ゆらゆら草
もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。
201703<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201705
新宿で、夏の疲れをスッキリ消そう ~ 『渡邊』


新宿のこと

“新宿” って言うと、何を思い出す?

「歌舞伎町」?
・・・っていうと、世界最大級の歓楽街だよね。
立ち食い蕎麦屋から居酒屋、各国レストラン、クラブ、フーゾクまで、なんでもあり。
だから、人の種類も一般の人からヤーさん、おかまちゃん、出稼ぎアセアン、
アジア系マフィア、南米売春グループ、中東詐欺組織なんかがバッコバッコ跋扈してる。
「こわい、危ない街。でも、行ってみてーっ」って感じかな。
でもね、連中も商売でやってるから、①ポン引きのハナシに乗らない ②喧嘩をしない
の2つを守れば危険なことはほとんどないな。

戦後、闇市と売春がはびこって、なんとかせなあかん、ということで
都だか国だかが、闇市をどかして「歌舞伎座」を建てようとした時についた町名なんだよな。
結局、「歌舞伎座」は建てられなくて、町名だけが残ったんだそうだ。

「伊勢丹、三越」?
そうそう、これは重要。
上で書いた新宿のイメージを、一所懸命変えてきたのが百貨店なんだね。
新宿のファッションブランドと名店フードブランドの
最先端を引っ張ってきたのがデパートなんだなー。
これがなかったら、新宿はいまだに “あぶない呑み屋街” なんだろうと思う。

「アルタ」?
言わずと知れた、フジテレビ系の「笑っていいとも」の生放送スタジオ。
東口のすぐ前でわかりやすいから、待ち合わせ場所として有名だよね。
ここは、実は伊勢丹の持ち物なんだよ。
伊勢丹のビルテナント事業の一部なのさ。
元々は、自社デパートのチラシの撮影に使っていたのかもしれないね。

近年、ドラスティックに発展したのが、「南口」。
ちょっと昔は代々木から続く住宅街とJR東日本の社用地があった、
夜になると真っ暗になるエリアだったんだよ。
いまは、高島屋とサザンテラスのクリスマスイルミネーションで明るくてきれい!
「ルミネ the よしもと」があるのもこの南口側。



じゃ、“新宿西口” って言うと、何かなあ?

「西口広場フォークゲリラ」?
そういうあなたは、たぶん60歳を越えていますね?
'70年安保の1年前に起こったベトナム反戦&反体制運動だから、
僕はオンタイムでは全然知らないコト。
昔のヤングは、こういう大義名分のもとエネルギーを発散させていたんだなー。
ちょっと、楽しそう。

いやいや、そうじゃなくってぇ・・・

昔のハナシばかりで恐縮なんだけど、
僕が上京したばかりの頃、西口と言えば “高層ビル” だった。
その頃はまだ、「京王プラザホテル」のほか、「新宿住友ビル」、
「安田火災海上本社ビル(現 損保ジャパン)」、「新宿三井ビル」、
「新宿野村ビル」くらいしか建っていなくて、
そのエリアはスポポーンとめっちゃ目だっていたんだよ。

001新宿_渡辺

高さでいえば、霞が関ビルの時代が終わり、西新宿の時代が始まっていたんだな。
それまで、12階建ての建物しか見たことがなかった僕は、
空を見上げてきょろきょろ=ラバーネッカーに、ホントになったんだった。

002新宿_渡辺

それ以外は、新宿中央公園と、雑居ビルがパラパラあったほかに・・・何があったと思う?・・・
・・・はい、“空き地” だったんだよ!
広大な住宅展示場として利用されていた部分にくっついて、
野球場2つ分くらいの空き地!
ちゃんと柵がめぐらされてて、都の管理で草野球場として貸与している雰囲気があったけど、
ホントにただの空き地。

こんな大都会に、こんなに広大な空き地、ってなんだ?
と思っていたんだけど、何かで読んで、
「淀橋浄水場」というのがあったことがわかったんだよ。
その広大な空き地は、浄水する前の玉川上水から引いた水を貯めておく
プールがあったところなんだなー。

その頃、風の噂で聞いたのが、「10年後くらいに、東京都庁が移ってくるらしい」というもの。
当時は、「またまたいい加減なこと言って」と聞き流していたんだけど、
ホントだったねー。
いまでは、西新宿の超高層ビルの数は、40近くになっちゃってるんだねー。

そう、いまや、西新宿といえば超高層ビル街!都庁もあるでよ!
・・・なのだ。

003新宿_渡辺



摩天楼の森に咲く、蕎麦の花

超高層ビル街の一角に、ちょっとした繁華街があるんだよ。
繁華街というか、ほとんど呑み屋街だなー。
呑み屋以外で目立つのは、家電量販のヨドバシカメラ。
“淀橋” というのは、この辺の昔の地名だから、
この辺が、ヨドバシカメラの発祥の地なんだろうなって、勝手に思ってる。

004新宿_渡辺

いまでは、家電量販店なんて、そこらじゅうにあるから、
フツーの人は、この辺に勤めているか、よっぽどの用事がなければ、
このあたりにやってくることはないだろうなー。

新宿では思いのほか少ない、うまい手打ち蕎麦屋のひとつ『渡邊』は、
その狭い呑み屋街に埋もれたようにある。



コンクリートジャングルに咲く花みたいなブログ、
「花々の日々~里花の旅日記」里花さんとのコメントのやりとりの中で、
お住まいの近くの蕎麦屋ということで、この『渡邊』さんを紹介させてもらったことがあるんだけど、
彼女、気に入られたようで、“あれ” を何度か食べに行かれたとお知らせいただきました。

それを聞いて、僕も “あれ” を食べたくなってきた & まだ記事にしたことがなかった
のダブルパンチで、久しぶりに食べに行ってみようと決めたんだよ~!



『渡邊』さんの店内に入ったのは、午後4頃だったかな。
中休みなしの店なのだ、助かるねー!
当然、昼飯タイムはとっくに終わり、晩飯タイムにもまだまだという時間だから、
満席で30人くらいは入れそうな店内もスキスキ。
僕以外に、2組=4人くらいしかいなかった。
なのに、十代後半から二十代半ばくらいまでの、若い花番さんが4人ほどいるから、
食事にふさわしい時間には、かなり混むことが想像できるね。

よっしゃ、今日は蕎麦前をばしてみよっかな。
晩酌するつもりはないので、迷わずスタンダードな菊正の燗を1本。

005酒_渡辺

かるくツマミもほしいところだけど、なんかあるかな・・・

006つまみメニュー_渡辺

007つまみメニュー_渡辺

・・・っと、安くて、間違いなく日本酒に合うはずの「しいたけの甘露煮」にしたぜー。

008蕎麦打ち_渡辺

ちびちび呑みながら、メニューを見たり、店内をつんつん見てると、
店内中ほどにある蕎麦打ち場で、仕事が始まった!
おっと、ラッキー!
そっか、晩飯タイムに向けて、打ち立てを仕込んでおくんだな。

009張り紙_渡辺

お願いして写真を撮らせてもらっているうちに、「しいたけの甘露煮」が到着。

010つまみ_渡辺

かえしと出汁で煮含めたものだろうね。
器に盛る時に、すだちを絞り、皮を乗せているはずだ。
この料理は、出汁のカツオ節のイノシン酸と、しいたけのグルタミン酸、グアニル酸が
混じったものだから、うまくないはずがないんだよ。

011つまみ_渡辺

アミノ酸の「イノシン酸+グルタミン酸」ということになる料理は、
それぞれの単独より7倍旨味が強くなるという魔法の掛け合わせで、
日本人のお家芸なのだ。
たとえばね、昆布(グルタミン酸)で出しをとって、鰹節(イノシン酸)をかけて食べる
「湯豆腐」なんかも、この魔法の掛け合わせ料理なのだ。

うぉー。
おまけに、すだちの爽やかな味と香りが加味されていて、ものすごくうまい!
当たり!
どこでもありそうな一品だけど、ココんちのは、想像をはるかに越えたうまさだ。
もちろん、日本酒にもぴったり!

ちびちびやりながら、蕎麦のメニューなどを眺めてみる。

012蕎麦メニュー_渡辺

粗挽き系はないようだ。
玉子とじそばの溶き玉子に、海老のむき身が2・3コ入っているという
噂を聞いたので、今度はそれにしてみようかな。
うどんもあるんだね。

・・・なーんて、ホントは何をたのむか決めてあるんだよね。
それは、“あれ”
定番メニューには、載ってないんだなー。

013すだち蕎麦メニュー_渡辺

“あれ” とは、“これ” だあ!
ココんちの名物のひとつ、「すだち蕎麦」でござる!!
しかも、ホントであると信じたい「徳島産」!

徳島といえば、映画の見識で勝手に師匠と呼ばせていただいている
「映画的日記」カッパさんのGMTなので、なんだかうれしくなってしまう。
はははー、実はまったく迷いもしないでコレを注文。

014つまみ_渡辺

甘酸っぱくて、旨味のきいたしいたけは、やっぱり酒が進むねー。
もう一本いきたいところだけど、昼酒だし、休みでもないのでがまんの子でしょ。

だいたいだな、蕎麦屋の酒はうま過ぎるよねー?
蕎麦懐石料理屋みたいな、ガッツリ構えて呑む酒もいいけれど、
ちょっとしたツマミでサクッと飲る蕎麦屋酒ってぇのは、たまらなくうまい!

そりゃ、なんでなんだろう?
と考えてみたことがあるので、下記、書いておきますぜー。



蕎麦屋酒は、なんでうまい?

① 400年かけて選ばれてきた肴
日本人が酒を呑む時に、いつからツマミを食べるようになったのかわからないし、
蕎麦屋がいつから酒やツマミを出すようになったのかも僕にはわからないけど、
“蕎麦前” というものが行われるようになってから、
蕎麦屋で出せる範囲でいろんな肴が供されてきたはず。
そりゃ、ン百年もかけて日本酒に会うツマミを取捨選択してきたということだわさ。
膨大な人力と数えきれないコレクト&エラーの末に、
酒がうまく呑める肴が定番化されているんだから、
酒がうまいに決まってる、というわけ。

② 出汁やかえしが酒に合う
蕎麦屋って、自分とこで作った出汁やかえしを使った料理が多いよね。
出汁のイノシン酸や、その出汁に合う食物のグルタミン酸などは、
発酵仲間だからそもそも醸造酒に合うんだよね。
かえしの醤油やみりんも醸造仲間で、日本酒に合うんだよね。
ツマミの味付けが日本酒とばっちり合うから、酒がうまくなるというリクツ。
①とちょっと似ているかな。

③ 欲求不満効果
蕎麦屋とか寿司屋って、江戸前の伝統というのか、昔から “長居は野暮” って言われるよね。
パパッと呑んで、つるっとすすって、さっさと帰る。
その短い時間のせいで、憩いや味や酔いが強調されるんじゃないかな。
後を引きながらも、江戸っ子は袖を翻して去らねばならぬ、のだ。
「もっと食いてえ、もっと酔いてえ」と思いながら帰る道すがら、
それはすでに “うまかった思い出” になっているのだ。

④ たたずまいも味のうち
蕎麦屋って、和や和モダンで凝った、スカッとというかキチッとというか
そういうたたずまいだよね、概して。
まあ、そうじゃないとこもあるけど、蕎麦前したくなるような店は、きっとそうだよね。
それから、器類も凝った味わいのものがほとんど。
そういう環境って、自分もキリッとしたくなるじゃん?
ほどよい緊張感や期待感って、ヒトの五感を明るく敏感にするんじゃないかな。
内装や器の匠を愛でながら、少し背筋を伸ばしてくいっと呑む酒って、
なんだかうまいもんなんだよ。

⑤ こだわり大将
粉や手打ち、道具、器、内外装、食材、天ぷら技術、接客・・・・・、
昨今の蕎麦屋の大将のこだわりは生半可じゃないよねぇ。
うまい酒や、酒と肴のマリアージュにもこだわらないわけがないじゃんか。

・・・ってなことだろうと思うなー。



015蕎麦切り_渡辺



016すだち蕎麦フタ付_渡辺

はいはい、酒もなくなる頃に「すだち蕎麦」が出てきたねー。
なるほど、フタ付きかあ。
「花巻」と同じ趣向なんだね。
ほら、フタを開けると、フワーッとすだちの香りが舞い上がるというわけだ。
「花巻」は、手でちぎった海苔がたくさん載っているから、
フタを開けるとフワーッと磯の香りが立ちのぼるという、
海苔の一大産地だった江戸の蕎麦らしい洒落なのだ。

017すだち蕎麦フタ開け_渡辺

フワ~~~ッ、ほらねー。

018すだち蕎麦寄り_渡辺

019すだち蕎麦アップ_渡辺

甘酸っぱさが、体に浸みるような感じ。
残りものに福がなかったのか、ちょっと麺が短いのが気になるけど、まあいいか。
次に来る時はちゃんとつながっているか、もり系を食べてみよっかな。

020すだち蕎麦箸上げ_渡辺

ちなみに、蕎麦の品種は、「常陸秋」と「北早生」と2種書いてあったなー。
スルスル食べて、あっという間になくなっちゃった。

021ごちそうさま_渡辺

ごちそうさまでした!



『渡邊』さんの入口に一番近い2人掛けのテーブルに、
女子が一人で蕎麦を手繰っていたんだよ。
あれはひょっとして、里花りんさんかな?
なんて思ったりしてたんだけど、
里花りんさん、僕が行った日には行かなかったとのこと。
2日と4時間くらいのズレだったみたい?

ばったり会えても一興、会わなくても一興。
こういうわくわくも、ブログのおもしろさのひとつなんだろうねー。

022椅子_渡辺

023お店外観_渡辺



●『渡邊』(わたなべ)
東京都新宿区西新宿1-12-10 八洋ビル 1F
03-3348-9126
11:00~22:00
ランチ営業
定休日/日曜日


copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.