ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

自分の気持ちに会いに ~ 青猫書房  






去年の末から、行ってみたいと思っていたところがあるんだよ。

子どもの本「青猫書房」

自分、子供じゃないし、絵本なんかを買ってあげるような子供が
まわりにいるわけじゃないけどね。



仕事仲間のMさんから借りた本で、
田中和雄さんという編集者が詩の魅力について語っていて、
いくつかの詩の作品を紹介されていたんだよ。

それを読んでいたら、詩を読みたい気持ちがムラムラしてきて、
いくつかの本を手にしたいと思っていたんだった。

そうこうしているうちに、Mさん情報で、
田中和雄さんの友達だか後輩だかが新規オープンさせる書店に
それらの本があるはず・・・というのが、「青猫書房」というわけ。

アマゾンあたりで検索して注文すれば、手っ取り早いんだろうけど、
お店まで行ってみることにした。

なんとなく、電子の力に頼るんじゃなくて、
自分の足を使わなきゃと思ったんだよ。



最寄り駅は、東京都北区にある赤羽駅。

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赤羽といえば、私は宇宙から来たと言い張るおじさんや
AKBNとかいうアイドルグループ(?)とか、何かと “変な系” で話題な所なので
ちょびっと、別の意味でもわくわく。


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駅を出て「LaLaガーデン」という商店街に向かって行くと・・・
なんと美しい協会が!
赤羽のイメージがコロンと変わってしまった。


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「LaLaガーデン」は、よくあるアーケード街だ。

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昔ながらの魚屋や・・・

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“駅前” の基本、帽子屋なんかもちゃんとある。
活気のある商店街だね。

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よく見ると、全国ブランドの飲食店や、アパレルショップとか、
レンタルショップなんかと昔からの “地元“ 共存しているんだなあ。
シャッターの降りている店舗なんかは一つもないや。
いい商店街だなあ。



「LaLaガーデン」を突き抜ける一歩手前で、左に折れて住宅街へ侵入。
ちょっと行った右手に、なんとオシャレなたたずまいの入り口が。

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これだ、これだ。

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またまた、僕の中の赤羽のイメージがぽんとアップ。



できてまだ一年も経っていないので、店内はすごくきれい。
白を基調としたすっきりした内装に、
いくつかの書棚があちこちにレイアウトされている。
本屋というより、画廊って感じ。

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奥のほうへ入っていくと、こんなミーティングスペースみたいなのが。

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もらったパンフレットを見るとね、詩の音読会とか、絵本の読み聞かせとか、
トークショーとか、趣味のサークルなんかがこのスペースを使って
行なわれているようだね。

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それらがない時間は、カフェになっていて、簡単な飲み物をたのめるのだ。
シルバーウィーク中のその日は、けっこうあったかかったので、
アイスコーヒーを注文。

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ほしい本の一部が手に入ったよ。

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死んだ男の残したものは    谷川俊太郎


死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった

死んだ女の残したものは
しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった
着もの一枚残さなかった

死んだ子どもの残したものは
ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった
思い出ひとつ残さなかった

死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった

死んだかれらの残したものは
生きてるわたし生きてるあなた
他には誰も残っていない
他には誰も残っていない

死んだ歴史の残したものは
輝く今日とまた来る明日
他には何も残っていない
他には何も残っていない




※ 「ポケット詩集」童話屋 より勝手に転載いたしました。
※ 初出 「日本の詩人17谷川俊太郎詩集」河出書房 1968年





●子どもの本 『青猫書房』
東京都北区赤羽2-28-8
03-3901-4080
11:00 ~ 19:00
定休日/火曜日 (正月休み、夏季休暇あり)







“ For the Peace of All Mankind (落ち葉のコンチェルト)“ / Albert Hammond




夜が気持ちいい季節となりました  




やや秋寄りの夏と秋の間。

夜は、寒くもなく暑くもなく、いい感じ。



この季節にはいつも、夏には気づかなかった空気の匂いや、

繊細な味や、人恋しさや、メロディの切なさなんかが、

ずけずけ入ってくるよなあ。



夜は、これからだんだん長くなる。

お気に入りでも聴きながら、

ぽけーーー







“ Don't Know Why “ / Norah Jones





“ You'd Be So Nice To Come Home To “ / Helen Merrill with Clifford Brown





“ Cool Night “ / Paul Davis





“ I Need To Be In Love “ / CARPENTERS





“ I Can't Tell You Why “ / Eagles





“ Just the two of us “ / Bill Withers & Grover Washington Jr.





“ We're all alone “ / Boz Scaggs




フレンドシップ、ってか?  


9月18日の深夜(19日未明)、みんなが寝ている間に、
安保法案が参院で可決されてしまったよ。

なんてこったい。
これで、アメリカがやらかす戦争で日本人がたくさん死ぬことになったわけだ。
なんで、個別的自衛権じゃないんだ。

野党はこの後、どんな作戦に出るんだろう?
国会は立法府ではあるけど、法の番人ではないのだ。
最高裁には「違憲立法審査権」というのがあるよな。
民主党あたりは、裁判に持ち込むんだろうか。



ネットを眺めてて、ふと思い立った。
「そうだ、そこへ行ってみよう!」
いみじくも、今日は9月19日だっ。



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最寄り駅から電車に・・・。

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めざしたのは「拝島(はいじま)」。

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そうさ、在日米軍横田基地だよ。
おねーちゃん、うれしいのかい?

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日米友好祭 Japanese - American Friendship Festival 2015!
ふん、フレンドシップだとさ、うれしくて涙がちょちょぎれるわ。

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航空自衛隊のパトリオットミサイル発射機。

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ゆるキャラが好きで、自衛隊に入る人もいるのかい?

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これがオスプレイか。

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そんなに兵器が好きなのかい?

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兵器ではしゃぐ子供その2

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僕らはホントにどこへ向かっているんだろう





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なんだ、交通安全のことかあ







“ Danger Zone “ / Kenny Loggins





うん、これはけっこういいぞー。

封切られてから、レンタルが出るまで・・・
「あー、あの森三中とか、オアシズとか、椿鬼奴とかが出てくる
“女お笑い芸人・最後にちょっぴり泣かせるわいわいコメディ系” か、
なんて思ってた。

でも、違ったわー。
これは、れっきとしたヒューマンドラマだなあ。
なるほど、これは海外でも評価されるわけだなあ。

たしかに、森三中の大島ちゃんが男の役をやってることで、
それだけで物語の “ツカミ” はオッケーだし、
彼女(彼)そのものが映画全体の空気を作り出しているんだけど、
それは、よくある女お笑い芸人の “汚れ芸” をやるための小細工じゃなかったんだよ。
大島ちゃんは、見事に男しかも主役になりきっていたぜー。

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たしかに、日本映画にありがちなぽよよ~んとした “間” の作りと、
“ちょっといきすぎた変なやつ” がいろいろ出てきて、
「やれやれ、そうやって笑わせようってかい?」って感じのシーンが
散りばめられたコメディではあるんだけど、
ちゃんと、いまの世の中が抱える問題や空気をつかんだストーリーだからなんだろうな、
結果、けっこうジーンとくる作品にできあがっていると思う。



<大ざっぱなストーリー>

福ちゃんこと福田辰男は、坊主頭でややぽっちゃり系の塗装工。
32才、独身。
仕事はまじめ。
趣味はイラスト描きと凧づくり。
福福荘っていう木造のアパートに住んでる。

福福荘の住人は、変なやつばかりだ。
寅さんみたいなお人よしの福ちゃんは、
その変な奴どうしのケンカを仲裁してやったりして
驕らずヘコまず平々凡々と暮らしてる。

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ある日、仕事仲間の、これまた人のいいダチ(荒川良良)が、
平凡な暮らしに落ち着ききった32才のふくちゃんに、
カノジョを作らせようと持ちかける。
でも、奥手なだけだと思っていた福ちゃんには、深刻な過去が・・・。

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またある日、福ちゃんのもとに、杉浦千穂という美女が訪ねてくる・・・。

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・・・ってな感じ。



主役の福ちゃんって、フツーの人なんだよ。
塗装工だし、イラストを書くのがけっこううまい、
という設定になっているけど、全然スーパーマンではないんだ。

だめなことはだめ、いいことはいい、
友達のためにひと肌もふた肌も脱ぐし、仕事もちきんとやる、
怒る時は怒こるし、苦手なことはできない・・・
ってな意味で極めてまっとうな人間。

でもね、まわりの人が変な人ばかり。
そういえば、自分のまわりも変なやつばかりじゃないか?
うん、だから福ちゃんがすごくいいやつに見えるようにできているんだな。
「うんうん、フツーってあったかい! フツーってすばらしい!
って、なぜか泣かされてしまったよ。



物語の中盤以降は、大島ちゃんが女であることをすっかり忘れてしまう
そう、この映画は、女子が男に扮装して笑わせる必要なんてまったくないんだな。
逆に考えると、主役は女である大島ちゃんをざわざ起用しなくても
よかったんじゃないかって、一瞬思ってしまった。

でも少し考えて思ったよ。
「いやいや、大島ちゃんだから良かったんだな」って。
その理由は、この物語が必要としている主役のキャラクターを
見事に演りきっている “彼” を観ればわかるさ。



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●福福荘の福ちゃん
2014 日本・イギリス・台湾・イタリア・ドイツ
上映時間:111分
監督:藤田容介
脚本:藤田容介
エグゼクティブプロデューサー:
小西啓介、藤本款、皆川一、杉田浩光、中谷泰志、許潤行
プロデューサー:新井直子、藤村恵子、アダム・トレル
ラインプロデューサー:金森保
制作担当:刈谷真
助監督:海野敦
撮影:池内義浩
編集:堀善介
照明:斉藤徹
美術:安宅紀史
装飾:吉野昌秀
衣装:小里幸子
ヘアメイク:百瀬広美
録音:深田晃
音楽:エコモマイ
制作会社:テレビマンユニオン
制作協力:キリシマ1945
協賛:プロタイムズ・ジャパン
製作会社:「福福荘の福ちゃん」製作委員会
     (ファントム・フィルム、クロックワークス、Third Window Films、
      naniiro、ライトハウス・エンターテイメント、テレビマンユニオン、
      デジタルワン、インクウェル)
配給・宣伝:ファントム・フィルム
出演:大島美幸(森三中)、水川あさみ、荒川良々、芹澤興人、飯田あさと、
   平岩紙、黒川芽以、山田真歩、山本剛史、徳永ゆうき、真行寺君枝、
   古舘寛治、北見敏之、田口主将 ほか
受賞:第6回沖縄国際映画祭 正式出品
   ウディネ・ファーイースト映画祭2014 正式出品
   ドイツニッポンコネクション 正式出品
   ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル2014 正式出品
   台湾・台北映画祭2014 正式出品
   レインダンス映画祭2014 正式出品
   香港アジア映画祭 正式出品
   ハワイ国際映画祭 正式出品
   第18回ファンタジア国際映画祭 最優秀女優賞受賞(大島美幸)
   第24回日本映画批評家賞 新人女優賞(小森和子賞)受賞(大島美幸)







“ Just The Way You Are “ / Billy Joel




五輪大会章盗作問題独断的解釈  


2020年東京五輪のエンブレムの盗作問題。
新聞やテレビの報道を見ていたら、かなりもどかしいので、
僕なりの判断を下してみたよ。

これでも一応、プロのはしくれだからね。(汗)





■どんなことしても、似るのだ


たとえばキミに、「クマのキャラクターイラストを描いてほしい」
という依頼が来たとするよね。

キミは、100案考えたとする。
それをもって僕は、その100案のうち100案全部が
この世のクマキャラクターイラストのどれかにそっくりだと断言できるなー。

つまりね、そういう図案のたぐいって、
まったく純白無垢のアタマで考えたって、
世界中にはそっくりなものが死ぬほどたくさんある
、ってこと。

そもそもデザインのたぐいって、
それを見る人とのコミュニケーションをはかるのが目的だから、
まったく新しいものって表現になりにくいものなんだよ。
見る人の先天的な琴線や、経験などから得た後天的なひな形と接触するから
「あー、かわいい」とか「かっこいい!」とか「なるほどー」とか共感できる
んだな。

まったく新しいものを追求することの多い、ピュアアートの前衛的な作品だって、
見る人の感覚や記憶のどっかの部分と共振できるものが「いいねー」って言われて、
ホントにまったく新しいものは「なんだこりゃ、全然わかんねーや」ってことになるよね。
だから、ピュアアートの作品って、時代の感性が追いつくのに何十年もかかって
作者が死んでしまってから、やっと高い評価を受けたりすることがあるんだな。

つまりリアルタイムに理解できる表現物って、宿命的に “どっかで見たことのある”、
“何かに似ている” ものになる
もんなんだな。
それは、エンブレムだって、着物の柄だって、車のフォルムだって、
音楽だって、食い物の世界だって同じ。


だから、プロと呼ばれる人たちは、自分の作った図案が何かに似ていないか
少なからず調べるんだよ。
特許庁の商標のデータベースとか弁理士とか、広告代理店のデータベースや資料や、
国内外の図録集なんかを使ってね。

少なくとも、自分の作った図案の業種と同業種や類似業種については
かなりしつこく比較するんだね。
それから、もしデザインがかぶってしまってるのにその図案を使ったら、
その相手側にどんな損害を及ぼすかなんてことも想定したりもするね。

でもね、中には最初に自分のオリジナルを作りもしないで
いきなり図案のデータベースや資料集を眺め出すやつもいるんだな。
“かわいいクマのイラストを描く” というコンセプトだけをもって、
まず既製品の中からそのコンセプトに叶った作品を選ぶ。

それで、それをいじくって “似てないように” 加工する。
そう、これが “パクリ” だよね。

でもね、これはある意味、
①純真無垢で作る → ②類似した既成案がないかチェックする
の②を先にやっているだけのことと言えるかもしれないよね。
だって、表現したものは、須らく何かに似るんだし、
いずれにしても類似チェックをして、
そっくりなものは改変しなきゃならないんだから。

・・・してみれば、最も大事なことは、
その「クマのイラスト」がどんなプロセスを経て生まれたのかではなくて、
結果、“そのイラストが他のやつとそっくりかどうか“
ということだろう。

しかも、世界中の似ているものが比較対象ということであれば、
“酷似していなければ、パクったと判断できない” ということになるんだと思う。





■すごく似ているからって、盗作とは限らない


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国旗だよ。
日本のやつは、1871年に制定。
バングラデシュは、1971年。
パラオのやつは、1981年に制定。

そっくりだよね、日の丸が最も先行していたんだから、
日本は他の国に、「そっくりなものを作るんじゃないよ」って
文句をつけたりすることも可能だったはず。

でも、3カ国ともこれを使っているんだね。
ここに、デザインというものの
“パクリ問題を理解するヒント“ があると思うな。


①見た目が違う
配色が違うよね。
丸の大きさが違うし、配置も違う。
似てはいるけど、“酷似” とは言いきれない。

②意味(コンセプト)が違う
日本のやつは、“日の本“ で日(=天皇)の膝元、
“日いずる国” で、天皇が君臨する国という意味かな。
バングラデシュは、“緑の大地から日が昇る” = 独立 の意味。
パラオの丸は、“月” なんだそうだ。

③明らかな損害や利益が想像されない
もし、日本が極悪な戦争を始めたからって、
デザインが似ているという理由で、バングラデシュでの犯罪が激増したり、
パラオへの観光客が減ったりするなんてことはないよね。(消極的権利の侵害)
または、バングラデシュやパラオが、日本とそっくりな国旗を無断で使って
莫大な利益を挙げているとも考えにくいよね。(積極的権利の侵害)


・・・よってだな、これら3つの国旗のデザインは
“似てはいるけど、何も問題はない” ということができるんだろうな。
だから、文句つけや訴訟なんかが起こっていない(はず)。

つまりさ、上の①②③に著しく抵触しなければ、
"どんなに似ていても、パクってなどいない"、
"問題などない" ということになるんじゃないかと、僕は思う。





■パクリ魔だからって、これもパクリ?


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本題のベルギーの劇場のマークと五輪エンブレム。

上に書いた①~③に照らして考えてみよっか。

①見た目が違う
全然違うよねー。
●配色が似ても似つかない
●下部の文字の文言がまったく違う。(5色の五輪マークも含めて)
 (五輪エンブレムは文字と五輪マークを外して使うことはないはず)
●五輪エンブレムには、日の丸が入っている
●シアターのほうが、「T」の横棒が縦棒から離れている
どちらの「T」も、世界中で使われているフォントにもともと似ているものなので、
 当然似ているものになる(パクっていなくても)

●シアターのほうは、「T」の全体を円で囲み、「T」の内側にも円を感じさせるが、
 五輪エンブレムは「T」の内側にしか円を感じさせない。
 しかも、この円は '64年の東京五輪エンブレムの日の丸をイメージしたもので、
 シアターの円の意味とは異なる

②意味(コンセプト)が違う
シアターほうの「T」は「THEATRE」のTか?
五輪エンブレムのほうは、「TOKYO」、「TEAM」の「T」。
そもそもシアターのほうは、劇場の「商標」であり、
五輪エンブレムのほうは、商用はされるけど「会章」なのだ。

③どちらにも損害は発生しないだろう
五輪のほうは、このマークの付いたグッズや使用権で莫大な収益を得るだろう。
でも、それはベルギーのシアターの商標に似ているデザインの魅力で
グッズが売れるのではなく、オリンピックの公式エンブレムである、
という記念的な価値で売れる
んだろう。


★この場合の見た目の問題で大切なことは・・・
どちらのデザインも、「T」をモチーフにしていることなんだよ。
これはね、どんなことをやっても、Tである限り似てしまうのだよ。
だって、イニシャルとしてのTをデザインしたものなんて、
世界中に星の数ほどあるんだよ。

しかも、この両方ともに使われている「T」のカタチは、
世界中の人が使うフォントに似ているものがいくらでもあるんだよ。

つまり、このTのデザイン類似性を取り沙汰するのは、
「朝日新聞の本文書体と読売新聞の本文書体って、そっくりだよな。
どっちかがどっちかのやつをパクッたんだろう」
って言うのと同じくらいナンセンスなことなのだ。

だから、「T」のカタチをもってしてパクリかどうか判断するのは無理ということ。
この二つのデザインに似たマークなんて、たぶん数えきれないほどあるよ。
それを挙げれば、ベルギーのデザイナーは訴訟に大忙し、ってことになるんじゃないかな?


★五輪エンブレムは、安易に「T」をモチーフにしたのがそもそもの間違いということ。
その時点で、Tがイニシャルである世界中の会社や商店や個人から
わいわい文句や権利主張が出ることを想定しなきゃならなかったんだよ。

ここで大切なことは、②の意味の違いだと思う。
あのTは「TOKYO」のTだとか、「TEAM」のTだとか言っているからだめなんだよ。
そのTOKYOは “オリンピック開催で、何をめざすのか“、
TEAMとは “どう解釈して、何を世界にアピールするのか” をカタチに
しなくちゃさ。

たとえば、“日本は、オリンピック開催で「復興」の足がかりをつくる”
というコンセプトにしたとする。
「復興」だから、毎年必ずやってくる「春」だ → 「桜」、「つくし」、「朝日」、
「福島の春の風物詩」なんてどうかな・・・
ってな具合で抽出して、“ 日本らしいタッチで、復興のイメージをはっきり感じさせるもの “
をデザインすれば、独自性も出しやすくなるし、もし何かの図案に似ていたとしても、
意味が全然違うという説明もしやすくなるよね。

デザインって、元々記号であるイニシャルみたいなものをさらに記号化するもんじゃなくて、
カタチのない、みんなの “想い” を記号化するもん
なんだよ。

なーんも考えないで、世界中に存在する「T」をモチーフにしといて、
「こちとら天下のオリンピック様、もしどっかのマークに似てたとしたら、
そりゃ、あっち側の名誉になったとしても、文句なんて出るわけねーだろ」とか、
「五輪のエンブレムに似てるからって、何か損が発生する?
逆におたくのマークが目立っちゃって、けっこうな得が生じるんじゃないの?」
・・・なんて五輪組織委員会が構えていたとしたら、あまりにもお粗末。

そんなんだから、見たこともないようなベルギーの劇場のマークを
パクったって訴えられるんだよな。


で、ちょっと考えさせられるのが、
ベルギーのシアターのマークをデザインしたデザイナーの訴えの内容。
彼は、損害を主張しているんじゃなくて、
"積極的権利の主張" というやつをしているんだね。
「オレが考えた意匠を使って利益を得るんだから、オレにも分け前を寄こせ」ということ。

でもさ、①と②の通りなんだから、その言い分は通らないだろ。
パクっていると判断できないんだから、オレのデザインもへったくれもないでしょ。

つまり、あのベルジャンは日本の五輪・パラリンピック組織委員会を
ゆすっているということだね。
そりゃ、裁判に勝てれば莫大なロイヤリティを得るだろうし、
「まあまあ、そんなこと言わないで、これでなんとか」って、
示談金でも稼ごうと思ったんだろうか?

日本側は意外にも、争わず、示談金も払わず、
あのデザインを取り下げるというテに出て、
「東京都は1億うん千万円も損害を出しました」って報道して
あのベルジャンを脅しに出たんだなー。
ベルジャンが裁判に負けたら、払うハメになるかもしれない金額だよね。

僕も、「お、うまい作戦を考えたな」って、思ったけど、
ベルジャンは訴訟を取り下げない、ってまだ言ってるね。
どこからそんな自信がやってくるんだろうか。




■最も大切なのは、意味


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五輪の準備委員会が出してきた「原案」と、
これのパクリではないかと挙げられた作品。
タイポグラフィ・アーティストの展覧会会場のフラッグかな。

うひょー、これはそっくりだよね。
これは、パクったかもしれないねー。
違うのは丸の色くらいに見えるね。

でもね、これも上に書いたことと同じ・・・


①見た目が違う
●Tの横棒の三角の大きさが違う、色も違う
●Tの縦棒の太さが違う
●右下の丸の色が違う、位置も違う
五輪エンブレムのほうは、文字と五輪マークも付帯してる
●そもそもどちらも、「T」のデザインが既成のフォントのままに近いものであり、
Tのカタチについては、どちらともオリジナリティが低く、
類似性を問うことはできない
(似てるに決まってる)

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既成のフォント「Waddem Choo(=フォントの名前)」

②意味(コンセプト)が違う
●展覧会のほうはアーティストの "苗字のイニシャルのT" と "ピリオド"
●五輪エンブレムのほうは、"TOKYO" と "TEAM" だかのT。
しかも赤い丸は、日の丸の丸。

③明らかな損害や利益が想像されない
●展覧会のほうのデザインは、展覧会が終わった後の今後も使われるとは考え難いので、
五輪エンブレムのデザインがアーティストに損害をもたらすとは思われない
●五輪エンブレムは莫大な利益を生むイベントのしるしとして使われるが、
①の理由で盗用性を問い難いので、積極的権利の主張は成立しない


・・・ということだよね。
しかも、大切なことを忘れてはいけない。
これは、原案のハナシで決定案ではないんだから、
まったくの余談だよね。

五輪エンブレムのデザイナーの吊し上げの一端なんだろうな。
デザイナー氏や広告代理店のH社は、よほど何かの恨みをかっているんだろうか?
ネット社会の透明性と残酷性がよくわかる一件だよね。

まあ、この辺はかばってあげるべきだと思うな、
H社や佐野氏に何の義理もないけどさ。





■次にエンブレムを選ぶのは、めっちゃ大変だな


組織委員会は、佐野氏デザインのエンブレムを取り下げてしまったよね。
なんでそんなことをしたんだろうと思う。
「デザインは決して盗用したものではないけど、国民の理解が得られない」
という理由だった。

これは良くないよね。
日本人は、「ケチがついたんだから、選びなおせばいい」って
考える人が大半なんだろうけど、世界中の国々の人は、
「日本人はまじめに仕事をする国民性なのに、デザインを盗用しちまっただとよ!」
って思っていると思うよ。
きっちり争って、「あれは盗用ではない」って世界中にアピールするべきだったのでは?

だいたい、「国民の理解が得られない」とは、どういう意味だろう?
僕がここで説明したようなことを理解できない、と言っているのだとしたら
国民様をひどくバカにしてやしないか。

佐野氏の盗用事例が次々と挙げられてしまって、
不信感とケチつき感でいっぱいのエンブレムを使い続けることを
国民は理解(納得)できない、と言っているのだとしたら
あまりにもファジーな判断じゃないだろうか。


「次は、国民自由参加で応募させよう。選定はネットで国民投票にしよう」
なんて声も上がっているようだけど、それで "パクリ問題" が解決するのかな?
それは、「国民の理解が得られない~その2」の解決策であって、
“デザイン盗用さわぎ” の解決策にならないよね。

それどころか、“デザイン盗用さわぎ” の増大策になるんじゃないの?
だって、類似比較する機能を徹底できない人たちが、
思いつくままの図柄をごちゃまんと応募してくるんだよ。
そりゃ、どんなにすごいチェック機能を用意したからって、
ものすごく時間がかかることになるし、
またパクリさわぎが起こる可能性が高まるだけだよね。

まあ、いかように応募&選考しても、さらに激しく類似性のチェックを
しなきゃならなくなったことに変わりはないけど。


・・・ということで、今後とても大切になるのは以下の2点じゃないだろうか。

1. 徹底的にデザインの類似性をチェックできる機能を構築する
2. もし訴訟が発生したら、必ず勝てるハウトウを構築する


当然、それくらいやってるはずだけど、
もし事が起こってまごまごするようだったら、ただのアホだよねぇ。

その時は、エンブレムなんて、↓これでいいじゃん。
(東京独自のシンボルマークをトル)

005マークなしデザイン.gif







“ Harold's House of Jazz ” / Richie Cole & Eddie Jefferson


サイコー!!シャバダバダ、ってやるやつ、リバップって言うんだよ


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