ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。
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アリバイを持っておいで ~ EAGLES『Hotel California』も和訳してみた


何かのきっかけでブログを見たら、
イーグルスの「ホテルカリフォルニア」の歌詞の意味についての記事って
いっぱいあんのねぇ。

1976年の12月に発売された当時は、
ロマンチックで哀愁の漂ったメロディと
カリフォルニアらしいパーティや贅沢な生活を感じさせる歌詞で、
“別れた彼女との思い出” を描いた曲だと解釈されていたんだよ。
もう少し進んだ解釈では、当時は、ベトナム戦争が終わって
アメリカの栄光や繁栄が翳りを見せていた時代なので、
そういうことをゴージャスなホテルライフの “思い出” というカタチで描いた、
という意見もみられたな。

でも、翌年の2月にシングルレコードが発売されて、
日本の洋楽のラジオ番組なんかでもバンバンかかるようになってから、
“黒魔術の歌” だとか、“マリファナパーティ” のことだとか、
いろいろな意見が噴出し出したんだよ。

しばらく混沌としていたけど、
僕もずっと、ホントはどういう意味なんだろう、って頭の片隅に引っかかったまま
ことあるごとに訳したり、他人の意見を読んだり聞いたりして、
何年もかかって “こうだ!” という決着をつけたんだった・・・。

いまでも、“アメリカの繁栄を象徴するカリフォルニアの、ドラッグや暴力で堕落した姿を描いた”とか、
“堕落した人間を封じ込めるべきだというメッセージ” とかとか・・・、
いろんな意見があっておもしろいので、
当時、僕が出した結論に基づいて、ものすごく久しぶりに和訳にリトライしてみた。
もともと、いろいろな解釈ができるようにできている曲なので、
いち意見として読んでいただければ・・・。




<プレーン訳>

001レコジャケ



“Hotel California“
“ホテル・カリフォルニア“



On a dark desert highway,
夜の砂漠のハイウェイ

Cool wind in my hair,
髪を梳る冷たい風

Warm smell of “colitas”
コリタスの生暖かい匂い

Rising up through the air,
大気の中を立ち上っている

Up ahead in the distance
遠く彼方に

I saw a shimmering light,
かすかな光が見えた

My head grew heavy and my sight grew dim,
頭が重くなり、視界も霞んできて、

I had to stop for the night.
泊まらなきゃならなくなった

There she stood in the doorway,
入口に立っている女のあたりで

I heard the mission bell
礼拝の鐘の音が聞こえた

And I was thinkin’ to myself :
そして、私は自問した

“This could be heaven and this could be hell”
「ここは天国なのか、それとも、地獄なのか」

Then she lit up a candle,
すると彼女はろうそくを灯して

And she showed me the way,
私を案内した

There were voices down the corridor,
回廊のあたりで声が聞こえた

I thought I heard them say
私には、彼らがこう言ったような気がした



Welcome to the Hotel California,
ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ

Such a lovely place,
とっても素敵な所

(Such a lovely place)
(とっても素敵な所)

Such a lovely face
とっても素敵な外観

Plenty of room at the Hotel California,
ホテル・カリフォルニアには、充分に空きがありますので

Any time of year,
一年中いつでも

(Any time of year)
(一年中いつでも)

You can find it here
ここでなら、泊まる場所を見つけられますよ



Her mind is Tiffany-twisted,
彼女の心はティファニーにかぶれている

She got the Mercedes Bends,
いかしたメルセデスだって持っている

She got a lot of pretty, pretty boys
彼女にはイケてる彼氏がたくさんいる

she calls friends
彼女は友達と呼んでるけど

How they dance in the courtyard,
彼らは中庭でダンスを踊っている

Sweet summer sweat
甘い夏の汗に濡れながら

Some dance to remember,
ある者は何かを思い出すため踊り

Some dance to forget
ある者は何かを忘れるために踊る



So I called up the Captain
そして、私は責任者を呼んだ

“Please bring me my wine”
「私のワインを持ってきてください」

He said, “We haven’t had that spirit here
彼は言った、

Since nineteen sixty-nine”
「1969年以来、あの酒は置いていないんです」

And still those voices are calling from far away,
そしてまだ、彼らの声が遠くからやってくる

Wake you up in the middle of the night
真夜中にあなたを目覚めさせる

Just to hear them say:
ほら、彼らの言うことが聞こえるだろ



Welcome to the Hotel California,
ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ

Such a lovely place,
とっても素敵な所

(Such a lovely place)
(とっても素敵な所)

Such a lovely face
とっても素敵な外観

They’re livin’ it up at the Hotel California,
みなさん、ホテル・カリフォルニアで大いに楽しんでらっしゃいます

What a nice surprise,
なんてすばらしいサプライズ

(What a nice surprise)
(なんてすばらしいサプライズ)

Bring your alibis
口実を作ってでも、ぜひお越しください



Mirrors on the ceiling,
天井の鏡

The pink champagne on ice, and she said:
氷入りのピンクのシャンペン、そして彼女は言った

“We are all just prisoners here,
「私たちはみんなここの囚人なのよ、

Of our own device”
自分で仕組んでそうしたんだけどね」

And in the master’s chambers
そして、支配人の広間に

They gathered for the feast,
彼らは祝宴をするために集まった

They stabbed it with their steely knives,
彼らは鋼鉄のナイフでそれを突き刺した

But they just can’t kill the beast
でも、彼らはだれもその獣を殺すことはできない



Last thing I remember, I was running for the door,
最後に覚えていることは、ドアに向かって走っていたこと

I had to find the passage back to the place I was before,
自分が前にいた場所に戻る通路を探さなきゃならなかった

“Relax,” said the night man, “We are programmed to receive,
「ゆっくりおくつろぎください」と夜勤の人は言った、
「ご要望は何でも受け入れる決まりとなっています、

You can check out anytime you like… but you can never leave”
あなたは、いつでも好きな時にチェックアウトできます、
でも、あなたはもうココの虜、離れられなくなってしまったでしょ」




●“colitas”
コリタスとは、ロサンゼルス郊外の砂漠に自生する植物のこと。
その匂いが似ている(?)ため、マリファナの隠語となっているらしい。
アメリカ西海岸が、マリファナの匂いにまみれているイメージ。
または、歌詞の “I” 自身が、マリファナをやっていることも連想させるな。
それは、その後の文脈から、「頭が重くなって、視界が霞んできて」、
「I had to stop for the night. 」→ 強制的に泊まらなきゃならなくなるからだ。
マリファナ吸引で捕まって連行されてきた、という感じ。

●“I heard the mission bell”
「the mission bell」とは、キリスト教会で使われる礼拝始業の鐘らしい。
ホテルのはずなのに、この辺から、この歌詞がオカルトっぽいテイストになり始める。

●“This could be heaven and this could be hell”
「ここは天国なのか、それとも、地獄なのか」→ いよいよオカルトチックに。
それと、後に出てくる、ホテルカリフォルニアはなんてすばらしいところだ、
というセリフを嘘くさいと感じさせるための伏線となっていると思うな。

●“Welcome to the Hotel California,”
オカルトチックな前フリがあるため、そこが普通のホテルじゃない語感を帯びている。
「ようこそ」という歓迎のあいさつが、逆にコワイ。

●“Such a lovely place”
ウソ臭さがプンプンだよね。
日本人だって、「あそこのホテルどうだった?」、
「サイコーに良かったよ、隣のへやの声がよく聞こえて全く眠れなくて、今日、寝坊しなくて済んだよ」
なんて言い方するよね。

●“Such a lovely face”
よく「素敵な顔」とか「素敵な人たち」って訳してあるものを見るけど、
それなら “faces” と複数になってるはずだから、
これは「外観、外見、見かけ」という意味だろうな。
これもニュアンスとしては、「見かけは素敵でしょ(でも、中ではどうかな、ひっひっひ)
という含みを感じさせる。

●“You can find it here”
“it” の意味がむずかしいなあ。
文脈からすると、「(空き)を見つけられる」ということに思えるけど、
ホテルの部屋を “it” というのも変な感じだし、
「何かを発見する」という解釈もアリかな思う。

●“Her mind is Tiffany-twisted,”、“She got the Mercedes Bends,”
これは造語で、難しいけど、
「彼女の心は、ティファニーねじれ」=「ティファニーかぶれ」=「ブランドファッションにかぶれ」。
「彼女はメルセデスの曲がりを手に入れた」=「見事なフォルムのメルセデスベンツを手に入れた」
または、「メルセデスの曲線のようなゴージャスなスタイルになった(美容整形や装いで)」
ってなとこだろうなあ。
要は、彼女は金と物欲にまみれた生活をしているということだろうな。

●“She got a lot of pretty, pretty boys”
これを、「かわいいかわいいボーイフレンド」とか「親密な関係の男の子」と
訳している向きがあるけど、「pretty-pretty」というスラングがあって、
「飾りすぎた、きれいなだけの、カッコつけの」という意味があるので、
そっちのほうを採用した。

●“Some dance to remember, Some dance to forget”
これはお手上げ、何を言いたいのかわからないなあ。
これの直前の「彼女」のハナシとは切り離して考えた方がいいかもしれない。
みんなが中庭に集まって、過去のよかったことや悪かったことを
思い出したり、忘れたがったりしながら、踊ったり語り合っているイメージが浮かぶけどなー。

●“Please bring me my wine”
これは、「bring ~ my」がミソ。
単純に「私にワインを持ってきて」と訳せるけど、「bring」のニュアンスからして、
「どこかに置いてある私のワイン」を「返して」ととることもできる。

●“We haven’t had that spirit here Since nineteen sixty-nine”
有名な一節だよね。
「1969年以来、あのは置いていません」と
「1969年以来、あの精神は持ち合わせていません」のダブルミーニング
イーグルスはロックミュージシャンだから、1969年と言えば “ウッドストックフェス”
のことを言っているんだろうと考えるのが自然かな。

002ウッドストック
ウッドストック・フェスティバルで演奏するジミー・ヘンドリックス

じゃ、ウッドストックってなんだったんだろう、ということになるわけで、
それは、当時、“ LOVE&PEACEや自由共同体、サイケデリック” なんかを標榜していた
ロック・スピリッツの集大成であったとともに、
ロック業界がマスプロ商売をスタートさせるきっかけとなったイベントとも
意味づけられているんだよ。
つまり、この歌詞では、「1969年にロック・スピリッツは死んだ」と言いたいんだと思う。
'70年には、それを証明するかのように、ジャニス・ジョプリンとジミヘンがドラッグで死んだ。

003ジャニス
ジャニス・ジョプリン

ここで初めて、この歌が、なんだか現在のロックを批判しているのでは?
'60年代のロッカーが思想していたことを忘れ、
ドラッグ、拝金、セックスにまみれたロック界を批判しているのでは?
と感じることができる。

この解釈はいまや一般的で、ほぼ正解だと僕は思うんだけど、
それはこのアルバムの他の曲も訳すとわかるはず。
イーグルスは、このアルバム全体で、拝金主義に産業化したロックに幻滅し、
“駆け足でヒットを生産し続けなければならない暮らし” や
金と締切に追われる生活で、“愛する人との大切な時間を失ってしまったこと” を
思い切り嘆いているからだ。

さらに、1969年には、ウッドストック以外にもいろんなことが起こっている
アメリカ人には忘れられない年なんだよ。
なんたって、アポロ11号が人類初の月面着陸した年だし、ゲイの暴動なんかもあった。
ベトナムから米軍が撤退し始めた年でもある。

特に、ローリングストーンズのオルタモントでのコンサートで、
ヘルスエンジェルスが黒人の子供を惨殺した事件
は、ロック好きで知らない人は少ないはず。
あの事件は、LOVE&PEACEのヒッピーが暴徒と化して、殺人をもって人種差別をした
ということに他ならないんだな。
つまり、LOVE&PEACEも自由もカウンターカルチャーもサイケも腐ってしまって、
ケネディ大統領やキング牧師の暗殺などにみるように、すでに公民権運動も反戦運動も阻害されていて、
おまけにロックもここで終わったのだということを象徴した事件
だったと言える。

004スマイルバッヂ
LOVE&PEACEのシンボル、スマイルバッヂ

だから、「1969年以来、その精神はなくなった」の意味は、
単に、ロックスピリッツがなくなった、というだけではなくて、もっと包括的に
'60年代まで、愛や平和や自由や平等を叫んできた豊かなアメリカの精神が失われて、
それまでのツケを返すための管理社会になってしまった
、という意味が濃厚なんだな。

●“They’re livin’ it up at the Hotel California,”
“be livin’ it up” を「生きていく」とか「人生を謳歌する」みたいに訳してる人がいるけど、
「大いに楽しむ」というイディオムじゃないかな。

●“Hotel California” ってどこか?
歌詞の中で、“here” などで済ませられる部分もあるのに、
くどいほどに “the Hotel California”とフルネームが繰り返させるよね。
へたくそな宣伝コピーに多いやり方だけど、
繰り返せば繰り返すほど、そこが、ホテルじゃない、みたいに聞こえる。
それで、当時も物議をかもし、「変な宗教の教会じゃないのか」とか
カリフォルニア州と地つながりの「メキシコにある逃亡者をかくまう宿」とか
いろんな憶測が飛び交った。

中でも、最も信憑性が高いと思われるのが、
「カリフォルニア州立精神病院(Camarillo State Mental Hospital)」だとする説。
1997年まで実在していて、いまも学校として使われていて建物は残っているらしい。
ネットで検索してみると、んー、ジャケ写にそっくり!
この元カリフォルニア州立精神病院の建物は、高速道路の脇道から行ける砂漠の中にあって、
その事実も歌詞と符号する。

006州立精神病院
元カリフォルニア州立精神病院の建物

001レコジャケ

ちなみに、実際にレコジャケに使われているのは、
ロサンゼルスの超高級住宅地ビバリーヒルズに実在する5つ星ホテル
『The Beverly Hills Hotel』だ。

005ビバリーヒルズホテル
ハリウッドのセレブも御用達の『The Beverly Hills Hotel』

それから、当時、ドラッグ中毒などで犯罪を犯した人間が精神病院に入れられて、
「刑務所に比べたら精神病院は天国、まるでホテルのおもてなしだよ」
なんて言っていたらしいのだ。
精神病やドラッグ中毒を装って、刑罰を逃れる犯罪者が大勢いたのだ。
中でも、カリフォルニア州立精神病院は、
実際に「ホテル・カリフォルニア」と呼ばれていたらしい
のだ!

犯罪者が刑を逃れるために精神病を装う例は、
このアルバムがリリースされる前年(1975年)に封切られた映画
『カッコーの巣の上で』でも表わされているね。

それで、そんなうまいことをやって入ったはいいけど、
実際は、中ではひどい目にあわされるし、一度入れられたら出れらやしない、
というのも歌詞と同じ。
ひょっとしてドン・ヘンリーは、この映画をオマージュにして
『ホテル・カリフォルニア』を書いたんじゃないか、と思ってしまう。

そうか、ホテル・カリフォルニアってその精神病院のことか、
という前提で歌詞を読んでいくと、いろんな部分で腑に落ちるはずだ。

●“What a nice surprise”
これも、内緒で突然プレゼントが出てきたりする時みたいに、
いい意味で捉えらればいいけれど、
「びっくりする出来事」には悪い出来事もあるわけで。

●“Bring your alibis”
これは、めっちゃ曲者!
“alibis” には、①「口実」と②「アリバイ(不在証拠)」の2つの意味があるけど、
①なら、「口実を連れておいで」=「口実を作ってでも、ぜひお越しください」となる。
②なら、ホテルカリフォルニアが “犯罪者が刑を逃れてやってくる精神病院”
という意味が浮き彫りにされて、「アリバイを持っておいで」=「ここに入所したいなら、
あなたが事件と無関係なことを証明できるアリバイ(=あなたが精神病であることを証明できるもの)
を持っておいで」ということになる。

●“The pink champagne on ice,”
ドンペリのピンクをオンザロックで呑む人はまずいないよね。
それくらい異様なものということ。
ここを精神病院と仮定して、ピンク色の飲み薬と捉えてみた。

●“We are all just prisoners here, Of our own device”
これは、“Of our own device” を「自分で企てた仕掛けの」とか「私たち自身が仕組んだ」=
「自分たちが作り上げたシステムに自身が囚われてしまっている」ととるパターンと、
前述の “alibis” とつなげて考えて、
「刑を逃れるために、わざと精神病を装ってここの囚われの身になった」
というパターンの2つが考えられる。

●“And in the master’s chambers”、“They gathered for the feast,”、
 ”They stabbed it with their steely knives,“、“But they just can’t kill the beast”

これも、言葉を訳すのはそうでもないけど、意味を捉えるのはかなり難しいな。
①人種差別反対運動や反戦運動など、大衆が共謀して暴動を起こしたが制圧された
②ベトナム戦争をやったけど勝てなかった

・・・の二つの意味に取れるけど、そのどっちともと考えてもいいかもしれない。

●“We are programmed to receive,”
これを「私たちは皆、受け入れる運命になっている」と
訳す人が多いみたいだけど、僕はそんなに哲学的な意味じゃないと思う。
「私たち従業員は、お客様のご要望は何でも聞くよう教育されている」か
「当館は、受け入れ専門となっている(出る仕組みはない)」のどっちかでは?

●“… but you can never leave”
そのまま訳せば、「しかし、あなたは決して離れられない」となるけど、
この言い回しは、北中米あたりの旅行の宣伝やホテルのパンフレットのコピーなんかでよく見かける
紋切りというか古いというかの表現なんだよ。
日本のコピーでいうと、「あなたはもうここの虜に!」とか「もう、夢中!」といった恥ずかしい言い方。
アメリカあたりでは、
「当ホテルにはあなたを煩わせるものは一切ありません、ここを離れたくなくなること以外は
ってな感じで使われるんだよ。



あー、つかれたあ!

でも、そんなこんなを踏まえたうえで、↓意味に沿った “意訳” をやってみた。




<つかりこ意訳>

006州立精神病院



“Hotel California“
“ホテル・カリフォルニア“


On a dark desert highway,
夜の砂漠のハイウェイ
いつの間にか、夜の砂漠のハイウェイを車で走ってる

Cool wind in my hair,
髪を梳る冷たい風
冷たい風が髪をなびかせるたびに、記憶がフラッシュバックする

Warm smell of “colitas”
コリタスの生暖かい匂い
そこでは、マリファナの匂いが

Rising up through the air,
大気の中を立ち上っている
大気の中を立ち上っていた

Up ahead in the distance
遠く彼方に
遠く彼方に

I saw a shimmering light,
かすかな光が見えた
かすかな光が見えた

My head grew heavy and my sight grew dim,
頭が重くなり、視界も霞んできて、
頭が重くなり、視界も霞んできて、

I had to stop for the night.
泊まらなきゃならなくなった
俺は捕まっちまったのか、
気がつけば、こんなところに連れて来られちまった


There she stood in the doorway,
入口に立っている女のあたりで
入口に立っている女のあたりで

I heard the mission bell
礼拝の鐘の音が聞こえた
教会でもないのに、礼拝の鐘の音が聞こえた

And I was thinkin’ to myself :
そして、私は自問した
薄気味悪くなって、俺は自問した

“This could be heaven and this could be hell”
「ここは天国なのか、それとも、地獄なのか」
「ここは天国なのか、それとも、地獄なのか」

Then she lit up a candle,
すると彼女はろうそくを灯して
するとその女はろうそくを灯して

And she showed me the way,
私を案内した
俺に行く道を指図した

There were voices down the corridor,
回廊のあたりで声が聞こえた
中に入ると、回廊のあたりで声が聞こえた

I thought I heard them say
私には、彼らがこう言ったような気がした
俺には、やつらがこう言ったように聞こえた



Welcome to the Hotel California,
ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ
ようこそいらっしゃいました、ホテル・カリフォルニアへ

Such a lovely place,
とっても素敵な所
大丈夫、安心してください

(Such a lovely place)
(とっても素敵な所)
(イヤことなんか何にもありません、とってもとってもいい所なんですよ)

Such a lovely face
とっても素敵な外観
外見はまるでホントのホテルみたいに、とっても素敵でしょ

Plenty of room at the Hotel California,
ホテル・カリフォルニアには、充分に空きがありますので
ホテル・カリフォルニアは、とっても広いので

Any time of year,
一年中いつでも
一年中いつでも

(Any time of year)
(一年中いつでも)
(一年中いつでも)

You can find it here
ここでなら、泊まる場所を見つけられますよ
ここでなら、あなたの収容場所くらいいくらでもありますよ



Her mind is Tiffany-twisted,
彼女の心はティファニーにかぶれている
その女の頭の中は、バカ高いブランドにまみれてる

She got the Mercedes Bends,
いかしたメルセデスだって持っている
エステに整形、矯正、虚飾の贅沢三昧

She got a lot of pretty, pretty boys
彼女にはイケてる彼氏がたくさんいる
おまけに、見た目がカッコいいだけで脳みその足りない情夫を
どっさり囲ってる


she calls friends
彼女は友達と呼んでるけどさ
あの女は友達と呼んでるけどな

How they dance in the courtyard,
彼らは中庭でダンスを踊っている
ある時、中庭でダンスパーティがあった

Sweet summer sweat
甘い夏の汗に濡れながら
やるせない真夏の夢

Some dance to remember,
ある者は何かを思い出すため踊り
いい思い出を語るやつがいれば

Some dance to forget
ある者は何かを忘れるために踊る
悪い思い出を吐き捨てるように話すやつもいた
俺は、踊りながら入所者のいろんなハナシを聞いたんだよ




So I called up the Captain
そして、私は責任者を呼んだ
ある時、俺は責任者を呼んだ

“Please bring me my wine”
「ワインを持ってきてください」
「入所の時に俺から没収したワインを返してくれよ」

He said, “We haven’t had that spirit here
彼は言った、
彼は言った、

Since nineteen sixty-nine”
「1969年以来、あの酒は置いていないんです」
「ここで酒だと?奔放にやるのもいいかげんにしろ。
ロックだのLOVE&PEACEだの、自由だのサイケだのフラワーだの、
人種差別反対だの戦争反対だのゲイの権利だの、
お前らのたわごとは1969年で終わったんだよ。
ここでは、そういうのは通用しない」


And still those voices are calling from far away,
そしてまだ、あの声が遠くからやってくる
そしてまだ、あの声が遠くからやってくる

Wake you up in the middle of the night
真夜中にあなたを目覚めさせる
真夜中に気味が悪くて眠れないだろ

Just to hear them say:
ほら、彼らの言うことが聞こえるだろ
ほら、やつらの言うことが聞こえるだろ



Welcome to the Hotel California,
ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ
ようこそいらっしゃいました、ホテル・カリフォルニアへ

Such a lovely place,
とっても素敵な所
あなた、いい所を見つけましたね、すばらしいところですよ

(Such a lovely place)
(とっても素敵な所)
(大丈夫、危ないことなんて何にもありませんよ)

Such a lovely face
とっても素敵な外観
見た目は、とっても素敵でしょ

They’re livin’ it up at the Hotel California,
みなさん、ホテル・カリフォルニアで大いに楽しんでらっしゃいますよ
みなさん、ホテル・カリフォルニアで大いに楽しんでらっしゃいますよ

What a nice surprise,
なんてすばらしいサプライズ
驚くようなことばかりが待ってます

(What a nice surprise)
(なんてすばらしいサプライズ)
(ここで楽しめたら、驚きだぜ)

Bring your alibis
口実を作ってでもお越しください
ここに入りたいなら、心療内科の診断書など、
あなたがあの事件に関わりないと証明できる
アリバイを持って来てください




Mirrors on the ceiling,
天井の鏡
その時俺は、鏡張りの部屋の中にいた

The pink champagne on ice, and she said:
氷入りのピンクのシャンペン、そして彼女は言った
毒々しいピンク色の薬を片手に、その女は言った

“We are all just prisoners here,
「私たちはみんなここの囚人なのよ、
「私たちはみんなこの病院に囚われているのよ、

Of our own device”
自分で仕組んでそうしたんだけどね」
自分で精神病を装ってそうしたんだけどね。
だって、刑務所に入れられるよりましでしょ。
ここは、刑務所に比べたら天国、まるでホテルの待遇よ」


And in the master’s chambers
そして、支配人の広間に
またある時、指導者が指示した戦地へ

They gathered for the feast,
彼らは祝宴をするために集まった
彼らは、利権を取りにこぞって行って

They stabbed it with their steely knives,
彼らは鋼鉄のナイフでそれを突き刺した
野蛮な現地人と戦った

But they just can’t kill the beast
でも、彼らはだれもその獣を殺すことはできない
でも、勝つことはできなかった



Last thing I remember, I was running for the door,
最後に覚えていることは、ドアに向かって走っていたこと
最後に覚えていることは、ドアに向かって走っていたこと

I had to find the passage back to the place I was before,
自分が前にいた場所に戻る通路を探さなきゃならなかった
自分が前にいた場所に戻る通路を探さなきゃならなかった

“Relax,” said the night man, “We are programmed to receive,
「ゆっくりおくつろぎください」と夜勤の人は言った、
「ご要望は何でも受け入れる決まりとなっています、
「落ち着け」と夜警は言った、「ウチは、受け入れ専門さ、

You can check out anytime you like… but you can never leave”
あなたは、いつでも好きな時にチェックアウトできます、
でも、あなたはもうココの虜、離れられなくなってしまったでしょ」
そりゃ、いつでも好きな時に脱走できるよ、
でもすぐに見つかって連れ戻される、決して逃げるなんてできないんだよ」





<まとめ>


この精神病院だと思われる「ホテル・カリフォルニア」には、
’50年代 ’60年代に新しい思想や権利やカルチャーで、
次のアメリカの豊かさを創ろうとした人たちがいる。

かつてヒッピーとしてLOVE&PEACEを標榜して、
ドラッグやセックスやコミュニティなんかの新しいカルチャーを築こうとしてた人たち。
愛や自由や反体制を叫んでいたのに、拝金主義にまみれてしまったロッカーたち。
反戦運動をしていて、鎮圧されてしまった人たち。
公民権運動をしていて、制圧されてしまった人たち・・・。

’69年以降、犯罪者扱いされて、ギリギリでここに逃れてきたけれど、
いまはみんな、自分たちの力で何も変えられなかった、自分たちが招いてしまった
悪弊だらけの管理の檻の中に囚われているのだ。

歌詞の中のロックミュージシャンの “俺” も、マリファナ吸引か何かの罪でココへ連れて来られる。
他の人たちの話を聞くうちに、自分がロック・スピリッツを忘れてしまい、
音楽業界を取り巻く儲け主義や酒やドラッグやセックスや生産期限に囚われてしまって、
すっかり人間らしい心を失っていることに気づく。

ある日、逃げ出そうとするが、すでにがんじがらめ、もう二度とあの頃へ戻れないことを知ったのだ。

歌詞では精神病院をモチーフとしているけど、
そう、「ホテル・カリフォルニア」とは、
繁栄への希望と、愛や平和や自由や平等を失ってしまい、
拝金主義と非道徳、傍若無人な管理主義に取りつかれた、
'70年代前半のアメリカ社会そのものをさしているのだ。




・・・これが、僕の『ホテルカリフォルニア』の意味の解釈です。
(ご参考いただければ、幸せです)


イーグルスというバンド名は、アメリカの国鳥である白頭鷲(Bald Eagle)にあやかって
つけられたのではないかと思う。
カントリー調の曲が多いから、明るく楽しくアメリカ賛歌を奏でる右寄りバンドなのか、
って思ったら全然違うのだ。

ベトナム戦争に批判的だったり、管理社会を批判したりで、左翼的に見える。
思い切り保守的なアメリカの音楽界で、よく無事にやって来れたな、と思うんだけど、
よーく曲調や歌詞を観察すると、単に批判しているだけではなくて、
そういうアメリカを憂いたり、諭したりしているのがわかる。
やさしさを感じるのだ。
『ホテル・カリフォルニア』だって、ラブソングと間違えるほどに
とっても胸にキュンとくるメロディだよね。
ちゃーんと、右からも左からも文句が出ないようにうまく作られているんだなあ。



↓こちらもどうぞ
♪ Desperado / EAGLES 和訳
♪ In the morning(Morning of my life)/ Bee Gees 和訳


やんちゃなお馬鹿さん ~ EAGLESの『Desperado』を和訳してみた


イーグルスって、社会派の歌で有名なバンドなんだよ。

でも最近、曲を聴いて「几帳面にまとまったカントリーロックですね」なんて言うヤツがいるので、
ひとつ書いておこうと思った。

定評では、「『Desperado』は、ベトナム戦争後のアメリカの敗北感とアメリカの繁栄の喪失感
描いた代表曲である」ということになっているんだよ。

じゃ、具体的にどんな歌詞なんだろうか、ということでちょっといい加減だけど
↓『Desperado』を訳してみた。

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イーグルス_デスペラードレコジャケ


Desperado ならず者


Desperado, why don't you come to your senses?
ならず者よ、目を覚ましたらどうだい

You been out ridin' fences for so long now
もうずいぶん長いこと柵の上にまたがってるんだぜ

Oh, you're a hard one
まったく、頑固者だなお前は

I know that you got your reasons
お前にはお前の言い分があるだろけどさ

These things that are pleasin' you
お前を楽しませることが

Can hurt you somehow
お前を打ちのめすことだってあるんだよ


Don't you draw the queen of diamonds, boy
おいおい、ダイヤのクイーンなんか引くなって

She'll beat you if she's able
そいつは、気分次第でお前を痛い目にあわせるんだぜ

You know the queen of hearts is always your best bet
いつだって、ハートのクイーンが一番いい手に決まってるだろ


Now it seems to me, some fine things
オレにはけっこういいなと思えるカードが

Have been laid upon your table
テーブルの上に並んでいるのに

But you only want the ones that you can't get
お前は手に入らないのばかり欲しがるんだな


Desperado, oh, you ain't gettin' no younger
開拓時代の無法者よ、もう若くはなれないんだぜ

Your pain and your hunger, they're drivin' you home
傷ついて、腹が減って、お前は家に帰るんだよ

And freedom, oh freedom well, that's just some people talkin'
そして自由、おお自由でいいな、なんて言うやつらもいるけどな

You're prisoner walking through this world all alone
ホントは、お前は世界を一人ぼっちで歩いている囚人なんだよ


Don't your feet get cold in the winter time?
冬になると足が凍えるだろ?

The sky won't snow and the sun won't shine
雪も降らないし太陽も輝かない

It's hard to tell the night time from the day
夜も昼も区別がつかない

You're losin' all your highs and lows
気持ちの高ぶりも落ち込みもなくなっちまってる

Ain't it funny how the feeling goes away?
感情がなくなるなんてやばいだろ


Desperado, why don't you come to your senses?
時代遅れのならず者よ、目を覚ましなよ

Come down from your fences, open the gate
さあ、もう意地を張るのはやめて、心を開けよ

It may be rainin', but there's a rainbow above you
今は雨が降っているかもしれないけど、お前の上には虹がかかっている

You better let somebody love you, before it's too late
人から愛されることをしたほうがいいぜ、手遅れになる前に

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・・・って感じかな、“プレーン訳” は。


この曲と同じタイトルのイーグルスの2ndアルバムがリリースされたのは、1973年4月17日。
同年の1月にパリ和平協定が調印されて、米軍がベトナムから完全撤退したのが3月だったから、
事実上のアメリカのベトナム戦争敗戦の直後に発表された歌なのだ。

そりゃあ、自ら首を突っ込んだ戦争で負けるなんて、
短いアメリカの歴史の中でも、トップクラスの“黒歴史”なんだぜ。
世界が見守る中、資本主義で稼いだ金で近代兵器を揃えてのり込んだ世界一の巨人が、
共産主義の痩せたアジア人に竹ざおで足を払われて泣いて帰って来ちまった、って感じで、
敗北感と「アメリカの繁栄はもう終わりかも」という喪失感で、
絶望の淵に立たされてたんだよ、当時のアメリカは。
ひょっとすると、後の9.11事件よりショックもマイナスの経済効果も大きかったかも。

この歌を「時代遅れのロックを非難した歌(イーグルス自分たちのこと)」とか、
「失恋した友達をなぐさめている歌」とか捉える人もいるけど、
それじゃロックとしてあまりにも間が悪いというか空気を読めてないというか・・・。
「ベトナムのことを言っているんじゃねーのか」と考える方がよっぽど自然だろーなあ。

「Desperado=ならず者」とは、西部劇に出てくる強盗団のイメージだな。
フツーに訳した場合、その悪いヤツとその知り合いが、
荒野の街に建っているスイングドアのあるバーで語り合っているイメージだ。

それをベトナム戦争のことだという前提で考えたら、
「Desperado=ならず者」はアメリカのこととなる。
“世界の警察” アメリカを、保安官じゃなくて、西部開拓時代の暴漢にたとえているんだな。

ネイティブアメリカンの土地を、ガンマンやカウボーイやアウトローが強奪して
アメリカは大きく豊かになったんだよ。


ベトナムバージョンで意訳してみたら、↓こんな感じかな。

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イーグルス_デスペラードレコジャケ


Desperado 荒野のならず者


Desperado, why don't you come to your senses?
ならず者よ、目を覚ましたらどうだい
アメリカよ、目を覚ましたらどうだ

You been out ridin' fences for so long now
もうずいぶん長いこと柵の上にまたがってるんだぜ
強盗やってしのぐなんてやり方をフロンティア時代からいまだにやってる

Oh, you're a hard one
まったく、頑固者だなお前は
ホント、頑固者だなお前は

I know that you got your reasons
お前にはお前の言い分があるだろけどさ
戦争をやるからにはいろんな理由があるだろうけど

These things that are pleasin' you
お前を楽しませることが
自国の利益ばかりを追求していたら

Can hurt you somehow
お前を打ちのめすことだってあるんだよ
その内しっぺがえしを食らうぞ


Don't you draw the queen of diamonds, boy
おいおい、ダイヤのクイーンなんか引くなって
利益のことばかりに囚われて無茶な戦略をとっちゃだめだ

She'll beat you if she's able
そいつは、気分次第でお前を痛い目にあわせるんだぜ
利益は失敗や裏切りと背中合わせだ

You know the queen of hearts is always your best bet
ハートのクイーンが一番いい手に決まってるだろ
心ある政策が一番いいんだよ


Now it seems to me, some fine things
オレにはけっこういいなと思えるカードが
強奪なんかしなくたって、他に国を豊かにできることが

Have been laid upon your table
テーブルの上に並んでいるのに
いくつもあるはずなのに

But you only want the ones that you can't get
お前は手に入らないのばかり欲しがるんだな
無茶なやり方にばかりこだわってる


Desperado, oh, you ain't gettin' no younger
開拓時代の無法者よ、もう若くはなれないんだぜ
アメリカよ、お前はまるで西部開拓時代の荒野の強盗団だよ。
当時はそうやって国は成長してきたけど、もうそんな時代じゃない


Your pain and your hunger, they're drivin' you home
傷ついて、腹が減って、お前は家に帰って来るんだよ
戦場でケガをして空腹に倒れ、帰還させられるのがオチ

And freedom, oh freedom well, that's just some people talkin'
そして自由、おお自由でいいな、なんて言うやつらもいるけどな
「自由の国、アメリカ」なんて羨ましがられるけど

You're prisoner walking through this world all alone
ホントは、お前は世界を一人ぼっちで歩いている囚人なんだよ
いまや犯罪者扱い、世界で孤立無援状態だぞ


Don't your feet get cold in the winter time?
冬になると足が凍えるだろ?
戦場では冬は足が凍えてつらいだろ?

The sky won't snow and the sun won't shine
雪も降らないし太陽も輝かない
ジャングルの中は雪も降らないし太陽も輝かないところさ

It's hard to tell the night time from the day
夜も昼も区別がつかない
昼も夜もなく戦闘を繰り返し

You're losin' all your highs and lows
気持ちの高ぶりも落ち込みもなくなっちまってる
人を殺してもうれしくも悲しくもなくなってしまってる

Ain't it funny how the feeling goes away?
感情がなくなるなんてやばいだろ
戦争は、人間らしい感情さえも消失させる


Desperado, why don't you come to your senses?
時代遅れのならず者よ、目を覚ましなよ
古い体質のアメリカよ、目を覚ませ

Come down from your fences, open the gate
さあ、もう意地を張るのはやめて、心を開けよ
さあ、プライドを捨てて、心を開け

It may be rainin', but there's a rainbow above you
今は雨が降っているかもしれないけど、お前の上には虹がかかっている
いまは敗戦して絶望しているんだろうけど、
血の通った新しい政策をとっていけば未来は拓ける


You better let somebody love you, before it's too late
人から愛されることをしたほうがいいぜ、手遅れになる前に
他国から称賛されるような新しい道を模索すべきだ、手遅れになる前に

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・・・ってな具合だな、“ベトナムバージョン”は。
まんまと、「ベトナム戦争に敗れて絶望しているアメリカをなだめながら、反戦を唱えている」
のがわかるよね。

僕の意訳では、“糾弾” って感じで、まるでハードロックかパンクみたいな調子だけど、
実際は、胸にぐっとくるメロディアスなスローバラードだよね。
「えー?こんな過激な歌詞の曲じゃないだろ」って、言いたくなるはず。
でもこれは、「敗戦して絶望しているアメリカをなぐさめて、次の方法へと諭している」んだから、
バラードでハマるんだよ。
友達がやさしくゆっくり、「ほらみろ痛い目ついただろ。わかったからもう泣くな。
いっしょにまたやりなおそうぜ」といった感じのトーンなんだな。

ドン・ヘンリーは、この曲の歌詞を、ベトナム戦争の最中からあっためていたらしく、
レコードに収曲する前にグレン・フライと相談して曲を作ったという。
アルバムリリースの前に戦争が終わっていなかったら、
もっと過激なメロディだったかもしれないな、と思うのは僕だけだろうか。



じゃ、もひとつおまけに、“リンダ・ロンシュタットバージョン”
↓“酒場の女がやんちゃな男にモーションかけているラブソング”に変身だよ。

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リンダ・ロンシュタット_レコジャケ


Desperado デスペラード


Desperado, why don't you come to your senses?
やんちゃなお馬鹿さん、目を覚ましたらどうなの

You been out ridin' fences for so long now
もうずいぶん長いこと意地を張っているんじゃない

Oh, you're a hard one
ホントに、頑固者なんだから

I know that you got your reasons
あなたにはあなたのリクツがあるんでしょうけど

These things that are pleasin' you
目の前の快楽ばかりにひたっていたら

Can hurt you somehow
いつかしっぺがえしを食らうわよ


Don't you draw the queen of diamonds, boy
ばかね、見かけだけの商売女に手を出しちゃだめ

She'll beat you if she's able
彼女にきっとひどい目にあわされるわよ

You know the queen of hearts is always your best bet
気立てのいい女(私)が一番いいに決まってるでしょ


Now it seems to me, some fine things
(私とつきあえば)素敵なことがいくつも

Have been laid upon your table
手の届くところにころがっているのに

But you only want the ones that you can't get
あなたはいつも無いものねだり


Desperado, oh, you ain't gettin' no younger
やんちゃなおばかさんたら、いまより若くはなれないのよ

Your pain and your hunger, they're drivin' you home
傷ついて、お腹が減って、けっきょく家に帰るんでしょ

And freedom, oh freedom well, that's just some people talkin'
自由、おー自由はいいな、なんて言う人たちもいるけど、

You're prisoner walking through this world all alone
でもホントは、あなたは世界を一人ぼっちで歩いているただの囚人なのよ


Don't your feet get cold in the winter time?
冬になると足が凍えるでしょ?

The sky won't snow and the sun won't shine
雪も降らないし太陽も輝かない

It's hard to tell the night time from the day
夜も昼も区別がつかない暮らし

You're losin' all your highs and lows
気持ちの高ぶりも落ち込みもなくなってしまって

Ain't it funny how the feeling goes away?
まるで感情のない(人生)なんておかしいでしょ


Desperado, why don't you come to your senses?
やんちゃなお馬鹿さん、目を覚ましたらどうなの

Come down from your fences, open the gate
ねぇ、もう意固地になるのはやめて、心を開いて

It may be rainin', but there's a rainbow above you
今は雨かもしれないけど、いつか晴れて虹もかかるでしょ

You better let somebody love you, before it's too late
あなたは、誰かさん(私)に愛されるべきなのよ、愛想を尽かされる前にね

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ねっ、おもしろいだろ?

ハードな仕事が終わって、
ひとりで場末のバーで酒を飲んでいる時、
顔見知りのリンダちゃんにそんなこと言われたら、
抱きしめたくなっちゃうよなあ。

ダルマソング
聴く人や歌う人の違いで意味が勝手に転ぶから、
それだけ、よりたくさんの人の思い入れを反映できる。
だから売れるし、いつまでも名曲ってわけ。
うん、人それぞれ自由に解釈すればいいんだよな。

ベトナムのことは忘れ去られつつあっても、
この歌は、老若男女を問わず音楽ジャンルを越えて、
いまも歌いつがれているんだなー。



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