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ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

天才が描いた天才 ~『アマデウス』  


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あれは、'85年頃だったかな。
社会人になったばかりの頃、同業の友達とシェアハウスというか
シェアアパートしていたんだよ。
2DKの風呂付き。

当時は、バブルがふくらみつつあった時で、
学生や単身者向けのアパート事情もバブル化しつつあって、
それまで聞いたこともなかった、「ワンルームマンション」
というものの林立期だったんだな。

その当時でも、ワンルームマンションなら1部屋・月6万円
くらいしたので、2人で12万円出すつもりなら、
ワンルーム × 2より、もっと広い部屋を借りられる
んじやないか、という算段をしたんだっけ。
結局、2DKで7万円くらいのアパートを見っけ。

それに、僕らの業界、勤務時間が朝も昼も夜もなくめちゃくちゃで、
土日も祝日もへったくれもないことがわかっていたので、
「どうせ、寝に帰ってくるだけ」だから、始終顔を突き合わせて
いることもなく、「野郎二人が同居するわずらわしさもねーべ」、
という想定もあったんだな。



珍しく二人の休みが合致したある日曜日、
「映画でも観るかい?」ということに。
この同居人は、根っからの映画好きで(僕もかなりだったけど)、
ダビングしたソフトをものすごくたくさん持っていたんだよ。

で、僕は、「最近の映画で、これはオススメというのは何よ?」
って聞いたら、すかさず奴は「アマデウス」って答えたんだよ。
アカデミー賞の部門賞をいくつも受賞した作品だから、
僕も少しは内容を知っていたんだけど、
「え、やだなー」って気持ちが湧いたっけ。

だってね、子供の頃に『マクベス』かなんかを観て、
ものすごくつまんなくて、トラウマになっていたんだな。
それからというもの、ヨーロッパの中世とか近世とかの、
あの華美な服装にくるくるカールしたカツラをかぶって、
貴族とか王妃とかが出てくる物語には近づかないように
してた
んだよ。(笑)

ところが奴は、「そういう古典的なハナシじゃないよ。
めっちゃおもしろいから、絶対観てみろ」
と言う。
それでなくても、忙しくて貴重な休みの時間を “ハズレ” に
費やすのはもったいないと思ったんだけど、
「映画好きのコイツが言うんだから」というわけで、
半信半疑のまま観たんだったなー。

ところがこれが確かに、めっちゃおもしろかったんだよ。

くるくるカールのヅラや皇帝とかが出てくる映画への
イメージがいい方へ変わったのはもちろん、
それまで、何を言っているのかわかんなくて全然興味が
湧かなかったオペラへのイメージも変わったし、
“モーツァルトの謎の死” についての興味も湧いたしで、
人生観とか世界観というと大袈裟だけど、
少なくとも映画の好みの幅は広がったんだなー。



それまでの僕は、小学校の時に買ってもらった百科事典の
付録についていたレコードの「モーツァルトのセレナーデ
(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)」くらいしか知らなくて、
モーツァルトといえば皇帝お抱えの宮廷音楽家
とくらいしか認識していなかったんだけど、
この映画を観て全然イメージが変わってしまったんだよ。

映画なんでそこそこの “盛り” もあるだろうから、
鵜呑みにするのは危険に違いないだろうけど、
劇中に描かれたモーツァルトは、まるで「パンクロッカー」
だったんだよ。


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知的で端正な顔立ちをして、きらびやかな貴族の世界で、
美しい音楽を華麗に創り続ける姿という想像とはまったく違ったね。
そりゃ、時代が生んだ天才音楽家には違いないんだけど、
宮廷音楽家というイメージとはだいぶん違うと感じたなー。

常に新しいメロディや歌劇表現を追い求めるあまり、
常に古い考え方やタブーに対抗する、反抗的なミュージシャン
まるで、パンクとかプログレ、グラム、ロキシー、オルタナ
なんかの創始者みたいな。

その上、この映画の美しさといったらないぜ。
名優の演技のすばらしさを最大限に引き立てる衣装、
美術・セット、ロケ、カメラワーク、そしてもちろん音楽・・・
なんてすごい作品なんだろう、って震えたねー。

昔の同居人の受け売りだけど、まだ観ていないのなら、
「絶対、観てみろ」って言いたいな。


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『時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日』、
『カッコーの巣の上で』、『ヘアー』、『ラグタイム』、
『ラリー・フリント』、『マン・オン・ザ・ムーン』、
『宮廷画家ゴヤは見た』・・・
なんて偉大な映画監督を失ってしまったんだろう。

チェコ出身、アメリカ国籍。
両親をアウシュビッツで亡くす。
親戚や友人の家を転々としながら、プラハの国立映画学校を卒業。
米国アカデミー監督賞2回受賞。
『アマデウス』では、アカデミー8部門を独占。

2018年4月13日没。
享年86歳。
Requiescat in Pace - ミロス・フォアマン


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●アマデウス(Amadeus)
1984 アメリカ
上映時間/158分、180分(ディレクターズ・カット版)
原作/ピーター・シェーファー
監督/ミロス・フォアマン
脚本/ピーター・シェーファー
製作/ソウル・ゼインツ
製作総指揮/マイケル・ハウスマン、ベルティル・オルソン
音楽/ジョン・ストラウス、ネビル・マリナー
撮影/ミロスラフ・オンドリチェク
編集/マイケル・チャンドラー、ネーナ・デーンヴィック
プロダクション・デザイン/パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
特殊メイク/ディック・スミス
衣装/テオドール・ピステック
配給/オライオン・ピクチャーズ(米)、松竹富士(日)
出演/F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、
   ジェフリー・ジョーンズ、チャールズ・ケイ、パトリック・ハインズ、
   ロデリック・クック、ジョナサン・ムーア、ロイ・ドートリス、
   リチャード・フランク、サイモン・キャロウ、ニコラス・ケブロス、
   クリスティン・エバソール、バーバラ・ブリン、シンシア・ニクソン、
   ヴィンセント・スキャヴェリ、ケニー・ベイカー、ケネス・マクミラン ほか
受賞/第57回アカデミー賞
   ・作品賞:ソウル・ゼインツ
   ・監督賞:ミロス・フォアマン
   ・主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム
   ・主演男優賞(ノミネート):トム・ハルス
   ・脚色賞:ピーター・シェーファー
   ・撮影賞(ノミネート):ミロスラフ・オンドリチェク
   ・編集賞(ノミネート):マイケル・チャンドラー、ネーナ・デーンヴィック
   ・美術賞:カレル・サーニー、パトリシア・フォン・ブランデンスタイン
   ・衣装デザイン賞:テオドール・ピステック
   ・メイクアップ賞:ディック・スミス、ポール・ルブランク
   ・録音賞:トム・スコット、クリス・ニューマン、マーク・バーガー、
        トッド・ボークルヘイド
   第9回 日本アカデミー賞(1986年)
   ・外国作品賞
   第42回 ゴールデングローブ賞(1985)
   ・最優秀作品賞(ドラマ部門)
   ・最優秀主演男優賞(ドラマ部門):F・マーリー・エイブラハム
   ・最優秀助演男優賞:ジェフリー・ジョーンズ
   ・最優秀監督賞:ミロス・フォアマン
   ・最優秀脚本賞:ピーター・シェイファー





♪ Andante in C major, K.1a / Wolfgang Amadeus Mozart





♪ Menuett G dur kv.1e, 1f / Wolfgang Amadeus Mozart





♪ "Queen of the Night" aria from "The Magic Flute" by Mozart / Maria Callas









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まっ白な恋、見っけー ~『真白の恋』  


たとえば、電車の中で席を譲る時、とても悩むんだよなあ。

高齢の人やケガ人、妊婦さんなんかがそばにいれば、
僕は、自分が立ってられないほど疲れているとか、
ぶっ倒れるほど具合が悪いとか、ケガしてるとかでもない限り、
間違いなく席を譲るんだけどさ。

でもさ、この時に、
「この人はそもそも座りたいんだろうか?」とか
「座りたいんだろうけど、僕の譲り方が大袈裟だったりしたら
座りたくなくなるんじゃないか?」、
「僕の態度があまりに同情めいていて、逆に相手をバカにしている
ように見えるんじゃないか?慇懃無礼というやつではないか?」
・・・なんてことが頭に浮かんじゃう。
純粋に席を譲りたいだけなんだけどね。

それから、横断歩道なんかで、白杖を突いている人や
車椅子に乗っている人に、「一緒にわたりましょうか?」
なんていう時。

「僕の態度は、相手に同情しすぎていて、
余計なお世話だと相手を怒らせるんじゃないか?」
って、余計なことを考えてしまう。

逆に、「一緒にわたりましょうか?」って問いに、
手を振り払って「いいです(不要)」と無下に断わられたりすると
「おーわかった、一人で生きろ」なんて、
まったくひどい気持ちが湧いたりもする。

車椅子の人と狭い道やスーパーなどですれ違う時に、
<どかんかいワレ>って態度をとられたりすると、
「それって、人としておかしいんじゃないか?
ハンディキャップを楯に、いい気になり過ぎじゃないか」
って気にもなる。
始めから、喜んで道を譲ってやろうと思っているがゆえに。



つまり、何が言いたいかというと、
ハンディキャップのある人を思いやるのはとても難しいな、
ということ。

思いやりに過ぎれば逆に失礼、
思いやりに欠ければヒトデナシ
でしょ。

相手にハンデがある分、
その分についてはあたりまえにヘルプしたうえで、
僕はただ、フツーの人と同じように、やさしくしたり
厳しくしたり、仲良くしたり喧嘩したりしたいんだよ。

思いやりに欠けず、思いやり過ぎず、自然にヘルプ。
でも、ハンデを思いやる分以外は、
ハンデのある人もない人もない、ただの人として接したい。

でも、これって難しくない?
まあ、自分の気持ちの問題なのかも知れないけど。



ハンディキャップのある人は、「恋」をできるのだろうか?

健常者が障害のある人を慕う気持ちは、
どこまでが愛情で、どこまでが「同情」なのか?
何の濁りもない “まっ白な” 好意を寄せることができるのか?


反対に、障害のある人が健常者を慕う気持ちは、
どこまでが愛情で、どこまでが「甘え」なのか?

・・・なんて不確かなものが生じて、
どうしても「純粋な恋」は難しそうな気がするよねぇ。
「障害のある人」というだけで、心に、
真意がわかりにくくなるフィルターかかってしまう。


でも、この映画ではそれを見事にやってのけているんだなー。
主人公の女子は、軽度の脳障害のあるコなんだけど、
「同情」や「憐憫」や「甘え」なんかのの濁りのない、
まっ白な恋をする。

原作・脚本の北川亜矢子さんは、
障害のある人に、フツーの女の子と同じ恋をさせた
んだよ、
物語の設定をうまいこと考えて。

“そうか、これこそがまっ白な純粋な恋なんだ”
って、目からウロコと涙が落ちたよ。

それで、よくよく考えてみたら、
「そうか、これって健常者だって同じじゃないか」
って思ったね。

純粋な恋をしたいなら、
純粋な恋をするのにとてもやっかいな邪魔もの、
それをどう取っ払うか
がモンダイなのさ。
ハンデがある人もない人もおんなじ。
だって、健常者だって人それぞれ、
ある意味たくさんのハンデを持っているんだから。

でも、取っ払えるのか?
んー、難しいだろーなー。
カントの言う「純粋理性」ってやつだな。

それを結局取っ払えないから、
恋はひとときの夢物語であり、儚いのだ。
それが純粋であればあるほど、ますます儚くなる。

え、ナニ言ってんのかわかんない?
じゃ、観てみようねー。



“東洋のベニス” 富山県の射水市でのオールロケ。
雪の街の風景が、ものすごく美しい!



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●真白の恋(ましろのこい)
2017 日本
上映時間/97分
原作/北川亜矢子
監督/坂本欣弘
脚本/北川亜矢子
脚本協力/上原三由樹
撮影/山田笑子
編集/穂垣順之助
照明/市来聖史
美術/中居崇
録音/山田義昭、山岸亮、大上戸里沙、石川雄士
衣装/narumi
メイク/幸田恵、田近香織理、今家真美、高森真美子
音楽/未知瑠
助監督/佐伯龍蔵、米倉祐依
制作/牧野孝彬、土井珠見、木寺彩乃、松井貴子
メイキング/市野祐子
制作プロダクション/sagan pictures
配給/エレファントハウス
出演/佐藤みゆき、岩井堂聖子、福地祐介、長谷川初範、山口詩史、
   杉浦文紀、及川奈央、村上剛基、内田もも香、深川格 ほか
受賞/第二回新人監督映画祭(2015)
   ・コンペティション・長編部門 出品
   TAMA CINEMA FORUM(2015)
   ・ある視点部門 出品
   なら国際映画祭2016
   ・~インターナショナルコンペティション~ 観客賞
   福井映画祭11th(2017)
   ・長編部門 観客賞(グランプリ)
   あきた十文字映画祭(2017) 第26回
   ・上映作品







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近頃なぜか、ちょいちょい観てた "家族もの"。
しかもこれも、サバイバル or アドベンチャー系。(汗)

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ある日突然、電気が使えなくなったー!
なぜかは、わかんない。
日本だけ?世界中?
それもかわんないけど、ま、細かいことはどうでもいいか。

しかも、コンセントなんかの電源を使えないだけでなくて、
スマホやPCなんかの充電池の電気もなくなっちゃってる!
なんでか、それもわかんない。
ま、でも、物語の流れには関係ないからいいか、
そだね~。

※ 「そだね~」の発音方法と微妙な意味合いについては、
道産子のわっしとしては、少しばっか講釈めいたことを
してみたいところだけど、ま、いつかチャンスがあれば
ということで。



・・・ということ(まったく電気がない)になったら、
どういうことになると思う?

当然、灯りは点かないでしょ?
スマホ、PC、テレビ、ラジオ、音楽プレーヤー、髭剃り、
電動ハブラシ、電気マッサージ器、炊飯器、水道、ガス、車、
冷蔵庫、トイレ、電車、飛行機、船、信号、郵便、銀行、病院、
スーパー、会社、各種証券・マネー取り引き・・・・・・・・

ほらほら、実はほとんどの地球人の文明生活は壊滅するんだねぇ。
生命を維持するための食べ物と水を、
自分で手に入れるか、物々交換することが毎日の主な仕事になる。
お金はただの紙切れと金属片になり下がるし、
ヴィトンのバックもただの物入れになって、物々交換の品物にしても
水や食べ物より価値が低いということになる。

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ヒトのメンタル面でも、恥ずかしがったり、斜に構えてたり、
ツンデレとか、デカダンだとか、好きだとか嫌いだとか、
見栄だとか、プライドだとか、かっこいいとか悪いとか
言ってる場合じゃなくなるんだなー。

コメディなんだけどね。

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そうやって、この映画を観ているうちに、
「そうか、矢口監督は、電気のスイッチを切ることで、
文明社会のスイッチを切ってしまおうと考えたんだな。
それによって、文明社会が生んだいいところと悪いところを
浮かび上がらせようとしたんだなあ」って、気付いた。

というか、誰でも気付くよねぇ、タイトル見ただけで。
そう、まあ、予定調和というか見え見えというかの
ストーリーなんだけど、でも、この作品はいいなあ、好きだわ。

ストーリーものじゃないんだよなあ、シンプル過ぎて。
小説で言えば、文体で読ませるタイプかなー。
映画の作り方が、うまいというか味があるというか。

家族ものによくある、家の中と近所と会社なんかの
狭いエリアでの世界観、とは全然違うなあ。
家族が家を出てからは、"チャリンコロードムービー"
と化すんだけど、この屋外ロケはすごいよ!

エンドロールを読んでも、
どんだけ日本のあっちゃこっちゃでロケしたんだよ!?
って感じ。
どっかのショッピングセンターを借り切るなんてあたりまえ、
高速道路を通行止めにして、借り切って撮影したりしてんだもんな。

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朝ドラの『わろてんか』とバッティングしてたのかなかったのか、
葵わかなちゃんは、いつ撮影に参加してたんだろう?
なんて、余計な心配をしてしまったよ。
役者さんはみんな(クルーもか)、肉体的にもスケジュール的
にも大変だったと思うよ。

さすが、『ウォーターボーイズ』、『スウィングガールズ』、
『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』の矢口監督、
屋外で撮るのうまいけど、この作品はこれまでにない
スケール
だったなー。

それと、ホントに電気も、ガスも、水道も、食料もなくなった
時にどうしたらいいか、のハウツーもそろっと
紹介されている
んだよ。
役に立つ情報がもれなく付いてくる映画
こういう作り方のパイオニアは、僕が知る限りでは
伊丹十三監督なんじゃないかと思う。

社会派で、コミカルで、ドラマチックで、そしてハウツーや
僕らが知らなかったことを教えてくれる映画だったよね、
伊丹さんの監督作品って。

そういう、おもしろさも備えた映画だなこの作品は。

なんで、日本アカデミー賞とかに箸にも棒にもかからなかった
のかなあ?なんて僕なんかは思うんだけど、
んー、もう少し哲学めいたというか、教訓めいたというか、
ケレンミみたいなオチがあればよかったのかなあ?

でも、そういうメッセージがないかというとそうでもないし、
きっと、そういうことをはっきりと表現するのが
嫌いなんだろうな矢口監督は・・・
そだね~。



ところで、世の中の電気がまったくなくなったら、
なんて荒唐無稽なハナシだと思うでしょ?
でも、ホントに荒唐無稽かなあ?なんて
僕なんかは思うんだよ。

地球温暖化とか、地軸ズレとか、地球の磁気が反転する
ポールシフトとか、氷河期とか、太陽光の異変とか、
ダークマター(宇宙の未確認物質)の襲来とか・・・
トンデモ論もあるかもしれないけど、
宇宙では何が起こっても不思議じゃないのさ。

だいたい、現代のヒトの生活って、電気や磁気に
頼り過ぎていると思わない?

たとえば、4,000~5,000年前のヒトの文書って、
石や岩、貝とか竹、ぐっと短くなって劣化しにくい紙に
書かれているよね。

フツーの人や職人の手に負えない
超ハイテクな技術で作られている、
超軟弱なデバイスで再生しないといけない
DVDなんかが、5,000年後に残っているのかなあ?

そう考えると、電気や磁気ってとても危ういものな
気がするんだよ。
しかも、ヒトは完全に電気の奴隷になっているじゃん?
安全弁が一つに偏っていると、万一それがダメになると
全滅的な大参事になるっしょやー。

そんなことが起こるわけがないって思うかもしれないけど、
天変地異とか事故とかって、人智の想定外で起こるもんだよね、
津波で壊れた原発みたいに。


まあ、そんなこと言っていると、
遅れてるなあじじい、とか言われるんだろうなー、
そだね~。





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●サバイバルファミリー(SURVIVAL FAMILY)
2017 日本
上映時間/117分
監督/矢口史靖
製作/石原隆、市川南、永井聖士
エグゼクティブプロデューサー/桝井省志
企画/臼井裕詞、上田太地、小島伸夫、小形雄二
プロデューサー/小川英洋、土本貴生、堀川慎太郎
製作会社/フジテレビジョン、東宝、電通、アルタミラピクチャーズ
脚本/矢口史靖
脚本協力/矢口純子
撮影/葛西誉仁
照明/豊見山明長
美術/中澤克巳
装飾/西渕浩祐
録音・整音/滝澤修
整音/郡弘道
音響効果/岡瀬晶彦
編集/宮島竜治
音楽/野村卓史
主題歌/SHANTI「Hard Times Come Again No More」
    (編曲・プロデュース : ミッキー吉野)
VFXスーパーバイザー/石井教雄
助監督/片島章三
製作担当/島根淳
プロダクションマネージャー/前村祐子
配給/東宝
出演/小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、菅原大吉、徳井優、
   桂雀々、森下能幸、田中要次、有福正志、左時枝、ミッキー・カーチス、
   時任三郎、藤原紀香、大野拓朗、志尊淳、渡辺えり、宅麻伸、柄本明、
   大地康雄 ほか







♪ 3月9日 / レミオロメン



これは卒業の歌じゃないんだよ、ホントは。


♪ ニートな午後3時 / 松原みき



この時代のニート、そのニートと意味が違うのさ。
いま、'80年代のJ-POPSが海外で流行ってるらしいねー。


♪ SKINDO LE LE / 阿川泰子







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ウチのコになって16年目のミモザ



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1979年に、何してた?

この映画は1979年に・・・
55才だったお母さんと25~26才だった働く女子(下宿人)、
17才だった女子高生(近所の子)、それと40代くらいの
もう一人の下宿人男子(大工)と、55才お母さんの息子の15才の、
それぞれの恋の悩みのハナシなんだよ。
トーゼンうまくいかない系。

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2018年現在なら、
お母さんは94才、
働く下宿人女子は64~65才、
女子高生は56才、
大工の下宿人男子は79才、
息子は54才、ということになるねー。

ね、おもしろい設定でしょ?
いろんな時代の恋愛観や、音楽や時代背景が出てくるから
いろんな世代の人がおもしろがったり、懐かしがったりできる
ようにできているんじゃないかな。

特に、いまお母さんやばあばになっているくらいの世代の
女性には共感深く観られるんじゃないかと思う。
自分のおばあちゃんやお母さん、自分自身、自分の娘や息子たちの
恋わずらいのしかたがジェネレーション別に観られるからさ。
まあ、アメリカでのハナシではあるんだけどね。



'79年に55才だったお母さんの恋愛観念といえば、
昔の人だから、それは古風なもの
だったんだろうな。
ちょっとくらい仲良しだからって、
簡単に男子とエッチしたりとか、フツーはしない。

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いわゆるフィフティーズやシックスティーズの時代も
通り過ぎてきたけれど、その頃にはお母さんはもう大人。
恋愛でハメをはずしたりしなかったんだろうね。

でも、メンタリティ的には、幼少期に世界大恐慌で
苦しい時期を過ごしたかもしれないけど、
第二次大戦後の勢いのあるアメリカから、
'50年代、'60年代のアメリカの一番いい時代を
生きてきたんだから、夢や希望もでかい。
実際、複葉機(飛行機)で空を飛び回っていたようなママ。


25~26才のカメラマンの下宿人女子といえば、
ベトナム戦争を経て、アメリカン・ニューシネマや、
アメリカン・ポップアート、グラム・ロック、
パンク、アート・ロックなんかの
'70年代前半のカルチャームーブメントの申し子なわけだ。

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ヒッピー時代よりさらに屈折したメンタリティで、
恋愛面でもひとクセもふたクセもありそう。


15才の息子と、息子の幼馴染で近所の高校に通う
17才の女子は、エッチに興味津々の年頃。
いつの時代のハイティーンの誰もが抱える悩みの真っ最中。
「あなたとは、親しすぎてセックスできない」、
なんて、ティーンズにありがちなセリフ。
まだ、心と体が一致していないんだな。

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息子の音楽の好みは、パンク・ムーブメントの後の
ハードコア・パンクや、いま、つまり '79年の
トーキング・ヘッズ。
ブライアン・イーノ時代のポストパンクなんだなー。

まだ童貞。
身近な幼馴染の17才女子に、
駅前のショッピングモールしかないから的に
恋焦がれているのさ。

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ってな感じで、恋愛観いろいろ、音楽・カルチャーの
好みもいろいろで、お母さんの心配もいろいろでもう大変さー、
ってな映画なんだけどさ。

でも、これはただの「恋愛お悩み相談映画」ではないんだな。
それぞれの世代が恋愛に悩みながら、
それぞれの世代が聴く音楽をBGMに、
それぞれ世代の若いアメリカの風景があちらこちらに
挟み込まれているからさ。

そう、『フォレスト・ガンプ』のような、アメリカそのもの
への郷愁と新しい時代への希望のようなものが描かれているに
違いないなあ。
激動の20世紀と21世紀の狭間を駆け抜けてきた “ジ・アメリカ”
へのグッバイ&ハロー


1979年というと、イラン革命が起こって、
アメリカは石油危機から大不況の時代だった。
時の大統領は、ジミー・カーター。
いろんな内外政策に失敗して、おまけにイランで
アメリカ大使館人質事件が起こった。

この映画では、その人質事件の対応に追われたカーターが
テレビで国民に説明するのを観て、この20世紀女子たちが、
「終わったなー」と言って、アメリカは '80年代に
突入していく
んだよ。

その後、彼女たちはどんな音楽を聴きながら
どんな恋をして今日まで生きてきたんだろうなあ。





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●20センチュリー・ウーマン(20th Century Women)
2016 アメリカ
上映時間/118分
監督/マイク・ミルズ
製作/アン・ケアリー、ミーガン・エリソン、ユーリー・ヘンリー
製作総指揮/チェルシー・バーナード
製作会社/アンナプルナ・ピクチャーズ、アーチャー・グレイ、モダン・ピープル
脚本/マイク・ミルズ
撮影/ショーン・ポーター
編集/レスリー・ジョーンズ
音楽/ロジャー・ネイル
音楽監修/ハワード・パー
美術/クリス・ジョーンズ
衣装/ジェニファー・ジョンソン
配給/A24(米)、ロングライド(日)
出演/アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニング、
   ルーカス・ジェイド・ズマン ほか
受賞/第89回アカデミー賞
   ・脚本賞ノ ミネート
   ゴールデングローブ賞
   ・主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)ノミネート







♪ London calling / The clash





♪ 1979 / The Smashing Pumpkins





♪ Live at the CBGB's 1982 (Full Concert) / Bad Brains







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日本は大丈夫か? ~『わたしは、ダニエル・ブレイク』  


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一度でも会社というものを辞めたことのある人なら知っている
と思うけど、失業保険ってちょっと変だよね。

あれって、失業期間中に「就職活動をしている証拠」を提示し
続けないと給付金が出ないでしょ?
しかも、会社を辞めた理由によってすぐに給付金が出るとは
限らないし。
まあ、会社を辞めて、もう働く気のない人や働く必要のない人は、
お金に困っていないと見なされる、という考え方はわかるけどさ。

でも、辞めたのが自分の都合で給付金が3カ月後に出るとして、
2カ月半後あたりに新しい職に就いたとしたら、
その2カ月半の間は生活費が補償されないということになる。
現に収入に困っているというのに。

さらには、もしその人が何かの病気のせいで仕事を辞める
または休まざるをえなくなった場合、
日本の場合は、フツーは雇用保険で補償されたり、
会社が休職扱いで給与の数十パーセントを補償したりするけど、
この映画のイギリスのニューカッスルでは、
とてもやばいことになるんだな。
日本でも、会社が雇用保険をかけていないフリーの職人とかの
場合は同じようなことになるのかな?

発作性の病気だから働けない。
だから失業保険の手続きをしたい。
でも、失業保険をもらうために、病気なのに
再就職活動をして、証拠作りをしなければならない。
お役所は、審査が厳しいし、融通がきかない。
でも、審査が通るまでは収入はゼロ。
間違って新しい職が決まってしまっても、
病気だから働くのを医者にも止められている。
再就職活動は、手続きのためのただの証拠作り
ということ。

つまり、給付金はいつまで経っても出ないし、
職が決まっても働けないので、にっちもさっちも
完全に収入がゼロになるという事態

そうなったら人間、会社を辞めたとたんに
病気のホームレスになっちゃうよねぇ。



いやいや、この映画はイギリスの雇用保険制度を
説明するハナシではないんだよ。

002ダニエル

主人公のダニエルは、40年も大工をやってきて
街の人たち誰もが、めっちゃ腕利きと認めるような
実直を絵に描いたような職人だからゆえに、
お上の制度の矛盾がくっきりと浮き彫りにされるんだな。

誠実に仕事に打ち込んで、ずっと税金も払ってきた人や
自分は何日もまともにご飯を食べずとも、
しっかり子供を育てたいと願っているシングルマザーなんかが
フツーに生きられない社会って、どんな社会なんだ?
ってこと。

003役人と

004空腹


前に、僕も感想を書いた『幸せなひとりぼっち』と
かなり似ているハナシだけど、この作品の場合は終盤に
痛烈なクライマックスが待っているんだな。
僕は涙を抑さえられなかった。



カンヌでパルム・ドールを手にしたローチ監督いわく・・・
「私たちが生きているこの世界は今非常に危険な状態にあります。
映画というものは多くの伝統を担っている。そのうちの1つが
“抗議” という伝統。権力に対する人々を前面に押し出すような
映画で、私はその伝統を引き継いでいきたい。この絶望の時代に
希望をもたらすべきなのです」


イギリスの「ゆりかごから墓場まで」はどこへ行ったんだろう?
アメリカは? 日本は?
重病なのに短期間しか入院できない医療費制度って?
ODAとか経済支援とかで、何千億も外国に払うなんてことは
もうやめて、もっと福祉に金を使うべきなんじゃないのかなー。


005反乱





006ポスター

●わたしは、ダニエル・ブレイク(I, Daniel Blake)
2016 イギリス・フランス・ベルギー
上映時間/100分
監督/ケン・ローチ
製作/レベッカ・オブライエン
製作総指揮/パスカル・コシュトゥー、バンサン・マラバル
製作会社/シックスティーン・フィルムズ、ホワイ・ノット・プロダクションズ、
     ワイルド・バンチ
脚本/ポール・ラヴァーティ
撮影/ロビー・ライアン
編集/ジョナサン・モリス
音楽/ジョージ・フェントン
美術/ファーガス・クレッグ、リンダ・ウィルソン
衣装/ジョアンヌ・スレイター
配給/イーワン・フィルムズ(英)、ロングライド(日)
出演/デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・マキアナン、
   ブリアナ・シャン ほか
受賞/英国アカデミー賞
   ・英国作品賞
   英国インディペンデント映画賞
   ・男優賞/デイヴ・ジョーンズ
   ・新人賞/ヘイリー・スクワイアーズ
   カンヌ国際映画祭
   ・パルム・ドール
   ・パルム・ドッグ人道賞
   デンバー映画祭
   ・特別審査員賞: 女優部門/ヘイリー・スクワイアーズ
   イブニング・スタンダード英国映画賞
   ・作品賞
   ・助演女優賞
   ・パワフルシーン賞
   ゴールデン・トマト賞
   ・3位
   ロカルノ国際映画祭
   ・観客賞
   ロンドン映画批評家協会賞
   ・英国・アイルランド作品賞
   ニューヨーク映画批評家オンライン
   ・トップ12作品
   サン・セバスティアン国際映画祭
   ・観客賞: 作品部門
   ストックホルム国際映画祭
   ・観客賞: 作品部門
   バンクーバー国際映画祭
   ・国際作品賞
   2017年 第91回キネマ旬報外国映画ベスト・テン
   ・第1位







♪ Daddy Don't Live in That New York City No More / Steely Dan





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