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ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

キミの余命はどれくらい? ~『君の膵臓をたべたい』  


よくある、高校生恋愛もの。
でも、僕は不覚にも泣いてしまった。

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二人の男子女子がいて、その片いっぽうが余命数カ月という
ことがわかってから始まる恋のハナシなんだな。


ふたりの時間はあと少ししかないがゆえに、
つかずはなれずのもどかしさが妙に胸にキュンキュンくる。
そして、最後に恋人が亡くなってしまって、泣かされる。
はい、よくあるパターンでしょ。

でもね、この作品は『セカチュー』みたいな昔からある
「恋人が死んでしまってわかる愛の深さ」的な映画とは
少し違うんだな。
絶妙なスパイスが振りかけてあって、ちゃんと
“いまだから泣ける” 作品に仕上がっていると思うんだよ。



主人公の女子は、クラスの明るく楽しいグループの中心的な存在。
一方、男子のほうは、グループだとか友達だとかクラブ活動とか
人づきあいのわずらわしさが嫌いで、本だけが友達のぼっち少年。
まったく正反対の二人。

その二人が突然、ただの同級生から友達、友達からから恋人へと
なろうとするんだよ。
そう、なろうとしていくところがキュンキュン部分。

そうそう、その正反対なキャラがくっつこうとするところが
このハナシのミソなんだなー。



この映画はね、たぶん、"いじめ" とか "ぼっち" のことを
取り上げたハナシ
なんだろうね。
そのせいで、ただの「恋人が死んでしまう映画」ではなくて、
人を大切に思う気持ちを持つ喜びや、生きてることのうれしさ、
つまり、人が孤独から逃れて「希望」を持つことを
教えてくれるような作品になっているんだろうと思うんだよ。

主人公の女子は、クラスの明るく楽しいグループの
中心的な存在であっても、孤独だったのだ。
たくさんの友達がいても、毎日、おもしろおかしいことばかり
の上っ面のつきあいで、逆に孤独だったのかもしれない。
ホントに人を好きになったり、思いやったりしたことがないんだな。

かたや男子の方も、ぼっちなんだから友達とつきあう楽しさはもちろん、
異性でも同性でも、ホントに人を好きになったことなんて
これっぽっちもないに決まってる。

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ヒトの愛情というものが、
質も量も最大値は一定(= 1)であると仮定
するならば、
それを分子にもってきて、友達といつも群れている彼女の愛情は
「1/多数(たすうぶんのいち)」
でできているんだろうな。
自分の持てる愛情を、友達の人数で割ってみれば、
1人あたりの愛情がわかるでしょ?
友達がたくさんいればいるほど、少なくなる。

彼のほうはというと、「1/1(いちぶんのいち)」なんだろう。
しかも、分母も分子も「自分自身」。(笑)

この二人が、分母を「1」にしようとする
しかも、自分自身ではなくて、特定の異性の相手で
そうして二人の愛情を合わせると、「2/1」= 2 ってことになって、
「1/1」よりいいね、ってわけだよね。

要するに、
彼女は、多数分配型の愛情を「一点集中型」に、
彼は、自分への「一点集中型」を相手への「一点集中型」に

死んでしまう前に、変えようとするハナシなんだよ。

「そんなもん、恋愛なんだから、男女の1対1に決まっているだろ」
なんて言わんといてーな。
"群れていても孤独" だった女子と "ぼっちで孤独" な男子のという
設定なんだからさ。

だから、僕がエンディングで感じたことは、
「恋することってすばらしいことだなあ」ということよりも
「人の幸せや孤独って、数で決まるもんじゃないんだな、
質なのだ。ホントに心を許せる人がひとりでもいるか、
ってことなんだなあ」
ってこと。
んー、だからベタな恋愛ものとはちょっと違う感じが
したんだよなあ。

これは、前にも同じような感想を持ったことがあったっけ。
そうそう、重松清さんの『きみの友だち』。

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それから、不幸にも病気で早く死ぬ人と、
フツーに長生きする人とどちらが幸せか?

なんてことも考えたなあ。

時節柄、
日常生活でハンデを抱えながらもパラリンピックで
金メダルをとる人と、フツーに長生きする五体満足な人は
どちらが幸せなのか?
なんてことも。

誤解を恐れず言えば、
たまたま、自分の命が短いことがわかった人とか、
たまたま、不運に見舞われて体が不自由になってしまった人とかは、
ネガティブなことがきっかけではあっかもしれないけど、
たまたま、健常者より少しばかり早く
「ホントの恋や愛をしたり、何かに一所懸命打ち込んだり、
いろんなことを大切にしっかり感じて生きることこそが、ヒトの幸せ」
であることを知った人
なんじゃないかな。

とにかく、想い残しのないようにひたむきに生きるのが幸せ
というもんじゃないのか?

だって、余命宣告をされていない僕らは、
たまたま余命がちょっとばかり長いだけで、
いま体が不自由でない僕らは、
たまたままだ不自由でないだけなんだから。

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原作は、住野よるさんの小説。
監督は、『黒崎くんの言いなりになんてならない』、
『君と100回目の恋』の月川翔
脚本は、『僕等がいた』、『奇跡のリンゴ』、
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、『ホットロード』、『アオハライド』、
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、テレビの『カエルの王女さま』、
『嫌な女』、『わろてんか』の吉田智子

スターダスト・プロモーションの肝いり作品だけど、
いいものはいいわー。





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●君の膵臓をたべたい(君の膵臓をたべたい)
2017 日本
上映時間/115分
原作/住野よる『君の膵臓をたべたい』
監督/月川翔
脚本/吉田智子
撮影/柳田裕男
美術/五辻圭
録音/久野貴司
照明/加藤桂史
編集/穂垣順之助
音楽プロデューサー:北原京子
音楽/松谷卓、伊藤ゴロー(追加編曲)
主題歌/Mr.Children「himawari」
助監督/二宮孝平
製作/市川南
企画・プロデュース/臼井央、春名慶
プロデューサー/神戸明
製作総指揮/山内章弘、上田太地
共同製作/村田嘉邦、戸塚源久、弓矢政法、山本浩、髙橋誠、吉川英作、
     細野義朗、荒波修、林誠、清水美成
ラインプロデューサー/阿久根裕行
製作担当/濱崎林太郎
プロダクション統括/佐藤毅
オリジナル・サウンドトラック/WARNER MUSIC JAPAN
制作会社/東宝映画
製作会社/「君の膵臓をたべたい」製作委員会(東宝、
     博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、双葉社、
     ジェイアール東日本企画、博報堂、KDDI、日本出版販売、
     トライストーン・エンタテイメント、S・D・P、
     東急エージェンシー、GYAO、トーハン)
配給/東宝
出演/浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、
   上地雄輔、北川景子、小栗旬 ほか
受賞/第41回日本アカデミー賞
   ・優秀作品賞
   ・優秀脚本賞 吉田智子
   ・新人俳優賞 浜辺美波、北村匠海
   ・話題作品賞
   第30回日刊スポーツ映画大賞
   ・新人賞 浜辺美波
   第42回報知映画賞
   ・新人賞/浜辺美波、北村匠海







♪ himawari / Mr.Children







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森から出てサルはヒトになった ~『はじまりへの旅』  


森で生活する家族のハナシ。

日本では珍しいんだろうけど、
アメリカとかではけっこういるらしいんだよね、
こういう人たち。

ダメな政治や、悪い思想、間違った社会や狂った制度、
いやなヤツひどいヤツ・・・
思えば、世の中には人がまっとうに生きていくのに
邪魔なものがたくさんだよなあ。

ぼけっとしていると、ストレスのヤイバにズタズタに
傷つけられてしまう。
アメリカあたりでは、それを避けるために
人里離れたところで家族だけとかコミュニティを作って
自給自足生活する人がけっこういるんだそうだ。
さすがは、ストレス社会の世界代表。

この物語の家族もそのクチ。
上に挙げたような、世に散乱する “人の悪意” や “社会悪” を避けて
子供たちを育てるために、森の中で暮らすことに決めた
夫婦とその子供たちのハナシなんだよ。

どういうきっかけで、そうすることにしたのかは言わない。

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森で暮らす、と言ったって、
軽井沢の別荘で暮らすのとはワケが違うわけ。
野菜は直栽培するか採取に出かけなきゃならないし、
タンパク質は家族で狩りをして、
自分たちで解体して食べなきゃならない。

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進む道に障害があれば、命がけで崖を上ったりもする。
その技術と体力を身に付けるために、命がけで訓練したりもする。
自然の中で生きるとは、そういうことなのだ。

でも、食う寝るだけなら原始人と同じだから(たぶん)、
選りすぐりの思想書や哲学書、科学の本なんかも読んじゃうし、
良質な音楽なんかも聞いたり演奏したりもする。

いやな国や、社会や、悪人、邪悪な思想や感情とおさらばして、
つまり、家族以外の人や文化と接することがなくたって、
たくましく&リッパに子供たちは育っちゃっているんだな。

ところが、あることがきっかけで、
この家族は都会に住む親戚の家へ行くことになるんだな。
そうそう、それで森の生活で不足していることが
浮き彫りになるんだよ。
この辺は、ちょっとコミカルかな。

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そう、それはほとんど生まれて初めて
自分たちと違う考えを持った人と接したり、
赤の他人と過ごしたりするということ。

それは、これまで経験することのなかったわくわくや
うきうきであるけれど、自分が傷ついたり、相手を傷つけたり
することでもあるんだよね・・・。

でもね、ヒトが生きるなんてことは、
楽しい、美味しい、気持ちいいことと一緒に、
いやなことや、辛いこと、悲しいこと、アタマにくること
とも折り合いをつけていくということだよね。
自分のあっちこっちを磨きながら、
体のあっちこっちに傷も作っていくってことだよね。

時には傷が深すぎて、ホントに早めに死んじゃう人もいるけど、
そうならない範囲で、自分のチカラでピカピカとグサグサの
バランスをとっていくってことじゃないだろうか。

傷を負わせないようにすることではなくて、
負傷が多すぎてダメになりそうな時に唯一助け合えるのが
家族なんだろうな。

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●はじまりへの旅(Captain Fantastic)
2016 アメリカ
上映時間/119分
監督/マット・ロス
製作総指揮/ニミット・マンカド、デクラン・ボールドウィン
製作/モニカ・レヴィンソン、ジェイミー・パトリコフ、シヴァニ・ラワット、
   リネット・ハウエル・テイラー
製作会社/Electric City Entertainment、ShivHans Pictures
脚本/マット・ロス
撮影/ステファーヌ・フォンテーヌ
編集/ジョセフ・クリングス
音楽/アレックス・サマーズ
音楽監修/クリス・ドーリダス
美術/ラッセル・バーンズ
衣装/コートニー・ホフマン
配給/Bleecker Street(米)、松竹(日)
出演/ヴィゴ・モーテンセン、フランク・ランジェラ、キャスリン・ハーン、
   スティーブ・ザーン ほか
受賞/富川国際ファンタスティック映画祭
   ・Save Energy, Save Earth Film Award
   カンヌ国際映画祭
   ・「ある視点」部門 監督賞/マット・ロス
   Deauville American Film Festival
   ・観客賞
   ・審査員賞
   IndieWire Critics Poll
   ・主演男優賞/ヴィゴ・モーテンセン
   Karlovy Vary International Film Festival
   ・観客賞
   Nantucket Film Festival
   ・観客賞 第2位
   Rome Film Festival
   ・BNL People's Choice Award
   サンディエゴ映画批評家協会賞
   ・主演男優賞 次点/ヴィゴ・モーテンセン
   サテライト賞
   ・主演男優賞/ヴィゴ・モーテンセン
   Seattle International Film Festival
   ・Golden Space Needle Award for Best Film







♪ 桜・咲くころ / 押尾コータロー







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インスタ動画的リアリティ ~『私たちのハァハァ』  


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福岡県の北九州市に住む高校3年生女子4人の
青春ロードムービー。

仲良しの4人は、高校生活最後の夏休みということで、
東京の渋谷公会堂で行なわれるクリープパイプの
コンサートを観に行こうぜー、となるんだなあ、
なんと通学用自転車で。

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とりあえず親には内緒。
資金は、誰かの貯金やみんなの手持ちのお小遣いの残り。

でも、すぐに自転車がパンクしちゃって、
ヒッチハイクすることになったり、
所持金を使い果たして、キャバクラでバイトしたり・・・。

はたして、ライブ本番に間に合うのか?

仲良しと言ったって、学校とプライベートの一部でのつきあい。
途中でいろんなことがあって、みんなで解決していくうちに
それぞれの家庭の事情や、進路に対する考えや、意外な性格などなど
これまで知らなかった友達の姿が浮かび上がる、というシカケ。

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ちょっぴりアクティブで、ダサくて、せつない、18才の冒険。
飾りっけのない映像で、まるでツイッターやインスタグラムのアップを
オンタイムで観ているよう

大した盛り上がりもないところが、かえってリアル。(汗)

監督は『アフロ田中』や『アズミ・ハルコは行方不明』を
撮った松居大悟。
ミュージシャンの井上苑子と、ほんのちょっとだけ出てくる
池松壮亮だけは知ってたなあ。



時には、ふとママチャリでどこかへ行きたくなることってない?
(はい、ないよね)





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●私たちのハァハァ
2015 日本
上映時間/91分
監督/松居大悟
脚本/舘そらみ、松居大悟
音楽/クリープハイプ
主題歌/クリープハイプ「わすれもの」
撮影/塩谷大樹
編集/松居大悟
制作会社/CONNECTS LLC
製作会社/SPACE SHOWER NETWORKS INC.
配給/SPOTTED PRODUCTIONS
出演/井上苑子、大関れいか、真山朔、三浦透子、クリープハイプ、
   武田杏香、中村映里子、池松壮亮、satellite blue metro、
   佐藤太一郎、茜チーフ、池浦さだ夢、土佐和成、中村まこと ほか
受賞/ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015
   ・ゆうばりファンタランド賞
   ・スカパー!映画チャンネル賞
   第7回TAMA映画賞
   ・最優秀新進監督賞(松居大悟)
   第25回日本映画プロフェッショナル大賞
   ・第9位







♪ わすれもの / クリープパイプ





♪ What goes on / The Feelies




「戦争」っていうと、フツーどんなイメージが浮かぶんだろう。

丘の上にあるコンクリートのトーチカに向かって、
ライフルを構えて突撃を繰り返す歩兵隊?

木造家屋が密集するエリアに、
数百発もの爆弾を絨毯爆撃するB-29?

塹壕のある、草のない野原に兵士たちが伏せて、
速射砲の砲弾をかわしながらライフルを撃ち合うようす?

平坦な浜に乗り上げた鉄の船から走り出す数千もの海兵隊員が
陸上の機関銃で撃たれて次々となぎ倒されて、
砂浜が真っ赤に染まっていくさま?

市街地に突入した戦車に、爆弾を抱えて轢かれに行く戦士?

鉛色の海に鈍重に浮かぶ戦艦が、幾十もの戦闘機に爆撃を受ける姿?

海面下の原子力潜水艦から勢いよく弾道ミサイルが発射されるの図?

街の何万人が巨大な閃光を浴びて、
逃げる間もなく血管の血液が沸騰して亡くなっていく地獄絵?・・・



この映画は、現代の戦争がまったくそんなんじゃないことを教えてくれる。

現代の戦争とは、一つはテロのことなのだ。
テロを起こすやつと、それを未然にアタックして防ぐやつの戦い。

いままさに爆弾付きジャケットを着ようとするテロリストを見張るのは
人口衛星の高精度カメラと、室内に忍び込ませた蜘蛛型のロボットカメラ

対する武器は、高度7,000mを飛行するMQ-9リーパー(軍事用小型ドローン)
から発射されるミサイル弾。

敵は某中東人、だのに戦地はケニア。
作戦を指揮するのはロンドンにいるイギリスの国防省だけど、
作戦を実行するのはアメリカ・ネバダ州の基地にいる米軍の
ドローン・オペレーターだ。


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イギリスの作戦室にも、アメリカの作戦室にも、
それぞれ国防参謀長や政務官を同席させていて、
遠方にいる国務長官や外務大臣ともオンタイムで
連絡をとれるようになっている。

テロリストのいる現地に詰めた実働部隊は、
最終的にはケニア人の現地工作員たった一人だけ!
スマホでロボットカメラを操作して、
映像をアメリカとイギリスの作戦室に送っているだけなんだよ。

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そう、この映画は、いわゆる「精密爆撃」を描いているんだな。
「精密爆撃」とは、当該軍事目的に関わる施設や罪人だけを
爆撃ターゲットにするピンポイント爆撃のこと(これに対する言葉は「都市爆撃」)。
関係のない一般人をできるだけ巻き込まない、というのが
この攻撃のミソなんだな。

ところが、テロリストのミーティングなんて、
人里離れた山奥なんかでやるわけがなくて、
わざと民間人の集まるところでやったりするから厄介なのだ。

そうすると、爆撃を実行するほうは・・・

①たとえそのテロリストを討ち逃して、
そのためにテロが実行されてしまい、
たくさんの被害者が出るとしても、
その爆撃では絶対に民間人の犠牲者を出さないことを
第一義とするのか?

ごく少数の民間人の犠牲が出たとしても、
大量の人が死ぬかもしれないテロを防止するほうを優先
して
爆撃を断行するのか?

・・・少なからず迷ってしまうのだ。
この映画では、さまざまな責任者に意思決定を促し、
最後の最後まで民間人の安全を突き詰めて作戦が実行される。

観てないんだけど『ドローン・オブ・ウォー(Good Kill)』っていう
映画と似ているのかな、この映画?

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でも、映画ではなくて、実際の作戦時にそうなったらどうするのか?
NHKの戦争特番で、アメリカの軍事関係者が言っていた。

「現代の爆撃だって、我々の先人が第二次大戦の時に、
“第一次大戦の時のような残虐な無差別攻撃はやめよう” と言いつつ
日本の民間人を空襲で殺戮したのと同じことが行なわれるだけ」
と。

有事になれば、戦争とはそういうものなんだろうな。



スネイプこと、故アラン・リックマンに合掌。





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●アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(Eye in the Sky)
2016 イギリス
上映時間:102分
監督:ギャビン・フッド
脚本:ガイ・ヒバート
製作:ジェド・ドハーティ、コリン・ファース、デビッド・ランカスター
製作総指揮:ザヴィエル・マーチャンド、ベネディクト・カーヴァー、
      クローディア・ブリュームフーバー、アン・シーアン、ガイ・ヒバート、
      スティーヴン・ライト
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
編集:ミーガン・ギル
美術:ジョニー・ブリート
音楽:ポール・ヘプカー、マーク・キリアン
製作会社:エンターテインメント・ワン(英)、レインドッグ・フィルムズ(日)
配給:ファントム・フィルム
出演:ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ、
   ジェレミー・ノーサム、フィービー・フォックスイアン・グレン、
   ギャヴィン・フッド、モニカ・ドラン、マイケル・オキーフ ほか
受賞:2016年英国映画賞/脚本賞受賞(ガイ・ヒバート)





♪ AFTER THE GARDEN / NEIL YOUNG





♪ フランシーヌの場合 / 新谷のり子




取り返しのつかない日々を取り返しに ~『永い言い訳』  


ツレアイさんに、恋してますか?

出会ったばかりの頃みたいに、
明日、手をつなごうとか、抱きしめたいとか、チューしたいとか、
そんなことを考えてドキドキしたり、残念がったりしてる?

いつも一緒にいたいとか、ずっと話していたいとか、
ちょっとした仕草や言葉にキュンキュンしたりしてる?

・・・なわけないよねぇ。
そりゃそうだよね。
だって、それって、“恋愛感情” だもんね。
結婚にいたって、ふたりの子供を授かるまでの
“夢の期間”
だもんね。

“謎解きの期間”“修業期間”“自分で自分の気持ちに魔法をかける期間”
とにかく、夢中。
恋は盲目って言うよね。

・・・なんて言うと、「そんなことねーよ、いまでも、
今度、遊園地に行こうとか、映画観に行こうとか、
おいしいものを食べに行こうとか、ウキウキやってるぜー」
って言うむきもあるかも知れないけど、
それは、「あの人と一緒なら、どこに行ったって楽しい」
って思ってたあの頃のウキウキとはちょっと違うような気がするなあ。

いやいや、結婚してからは、
ツレを好きだという気持ちが失せてしまって地獄だよ、
なんて言いたいんじゃないよ。
結婚してからだって、相手を好きだという感情はあるし、
いつも、愛おしくだって思っている。

でも、それは、“恋愛感情” というのとは違う気がするなあ。
「そこからは、恋ではなく愛なのだ」ってよく聞くセリフだけど、
個人的には、かなりいい線言っていると思うけど、
それも微妙にあいまいな言い方な気がする。

かのサン=テグジュペリは『人間の土地』で、
愛するということは、
お互いに顔を見つめ合うことではなくて、
一緒に同じ方向を見ること

・・・って言ったけど、それそれ!

おつきあい期間は、「見つめ合い」で、
結婚してからは、「同じ方向を見る」だよね。

だから、夫婦の愛情って、恋愛時代の「ぽわーんとした愛」とか、
友達との「友愛」みたいなのとは違って、もっと
サイド・バイ・サイドというかギブ・アンド・テイクな絆ではあるけど、
でも、一緒に仕事をする仲間との「同志愛」というのとも違うし、
一緒に暮らす男女の間だけに生まれる感情なんじゃないかな。

「一緒に生活を高め合う男女」ならでは持てる「思いやり」
みたいなものなんじゃないのかなー。



で、この映画の夫婦は、その「一緒に生活を高め合う男女」ならではの
「思いやり」がまったくないんだな。

だって、お互い結婚した頃から、それぞれ自分がやりたい仕事に打ち込んで、
それぞれの目標を追求してきたんだから。
そう、結婚してもバラバラの方向を向いて来たということ。

だもんだから、子供もいない。
そりゃもう、ひととき罹る熱病であるところの恋愛感情が薄れれば
何のために一緒に暮らしているのかわからなくなるよな。

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黒木華ちゃんの軽い濡れ場も観られるぞー。

そんなんだから、憎しみ合っているわけではないんだけど、
しぜん、諍いばかりが目立つようになる。
共同作業をしているわけではないので、
相手の辛苦を「思いやる」必要も薄いからだな。

ある時、おっきめの諍いが起こる。
共同作業をしているわけでもなく、子供もいないんだから、
いまだに恋愛感情だけが絆のはずの二人には、破局の危機だ。

ポスターのコピーにあるように、
そのまま出かけてしまった妻は、そのまま帰らぬ人となってしまう。

残された夫は、それでもちっとも悲しくなかったんだけど、
コトの流れで、一緒に亡くなった妻の友達の遺された家族の面倒をみるうちに
「家庭の幸せ」というものをやっと知ることができるんだな。
でも、もう遅い。
取り返しがつかないのだ。

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この映画は、仕事や目標の追求・成功と、家庭の幸福を
同時に得ることはムリという文脈で描かれている気がする。
そして、どうしたらうまくいくのかは描かれていない。

そういえば、答えを出さずに終わる映画を作るのが好き
西川美和監督の作品だわー。
しかも、原作の小説も脚本も。

でも今回は少し、師匠の是枝(裕和)節が入っているかな。
リアルな日常・明篇の是枝に対する、リアルな日常・暗篇の西川
って感じかな。

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二度観したっけ、脚本の妙に気づいたぜ。
物語冒頭で、妻役の深津絵里が夫を置いて出かけて行く時に吐く
セリフが切ないんだわー。



たまたまツレと口ゲンカをして、
ツレと罵りあったりすることって時々あるよなあ。

それが、“生活幸福化委員” どうしの意見交換ゆえの摩擦
というのならいいけど、そうじゃない場合は
この映画を思い出すことにしよっと。

だって、どちらもいつか死んでしまうんだから、
その時に「取り返しのつかないことを、たくさんしてしまった」
なんて思いたくないもんな。
「ああ、一緒に暮らせて幸せだったなあ」って思いたいもんな。

あ、いけね、独身の人には関係ないハナシだったかなあ。





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●永い言い訳(ながいいいわけ)
2016 日本
上映時間:124分
監督:西川美和
原作:西川美和
脚本:西川美和
製作:川城和実、中江康人、太田哲夫、長澤修一、松井清人、岩村卓
プロデューサー:西川朝子、代情明彦
撮影:山崎裕
編集:宮島竜治
編集:宮島竜治
衣装:小林身和子
ヘアメイク:酒井夢月
サウンドエフェクト:北田雅也
挿入歌:手嶌葵「オンブラ・マイ・フ」
キャスティング:田端利江
助監督:久万真路、菊池清嗣
製作会社:「永い言い訳」製作委員会(バンダイビジュアル、AOI Pro.、
     テレビ東京、アスミック・エース、文藝春秋、テレビ大阪)
配給:アスミック・エース
出演:本木雅弘、深津絵里、竹原ピストル、堀内敬子、藤田健心、白鳥玉季、
   池松壮亮、黒木華、山田真歩、松岡依都美、岩井秀人、康すおん、
   戸次重幸、淵上泰史、ジジ・ぶぅ、小林勝也、木村多江(声のみ) ほか
受賞:第90回キネマ旬報ベスト・テン(2017年)
   ・助演男優賞/竹原ピストル
   ・日本映画ベスト・テン 第5位
   第71回毎日映画コンクール(2017年)
   ・男優主演賞/本木雅弘
   ・監督賞/西川美和







♪ そばにいて / ケツメイシ





♪ 夕暮れの鳥 / 神聖かまってちゃん





♪ 高気圧ガール / 山下達郎




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