するんじゃなく、持ってる金を全部奪うのが目的なのだ。

鼻の下が、シュルシュルと縮む音が聞こえた気がした。

Iが、2秒のタメを作った後、叫び出した。

「バカヤローッ! そんなにぃ、、、」

とそこまで言ったところで僕は、
「お前は黙ってろ!!」
って制したんだよ。

Iがテーブルをひっくり返して、暴れる勢いだったからだ。
そう、ココはキャッチバーなのだ。
逆上して暴れる客をどう処理するかのプロなのだ。
ケンカしたって、向こうが勝つようにシナリオが用意されているのだ。

アイスピックのにーちゃんのうつむいた目が、ギラリと光った気がした。
あのカーテンの奥に、あと何人潜んでいるのかもわかったもんじゃない。
この店が、なんで出入口方面が異常に狭くなっているのかもわかった。



「そんなに、持ってねーよ」
「えー? それはまずいわねー。じゃ、身体検査さしてもらうねー」
と、デブいねーさんが体をまさぐり出すとともに、連れの女のコたちも

「ぐずぐずしてないで、出しなさいよ」

と、ほざき出して、3人で2人の身体検査を始めたのだ。

僕の鼻の下は、縮むどころか平常より短くなっているに違いなかった。
Iの鼻の下は、僕よりもっと長いままに違いないと思った。
こんなはずじゃなかった。
後で、僕らがこの二人の女子の身体検査をするんじゃなかったのか。

「なんだー、持ってるじゃない」

と言って、アマゾネス女がテーブルに広げた金は、
僕ら二人の合計で、14万くらいあったのだ!

給料日の直後だったし、僕はアパートの家賃を持ってくか振り込むだかで
運悪くけっこうな金額を持っていたのだ。
Iがなんでそんなに持っていたのかは、知らない。

「13万に負けとくね。
 かわいそうだから、帰りの電車賃あげる」


と言って、内山君みたいな女は 2,000円バックしてよこしたよ。
(電車、まだ走ってねーぞ)って言いそうになってやめといた。

もし、二人合わせて2・3万しか持っていなかったら、
クレジットカードを握ってATMに連れて行かれたんだろうか。
カードを持ってなかったら、
パンツ一丁にむかれて、階段から突き落とされていたんだろうか。

そこらへんも、ちゃんとシナリオがあるんだろうな。
それが昔でいうところの “暴力バー”、“キャッチバー” なのだ。

Iはまだプルプルしていて、何を言い出すかと思ったら、

「このウィスキー、いったいいくらなんだ、
 これ、もらって帰るからな」


だと。

「はあ、どうぞどうぞぉー」
最後に一発ぶちかましたつもりなんだろうけど、
余計に “やられた感” が増した気がした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからしばらく経って、いよいよ年末も差し迫った頃、
某クライアント企業の忘年会に参加したんだよ。

一次会が終わった時、
いつも一緒に仕事をしている宣伝部の課長が寄ってきて、
「次、行こうよ」
ということで、僕と社の同僚とその課長の3人で、銀座に行くことになった。

誘われるままに着いたところは、ゴージャスな入口のクラブだった。
ハウスミュージックがガンガンかかっていて、
酸欠の中をわいわい踊る “クラブ” でなくて、
いわゆる『銀座のクラブ』。

「ここ、高いんじゃないですか?」
「いやあ、大したこたないよ、ボトルが入っているし」
と言うので、そっかー、なら大丈夫かあ、
ということで、入ったんだった。

壁にはシャガールの本物なんかがたくさん掛かっていて、
おねーさんたちもピカイチにきれいだ。
席に一緒についたホステスは3人だっけな、
僕らの話に合わせるのも、さりげなくうまい。

キープしてあるボトルと水割りのセットが出てきて、
チャームはアポロチョコとポッキーだ。

んー、どっかで見たことある。
僕は、デジャヴのような空気の流れに、クラクラした。



おねーちゃんが、スッポンポンになって踊ったりとか、
裸でお酌をしてくれたりとかは、一切ない。
ただ、ちょびっとお話しただけだ。

それぞれ、水割り2杯程度とポッキー2本くらいをいただいただけで、
「よし、もう一軒行こう」
ということに。

その課長は、僕らと同じトシの頃だけどクライアント様なので、
「ココは、ウチらが出しますわ」
と、レジに会計に行くとなんと、

「245,000円です」

・・・だと!! びっくりぽん!

水割りと、ポッキーで?
おっぱいのひとつもなしで?

お一人様・およそ 82,000円!

おいおい、酔っぱらったクライアントと銀座のカタギのクラブは、
キャッチバーよりコワイぜー。



003水割り.jpg







“ Hold Me ” / Fleetwood Mac





“ 10$の恋 ” / 憂歌団




comment (24) @ ウソみたいなホントの話

ハロウィンを笑い飛ばそう~『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』

2015/10/23

ハロウィン・パーティに行ったことがあるか、ないか?

・・・で、おじんおばんとヤングの間に、線を引ける気がする。
(ヤングはヤングのことをヤングとは言わないし)

僕は、毎年10月になったからって、ウキウキそわそわすることのない、
その線のあっち(こっち?)側の人間なんだった。がはは

お化けのコスプレをして街ゆく若者たちを見てると、
ちょびっとうらやましいなあ。
自分だったら、やっぱ、バンパイアに扮するかなあ。
お前なら、フランケンシュタインがぴったり、
なんて声が聞こえてきそうだけど、気にしない気にしない。

だいぶん前から、誰かオレをハロウィン・パーティに誘う後輩はいないか、
って待っているんだけど、いっこうに動きなしなもんで、
大人がそんなふざけたことなんていしないんだよ、
なんて、捨て台詞でも吐いて、映画でも見っかー・・・



・・・というわけで、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』でもどうでっか?

001集合.jpg


これは、おもしろい!!

吸血鬼と一緒に暮らすのかあ、って想像してたら、
“吸血鬼の原型” とでもいえそうなノスフェラトゥにそっくりなやつ(8,000歳)と、
最も有名なルーマニアのドラキュラ伯爵(862歳)と、
いちばんまともなやつ(379歳)と、
問題児の若手(183歳)の4人が共同生活してるハナシだった!

歴代のバンパイアが共同生活かい!?
しかも、なぜか現代のニュージーランドのウェリントンの片隅でだよ。


そこへ、人間の取材班が「襲わないという約束を取り付けて」
密着して取材して撮ったという、モキュメントスタイルの映画だから
設定からして人を喰っているよね。
バンパイアたちが、時々カメラ目線で自分たちのことを説明したりするもんだから、
マジでおもしろ新しいわー。

それで、登場人物たちの顔や姿を見るとわかると思うけど、
彼らはコメディアンとしての大切な資質を持っていると思うな。
ただそこにいて、黙ってるだけでも、おっかしいんだよ。
日本のお笑い芸人でもいるよね、ほわーっとボンクラ光線を発していて
何にもしなくてもおもしろい人。



<吸血鬼の特徴>

● 処女の血を好む
● 何度か(3度?)血を吸われた人間(または、死ぬまで吸いつくされた?)は
一度死に、吸血鬼として蘇る

× 十字架に弱い → さわると皮膚が焼けたりする
× 日光に弱い → 当たると焼けて灰になる
× ニンニクに弱い → 嫌がるだけ?(笑・僕は好き)
× 銀器に弱い → さわると火傷する?
× 鏡に写らない → 正体がバレる
× 杭 → 木製や金属製のを胸に打ち込むと、完全に葬ることができる
× 招かれないとないとそこに入れない → どこの家でも自由に入れるわけではない

○ 胸に杭を打たれない限り、不老不死
○ コウモリや狼などの動物、霧や蒸気に変身できる
○ 催眠術を使って人や動物を繰ることができる
○ 水の上を歩ける



<あらすじ・・・なんてあるのか?>

ピーター(8,000歳)と、ヴラド(862歳)、ヴィアゴ(379歳)、ディーコン(183歳)
の4人の吸血鬼が、一軒家をルームシェアして暮らしているんだな。
歴代の吸血鬼が、なぜかニュージーランドの首都で共同生活。

吸血鬼たちの生活といえば、日光に弱いので当然夜になってから棺桶から起き出して、
仕事もしないで夜な夜な街を徘徊して、血を吸う人間を探すこと。

002起床.jpg
夕方6時起床!カーテンのスキマから恐る恐る太陽がないことを確認


夜な夜な徘徊と言っても、現代の吸血鬼はクラブやパーティに通うんだけど、
服装がもちろん時代錯誤でしょ?
ダンスもすっとこどっこい。

003セクシーダンス.jpg
“セクシーダンス” とやら。これは観てるほうが恥ずかしいぞ

銀にさわることができないのに、
昔の彼女の写真を銀のネックレスに入れていたり・・・。
これほど、ダサくて弱っちい吸血鬼が見られる映画もないよな。

004演奏.jpg
みんなでバンド?なん百年練習してんの?

共同生活だから、もちろん食器洗い係とか、掃除係とか、
ハウスキープの分担も決まってる。

005ミーティング.jpg
役割分担について、ミーティング中

一番若い(でも183歳)ディーコンは人間のヤングよろしく反抗的だ。
自分の分担をちゃんとやらないし、おまけにアホな人間と友達になったりして・・・。

006洗い物.jpg
183歳のヤングはパンキーだ

吸血鬼たちは、ある時ひょんなきっかけで、IT系の仕事をする人間のステューと知り合いに。
ステューは、吸血鬼だと知ってても、彼らにやさしくネットサーフィンとかを教えてくれる。
彼が家に来出してから、いろんな騒動が起こり出すんだなあ。
やってることは、まるで中高生!

007パソコン.jpg

008日の出.jpg
吸血鬼だから、日の出を観たことがないんだな

009処女の写真.jpg
処女の写真を探したり・・・中学生かい



物語なし、哲学なし、問題提起なし、涙なし、エロなし、アクションなし・・・
ただ笑いだけ。
原題は『What We Do in the Shadows』=僕らが闇に紛れてすること
ホントなら、コワそうな含みのあるタイトルだけど、最後まで観て、
現代のドラキュラがろくなことをしていないことがわかって、
ははーん、ってこれも笑わせてくれるよな。
ただ、邦題の『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』も、
“観たくなる”、“気になる” という点では、けっこううまいよね。

欧米の映画やテレビ番組のパロディが多用されていたりして、
もひとつ欧米の笑いのニュアンスはわからんなあ、
とかいう向きもあるようだけど、
この映画は、各国の映画賞の “観客賞” を総なめに近く受賞しているから、
評論家の意見は横に置いといて、世界中の客を笑わすということはこういうことだ
というのがわかる作品と言えるんだろうね。

この作品で笑えるか笑えないかの間にも、ある種の “線” が引ける気がするなあ。





010クリストファー01.jpg

011クリストファー02.jpg

クリストファーじいさん、怒って蘇ってくるかもなあ



012ポスター.jpg

●シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア (What We Do in the Shadows)
2014 ニュージーランド
上映時間:85分
監督:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント
脚本:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント
製作総指揮:ジェマイン・クレメント
製作:タイカ・ワイティティ、チェルシー・ウィンスタンリー、エマニュエル・マイケル
撮影:リチャード・ブラック、D・J・スティップセン
編集:ジョナサン・ウッドフォード=ロビンソン、ヤナ・ゴルスカヤ、トム・イーグルス
美術:ラ・ビンセント
衣装:アマンダ・ニール
音楽:プラン9
キャスティング:ティナ・クリアリー
製作会社:フィルム4、BFI
配給:松竹メディア事業部
出演:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント、ジョナサン・ブロー、
   コリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード、
   ジャッキー・バン・ビーク ほか
受賞:第30回サンダンス国際映画祭 ワールドプレミア
   第64回ベルリン国際映画祭 クリスタルベア(14plus部門)受賞
   第39回トロント国際映画祭 (ミッドナイト・マッドネス部門)観客賞受賞
   第14回スタンリー映画祭 観客賞受賞
   第14回ヌーテシャル国際ファンタスティック映画祭 観客賞受賞
   第3回フル・ムーン ホラー・ファンタジー映画祭 作品賞・観客賞受賞
   第63回メルボルン国際映画祭 観客賞受賞
   第30回ワルシャワ映画祭 観客賞受賞
   第47回シッチェス映画祭 審査員特別賞(Special Mention)&観客賞受賞
   モンスターズ・オブ・フィルム2014 観客賞受賞
   セルロイド・スクリーム シェフィールド・ホラー映画祭2014 作品賞受賞
   サン・セバスチャン ホラー・ファンタジー映画祭2014 観客賞受賞
   第34回ハワイ国際映画祭 観客賞受賞
   第28回リーズ国際映画祭 観客賞受賞
   ヴァージニア映画祭2014 観客賞受賞







“ ひみつのアッコちゃん すきすきソング ”


作詞/井上ひさし、 山元護久 作曲/小林亜星 うた/水森亜土
キーボード、誰が弾いてるんだろ? すご過ぎ!


“ 1960's Batman Theme ”




comment (16) @ 映画>コレコレ、いいよ!

平日の昼酒 ~ 『吾妻橋やぶそば』

2015/10/17

親友のHくん御用達の “吾妻橋やぶ” に行ってきたよ。

Hくんが、こっちに単身赴任していた時に、
お気に入りで、ちょくちょく行ってたという店。
彼は赴任中、この近辺に住んでいたからね。

彼のルポを見て、「おお、よさそうな店だなあ」と思い、
そのうちに行くぜと思いつつ、2年も経ってしまっていたね。
だってさ、月曜と火曜が休みで、11:30~16:00の営業だからね。
しかも、ふだんほとんど用の無い浅草方面だからね。
なかなか行けなかったのさ。

今回は、たまたまその近くで午前中に打ち合わせがあったので、
「おっしゃー、逃すなチャンスチャンス」ということで、
ウキウキ行ってみたんだよ。



地下鉄銀座線の浅草駅を出ると、東武スカイツリーラインの浅草駅と直結した
松屋浅草(デパート?)が目の前に。

001東武スカイツリーライン浅草駅_松屋浅草.JPG

ちょっと左を向くと、デンキブランで有名な「神谷バー」が。

002神谷バー.JPG

そっち(浅草方面)とは逆を見ると、すぐそこに隅田川。
「吾妻橋」がかかっているのだ。

橋の上から「駒形橋」方向を見ると、屋形船が停泊中。
風情だねぇ。

003吾妻橋の上から駒形橋を望む.JPG

駒形橋と逆の方向を見ると、アサヒビールの本社ビルと墨田区役所がスコーン。
あの「雲古オブジェ」も健在だねー。

004アサヒビール本社ビル.JPG

橋をしばらく歩くと、なんと東京スカイツリーも見えてきた!
おお、絶景かな、絶景かな。
まわりに高い建物がないので、目立つ目立つ。

005スカイツリー.JPG



吾妻橋を渡り切ってすぐに右に曲がって、隅田川沿いに3分も歩けば
左手にほれ、『吾妻橋やぶそば』が待っていたぜー!
駒形橋の東詰の目の前だね。

006吾妻橋薮そば入口.JPG

繁華街でもなんでもないところなので、ちょっと寂しげな風情ではあるな。
でも、黒塀と少し奥まった玄関で、ちゃんと江戸蕎麦屋の風体をなしているねー。

おお、中は想像してたのより広い。
想像以上に凝った和の内装に、椅子やテーブルがゆったりレイアウトされていて、
よくある人気蕎麦屋のようなせせこましさが全然ないね。

007店内.JPG

ぴったし11:30に着いたから、客はまだ3人くらいしかいない状態。

008鉢.JPG



さてさて、何にしようかな。
うむ、蕎麦屋のつまみだな。
そうさ、街の蕎麦屋は料理屋じゃないし、飲み屋でもないんだから、
こういうのがふさわしいのだ。

009メニューつまみ.JPG

でも、定番系の他に、「天抜き」とか「鴨抜き」とか「天種」とかのがあって、
いいね、いいね、って、蕎麦屋モチベーションが上がってくるぜー。

010メニュー蕎麦.JPG

蕎麦メニューの最も特徴的なのは、
もり蕎麦が、小・中・大の3種あることだろうね。
これは僕的には、つまみをたのんで蕎麦前酒をやった後に、
「蕎麦、少しでいいんだけどなあ」って思うことがあるので、大助かりなんだよね。

ぶっかけ系もそそられるけど、
「花まき」や「おかめ」の伝統メニューもいいねー。



よし、まずは小瓶ビールと「鳥わさ」で、シュワーッといくか。

ほれほれ、これだ。

011ビール_蕎麦味噌_鳥わさ.JPG

酒類をたのめば、何か突き出しを出してくれる、これが蕎麦屋の常識。
こちらは、定番の「蕎麦味噌」。

012蕎麦味噌.JPG

「鳥わさ」は、見た目より量が多いぞ。
味付けはたぶん、かえしとみりんか砂糖と、当然わさび。
そして、微妙にすりゴマを混ぜてあるとみた。

013鳥わさ.JPG

わりと薄味。
うまい!
“蕎麦前がいい” という評判は、本当だな。
ビール向きのつまみでないことはわかっていたんだけど、ソーセージとかないし、
ぽかぽかあったかい日だったので、喉が乾いててビールにしたのが悔やまれる。
それにしても、11:30から16:00の間に酒を飲む人がそんなにいるんだろうか。

ほとんど食べてしまってから、やっぱり日本酒がいいな、
って「菊正上撰」の熱燗をたのんでも後の祭り。
なら、もう一品ということで、「天抜き」を注文したった。

014菊正上撰.JPG

ちなみに「天抜き」とは、
あったかい天ぷら蕎麦の “蕎麦” を “抜いた” もののこと。
天ぷらを抜いたらそりゃ、かけ蕎麦だからね。
つまり、温蕎麦の甘汁に、天ぷらが肩まで沈めてあって、
三つ葉とゆずのかけらを浮かべてある、というシロモノなんだよ。

015天抜き.JPG

妙でしょ?
だって、天ぷらの衣がどんどんレロレロになってくるんだよ。
でもね、これが絶妙に日本酒に合うんだよ。
まあ、醤油と出しの味だからね。

016天抜きアップ.JPG

ガリガリに揚げたはずの、大げさな衣の中に入っているのは、芝海老かな。
どうせ2~3個だろう、と思っていたら7~8個も入っていた!
1,200円もする変なつまみだけど、これなら高くないな。

017天抜き箸上げ.JPG

これは、天ぷら蕎麦にする時の甘汁より、
意図的に少し濃い味付けにしてるんだろうね。
色も濃いし、酒のつまみにして合うように味をこしらえていると思う。
レロレロとプリプリを繰り返して口に運ぶのが止まらない。

酒が進む進む、もう一本つけてもらいたかったけど、やめ!
だってさ、平日の昼なんだよ。
顔がまっ赤っかだし。

018七味.JPG



呑んでる間にたのんどいたのは、「もり」の小
これも、見た目より多いね。
神田の砂のつく蕎麦屋のもり一枚より、はるかに多いぞ。

019もり小.JPG

020もり寄り.JPG

021もりアップ.JPG

辛汁はまっ黒で、ご存知「藪」の塩辛さ。
出しの香りは軽くて、旨味の引き出しのみに徹しているのか。

022もり汁.JPG

微粉で打たれた麺のすすり心地も、歯ごたえも、
鼻に抜ける蕎麦の香りもナイス!
完全手打ちは、2009年から始めたそうなんだけど、
上野藪の麺を少し細くしたくらいのクォリティの高さだね。

023もり箸上げ.JPG

024きざみねぎ.JPG

あ、ネギを入れるのを忘れてたーっ、
ってかー、ホントは蕎麦湯に入れるために取っておいたんだよ。

025蕎麦湯.JPG



Hくん、いつも一人でどこに座って、天ぷら蕎麦を食っていたのかなあ。
一緒に蕎麦屋めぐりしたのを思い出すねぇ。

いつか、ここにも一緒に来られるといいなー。



026水上バス.JPG


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<やぶそば豆知識>

藪蕎麦の“藪”とは元々は蕎麦屋の屋号ではなく、
ホントに竹藪の中にあった蕎麦屋だから愛称として呼ばれていたものらしい。

それは1700年代の江戸時代のことで、
東京・池袋の近くの雑司谷の鬼子母神にあった2軒の人気蕎麦屋のうち、
門前茶屋だった方と、ちょっと離れた竹藪の中にあった方を区別するために、
竹藪の方を “藪の内そば” とか “藪の中爺がそば” と呼んだことから生まれたペットネームだとのこと。

この“藪の内そば”を、鬼子母神にお参りに来た人が、行く時に注文を入れといて、
帰りにちょうど通りかかる頃に蕎麦を作ってもらっといて食べて帰る、
という使い方をする人も多かったそうだ。

この元祖“藪の内そば”は、戸張喜惣次という主人がやっていて人気を博していたけど、
1818~30年(文政)の頃に廃業したのではないかと言われているそうだ。
その頃には、江戸のあちこちに「藪そば」を冠した蕎麦屋があったそうだ。
江戸にはよっぽど竹藪があったのと、語呂のいい粋な呼び名が流行ったんだろうね。

この雑司谷の“藪の内そば”は、いまの“かんだやぶそば”とはどうも関係ないようだ。
つまり、この店から分家が生まれていたとしたら、
かんだやぶとは別の由緒ある“藪”が存在しているはずだねー。

その後、江戸にたくさんある藪そばの中で群を抜いたのは、
深川藪之内の「藪そば(藪中庵)」という蕎麦屋だったとのこと。
幕末から明治にかけて名店として人気があったらしいんだけど、明治に入った頃には、
千駄木の団子坂にも大人気の “藪”「蔦屋(通称:千駄木やぶそば)」があって、
その2店が肩を並べていたという記録が残っている。

深川の藪は、明治37年頃に廃業したと思われて、
千駄木・団子坂の藪「蔦屋」も明治39年頃に、支店を残して倒産したそうだ。

深川藪の流れは、もうどこにもないんだろうか。
雑司谷系列も深川系列も資料が残っていないので、
現在まで支店を残しているこの千駄木団子坂「蔦屋」系列が、
やぶそばの正統なルーツとして語られているのが現状みたいだね。

「蔦屋」は、天保4年(1833年)の記録では、伊勢安濃津藩の武士だった山口伝次郎が創業者で、
武家をやめて町人として親戚の苗字である三輪姓を名乗って始めたというのがあるけど、
下野(栃木)出身の武士が創業者だとする説もあって、はっきりしないようだ。

でも、千駄木の団子坂の中ほどに「蔦屋」という蕎麦屋があったことは複数の記録からして間違いなくて、
それが「藪そば」とか「やぶそば」とかと呼ばれていたことも文献に残っているそうだ。

明治時代の「蔦屋」は、敷地面積が1500坪を越える屋敷のような店で、
坂を利用して仕事場と客室が複数立ち並び、敷地内には人口の滝まであったそうだ。

売り物の蕎麦は、今とはまったく違って、挽きぐるみのいわゆる田舎蕎麦で、
うどんくらいの太さがあって、コシも東京一ではないかと言われるくらい強かったとのこと。

器類は、邸の周りがその名の通り竹藪だったので、蒸籠や箸、土産用のつゆ入れの筒などに
竹細工が用いられていたのが特徴的だったそうだ。

その「蔦屋」には、神田の連雀町(現在の淡路町のあたり)に支店があって、
明治13年に、堀田七兵衛という人物がこれを譲り受けることになって、
これがいまの『かんだやぶそば』の始まりとなったそうだ。

この時点で「雑司谷・藪の内そば」はすでに消滅していて、
「千駄木団子坂藪そば・蔦屋」と「深川藪そば・藪中庵」とこの「連雀町藪蕎麦」が、
東京の藪そばのベストスリーと当時の書物に紹介されている。

先に書いたように、「深川藪そば・藪中庵」は明治37年頃になくなったと言われていて、
明治39年頃には、隆盛を極めた「千駄木団子坂藪そば・蔦屋」も財テクに失敗して廃業したから、
その後は、“藪そば”といえば、蔦谷の暖簾を継いだ神田連雀町のことさすようになったとのことだ。

おもしろいのは、『連雀町藪蕎麦(現・かんだやぶそば)』の創始者の堀田七兵衛は、
元は「砂場」系の蕎麦屋をやってたこと。
江戸時代に林立した“藪蕎麦”の中から、“藪”のルーツを引き受けることになった店に、
“砂場”のDNAが入っていることだ。
「連雀町藪蕎麦」を引き継ぐ前まで、堀田七兵衛は浅草蔵前の「中砂」という砂場の4代目だったのだ。
堀田家が大阪の砂場をどうやって東京に継いできたかは、不明らしいけど。

その後「連雀町藪蕎麦」は、関東大震災と第二次大戦を経て、堀田七兵衛の次男・平二郎が継いだ。
三男に勝三というのがいて、京橋の支店をやっていたのだけど、
浅草並木町に元々あった団子坂藪蕎麦(=蔦屋)の支店「藪金」に、
26歳の時に移転させられて店を任せられた。
それが、いまの『並木藪蕎麦』だそうだ。

その堀田勝三の長男の平七郎が、日本橋三越支店を経て“並木“を承継。
昭和29年に勝三の三男の鶴雄が上野池の端の新店を任せられたのが、『池の端藪蕎麦』の始まり。

この “神田連雀町(かんだやぶ)” と “浅草並木” と “上野池の端” が、
初代・堀田七兵衛の血縁直系なので、「藪御三家」と呼ばれているんだね。

さらに、明治25年に「連雀町藪蕎麦」が初めて暖簾分けしたのが鵜飼安吉の『藪安(現 上野藪そば)』。
明治37年に暖簾分け第二号店として開業したのが多田与四太郎の『浜町藪そば』。
初代七兵衛の妹4人のうちの1人の娘が、大正になって七兵衛の弟子と結婚して出したのが『泉岳寺藪そば』。

この他、直系・暖簾分け含めて、本郷、浅草、日陰町、銀座、人形町、京橋、日本橋、
本駒込、三田、芝浦などに“千駄木団子坂→神田連雀町系“藪蕎麦は展開したけど、
戦後までにみんな廃業しちゃって、御三家プラス「上野」、「浜町」、そして「泉岳寺」が残ったというわけ。
(以上『蕎麦屋の系図』岩崎信也 光文社知恵の森文庫 参照)

Hくんお気に入りの『吾妻橋やぶそば』は、何店目か僕はわからないけど、「上野」、「浜町」と並ぶ、
「神田連雀町藪蕎麦(かんだやぶそば)」のれっきとした暖簾分け店なんだなあ。

“藪”というと、クロレラ入りの緑色の細くて弾力のある麺と塩辛い蕎麦汁を思い出すけど、
分家の御三家も暖簾分け店も、それぞれ工夫が進んでいて、
伝統を守りながらも少しずつ違う味やメニューが愉しめるらしいね。

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●『吾妻橋やぶそば』
東京都墨田区吾妻橋1-11-2
03-3625-1550
11:30~16:00
ランチ営業、日曜営業
定休日/月曜・火曜







“ 東京の空 ” / 小田和正





“ Good Time Charlie's Got The Blues ” / Earl Klugh - Chet Atkins Quintet




comment (16) @ 蕎麦>東京都墨田区

ポスターは世につれ(てない)

2015/10/14

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打ち合わせでよく行く会社のそばにある
ローソンに貼ってあるポスター。

シンプルで、インパクトあるよねぇ。

15年くらい前からかなー、
そういえば、貼ってあったなあ、コレ。

キャッチフレーズの色が褪せちゃってる。
たしか、元は真っ赤な色だったよな。

いまどきなら、
「ドローンが見てるぞ! ネットでさらすぞ!」
ぐらいにしなきゃ、効果ないかもねー。







“ Midnight Blue ” / Kenny Burrell




comment (13) @ 気になるもの>掲示物

男を食いモノにするスカヨハ ~ 『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

2015/10/07

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これは、久々に変な映画つかまされたあ。

某レンタルショップの棚に、「著名人がおすすめする一本」みたいな
コーナーがあるんだけど、そこでコレを絶賛している人がいて、
なら観るべか、とすんなり借りたんだけどさあ。

全篇、最初から最後まで、スカーレット・ヨハンソンをたっぷりと写した映画!
スカヨハのプロモーション・ムービーじゃんか、って言いたくなるわー。


002毛皮.jpg


しかも、脱ぐ、脱ぐ!
あのスカヨハが、すっぽんぽんのすっぽんぽ~~ん。
じんじろげ~のじんじろげぇ~~。



003捕食部屋で.jpg

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脱いで、脱いで、最後はスカヨハまで脱いでしまう。(笑)

まあ、そういうわけで、
スカーレット・ヨハンソンのファンなら当然観たいだろうし、
裸ならなんでも観たい、という人にもおすすめな作品だけどね。



しかーし! しかしだ。
これは、極めて芸術性の高い作品だぞー。
そこんとこがミソ。

セリフが極めて少なくて、映像が極めて凝っている!
たぶん、CGはほとんど使っていないんだけど、
文字通り “映像アート” の域に入るべき作品だと思う。

そして、雅楽のような神秘的な音楽!

常人ばなれした怪しい魅力のスカヨハを、
30を越えて、少し崩れてさらに妖艶なカラダになったスカヨハを
前衛ががったタッチで、怪しく撮りまくったんだなあ。


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スカーレット・ヨハンソンは、どこから来たんだろう?
ペガスス座51番星bからか?

バックで何ものかに操られて、
健康な独身男を捕食する、というミッションを
この地球で果たし続けているんじゃないか。

スクリーン用の顔を脱いだ、ホントのスカヨハはどんな生き物なんだろう?





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●アンダー・ザ・スキン 種の捕食 (Under the Skin)
2014 イギリス・アメリカ・スイス
上映時間:108分
監督:ジョナサン・グレイザー
原作:ミッシェル・フェイバー『アンダー・ザ・スキン』
脚本:ウォルター・キャンベル、ジョナサン・グレイザー
製作総指揮:テッサ・ロス、レノ・アントニアデス、ウォルター・キャンベル、
      クローディア・ブリュームフーバー、イアン・ハッチンソン、フローリアン・ダーゲル
製作:ジェームズ・ウィルソン、ニック・ウェクスラー
撮影:ダニエル・ランディン
編集:ポール・ワッツ
美術:クリス・オッディ
衣装:スティーブン・ノーブル
音楽:ミカ・レヴィ
キャスティング:
製作会社:フィルム4、BFI
配給:スタジオ・カナル(英)、A24フィルムズ(米)、ファインフィルムズ(日)
出演:スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・マクウィリアムス、ジョー・スズラ、
   クリシュトフ・ハーディック、ポール・ブラニガン、、アダム・ピアソン、
   マイケル・モアランド、デイヴ・アクトン、ジェシカ・マンス ほか
受賞:第24回ゴッサム・インディペンデント映画賞
   ・作品賞 ノミネート
   ・主演女優賞 ノミネート
   第40回ロサンゼルス映画批評家協会賞
   ・音楽賞 受賞
   第9回ダブリン映画批評家協会賞
   ・作品賞 次点
   ・監督賞 次点
   ・女優賞 次点







“ Stop Breakin' Down Blues ” / Robert Johnson





“ Stop Breaking Down ” / The Rolling Stones




comment (14) @ 映画>なんじゃこりゃあ

君が生きた証は・・・ ~ 『君が生きた証』

2015/10/04

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また、アメリカの学校で銃乱射事件があったよね。

どんな理由があろうとも、これっぽっちも加害者の肩を持つつもりはないけど、
この映画は、何かにさいなまれて銃でもぶっ放したくなる若い心や、
加害者の親の気持ちを少し楽にしてくれる作品なんだろうと思う。


君が生きた証は、何人もの “君” が死んだ証。

苦悩は、そこにある。
輝きも、そこにある。
どうにも、心の “方向が定まらない(=Rudderless:原題)”。



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音楽が好きなら、ぜひぜひ!
泣くぞー。


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●君が生きた証 ( Rudderless )
2014 アメリカ
上映時間:105分
監督:ウィリアム・H・メイシー
脚本:ケーシー・トゥウェンター、ジェフ・ロビソン、ウィリアム・H・メイシー
製作総指揮:アーロン・L・ギルバート 、ジェフ・ジョンソン、パトリシア・コックス、ネイサン・ケリー、
      ウィリアム・H・メイシー、ジョン・レイモンズ、アリ・ジャザイェリ、
      ジェイコブ・ペチェニック、ジェフ・ロビンソン 、ランディ・ウェイン
製作:ブラッド・グライナー 、キース・キャルヴァル 、 ジェフ・ライス
撮影:エリック・リン
編集:ジョン・アクセルラッド
美術:クリストファー・スタル
衣装デザイン:ジュリアン・ドナルドソン
音楽:ソリッドステート(サイモン・ステッドマン、チャールトン・ペッタス)、
   イーフ・バーズレイ、ビリー・クラダップ、アントン・イェルチン
キャスティング:メアリ・ヴァーニュー 、 ミシェル・ウェイド・バード
配給:ファントム・フィルム
出演:ビリー・クラダップ、アントン・イェルチン、フェリシティ・ハフマン、ジェイミー・チャン、
   セレーナ・ゴメス、ローレンス・フィッシュバーン、ウィリアム・H・メイシー ほか
受賞:サンダンス映画祭 プレミア部門出品/クロージング作品



“ Sing Along ” / Billy Crudup ( Rudderless )




comment (6) @ 映画>コレコレ、いいよ!

孤独はどこからやってくる? ~ 『おみおくりの作法』

2015/10/02

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これはいいわー。

いやね、レンタル屋さんに行く度に目にとまっていたんだけどね。
以前に、バニーマンさん(「バニーマン日記」http://oukei1963.blog90.fc2.com/blog-entry-472.html)
がレビューを書かれていて、いつになくさらっとお勧めされていたので
観てみたんだけど、これはよかったわー。
バニーマンさん、ありがとう!



イギリスのロンドン(だけ?)には、各地区ごとに「民生係」という
市の職員が実在するらしいんだけど、この仕事がすごいんだな。
簡単に言うと、「孤独死」した人の身元を確かめて、
葬儀から、無縁墓地みたいなとこに埋葬するところまで
段取りしてあげる
んだね。

この映画は、監督がこの仕事にくっついて取材して、
実際の民生係の仕事内容や、実在の人物や出来事を元に作ったそうなんだよ。



<おおざっぱなあらすじ>

ジョン・メイは、ロンドンのケニントン地区の民生係だ。
もう、22年やってる。

自身も独り身で、小さなアパートに住み、身内もいない。

彼の仕事ぶりは極めて役人らしく、きっちりとルーティンをこなすのが日課だ。
毎日、やることも食べるものもほぼ同じ。
きちっと生きている。

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●まず、すぐに孤独死した人の家まで行って・・・
●故人の写真や手紙などを探って、身内や知人を探し出す
●その人の身内や知人に亡くなったことを伝え、葬儀への列席を促す
 (たいがい来ない)

そればかりか・・・
●故人の過去を探り、その人の過去や人柄にふれた弔辞を書く
●その人に合った葬儀用のBGMを用意する
●信心を確認し、その宗派で葬儀を準備する
●一人でも葬儀に出向き、弔辞を呈する
●埋葬に立ち会う


さらには、故人の写真を自分のアルバムに残したりして、
まるで身内のような心のこもった対応なんだよ。
特別に、誰から感謝されるということもないのに。

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ある日、その心のこもりぶりが仇に。
経費と時間がかかり過ぎるという理由で、突然リストラされてしまう。

でも、ジョンは途中までやりかけている仕事を自分の最後の仕事と決めて、
時間外の給料とそれにかかる費用は自腹にする、という条件で上司の許可をもらって
その仕事に取り組むのだ。

そして、イギリスのあっちこっちに出かけて行って、
最後の故人の身元を探っていくうちに・・・。

・・・そして、あの結末。

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・・・ってな感じ。
これ以上は言わないほうがいいだろうなあ。

ぽよーんとした主人公の愚直さに、始終、くすくす笑わさせられる。
イギリスやヨーロッパの映画らしい、静かな笑いと文脈。
でもこれは、上品な笑いにうまーく包みながら、
痛烈な社会批判を込めた作品であることがわかる。

うううっ、最後は不覚にも嗚咽ってしまった。

原題は、『Still Life』で、“静物” とか “静物画” っていう意味だね。
静かに生きるジョンと、静かに死んでいった人を、静かに描くだけなのに、
何か大切なことが見えてくる
、ということかな。

亡くなった伊丹十三さんが観たら、何て言うだろうねー。



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●おみおくりの作法 ( Still Life )
2013 イギリス・イタリア
上映時間:91分
監督:ウベルト・パゾリーニ
脚本:ウベルト・パゾリーニ
製作:ウベルト・パゾリーニ、フェリックス・ヴォッセン、クリストファー・サイモン
製作総指揮:バーナビー・サウスクーム
撮影:ステファーノ・ファリヴェーネ
美術監督:リサ・マリー・ホール
衣装デザイン:パム・ダウン
編集:トレイシー・グレインジャー、ギャヴィン・バックリー
音楽:レイチェル・ポートマン
ヘアメイク:エマ・スレイター
キャスティング:スージー・フィギス
アソシエイト・プロデューサー:マルコ・ヴァレリオ・プジーニ
ライン・プロデューサー:マイケル・S・コンスタブル
製作会社:Redwave Films、Embargo Films、Rai Cinema
配給:BiM Distribuzione(伊)、ビターズ・エンド(日)
出演:エディ・マーサン、ジョアンヌ・フロガット、アンドリュー・バカン、
   キアラン・マッキンタイア、カレン・ドルーリー、ニール・ディスーザ、
   ポール・アンダーソン、ティム・ポッター ほか
受賞:第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門
   ・監督賞/国際芸術映画評論連盟賞
   ・フランチェスコ・バジネッティ賞 最優秀作品賞
   ・次の都市生活賞 映画賞
   ほか多数出品・受賞







“ 潮の香り “ / OFF COURSE




comment (12) @ 映画>コレコレ、いいよ!