ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。
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なまりを隠すのは、むずかしいっぺよ

NHKの朝の『ひよっこ』を観ていると、思い出すことがあるんだよ。
北関東なまりを聞くと、必ず思い出すんだよね。



学生時代、誰かのアパートにアルバイト仲間で集まって
音楽聴きながら、酒でも呑んでダベっていたんだな、たしか。

新潟出身のイズミくんが、ふと言ったんだよ。
「スズキくんよー、おめーは、バッカなまってんなー」
(こいつも、なまってる)

そしたら、栃木出身のスズキくんは、
「なにこいてんのぉ、
おらぁ、全然なまってねぇっつったよ
田舎に帰ってしゃべったら、
東京に住んでっからって、おめーはなに気取ってんだあ、って言われんだぞー」

・・・だと。

全員 「だから、それがなまってんだべー!」
スズキ「いやいや、なまってねぇっつったら、なまってねぇーつう
全員 「・・・・・・」


その数秒後、スズキくんはみんなの不穏な空気を察したのか、
“なまりをいじくる鉾先” を秋田・大館出身のフジワラくんに向けたのだった。

スズキ「なまってるっつたら、やっぱ秋田がすごいんじゃねー、
おにぎりのこと、なんつったっけ?」
フジワラ「・・・だまっこ」

スズキ 「先生のことは?」
フジワラ「・・・ひぇんひぇ」
全員、「がははははー!」


この大館まげわっぱめー!
というわけで、なぜかみんなでフジワラくんを小突き出したのだ。

誰かが弾みで脇の下を突っついた時に、フジワラくん異常な暴れ方!
そこは弱いのだと言う。
そんなことを聞いてしまって、やめるいなかっぺがいるわけがない。
手足を押さえつけて、横手のドカ雪のようなくすぐり攻撃だー。

こ~ちょ、こちょ、こちょ、こちょ・・・・・・・
フジワラ「ぐええええええーっ、死ぐー、
やめてけれ、やめてけれーっ!」

全員「わははははー、なまってる、なまってるー」

その時だ、フジワラくんはこう言ったのだ。
かゆい、やめてけれー、かゆいーっ

「お、ちょっとやめれ、やめれ」
おもわず、みんなは攻撃の手を離した。
つかりこ「なんだとー、
大館ではくすぐったいことを
“かゆい” って言うのか?

フジワラ「んでね」
つかりこ「じゃ、なんで “かゆい” って言ったんだよ?」
フジワラ「・・・・・」

つかりこ「くすぐったいことを大館では、なんて言うんだよ?」
フジワラ「・・・・・」
つかりこ「んー?なんて言うの?」
フジワラ「・・・・・こちょまて」
全員「ぷっ」

つかりこ「なら、なんで “かゆい” って言ったの?
フジワラ「みんなが言葉ばバカにするから、なまりが出ないようにって
標準語に訳したんだけど・・・
あんまりにもこちょまでぐで・・・
翻訳まちがった

・・・だとさ。

全員「ぷぷぷ、ほー、けっこう余裕あったんじゃないかよー」
“横手のドカ雪くすぐり” が再開したのは言うまでもない。



かゆい.png




♪ 秋田音頭


1663年頃からあると言われている、ザ・ジャパニーズ・ラップミュージック。
お国自慢やエロい歌詞を、アドリブで演ったりするんだそうだ。
めっちゃ、ノリがいいよね。



↓ シモネタ大バーゲン!「ウソみたいなホントの話」過去ログ ※テキストリンクです

● 上石神井駅のトイレ
● 謎の境界線
● ボディコンの性質 ①
● ボディコンの性質 ②
● きゃっち話。
● 大腸内視鏡検査でわかったこと
● ゾーッ話。~ ホントにあったコワイ話



ゾーッ話。 ~ ホントにあったコワイ話

夏、といえばやっぱし、ゾーッとする話でございます。
一服の涼をば、どうぞッ。



いつもこの季節になると、あのことを思い出す。
けだるい東京の真夏の夜の出来事。
後にも先にも、あんな恐ろしい経験をしたのはこの一度だけだ。


その夜は、親しい友達と東京都内で呑んでいた。
渋谷の東急本店から、代々木上原のほうへ少し入った住宅地にある、
うまいと評判の焼き鳥屋。
いまの言い方をすれば、“ウラ渋谷” とか “隠れ家” とでも言うのだろう。
うまいのに、静かで混まない、一軒家タイプの店だ。

備長炭で丁寧に焼かれたブランド鶏をツマミに、あちこちの地酒を呑んだ。
小一時間も経って、少し酔っぱらった僕はトイレに立った。


トイレの扉には、
「トイレは一つしかございません。ノックをお願いします」
と書かれていた。
一軒家を改造してやっているせいだろう。

コンコン、と軽く2度ノックして扉を開けた。
目の前に、少し古びた “和モダン” な作りの手洗い台が現れた。
薄暗い鏡のまわりには、不思議な模様の花瓶やら、
呪術を想像させるような置物やら、前衛舞踏のビラなんかで飾られている。
便器はそこにはなくて、その右横にもう一つ扉のついた小部屋
をしつらえてあるタイプだ。


ふと見ると、鍵がついているのに、その扉が大きく開いているではないか。
僕は小用だったのだが、トイレは一つしかないのだから、
そこに入るしかない。

扉の中に入ろうとして、僕はとんでもないものを目撃してしまった。
そこには、白いブラウスを着て、黒いスカートをまくりあげて、
パンツを膝まで下げた女性の

白いお尻!

があったのだ。

そう、そこは和式の便所で、よくある床より30センチくらい高く
なっているタイプのやつだ。
それが、頭が向こうでお尻がこちら側なるようにキンカクシがついているもんだから、
モロに

桃のスジまでも

が見える状態でこちらに向けられている!

第1の「ゾッ」は、その1秒後に襲って来たのだ。
見た瞬間は、「お、ケツだ」っと思っただけなのだが、
その1秒後には、

キャーッ、痴漢!

何すんのぉーーー!!


などと、悲鳴をあげられる!と思ったのだ。
鍵をかけずに、扉を開けっ放しにしてケツを出していたのはあっちのせいなのに、
いったん痴漢扱いされたら、無実を証明するにはとても面倒なことになるに違いない。

しかし、彼女は叫ぶようなことはしなかった。
それどころか、少しお尻を上げたりするではないか。

第2の「ゾッ」は、その2秒後に襲って来た。
なんと、さらに見やすくなった桃のスジの下に、
自分ので見慣れた、だが見たくもない

ぞうさん

がいたのだ!

そして、第3の「ゾッ」は、さらにその2秒後に襲って来た。
“彼女” は、そのままのカッコで、セミロングの髪を揺らしながら
ゆっくりとこちらに振り向いたのだ。

首をヒネリきる。
僕と目が合う。
“彼女” は、何か言いたげな顔をしながら、

ニヤリと微笑み

を浮かべたのだ。


がまんしてたおしっこを漏らしそうになったのは、言うまでもない。



001和式便器.jpg
扉にお尻を向けてするのって、無防備すぎるよねぇ





がはは、ほら、ゾーッとしたでしょ?
ちょっとは、涼しくなっていただけたでしょうか?



↓ シモネタ大バーゲン!「ウソみたいなホントの話」過去ログ ※テキストリンクです

● 上石神井駅のトイレ
● 謎の境界線
● ボディコンの性質 ①
● ボディコンの性質 ②
● きゃっち話。
● 大腸内視鏡検査でわかったこと







♪ 呪い / 山崎ハコ





♪ Hero / 安室奈美恵 -short ver.-



※卓球の愛ちゃんと吉田沙保里さんには、泣かされました。
 世界2位とか3位になったのに、もう泣かないで。


大腸内視鏡検査でわかったこと

記 2016年4月30日、純潔喪失。


健康診断の血液検査で、「どうも、貧血の数値が出ているなあ」とのこと。
それで、追加で検便もやったら・・・
「体内出血も陽性だから大腸がんの疑いアリだな、内視鏡検査すっかあ」
っときた。

「え、あのお尻から管を入れるやつですか?」
「うん、そうそう」
このセンセと美人な看護婦さんの前で、
素っ裸で四つん這いになっている僕の姿が脳裏に浮かぶ。

絶対阻止しなくては。
「あ、最近・・・PCの前で座ってる時間が長くて・・・それで・・・
お尻が鬱血してて・・・痔ケツ気味で出血してるんだと思うんですが・・・
それで、便に血液の反応があったんだと思いますが」

「でも、絶対、胃腸から出血してないとは言えないよね?」
「お腹の調子も全然悪くないですよう」
「あのね、大腸がんって、なり始めは痛くもかゆくもないんだよ、
内視鏡検査なんて人間ドックとかで、みんなやってるんだよ」
「で、でも・・・」
「早期発見するなら、いまが絶好のタイミングだよ」

・・・ということで、大腸内視鏡検査をすることになったんだよ。
昔、胃カメラを飲んだ時に、大腸内視鏡検査をする人を横目で眺めて、
(へへん、同じ内視鏡でもこちとら胃カメラよ、
そっちはケツからだろ、おーみじめ、あーはなりたくねーな)

なんて見下していたのにさ。


001大腸内視鏡.jpg


前の晩から、下剤を飲んで断食さ。
して、次の朝からスポーツドリンクを腐らしたみたいな味の
下剤ドリンクを2時間で2リットルも飲んで、
お腹をすっからかんにして病院へ行ったよ。

直前に、ブスコバンという胃腸の働きや痛みを止める薬を注射。
んで、なんだこりゃ、お尻の割れ目のところがまあるく開いた、紙パンツを穿かされたよ。
そりゃさ、局部にしか用はないだろうけど、こりゃ露骨。
一種のエロランジェリーだわな。

003紙パンツ.jpg



診察台の上に、左半身を下にして横向きに寝かされた。

「あのう・・・朝からキバッたせいで、肛門がものすごく痛くて・・・
今日はムリかと・・・」って、僕は言ったんだけど・・・

「おら、もっとお尻を突き出してっ」
って、無視かい!
おまけに、いつものセンセの声色と違う気がするぞ。
語調に、(いちいち言わせんな、突き出さないと見えねーだろ)
というようなニュアンスを感じるのだ。

言うことをきいて体をくの字に曲げたら、お尻がスースーする。
“エロ紙パンティの局部穴” から、プリティヒップが顔をのぞかせているはずだ。

「なんだ、お尻に力が入ってるねぇ」
と言いながら、センセは僕の右シリの肉を持ち上げて、
おもむろに僕の桃をスジから割ったかと思った瞬間・・・

ブスッ、ブスーーーーーッ

って、いきなり菊門に突っ込んだんだよ!

イデーーーッ!

ホントに入口が腫れてて、触れずにいても痛かったのに、
強烈な痛みが走った。

(なんだあ、いきなり始めたのかあ)って思ったら、

ああーーっ、違うー!
指を突っ込んでいるぜーーー!


「い、痛いす。センセ、すっごい痛いです!」
「へ、そう?」
なんて言いながら、センセは指を出したり入れたりしてる。
(い、イテーって言ってるだろ、こらーっ)

ひとしきり弄んだ後、センセは指を抜いて、
「じゃ、始めようか」だと。
(え、また、突っ込むところから始めるのかよ)

そこから本物を突っ込むまでが、これまた早かった。

ブスッ、ブスーーーーーッ
イデデーーーッ!


今度はあまり痛くない、なんてことはない。
マジで入口に激痛が走る。
しかも、さっきの指より太い(固い?)気がする。

それどころか、管が腸の中のどこかに当たるたびに
腹の中にも鈍い痛みが走るのだ。
注入する空気の圧迫感も不快だ。
見なくても、モニターを見ながら、少しずつ管を入れているのがわかる。

ふと、管の動きが止まった、
と思ったら、痛みに慣れた菊門にブルブルブルという振動を感じた。
なんだろうと思って見たら・・・な、な、なんと!

なわとびみたいに、

管をブルブル振り回している

ではないか!

僕のお尻の穴が、とび縄の片端を握って、
センセがもう片方を持って、縄を振り回しているのだっ。

ぐえっ、な、なにしてんだあ!

こ、これは凌辱プレイか何かい?
毎日のルーティンに飽き飽きしてるからって、

オレの尻で遊ぶんじゃないぞー!

それで、また少しつっかえつっかえ進んで行ったら、
なんと、またブルブルやってる!
ケツなわとび

これで、気持ちよがるヤツいて、
僕がそうなのか、そうでないのかを確かめているとでも言うのか?
何の陽性/陰性を確かめているんだあ!

またしばらく進んだら、「よし、オッケー」だと。
「今度は、戻るからね」
?!!!

なにっ? さっきのは往路かいっ
復路もあるのかあーーーっ?


「ほらほら、モニターを見てごらん」
ん、いまの言い方はゆるす。
こういうタイミングで、少しでもいやらしい語調だったら殴るからな。

センセは、腸壁を見せながら少しずつ少しずつ管を抜いていく。
僕は・・・

菊門の痛み + グロビジュアル + おならのがまん + 看護婦の視姦

で、悶絶する。
被凌辱感マックスだ。

「はいー、これが出口。すこし赤くなっているけど、痔ではないな」
ズポッ、はい、おつかれさんでしたー。



そんなこんなで、この検査でわかったことってなんなんだ。

① ポリープや出血などはまったくなく、大腸がんの疑いは全然ない
② 僕は、痔ではない


あー、よかったあ・・・けど、ちょっと待て、
けどさ貧血の疑いはどこへ行ったんだい?
なんで、血便気味なのさ?

“なわとびブルブル” で、痔じゃないことだけがわかったっての?
そんなもん、なにも内視鏡を使わなくたって、そのへんに転がっているヒモで、
いやいや、なわとびなんかしなくてもわかるだろ。
肝心なことは何にもわかってないじゃん。

でもね、ひとつだけは重要なことがわかったな。
それは、僕にはホモのケがないってこと。


002なわとび.jpg





↓ シモネタ大バーゲン!「ウソみたいなホントの話」過去ログ ※クリッカブルです

● 上石神井駅のトイレ
● 謎の境界線
● ボディコンの性質 ①
● ボディコンの性質 ②
● きゃっち話。



★レスター優勝、すごいねー!!
 よその国のハナシだけど、すんごくうれしいわ。







♪ 桃ノ花ビラ / 大塚 愛




♪ 500Miles / Peter, Paul and Mary




きゃっち話。


忘年会の季節だねー。
え、早い?
そんなことないよ。
一度でも、比較的人数の多い忘年会の幹事をやったことある人なら、
10月の声を聞いた瞬間から、とっくに予約合戦が始まっていることを
知っているよね?



そう、この時期になると、毎年必ず思い出すことがある。

あれは、まだ独身だった頃。
会社の後輩と一緒によく呑み歩いていた。

その日も仕事の終わりは夜中の11時頃で、
いつものように、「呑みに行っかー」のひと言で
Iと二人で新宿に繰り出したんだよ。



当時流行っていた「プールバー」で、呑みつつビリヤードをみっちりやって
「次、行っかー」で、再び歌舞伎町の街へ出たのが午前3時頃だったかな。



人通りの少なくなった飲み屋街を歩いていると、
「一緒に、飲みに行かない?」
と、二人組の女の子が声をかけてきた。

キャバクラの客引きかと思ったけど、
見ると、フツーの感じの女のコが二人だ。

ボディコンじゃないし、髪も黒いし、化粧も濃くない
そんなに美人には見えない、または、美人に化けているように見えない。
セーターにジーンズをはいて、薄手のコートを羽織っていたっけ。
二人ともそんな感じ。

ここが、ポイントなのだ。
こんな時間に、客引きとわかるカッコのギャルギャルに声をかけられたって、
むざむざついて行くやつなんているわけないのだ。



「このコ、さっき彼氏と別れちゃって、二人でやけ酒してたんだ」
(なんだと?)って一瞬考え込んでいたら、
すかさず、少し酔ったIが割り込んで、

「いこ、いこ! やけ酒、いこー、いこーっ!」

と叫んで、すでに背の低いほうの女のコと腕を組んでいる。
つくづく軽いやつだ。

僕ら4人は、そんな感じで歩き出した。

「どこ、行こっかー?」
午前3時ともなると、さすがの歌舞伎町でも選べる店が減ってくる。
背の高いほうの女のコが、知ってる店がある、と言うので、
そこへ行くことになった。

道すがら、仕事、何やってるの?と聞くから、
たまたまドカチン風ジャンパーを着ていた僕が、
土建屋だよ、と答えたら、
えっ、建設系?と聞き返して、
女のコ達が無言になったのが忘れられない。

「うそうそ、広告関係の会社員だよ。わっはっはー」

いつの間にか、僕も女のコと腕を組んでいた。
第三者が見れば、Iも僕も鼻の下がかなり伸びていたはずだ。
歩きながら、(酔っぱらって、どっちかの女のコのウチに上がりこむか
ラブホにでも突入するんだろうか。4人で同じ部屋、というのはやだな)
なんて考えていたっけ。



「ここだよ」
と着いたとこは、「かに道楽」の横の道を少し入った雑居ビルの2階。
数百回も来ている新宿歌舞伎町だけど、こんなところにこんな通りがあったとは。

階段を一階分のぼると、ワインレッドの木製の扉だけがペタッとある。
会員制のスナックなんかでよくある、
木彫風のドアに、店の名前をしるした小さいプレートが貼ってある入口だ。

ここで、僕はちょっとひるんだんだな。
(こりゃ、ちょっと高くつくな。1人1万円として、かける4で4万円か。
Iもいることだし、まあなんとかなるか)、なんて3秒くらいの間に考えた。
Iは、ぐいぐいドアを開けようとしてる。

すると女のコが、

「どうしたの、行かないの?」

僕は、(こんな時間に、大手チェーン系の居酒屋とかもうやってないし、
いずれにせよこういう店になるか)と0.5秒で考えた。

「行くけど、高そうだな」
「大したことないでしょ」
(まあ、いいか。知ってる店だとか言ってたし)



ドアを開けると、目の前がカウンター席になっていた。
カウンター席と背中の壁のスキマを左に入って行くと四角い部屋に開けていて、
4~5人掛けのテーブル席が3つくらいあったんだな。

「いらっしゃーい」
ここのママなんだろうな、けっこう太くて大柄な女子がいて
僕らを4人掛けのテーブルに案内した。

001マツコ.jpg
写真とハナシの内容は関係ありません

「何にします?」
まずはビールで乾杯、ということで、大瓶ビールを2本たのんだっけ。
それから、水割りにするかー、ということで、
テーブルに安いウィスキーのボトルとアイスペールなんかが並べられたのだ。

「カラオケやる?」
と女のコたちが言い出したら、Iは

「うん、やる、やるぅ!」

女のコの肩を抱いて、サザンかなんかの曲を歌っている。



ふとカウンターのほうを見ると、あれ?
来た時には見かけなかった、バーテンのお兄ちゃんがいるではないか!
しかも、アイスピックを持って、氷をカシカシ砕いている。
カウンター内の右奥にカーテンが下がっていて、奥まった部屋があるんだな。

002アイスピック .jpg

陽気にカラオケしてるIを横目に、
僕は(間違いなくボラれるな。一刻も早く4人でこの店を出よう)と思った。

歌い終わって、うま~い!もう一曲うたってぇ~、
なんて囃されているIの横っ腹をつついて、
(もうやめろ、急いで出るぞ)と耳打ちした。

Iは不審そうな顔をするも、僕のただならぬ様子を察して、
すんなり首を縦に振った。

僕は、女のコたちに、次いこ、カラオケ行こう、と言って、
ガタイのいいおねーさんに、会計を促した。

「はーい」
と言って、小さな紙を片手にやってきて
「お通し4、ビール大瓶2本、水割り4杯、キスチョコとポッキーとサービス料で・・・
132,630円になります」

!!! やられたー。
僕はこの瞬間にやっと、この店がホントにヤバイ店だということに気づいたんだよ。
ココは、ボッタクリバーではなくて、キャッチバーなのだ。
ベラボーに高く請求するんじゃなく、持ってる金を全部奪うのが目的なのだ。

鼻の下が、シュルシュルと縮む音が聞こえた気がした。

Iが、2秒のタメを作った後、叫び出した。

「バカヤローッ! そんなにぃ、、、」

とそこまで言ったところで僕は、
「お前は黙ってろ!!」
って制したんだよ。

Iがテーブルをひっくり返して、暴れる勢いだったからだ。
そう、ココはキャッチバーなのだ。
逆上して暴れる客をどう処理するかのプロなのだ。
ケンカしたって、向こうが勝つようにシナリオが用意されているのだ。

アイスピックのにーちゃんのうつむいた目が、ギラリと光った気がした。
あのカーテンの奥に、あと何人潜んでいるのかもわかったもんじゃない。
この店が、なんで出入口方面が異常に狭くなっているのかもわかった。



「そんなに、持ってねーよ」
「えー? それはまずいわねー。じゃ、身体検査さしてもらうねー」
と、デブいねーさんが体をまさぐり出すとともに、連れの女のコたちも

「ぐずぐずしてないで、出しなさいよ」

と、ほざき出して、3人で2人の身体検査を始めたのだ。

僕の鼻の下は、縮むどころか平常より短くなっているに違いなかった。
Iの鼻の下は、僕よりもっと長いままに違いないと思った。
こんなはずじゃなかった。
後で、僕らがこの二人の女子の身体検査をするんじゃなかったのか。

「なんだー、持ってるじゃない」

と言って、アマゾネス女がテーブルに広げた金は、
僕ら二人の合計で、14万くらいあったのだ!

給料日の直後だったし、僕はアパートの家賃を持ってくか振り込むだかで
運悪くけっこうな金額を持っていたのだ。
Iがなんでそんなに持っていたのかは、知らない。

「13万に負けとくね。
 かわいそうだから、帰りの電車賃あげる」


と言って、内山君みたいな女は 2,000円バックしてよこしたよ。
(電車、まだ走ってねーぞ)って言いそうになってやめといた。

もし、二人合わせて2・3万しか持っていなかったら、
クレジットカードを握ってATMに連れて行かれたんだろうか。
カードを持ってなかったら、
パンツ一丁にむかれて、階段から突き落とされていたんだろうか。

そこらへんも、ちゃんとシナリオがあるんだろうな。
それが昔でいうところの “暴力バー”、“キャッチバー” なのだ。

Iはまだプルプルしていて、何を言い出すかと思ったら、

「このウィスキー、いったいいくらなんだ、
 これ、もらって帰るからな」


だと。

「はあ、どうぞどうぞぉー」
最後に一発ぶちかましたつもりなんだろうけど、
余計に “やられた感” が増した気がした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからしばらく経って、いよいよ年末も差し迫った頃、
某クライアント企業の忘年会に参加したんだよ。

一次会が終わった時、
いつも一緒に仕事をしている宣伝部の課長が寄ってきて、
「次、行こうよ」
ということで、僕と社の同僚とその課長の3人で、銀座に行くことになった。

誘われるままに着いたところは、ゴージャスな入口のクラブだった。
ハウスミュージックがガンガンかかっていて、
酸欠の中をわいわい踊る “クラブ” でなくて、
いわゆる『銀座のクラブ』。

「ここ、高いんじゃないですか?」
「いやあ、大したこたないよ、ボトルが入っているし」
と言うので、そっかー、なら大丈夫かあ、
ということで、入ったんだった。

壁にはシャガールの本物なんかがたくさん掛かっていて、
おねーさんたちもピカイチにきれいだ。
席に一緒についたホステスは3人だっけな、
僕らの話に合わせるのも、さりげなくうまい。

キープしてあるボトルと水割りのセットが出てきて、
チャームはアポロチョコとポッキーだ。

んー、どっかで見たことある。
僕は、デジャヴのような空気の流れに、クラクラした。



おねーちゃんが、スッポンポンになって踊ったりとか、
裸でお酌をしてくれたりとかは、一切ない。
ただ、ちょびっとお話しただけだ。

それぞれ、水割り2杯程度とポッキー2本くらいをいただいただけで、
「よし、もう一軒行こう」
ということに。

その課長は、僕らと同じトシの頃だけどクライアント様なので、
「ココは、ウチらが出しますわ」
と、レジに会計に行くとなんと、

「245,000円です」

・・・だと!! びっくりぽん!

水割りと、ポッキーで?
おっぱいのひとつもなしで?

お一人様・およそ 82,000円!

おいおい、酔っぱらったクライアントと銀座のカタギのクラブは、
キャッチバーよりコワイぜー。



003水割り.jpg







“ Hold Me ” / Fleetwood Mac





“ 10$の恋 ” / 憂歌団




ボディコンの性質 ② ~ ウソみたいなホントの話


また、電車の中でのハナシ。
そして、ボディコンおねーたま。



その時も僕は、会社帰りだったんだよ。
JR中央線の下りに乗っていたんだっけ。

車内はあまり混んでいなくて、
ラッキーにも「中野」あたりからイスに座れたんだ。
長イスの一番端、乗降ドアのすぐ横だね。
読みかけの文庫本を膝の上のカバンの上に開いて読んでいた。

001電車内.jpg

ちょっとすると、横に立っていたおねーたまが、寄りかかってきたんだよ。
座って肘を上げた高さくらいのとこに、横棒がついているタイプの座席ってあるよね。
その横棒に、ぐいーっとお尻を押しつけてる

まあ、おっさんのお尻よりはましだけど、
それでも、電車の揺れにまかせてぐいぐい肩を押してくるから、ちょっとは不愉快。
でも、けっこう無防備に押しつけてくるので、
おねーさん、疲れているのかな?
それとも、「おらおら、席どかんかい」っていうメッセージなのか?

僕は、ご老人やけが人や妊婦さんなどに “席を譲る” という行為がこれ見よがしな感じがして、
混んでいる時は席が空いていても、ほとんど座らないんだよ。
その時はすいていたとはいえ、座っていること自体、なんだか申し訳ない気持ちでいたんだよ。



本を5ページくらい読んで、次のページをめくろうとした時、
天空から・・・

んごん!

・・・という音が聞こえた。

目から火が出た。
正確には、まぶたの裏が赤くなった。
1秒くらい、何が起こったのかわからなかったけど、
目から火が出る、というのは、具体的にはこういうことなんだあ、
っと、頭が働き出すのと同時に、僕は車内の明るさの中に生還した。

あー僕は、何か固い、漬物石みたいなもので脳天を殴られたのだ!
瞬間、「横にいた女! いくら自分が座りたいからって、そんなことするかっ!」
って、飛び上がってその女のほうを見たら、なんと、彼女は倒れていたんだよ!

正座をして、そのまま後に仰向けに寝たようなカッコだ。
おまけに、W字になった両足をバネして上体が、ビクッ、ビクッ、って痙攣している。

その痙攣を見て悟ったよ。
彼女は、僕の横に立っていて、何かの原因で失神したのだ。
そして、後ろ向きに倒れて、後頭部を僕の頭に打ちつけたんだな。
バイト先で、失神して、頭を打って、痙攣する人を見たことがあるので、
それだとすぐにわかった。

僕は、自分の脳天のことなどどうでもよくなって、
とっさに床に座り込んで、痙攣してる彼女の上体を抱きかかえた。
「しっかりしてください!」

彼女の痙攣が止まって、僕はホントに安心した。
安心の次は、この体制をなんとかしなくちゃ、と思った。
彼女は、足をW字に開いて、それでなくても短いタイトスカートがめくれ上がって、
パンツ丸見えの状態だったのだ。

僕は、衆人のさらしものにならないように、股間のあたりのスカートの裾をひっぱった
その瞬間、彼女は目を覚まして言った・・・



キャーーーーーーッ、何すんのーーーーーーっ!!!



ええーっ!? おまえこそ何すんだあ、と思う間もなく
左後ろのほうから、スーツ姿の会社員風の人がすばやく寄ってきた。

おまえ、何をしているんだっ!

彼は彼女を奪うようにして抱き起こし、すぐに着いた駅でジロリとこちらをにらみながら、
彼女を介抱するようにして降りてった。

国分寺までのあと数駅が、妙に遠かった。











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