ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。



何年か前の休みの日の昼下がり、寝っ転がって本を読んでいたら、
テレビから、妙にいい感じの歌が流れてきたんだよ。

合唱! NHK!
おー、合唱コンクールなんかテレビでやってんだ。
1位の決まる、全国大会だあ。
高校生の部かあ。

それにしても、いい歌だなあ!
こういうのを、釘づけ、っていうんだなー。

高校生の部の課題曲だから、次の地区代表校が出てくるたびに同じ曲を歌う。
自由曲をはさんで、1曲おきに微妙にニュアンスの違う同じ歌が繰り返される。
聴くたびに、曲の魅力の輪郭がはっきりしてくる。

もう、自由曲なんか耳に入ってこない。
何度も聴いているうちに、確信したねー。
これは、30年に一度の名曲!!

合唱って、妙にくそまじめで、こっぱずかしくて、
歌詞が自然をテーマにしていたりすると妙に小難しかったり、
古語的な言葉使いだったり、メロディが抽象的だったりで、
なんとなく馴染めない曲が多いよね。

あと、合唱部の気持ちワリーくらいまじめな練習風景を目にしたりすると、
近寄りがたい世界に感じたりもするし。

でもね、たまーに、ポップでわかりやすくて、ジーンとくるものもあるんだよ。
この時に聴いた歌も、数少ない “思い入れられる曲” のひとつだと思う。
ハイティーンの爽やかなエネルギーが、澄んだハーモニーで伝わってくる!




♪ あの空へ ~ 青のジャンプ ~  作詞:石田衣良 作曲:大島ミチル


空をかける鳥たちも
最初から上手く飛べたわけじゃない

初めての自転車
笑っていた 身体中 傷だらけでも

安全な道ってなに?
間違いのない生き方ってなに?

みんなが君の未来のためと言うけれど
僕の未来ホントに見えているの

上と下 果てしなくちぎれていく世界
すべてを乗り越え進みたいんだ

Jump up!
僕たちが傷つくのを止めないで

Jump down!
僕たちが間違うのを止めないで

Let’s Jump all the boys and girls!
僕たちが目を閉じて飛ぶのは
より豊かになり 帰ってくるため

Jump up!
Jump up!


Jump up!
お父さん さようなら もう行くね

Jump down!
お母さん ありがとう 忘れない

Let’s Jump all the boys and girls!
見つけよう ちぎれていく世界で
動くことのない 自分だけの場所を


Jump up!
Jump up!

Jump up all the boys and girls!
Jump up all the boys and girls!

Tu tu tu tu..........


Jump up!
Jump up!

見つけよう ちぎれていく世界で
動くことのない 自分だけの場所を

さようなら さようなら もう行く
ありがとう ありがとう 忘れない

Jump up all!
Jump up all!
Let’s Jump all!

Jump up!!





「Nコン課題曲 Juke box」
↑このページへ飛んで「第76回 > あの空へ~青のジャンプ~ 高等学校の部(混声)」の順に
クリックすると聴けます。ぜひぜひ、聴いてみてください!


“僕たちが傷つくのを止めないで”
“僕たちが間違うのを止めないで”


競争や順位づけを避ける教育や過保護、チャレンジしない子供たち・・・。
そんないまへの批判を、こんな言葉で表わしているんだねー。
うまい!

“お父さん さようなら もう行くね”
“お母さん ありがとう 忘れない”


いまの10代20代の若者たちにとって、いまある「自分の親たちが築いてきた世界」は
もはや、信じることのできない世界になってしまったんだな。
めちゃくちゃな世の中だからね。

だらしない大人たちのせいで、若者たちは、何が正しくて何が間違っているのか判断できない。
何がモラルで、何がデカダンなのかわからない。
どうすれば、すばらしい未来に会えるのか、その答えはいまの大人たちからは得られない。
だから、「もう、過去の大人に決別しよう、自分たちの時代を創ろう」
と歌っているんだなー。

歌詞を書いたのは、なんとあの小説家の石田衣良
失礼だけど、この歌詞は小説よりすばらしい!

中盤に、ゴスペル調のスキャットを突っ込んで、
自由な歌唱アレンジを許すスタイルの曲を書いたのは、大島ミチルさん。
徳島を舞台にした映画『眉山』(2007)で、第31回日本アカデミー賞 最優秀音楽賞を受賞した、
映画・テレビ・アニメの音楽の世界では超有名な人。
「大島ミチル」
↑ウィキペディアを見ると、きっとびっくりすると思う。



ちなみに、この年(第76回・平成21年)の小学校の部の課題曲の作詞は、覚 和歌子さん。
『千と千尋の神隠し』や『崖の上のポニョ』の主題歌を作詞した人だよね。
作曲は、テレビの世界では有名な千住 明さん。

中学校の部の課題曲は、なんと、いきものがかりの『YELL』

なんだあ?最近の合唱コンクールって、そういうことになってるのか?
と思って、調べてみると・・・
だいたい、平成10年あたりから、そういうことになっているようなんだなー。

さくらももこ、サンプラザ中野、ドリアン助川、大岡 信、グッチ裕三、小椋 佳、
吉田美和『未来を旅するハーモニー』、ねじめ正一、森山直太朗『虹』、瀬戸内寂聴、重松 清、
ゴスペラーズ『言葉にすれば』、森 絵都、アンジェラ・アキ『手紙』、五木寛之、
愛『アイ・ラヴ』、やなせたかし、flumpoo『証(あかし)』、銀色夏生、遊佐未森、YUI『fight』・・・
テレビでおなじみの名前がどんどん出てきている。

特に最近は、J-POPの曲がそのまま、またはJ-POPアーティストが合唱のために曲を書き下ろす、
というケースがさかんだねー。
これは、合唱クラブが不人気だから、盛り上げようという作戦なのかなー?
まあ、いいか、この先ますますおもしろくなりそうだし。

今年(Nコン2013・第80回・平成25年度)の課題曲は・・・

●小学校の部
『ふるさと』※嵐が紅白歌合戦で歌った歌
作詞:小山薫堂 作曲:youth case 編曲:桜田直子

●中学校の部
『友 ~旅立ちの時~』※ゆずの歌
作詞・作曲:北川悠仁 編曲:相澤直人

●高等学校の部
『ここにいる』
作詞:文月悠光 作曲:新実徳英

全国大会は、10月12日(土)が高校、13日(日)が小学校、14日(月・祝)が中学校。
テレビでも、各日、午後1時頃から午後5時頃まで、
Eテレ(旧NHK教育)で生放送される
はず。
よかったら、どうぞ。
※私は、NHKの回しもんでも、NHKマニアでもありませんが。



そうそう、この合唱コンクールの名前は、「NHK全国学校音楽コンクール」=「Nコン」というんだね。
新しいタイプの婚活じゃないよ。
これの他に、全日本合唱連盟と朝日新聞社が主催する「全日本合唱コンクール」というのもあるのかな?
学校の合唱クラブが、学校教育的に取り組む大会は、主にこの2つかな?
(間違っていたらすみません)

Nコンのほうは、今年が第80回目。
ちょっとしたアニバーサリー的な年なんだね。
「あまちゃん」ロケ地ツアーに行った時、NHKスタジオパークには、こんな展示があったなー。

001Nコン入口

002Nコンシンボル

003Nコン嵐

なんだかよくわかんないけど、「いっしょに歌おう」プロジェクトというのをやってるみたい。
Nコン80回記念ドラマ「はじまりの歌」(9月23日(月・祝)19:30~ NHK総合)
というのも、その一環なのかな?

とにかく、第二次世界大戦の前からやってるから、これまで生み出してきた課題曲も膨大な数!
戦前は、なんとなく戦う士気を盛り上げるような、プロパガンダっぽい歌もあるなあ。

Nコンのサイトで見ると、僕の好きな曲も5~6曲あるなあ。
『あの空へ ~ 青のジャンプ ~』もバツグンにいいけど、
昔の曲で一番のお気に入りは、『空がこんなに青いとは』だな!!
第37回(1970年度・昭和45年度)の小学校の部の課題曲だよ。
この曲は、Nコンの課題曲の中でもたった1曲、過去に2回、課題曲に選ばれている歌なのだ。
2度目は、第51回(1984年度・昭和59年度)。
やっぱり、いい曲は何度聴いてもいいねー。

作詞は、岩谷時子さん。
有名な歌謡曲の作詞家だよねー。
ザ・ピーナッツ『恋のバカンス』や加山雄三『君といつまでも』、ピンキーとキラーズ『恋の季節』、
園まり『逢いたくて逢いたくて』
などの名作はじめ、ミュージカルやシャンソンの訳詞でも多作。
ミュージカル『ミス・サイゴン』の訳詞も彼女。

『空がこんなに青いとは』は、岩谷さんの作詞の中でも、合唱曲というだけでなく異色の作品なんだよ。
なんたって、当時、高度経済成長の真っ只中を走っていた日本のあちらこちらで露呈してきた、
“公害” を糾弾した歌だからね。

NHKのドキュメンタリー番組『現代の映像』の「空がこんなに青いとは」と題した回があって、
1970年7月10日に放送されたそうだ。
当時、Nコンで3年連続優勝していた大阪市立北恩加島小学校の生徒たちが、
公害地区のどんよりとした空の下で、課題曲であるこの曲の練習に励むというハナシだそうだ。

僕はそれを観たことがないんだけど、強烈なインパクトの映画(?)を観た覚えがある。
たしか、やっぱり『空がこんなに青いとは』というタイトルだったと思う。
16ミリかなあ、8ミリかなあ、モノクロだったよなあ、小学校の視聴覚教室に体育座りして観たんだっけ?

小学校の合唱部かな、コンクールに向けて、この『空がこんなに青いとは』を練習してるわけ。
ある日、メンバーの女の子が喘息になっちゃって、歌えなくなる。
どっか遠くのサナトリウムか何かに入れられちゃって、コンクールに出られなくなる。
それを受けて、メンバーの子供たちは、ばい煙を吐き出す工場の前に並んで、
この歌を歌って抗議するんだよね。
涙が止まらなくて、視聴覚教室の明かりをつけないでほしいと思った記憶があるなー。

「児童映画」って言うのかな?
小学校の頃、よく観させられたよね?なんだか、道徳教育的な内容のやつ。
他の作品はさておき、この『空がこんなに青いとは』をもう一度観てみたいなー。
どこかで観られるとか、何か知っている方がいたら、ぜひ教えてください。



♪ 空がこんなに青いとは  作詞:岩谷時子 作曲:野田暉行


知らなかったよ
空がこんなに青いとは

手をつないで歩いて行って
みんなであおいだ空
ほんとに青い空

空は教えてくれた
大きい心を持つように
友だちの手をはなさぬように


知らなかったよ
空がこんなに青いとは

なぜかしら悲しくなって
ひとりで見上げた空
とっても青い空

空は聞かせてくれた
風にも負けない雲のうた
ひとりでも もう泣かないように





「Nコン課題曲 Juke box」
↑このページへ飛んで「第31回~ >第37回 > 空がこんなに青いとは 小学校の部」の順に
クリックすると聴けます。ぜひぜひ、聴いてみてください!



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2013年10月25日、岩谷時子さんが亡くなられました。満97歳。
こんな場所で恐縮ですが、心からお悔み申しあげます。

波乱万丈、そして大往生。
↓うらやましい限りの、人生だったと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E8%B0%B7%E6%99%82%E5%AD%90
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