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ゆらゆら草

もう少し感受性を働かせれば、毎日がスペシャルになる。そう自分に言い聞かせて、 いろいろ感じたことを書きとめてみよっと。

ベスト8に入るために。  


モドリッチが、クロアチア(スペイン?)にモドリッチ。
イニエスタが、日本にイニエスタ。



サッカーW杯が終わってしまったー。
ってか、オチオチしてたら、
ずいぶん日にちが経ってしまったけど。

ベルギーとクロアチアの決勝戦を観たかったなあ。
そしたら、今大会の特徴を如実に確かめることが
できたのになあ。



日本代表は、がんばったねー。

ラウンド16(ベスト8決定戦)で、
52分に乾が2点目を入れた時は、
こりゃ、2-1で勝つか、とんでもない悪夢を見ても
引き分け=PK戦か!って思ったんだけど、
ベルギーはマジで強かったなあ。

じゃ、なんで後半も後半の70分以降に
3点も入れられたのか?
ってハナシだけど、
それは、日本が弱かったからに他ならないんだな。

柴崎が、試合後のインタビューで、
「スコア(点差)以上に、実力の差があった」
って言っていたけど、僕もそれに尽きると思う。

巷では、「日本のサッカーはもはやワールドクラス、
ベルギー戦は惜しかった」、「一点目、キーパーの川島が
ボサッとしていなければ」とか「2点目、長谷部がもっと
体をぶつければ」とか「3点目、山口が左サイドの選手を
カバーすればよかったのに」なんて評する人がいるけど、
はたしてそういう細かい問題なのか?

僕は、そうは思わない。
日本は、弱いのだ。



■超一級の日本の戦術とその理解力&実行力
 ~ サイドアタックに対応する日本の戦術

僕は、日本のサッカーが全然ダメだと言っているのではなくて、
“戦術面” では「日本のサッカーはもはやワールドクラス」という
意見には賛成なんだよ。
よくぞここまで高めてきたなあ、って、感動すら覚えるよ。


現代サッカーでは、攻撃をビルドアップするのに、
ピッチの両サイドを攻略するのがセオリーになっているんだけど、
日本は守備面で、この課題を見事にソリューションしていたね。

敵のサイドバックの駆け上がりを、日本のウイングと
サイドバックで前後に挟む
んだな。
そして、横からボランチも挟み込みに加担する。
前後と横を3人で囲んで身動きできなくするんだなー。

さらに、敵のウイングには、もう一人のボランチか
センターバックが付く
という方法をとると、
敵の攻撃はストップしてしまうか、無理にパスを出して
日本にボールをとられるというカタチ。

また、自陣サイドの奥へのロングボールに対しても、
サイドバックかボランチが対応して、
もう一人のボランチやセンターバックで囲む
といった作戦も見てとれたよね。

敵のフリーキックには、驚きのオフサイドトラップ
かましたりもした。

こうなると、敵はうまいこと攻撃ができなくなって
動きが活性しなくなるんだな。
コロンビアやセネガル、ベルギーがゲーム前半に
他のチームと戦った時と比べて、躍動感が少なく見えたのは
そういう理由なんだね。
“相手の攻撃の芽を摘む” 戦い方だわさ。

きっと、コロンビアやセネガルは、
「ほとんどいいところを出せないうちに終わっちまった」
って思ったに違いないね。
たぶん、敵の選手は他のチームとのゲームの後より、
疲れなかったのでは?
だって、自分らの攻撃の動きを、ゴールに猛進する前に
日本に封じられてばかりいたんだから。

ベルギーもあのまま日本に負けていたら、
選手は目まぐるしい動きや、爆発的なカウンターを
ほとんどやらないまま、欲求不満を残して
ゲームを終えていたと思う。
それくらい日本の守備戦術は優れていたと思うなあ。

日本代表チームは、現代サッカーの攻撃のトレンド
となっているサイドアタックを封じる戦術を
身に付けたと言っていいんだと思う。

そして・・・

サイド潰しから、すばやいトランジットで
相手方の両サイドの裏へトップや、
トップ下への縦パスまたはウイングへのスルーパスで
ショートカウンターをかます戦術も身に付けた。

コーナーキックまたはフリーキックで、
コロンビア戦の大迫の2点目にみる、
複数の選手が大迫を囲むようにして同時に
ヘディングに飛んで、大迫へのボディコンタクトを
軽減させる
作戦を成功させた。

001大迫ヘディング.jpg


もちろん、以前から研鑽してきたファーへのキックから
ニアまたはセンターへの折り返しヘディングや、
早いニアクロスに触れるようなヘディングも冴えていた。

サイドバックがサイドをえぐっても、
かつてのように安易にクロスボールを上げず
ウイングやトップ下、センターフォワードへの
グラウンダーパスでシュートにこぎつけた。

ウイングがサイドから中央へ切れ込んで、
ペナルティエリアに近づいてミドルシュートを打つ
という得意技を確率
した。
乾が大会前のフレンドリーマッチから
何度も同じカタチで点を取ったよね・・・

002乾シュート1.jpg


そう、日本は '98年に初めてW杯に出た時から比べて、
守備面でも、攻撃面でも格段に進化しているんだねー。
それはもう、ワールドクラスと言えると思う。



■ITサッカーの時代

じゃ、なんで日本の戦術はこんなに進化したのか
ってことになるんだけど、それはひとえにITの
おかげ
だと思うね。
それは、日本に限ったことじゃないけどさ。

いまや、「そのゲームでチームの誰が何km走ったとか、
その走った軌跡」とかがカンタンにわかるし、
「日本が攻撃中にボールを逸して、敵に10秒以内に
シュートされてしまう率」とか、「その出場チーム中の
順位」とかなんてことも分析できちゃうんだな。

「敵と1対1でヘディングの競り合いをした時の負ける率」、
「タッチライン際でデュエルになった時に負ける率」、
「敵のフリーキック時に入れられてしまう率」・・・
そんなことを分析するのなんて、もはや屁のカッパ。

サッカーでITを活用している国は、
そんなふうにデータ分析をして戦術を練っているんだよ。

プロ野球はもちろん、最近ではバレーボールや
テニスなんかでも、そんなようすがうかがえるよね。
「ファーストサービスをセンターに入れた後、
相手のバックを攻めると得点する率が80%」とか、
「セカンドサービスを相手のフォア側に入れた場合、
ほとんど得点できない」とか・・・

敵の強みと弱点、自分のチームの強みと弱点を
併せると何をやるべきで、何をやっちゃいけないのかが
はっきりするんだね。

そんなに高度にPCに計算させなくたって、
YouTube動画を観るだけでも、
世界の強豪国のプレーが誰でも観られちゃうんだから、
昔に比べりゃはるかに対策を練りやすくなっているよね、いまは。



■IT分析戦術で、みんなが強くなった

そういったデータ分析サッカーをわかりやすく
体現していたのは、なんと言ってもイングランドと
ベルギー
だと思う。

現代サッカーの得点スタイルはデータでは、

①セットプレーからのヘディングおよび
 キック後のルーズボール奪取
②ペナルティエリア内へ侵入してのシュート
③カウンター攻撃


・・・に集中してんだよ。

イングランドの得点は、その「セットプレーからの
ヘディング」に特化
していたよね。
これは、スコットランドのセットプレー技術指導に
特化したコーチを招聘して特訓して、
がっつり練習したんだそうだ。

003ケインヘディング.jpg


また、ベルギーもセットプレーからのヘディング」と
どこからでもゴールに最短距離で突っ込む猛烈な
「カウンター攻撃」に特化していた。

004ベルギーカウンター1.jpg


どちらも、かつてのような安易なロングボールでの
パスはしないし、サイドをえぐっても無理な体制での
クロスボールは上げないという点も徹底されていた。
そうそれは、ダイレクトプレー(ワンタッチパスと
取り違えている人が多いみたいだけど、ホントは
ダイレクトにゴールに向かうという意味)に徹して、
逆に失点率の高い「カウンター攻撃」を受けないための
工夫もなされていた
んだな。

これらは、現代サッカーの得点必勝パターンと、
でかい図体を活かして伝統的にヘディング時の
ボディコンタクトに強いという特長、
体がでかくても走力も持久力も強いという特長を
結びつけた、明快な戦術
だったと思う。

データに基づいて、必勝法を徹底的に練習した
結果なんだろうね。
おもしろいくらい成功していて、そして強かった。

だから、今回のW杯は南米の “才能型” のチームが
どんどん負けて、ヨーロッパを中心とした “戦術型”
のチームの台頭が目立った
んだと思う。

つまり、ITの活用で、いろんな国が早く、確実に戦術を
高められる時代になった
ということなんだというわけ。

要するに、今回のW杯は、
“ITアナリシスに基づいた、戦術サッカー” 時代
の到来を告げた大会だったと見て取れたね。



■IT分析戦術+才能 で、優勝

でも、戦術だけでは優勝はできない。

デンマークやスウェーデン、スイス、ベルギーなんかは
ITをどこまで駆使したかはまちまちだろうけど、
とても戦術の徹底されたチームばかりで、実際強かったよね。
でも、優勝はできなかった。

フランスは、必勝戦術をしっかり身に付けたチームでありながら、
グリエーズマンやエムバペを中心とした “才能型” も
持ち合わせていた
ので優勝したということだな。

005エムバペ.jpg


ベルギーも、いま勝つための戦術(セットプレー、カウンター、
ダイレクトプレー)と、ルカク、アザールを中心とした
“才能型” の両方を持ち合わせたチーム
で、
フランスより顕著だったけど、準決勝では “運” に見放されて
しまったんだろうねー。

006アザール.jpg


クロアチアの代表チームが、データサッカーをしていたかは
わからないけど、メンバーすべての選手が才能にあふれて
いるとともに、チームのほとんどの選手が戦術に長けた
世界のトップクラスのクラブチームに属しているのだから、
そういったことが身に付いている才能集団だったと
言えるんじゃないだろうか。

007ペリシッチ.jpg


イングランドは、必勝戦術に最も特化したチームだったけど、
もひとつ “才能型” が少なかったんだろうな。

才能重視のスペインのパスサッカーも、
スーパースターをエンジンとしたポルトガルや
アルゼンチンの攻撃サッカーも、ブラジルやメキシコ
みたいな南米のテクニカルサッカーもだめだった。

もちろん、彼らに戦術がないかというと
そうではないんだろうけど、緻密な分析による
明快な作戦がなかったんだろうと思う。
細かな局面はやはり、選手個々の才能に
まかされていたんだろうな。
緻密な戦術があれば、「戦術+才能」でフランスや
ベルギー、クロアチア、イングランドみたいなチームに
なっていたんだろうな。

ドイツは僕は、最も “IT分析戦術+才能” のすごさを
見せてくれるチームだと期待していたんだけど、
何か別の理由(人種差別?新旧確執?)で
チームがまとまらなかったようだね。



■うまいけど弱い、日本のサッカー
 ~「IT分析戦術+才能 」が同じなら、強いところが勝つ


ところがだ、最新のサッカー戦術には大きな欠点があるんだな。
それは、「疲れる」こと

データ戦術は、具体的な方策を緻密に導き出せるけど、
まだ、選手の「体力」までは計算に入っていないのでは?
そこまで、コンピュータに演算させようとすれば、
AIが必要になるんだろうね。

ともあれ、上に書いたような戦術を完璧にこなすには、
全員が攻守にわたって頭も体もハードワークを強いられる
ことになるんだなる
んだな。

特にウイングとサイドバック、ボランチの負担が大きい。
敵陣、中盤、自陣と、ピッチの全般で
常に敵と対峙しなくてはならなくなるでしょ。
おまけに、すばやく攻撃へトランジットして
点を取りにも行かなくてはなんない。

これは、疲れるわー。
ベルギーは、さすがわかっていたね。
この日本の "守備の疲れ" で落ちた集中力のところへ
セットプレーで元々弱いヘディングを衝いたのと、
ピッチのど真ん中からダイレクトなカウンターを
かまして勝った
のさ。

もし、日本が強力な体力と集中力を持ち合わせていたら、
あのゲームは勝ったんだろうと思う。
でも、それを「惜しかった」ということはできないと思う。
巨大なモンスターの侵攻を、竹槍でうまいこと囲んで
遅らせていたけど、とうとう力尽きてしまった、
というイメージだな。
元々、真っ向から対峙したら、軽く押しつぶされる
ような相手だったんだよ。

柴崎が言うように、3-2という点差以上に
力の差があるということ。

そう、冒頭に書いたように、
日本は “うまいけど、弱い” んだよ。
「弱い」とは、サッカーが弱い、
というような漠然とした意味じゃなくて、
体の大きさ・重さ・手足の長さ、走力、持久力・・・
つまり、「身体運動の基本性能」のこと
さ。

●体がでかくて、ぶつかっても強い、リーチが長い
●強く蹴れる
●走るのが早い
●いつまでも疲れない


この4点については強豪チームは日本より圧倒的に上だよな。
つまりは、「身体そのものと体力=パワー」。
もし、ベルギーと日本が、戦術と才能が同じだったとしても、

●体がでかくて体重が重いほうが、デュエルに勝てる
●手足が長い方が、デュエルに勝てる
●背が高いほうが、ヘディングに勝てる
●走るのが早いほうが、よりゴールを陥れられる
●いつまでも疲れないほうが、最後まで才能を発揮できる


・・・でしょ?
才能ではなくて、身体の資質なんだな。
「3,000ccの車と1,500ccの車の耐久レース」みたいなもん。
ベルギー戦は、始めから基本性能面でおなじ土俵に立って
いなかったんだね。
まあ、身体の資質も才能のうち、と言えばそれまでだけど。

3,000ccの敵車が自車を抜きにかかろうとするのを
ハンドルを切って敵の前に出てブロックして抜かせない。
そんなことを繰り返して、日本チームはギリギリ
ベルギーの前を走り続けたけど、後半とうとう
敵のありあまる排気量パワーにぶち抜かれた
といった感じだったんだな。

008ベルギーカウンター2.jpg



■IT分析戦術+才能+強さ = ベスト4

優勝チームのフランスを
戦術10 + 才能10 + 強さ10 = 30
 と仮定すると・・・

●ベルギー:戦術10 + 才能9 + 強さ10 = 29
●ブラジル:戦術8 + 才能10 + 強さ9 = 27
●日 本:戦術9 + 才能8 + 強さ6 = 23


・・・ってところだろうなあ。

日本代表の「戦術9」というのは、攻守のポジショニング
に関わる戦術は最高レベルだったけど、
各局面におけるテクニカル・メソッドが不十分な分、
-1だという意味


たとえば、敵のコーナーキックやフリーキックで
点を取られる率が日本は極めて高い。
セットプレーで点を取るというのが、
現代サッカーの必勝法の一つだというのにだ。

009フェライニヘディング.jpg


それから、敵にボールを奪われてから10秒以内に
シュートを打たれる率もやたらと高い。
カウンターで点を取るというのも、
現代サッカーの必勝法の一つだというのにだ。

そういう局面的なメソッドというかノウハウというかが
まだ解決されていない
と思われるなあ。

「才能8」というのは、足技とか、体の入れ方とか、
フェイントのかけ方とか、バスの受け方とか、
ディフンスを騙す飛び出し方とか・・・
選手個人のテクニックに関わる部分。

僕なんかがサッカーをやっていた時代と比べると、
日本人もだいぶんブラジル選手みたいな “技” を
身に付けたと思うよ。

他国の監督なんかが言う日本人の俊敏性と相まって、
日本選手はとてもテクニカルなんだと思う。
でも、ベスト4に入ったチームの司令塔や点取り屋と
比べると、やっぱりもうひとつなんだろうなあ。

問題は「強さ6」だろうな。
日本は・・・

●ボディコンタクトすれば、ふっとばされる
●敵との間合いが近ければ、ボールを取られる
●ヘディングすれば、ほとんど負ける
●全力で走っても、追いつかれる
●ゲーム後半に疲れて、全てのプレーがトーンダウンする


・・・ということ。
これは、日本代表のゲームを観ていると
如実にわかるよね。

しかも、この弱点は・・・
①セットプレーからのヘディングおよび
 キック後のルーズボール奪取
②ペナルティエリア内へ侵入してのシュート
③カウンター攻撃
・・・という、最新トレンドの必勝得点パターン
のすべてにおいて、弱点
だということもわかる。

現に日本は、セットプレーからのヘディングで
失点することがかなり多いし、
マイボールを逸してから10秒以内にシュートされる
(カウンター攻撃を受ける)率も高い。

②については、ペナルティエリアに侵入される前の
サイド攻撃を防いでいるために、顕著ではないけど
ペナルティエリア内へ侵入してのシュートで得点されるのは
セットプレーでも、カウンターでも、ドリブルでも
当たり前のことだからね。

つまり、日本代表の最大の課題は、
強さ = 体躯の大きさ+走力+持久力(=身体運動の基本性能)

ということになるんでしょ。

でもね、その
強さ = 体躯の大きさ+走力+持久力(=身体運動の基本性能)
をなんとかしろ、と言われても、そうカンタンにはいかないよね。
日本人の平均身長を伸ばそう、とか
日本人の平均体重を増やそう、とか
JFAは、ラグビーや、野球や、バスケットボールや、
バレーボール、プロレスなんかをやろうとしている
小学生をひっこぬいてサッカーをやるように仕向けよう、
とか、壮大なプランと実行力、長い年月をかけた
活動が必要となってしまうわな。

次のW杯でベスト8以上をめざすなら、
もっと別のことを考えなくちゃだわさ。



■ホントの意味での “日本のサッカー” を

テレビの解説者が、
「得点は、ほとんどがペナルティエリア内での
シュートで生まれる」って言ってたよね。
だから、なんかしてペナルティエリア内に侵入して
シュートを打たねばならない、って言いたいんだろうけど、
僕はそうは思わないなあ。

それって・・・
よく考えたら、あたりまえのことだよね。
ゴールに近いんだから、入りやすいに決まってる。
それより、ゴールエリア内から蹴れば、
もっとゴールを決めやすいに決まってる。
始めからわかっていることでしょ?

●ほとんどの得点は、ペナルティエリア内での
シュートで生まれる
●その得点数の多いほうが勝つ
・・・というわけでしょ。

どこのチームもペナルティエリアに侵入して
シュートを決めようとするのだし、
どこのチームもそれを阻止しようと守備を高度化する。
そういう争いの中で、より多く得点したほうが勝つ、
つまり、「強いところが勝つ」と言っている
だけのことだよね。

つまり、「ペナルティエリア内でシュートを打つ」
というのは、みんなが同じやり方をやっている中での
「強いチームの勝ち方」ということでしょ。
安易なデータの読み方をしてしまうと、
強いチームの術中 = 強いチームが勝つことになっている
ステージで戦うことになる
んだと思う。

ならば日本代表は、「IT分析戦術+才能+強さ」の
全てを高めれば、強いチームの仲間入りができる
ということになるけど、上でも書いたけど、
「強さ」については向こう4年トレーニングを積めば
なんとかなる、というもんじゃないよね。

「才能」については、日本だってどんどん高くなっているけど、
これだって、向こう4年の間にすごい選手が現れるのを
いまのまま待っていたって、ブラジルなんかに追いつくのに
間に合うわけがないだろうな。

そしたら、後はやっぱり当面は「戦術」をなんとかする
しかない
というわけだ。
しかも、上に書いたような、できるだけ多く「ペナルティ
エリア内に侵入して」だきるだけたくさんシュートを打つ
なんていう、当たり前で、強いチームのやり方を真似ても
だめ
だということ。

この辺の解決策を見い出せれば、
ホントの意味での "日本のサッカー" を確率できるん
だろうと思う。



かつて比較的小柄なスペインは、安易なロングパスや
クロスボールを廃して徹底的なパスサッカーで優勝した。

ブラジルは、圧倒的なテクニックとスピードで
いつも優勝に迫る。

体力のあるドイツは、徹底的なスペースへの走り込みに
終始して、粘り強く勝ってきた。

フランスはぴかいちの組織的な守備で、
負けにくいサッカーをやってきた。

チリやメキシコやペルーは、
体が小さくても瞬発力とテクニックを生かして、
前からのプレスと早いトランジットでショートカウンター
をかまして強くなった。

今回のベルギーとイングランドは、体躯の大きさと強さ、
走力に集約して、セットプレーとダイレクトなカウンター
で生まれ変わった。

戦術とは、それぞれの強みと弱点に鑑みて、
思い切った方法を研鑽すること
じゃないだろうか。


日本代表は攻撃面では・・・

●ディフェンスをかわすか巻いて、ミドルシュートを打つ
・・・のが顕著に有効なのでは?
ペナルティエリアの内とか外とかは無視。
予選から乾がサイドから中央に切れ込んで決めてたやつ。
それから、水口や山口や大島なんかも決めてたやつ。

010乾シュート2.jpg


日本代表に、点取り屋など不要
ペナルティエリアで敵のディフェンスを崩す、
なんてしない。
どいつもこいつも、ミドルでシュートを決める
というのはどうだ?

これなら、体の大きさとか、長距離を走る速さとか
持久力への依存度が低いでしょ?

それから・・・

●直接フリーキックをやたらと決める
・・・というのは?
かつて、中村俊介や本田、遠藤やっとさんがよく
決めてたよね?
あれだって、立派な武器だわさー。

そして・・・

●ピッチ中盤でボールを奪ってからのショートカウンター
・・・これでも、原口がベルギー戦でゴールを決めてたよね。
これは、前線からのプレスや中盤でのプレスでの
ボールの奪い方と、そこからのフォワードやウイングへの
配球のパターン等を組織的に体に覚え込ませなければ
ならないし、いろんなチームがトランジッション・サッカー
として研究中だからなかなか難しいけど、
ヘディングやデュエルに弱い日本代表が、
リスク回避のために前からの組織的なプレスを避けられない
のだから、セットで確立しなければならない作戦だろうな。

011原口シュート.jpg



守備面では・・・

●囲い込みで敵のサイド攻撃を封じる

・・・これは、今回大会でうまくやれたことの一つなので
さらなる研鑽をすればよし。

●敵のセットプレー時に、ヘディングで負けない

・・・これは、体の小さい日本人には非常に難しいけど、
体をぶつけて、敵に充分な態勢をとらせない工夫は
従来通りとしても、もっと、具体的で有効な方法は
ないもんだろうか。

たとえば、セットプレー時に、マン・ツー・マンを
徹底する
というのはどうだろうか?

または、ヘディングなどしないで、
みんなでゴール前に並ぶ
、というのは?(笑)
いや、笑いごっちゃなくて、マジで。

それより前に、敵から見たアタッキングサード以内で
ファールをしないで固い守備をする技を身に付ける

というテもあるよね。

極力、コーナーキックを与えない守備というのも
練習と経験で高められる余地が大きいのでは?

●ボールを逸した後の敵のカウンターを防ぐ

これは、ディフェンスの最終ラインをもっともっと
高くとって
、ゾーンではなく一人一人が
マン・ツー・マンの意識を強く持てば防げる
じゃないか?

また、前述の「ミドルシュートの達人集団」が
確立できてれば、ショートパスをつなぐために
前のめりにならなきゃならない人数も、
変なところでボールを奪われるリスクも減るだろうから、
カウンターを食らうリスクも同時に減らせる
に違いない。

●後半に疲れの出ない戦い方をする

これも、「ミドルシュートの達人集団」確立すれば、
いったんアタッキングサード付近に侵入した後に、
敵の守備を崩すために前後左右にボールを回し続ける
必要が減るので、リスクも「疲れ」も減るというもんだ。



あまり、目からウロコが落ちるような方策を
思いつけなかったけど、課題だけははっきりさせたつもり。



サッカーという呼び名って、
サッカーが200以上の国や地域で愛されているにも
関わらず、日本やアメリカ、オーストラリアなどの
一部の国でしか使われていないって知ってた?
ほとんどの国が「フットボール」、または
「"フットボール" の自国語訳」なんだよね。

なので、「サッカー」と呼ぶのは、本格的じゃない。
日本がホントのフットボール大国じゃない証拠だ、
という人もたくさんいるんだよ。

でも僕は、日本は「サッカー」でいいんじゃないか
って思うんだよ。

ともかく、日本の強みを最大限に活かしながら
弱点にハマらない、シンプルで具体的なノウハウを
体現して優勝しようやー。

そして、その時に胸を張って "日本のサッカー"
って呼ぼうやー、ってこと。







♪ ぼくたちの失敗 / 森田童子





♪ 激しい恋 / 西城秀樹




西野劇場、上演中 ~ 2018 FIFA World Cup RUSSIA  


今回の日本代表チームといえば、
「意外」なことをけっこうやらかすよねぇ。

まずは・・・

●本番直前に監督を替えたこと
まあね、本番前の親善テストマッチであれだけ負ければ、
「心機一転」ということで、監督か選手を入れ替えたく
なるもんだよね。
何がいいとか悪いとかの問題じゃなくて、
心機一転、何かを変えなければ、
負けマインドの泥沼から這い出せないに違いない
ということだよね。

●柴崎と乾が化けたこと
柴崎のパスセンスとミドルシュート、
乾のセンターに切れ込むドリブルとシュートは、
だいぶん前から定評があったけど、
代表チームではさほど振るわなかった印象だったよね。
それが、今大会本番で本格的に開花した、って感じ。
しかも、2人とも守備もめちゃくちゃいい。
驚いたー。

左サイドバックの長友は、驚いたというか
ケガが治ったのか、過去の絶好調時代に戻った印象だね。
もう、とにかく守備も攻撃も、
この人がチームで一番元気なんじゃないだろうか。

右サイドバックの酒井宏樹は病み上がりなので
なんとも言えないけど、彼の動きが絶好調になれば
もっと点が入るようになると思うな。

そう、原口と大迫と香川は僕なんかに言われなくても
欲求不満でぷるぷるしてんじゃないかな?
力が入り過ぎ?
いまんとこ、気合い空回り感が拭えないなー。
この3人が、得点にもっと機能し出すと、
日本はベルギーにも勝てると思うなー。

●セネガル戦で見せたオフサイドトラップ
あれはすごかったねー!
日本人8人一列で、敵6人を一挙に置き去りにしたよね。
あまりにきれいに決まったので簡単そうに見えるけど、
あれは、敵にしてみれば超意外性の高い、
サッカー史に残る名プレイのひとつだと思う。

●ポーランド戦でメンバーを6人も入れ替えたこと
主力メンバーが疲れていたことと、がっちり守って
隙あらば得点しようという戦略だったんだろうね。
それにしても、6人かあ。
対戦相手は、「流すつもりか?」と思ったのでは?
これも、意外だったねー。

●負けをめざし、なお他力本願でグループリーグ突破
ゲームの残り数分をパス回しやピッチのコーナーで
ボールキープして時間稼ぎをする戦い方は
世界のどこの国でもしょっちゅう行なわれることだけど、
それは、その試合が勝ちか引き分けで、
しかも総当たり戦などで自チームの勝ち抜けが
決まっている時に行なわれるものでしょ。

西野采配は、その試合で自分らが「負けている」のに
負けをキープしようとしたこと、
しかも裏ゲームでコロンビアが勝てば日本が
グループリーグ勝ち抜けになるものの、
まだコロンビアが1点リードしているだけで
あの超攻撃的なセネガルが猛攻撃中なのに
「コロンビアが勝ってくれるはず」として
ポーランドに対して負けを選んだ、ということだよね。

つまり、「コロンビアがセネガルに、あと10数分
の間に1点以上入れられてしまう確率」より、
「あのまま日本代表が引き分け以上をねらって攻めて、
逆にさらに失点してしまう確率」の方が高いと
判断したということだよね、西野監督は。

これは、日本人的な心情で言えば、
「卑怯なり!恥ずかしい、見苦しい。
日本人なら、潔く、自力で勝敗を決すべき」って
言われるような戦い方だよね。

でも、別の観方をすると、
あの時のゲームの現状の把握はもちろん、
いま裏で戦っているライバルの性質なんかを
研究し尽していて、いまこの状況ならどっちが勝つ
って、確率ではなく確信に近いものを
持てるくらいだったんだろうね。

巷では「弱気で情けない “賭け” に出た」
なんて言われているけど、
そうじゃなかったのかもしれないよね。

頭がいい。
しかも、冷静。
短い時間で、緻密な計算ができて
絶妙な答えを出せる人なんだな。
だから、Jリーグでもナンバーワンの
実績を持った監督なんだろうな。

それと、西野監督の「覚悟」
どんなに見苦しいことになっても、
どんなに自分が批判を受けることになったとしても、
「絶対にトーナメントに勝ち抜けてやる」という、
恐ろしいほどの執念が窺えるね。

西野監督は、日本人が、
体格も、技術も、戦術も、そしてメンタリティも
日本人的であっては、W杯を勝ち抜けないことを
わかっているんだろうね。
無謀でも、潔く突撃する精神、
分が悪くても、勝ちか玉砕か、
そんなロマンチシズムなど全然通用しないことを。

まあ、グループリーグ突破は、西野監督というか
今回のJFAのミッションでもあったはずなので、
「勝ち抜ける」という気持ちが強いにしても、
ここまでのこだわりがあったとは、
「意外」以外のなにものでもないよねー。

物事は須らく、古いシステムと古いマインドを
捨てた時に進化するのだ、ってよく言われるけど、
♪今がその時、今が今まさにその時♪
西野監督が、日本サッカーの新しい時代の扉を
開いたのかもしれないなー。

監督の日本人ばなれした執念は今頃、
選手のみんなにも伝わっているはず。
だから、今回のベルギーは強過ぎるとはいえ、
日本が勝ちそうな気がするのは僕だけかなあ?



■2018 FIFA World Cup RUSSIA 決勝トーナメント テレビ放映予定表

001横750_2018W杯トーナメント表放送予定.jpg

6月30日から始まる決勝トーナメントの対戦表(JPG画像)を進呈しましょう!
こいつのミソは、日本のテレビの放送時間とテレビ局がわかるとこだよ!


■プリント用

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♪ カタルシスト / RADWIMPS





♪ VOLT-AGE / Suchmos




“パス回してばっかの呪い” は解けたか?  


サッカー全日本、じゃなかった・・・
サッカー日本代表(男子)、
W杯本大会出場決定、おめでとう!!


8月31日、
「2018 FIFA WORLD CUP RUSSIA」アジア最終予選で、
日本代表がオーストラリア代表を2-0で下し
見事、本大会出場の権利を獲得しましたー!!

日本代表は、これまでにW杯予選で、オーストラリア代表と
7戦(?)対戦して一度も勝ったことがなかった(0勝2敗5分?)し、
7月に行なわれたFIFA Confederations Cupを観た印象では、
オーストラリアチームは優勝したドイツ代表に1度負けただけで、
アフリカ系や南米系を相手にしても引き分け以上の “強いチーム”
だったので、「こりゃ、やばいなあ」って思っていたんだけど、
見事に勝ってくれたねー!



オーストラリアは、高さも強さもあるガタイで、
技術も走力もパスワークもレベルの高いチームなのに、
日本はなぜ勝てたんだろう?

■オーストラリア代表は戦術をミスった

これまでのように、激しくプレスをかけといて、
ボールを奪ったらロングボールを裏に蹴って、
競り合いで日本選手をどついてゴールを狙うという
やり方でやればよかったのに、
パスを回してチームでボールを保持してチャンスを狙う
「ポゼッションサッカー」にこだっわっていたんだよなあ。

あれじゃ、今後もだめだよ。
だって、前回のブラジル大会やこの前のコンフェデを観れば
わかるはずで、各国のチームが「どうやって、スペインや
バルサみたいなパスサッカー(ボールポゼッションサッカー)を
破るか」を本気で研究中なんだから
ねぇ。

スタメンのフォーメーションを見れば、
日本チームが「つなぐサッカー」を攻略する準備をしていたことは
明らかだから、オーストラリアはもろに日本の術中にハマって
しまったということだなー。

オーストラリアの監督は、なんでパスサッカーにこだわって
いるんだろうね。
元々力任せ、図体まかせの乱暴なイメージのオーストラリアだけど、
国内で批判でもあるんだろうか。


■4-1-4-1のプレス&トランジション

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日本代表のフォーメーションって、4-3-3というか
4-1-4-1だったよね。

この陣形の特長は、これまで4-2-3-1で
2列目の3人を本田、香川、久保というような
どちらかというと「攻撃に特化」した選手を起用していたものを
3のうちのトップ下ど真ん中の1人を「守備が得意な」選手、
しかも2人(井手口、山口)にした
ことなんだな。

これは、これまでの日本代表からすると、驚くべき布陣だよねー。
それは、若手を起用したということより、かなり守備的な選手が
本来攻撃的なポジションであるはずの「インサイドハーフ」に
入っている
ことが驚きなんだな。

つまりは、「前のほうから守備を固めた」ということだわな。

これで、サイドバックが長谷部の位置まで上がると
敵を囲めるたくさんの三角形(またはひし形)ができることになるっしょ。
おまけに、点取り屋の乾も浅野も守備への貢献度の高い選手。
つまり、前からプレスをかけて、本気でボール奪取するのを
狙っていることがわかるんだなー。

これでは、中途半端なパスサッカーなんてひとたまりもないよね。
オーストラリアは、思いっきりドツボにハマったというわけだ。

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■サイドチェンジ&サイドをえぐる

日本の攻撃の作戦といえば、敵にボールを持たせておいて
三角形で囲んでプレスしてボールを奪取してからの
早い攻撃への転換(トランジション)
だったね、やはり。

速攻でも遅攻となっても、
●サイドチェンジして敵のサイドの奥深くを衝く
●縦に長い楔を入れてからサイドを衝くか
の「サイドえぐり」がキホンだったと思う。
サイドチェンジとサイドえぐりに弱い3バックの
オーストラリア攻略として、予め想像されたことだよね。

どっちかのサイドで、
●サイドバック(長友、酒井)にボールが渡れば、
ファーへのクロスか中へのスルーパス

●ウイング(乾、浅野)は、スルーパスへの飛び出しか
足元でもらえば、ドリブルで切れ込んでディフェンダーを
かわしてシュート


縦にポストの大迫にボールが入れば、
●両ウイングへのスルーパスか、自ら切れ込んでシュート
●または、インサイドハーフの井手口か山口に戻して
ミドルシュートか再度切れ込み


・・・というふうに、多彩なオプションがうかがえたと思う。
でもそれは、これまでの4-2-3-1だって同じだろー、
って言う人もいるかもしれないけど、ある部分でだいぶ違うんだな。



■守備のハードワークと自分で撃つこと

ポイントは、長谷部より前の5人はみーんな、
ドリブルで切れ込んで、ディフェンダーをかわすか巻くかで、
ミドルレンジでシュート撃つのがうまい選手
だということ。
これまでのメンツよりかなりうまいよね。

大迫、乾、浅野は、ドリブルから敵をかわしてのシュートや
パスを受けてから振り向いてのシュートがバツグンにうまいし、
“守備的インサイドハーフ(笑)” の井手口と山口だって、
敵のディフェンダーを巻いてミドルシュートを撃つのが
うまい選手だよね。

長谷部だって、自分で動いてからのミドルシュートのうまさには
定評があるよね。

そう、そういう選手の起用を徹底することによって、
ゴール前まで行けても完全に崩すまでパスを回し続けて
結局ゴールを落とせない、と言われ続けた“日本代表はツメが甘い呪い”
が解けた
気がするんだよ。

現に、2点目は井手口がドリブルでディフェンダーを巻いての
長めのシュートで決めたよね。
ベンチには、柴崎や原口だって控えていたし。

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4-2-3-1から4-1-4-1に変えたことと、
両ウイングとトップ下に、守備能力が高くて、かわしてシュートや
巻いてシュート(つまり、自分でシュートまでいく)にも
優れた選手を集めたこと


これはね、日本代表が「最後までパスで崩そうとして失敗する」
サッカーをやめたと同時に、これまでと違う点の取り方を手に入れた
ということに他ならない
んだよなー。
つまり、これまでとは、ぜーーーーんぜん違うチームになったのだ!!
僕は、これが今回のゲームの最大の収穫だと思うんだ。

そうするには、大変申し訳ないけど本田や香川をはずして
早く若手ばかりのチームにすればいいと思っていたんだよ。

や、本田や香川がヘタだとかトシだとかいう意味ではないんだな。
本田や香川が、ブラジル大会のだいぶ前から、
日本代表の点の入らないパスサッカーのDNA
だからだ。
ずっとそれでやってきたことはなかなか変えられない、
というか変える気がないのかもしれないし。

そして、他の選手より先輩であり、
実績があるがゆえに影響力もでかいでしょ。
そうすると、そういう大御所選手がいるだけで
どんなに他のメンバーを入れ替えても、
点の入らないパスサッカーから抜けられず、
新しいチームにならないっしょ。

繰り返すけど、本田や香川がだめということではなくて、
そういう戦型じゃないということ。

どんな理由があったのか知らないけど、5年も6年もかかって、
最終予選の最後のほうでようやくチームが変わった!
早くそうしてほしかった。

うん、とにかく “パス回してばっか” の呪縛だけは
解けた
ような気がする。
それだけでも、未来が明るくなったよ。
新しい車を買ったくらいの気分!

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僕は、日本チームは世界の舞台ではまだまだ、
ゴール前で華麗なパスを回して点をとるなんて芸当はできない
って思っているんだよ。

センターフォワードなんて不要。
ゴール前の4~5人全員、ミッドフィルダーでいい。
ただし、完全に崩し切る前に、自分でワクにシュートを
飛ばせるやつらばかり、というのはどうだ。

あの日本の4-1-4-1が、世界で通用するだろうか。
世界には、個の力も集団の力もオーストラリアより
はるかに上のチームがたくさんあるからねぇ。



「2018 FIFA WORLD CUP RUSSIA」の本大会は、
来年の6月14日に開幕。
同日から同28日までグループステージ、
同30日から決勝トーナメントとなって、決勝は同年7月15日!

がんばれ、ニッポン!!



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◎ところで、セルジオさんって、なんでテレビ番組の最初に
 ちょろっと顔を見せるだけなの???







♪ さらばシベリア鉄道 / 太田裕美





♪ Summer Sun / Larry Carlton(ピットインLIVE 1977)


アルバム発売前夜?日本ではまだ無名、曲名は『Summer Sun』だったそうです。



♪ Room 335 / Larry Carlton(2012)




コンフェデで得たこと ~ FIFA Confederations Cup 2017  


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コンフェデ、観た?
今回は、日本代表が出られなかったので、
全然盛り上がっていなかったけど、
個人的には、けっこう興味深く観させてもらったなあ。

FIFA Confederations Cup とは、
アジア、南米、北中米、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ各大陸の
直近の国対抗のカップ大会で優勝した国に、
FIFAワールドカップの前回優勝国と、
次回開催国を加えて行なわれる
、夢のような大会なんだな。

まあ、過去に行なわれた各大陸単位のカップの優勝者を招集して、
ドリームマッチというか、お祭りやろうぜ的なイメージだし、
次回開催国(ロシア)の運営の予行演習的な意味合いも強いらしいんだけど、
それでも、各大陸の王者が大集合するんだからね。

で、さすがの「プレ・ワールドカップ」
個人的には、知りたいことが知れて、収穫の大きかった大会だったなー。





<オーストラリアは強い!>

002オーストラリア.png


まず、気になっていたのは、8月にアジア最終予選で
本大会への出場が決まるか否かの大一番となる相手のオーストラリア。

これは、想像以上に強いなあ。
まあ、アジアやオセアニア以外の地域のチャンピオンチームと戦えば、
そりゃ、戦績も振るわないに決まってるけど、けっこう強かったぞー。

特長と言えば・・・
● 図体がでかくて、ボデイコンタクトで相手を抑える能力が高い
● 背が高くてヘディングの競り合いが強い
● 個人の足技がうまくて、一対一にも強い
● 走るスピードも早い


少しばかりの弱点と言えば・・・
● ケーヒル以外、攻撃面での創造性や意外性、器用さなどが低く、
 決定力に欠ける
● 守備も組織的で固いが、まだ熟成してない3バックできた場合は、
 サイドをえぐりやすいかも知れない。


でも、無得点試合は一つもなく、スピードと意外性の高いチリや
カメルーンからも1点ずつ取っているし、いずれとも引き分け。
教科書通りのドイツには、負けたけど2点とってるし、
優勝国のドイツ以外には負けていないんだよ。

そう、技のチームでも、組織プレイのチームでも
ドンと来い、という強さなんだな。
うん、技も、スピードも、フィジカルもあるチームということだ。

要注意点は、チリと1対1で引き分けたゲームで見られるなあ。

チリ代表の選手は、南米のチームの中でも小柄なほうで、
ヘディングの競り合いや、体のぶつかり合いでは明らかに不利なんだけど、
ものすごく身体能力が高くて、技術とスピード、
そして熟成された組織プレイで、ブラジルやアルゼンチンに勝って
このコンフェデに出てきたんだな。

前回のワールドカップで、“トランジション・サッカー” をひっさげて
スペインをジャイアント・キリングしたチリを覚えているかなあ?
今回のチームも、その時のままのすごさがあったんだなー。

でも、オーストラリアも考えたね。
前からの積極的なプレス!
そして、激しい体当たり!

プレスをかけてもチョロチョロするチビは、どついたれ、
ってことだよね。

キタナイ作戦だけど、これが功を奏して、
チリの細かいパスワークとランニングワークはガタガタ。
全然思うようにプレイできなかったんだね。

日本も、オーストラリアと戦うのに、
いまんとこ、巧妙なパスワークとスペースサッカーしかないでしょ?
走力だって、競り合いだって上回っているわけじゃないんだから。

ならば、オーストラリアはパスワークとスペース取りを防ぐために、
“前線からガンガン体当たりしてプレス” してくるに決まってるよね。
日本は、それにうまく対処して勝つための方策を考えているのかな?

● 敵の前からの激しい体当たりプレスをどうかわす?
● 敵の弱点の両サイドをどうやってえぐる?
● えぐってから、ヘディングでもドリブルでもなくどうやってゴールする?






<やっぱりか! トランジション・サッカー と 3-4-2-1>

見どころはやっぱり、決勝戦だった!
チリ対ドイツ。

これは、前回の「2014 FIFA ワールドカップ BRASIL」の
超新興国と超優勝国の対決なんだよ!

それは、次のW杯を担う若手(ドイツ)と、
南米でブラジルやアルゼンチンをやっつけてきた熟練のベテラン(チリ)
との戦い
という観方もできておもしろい。

しかも、フタを開けてみれば、いずれも前回W杯の話題をさらった
チリ、コスタリカ、メキシコなどの「トランジション・サッカー」と、
オランダがスペインのパスサッカーを封じるために引っ提げてきた
「3-4-2-1」をベースとするマルチフォーメーション・サッカー
の戦いだったのだ!

さすが、コンフェデがW杯予告編と呼ばれるだけのことがあるね。
本番を待たずして、最先端の戦術同士の雌雄決戦を観られるなんて!



◆ トランジション・サッカーって?

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transition とは、「変わり目」とか「場面転換」っていう意味なんだな。
その変わり目とは、守備と攻撃の変わり目ということさ。

簡単に言うと、守備をしててボールを奪ったら、
即座に攻撃に転じてゴールに迫る、またはその逆、ということ。

なんだ、それってカウンターのことじゃないか、ということになるけど、
いわゆるカウンターとはちょっと違う

カウンターは、しっかり自陣に引いて、
がっちり守備陣形をとって守りながら、
ボールを奪ったらすばやく前方に運んで、
敵のディフェンスを置き去りにするというやり方だよね。

トランジションは、その「しっかり自陣に引いて、
がっちり守備陣形をとって守りながら」というところが
違うところなんだな。

「しっかり自陣に引いて、がっちり守備陣形をとって」しまってから
攻撃に転じるとなると、当然、敵のゴールに遠いしので、
カウンターするにもゴールまで迫るのに時間がかかるよね。
つまり、敵が守備の体制を整えるのにも時間の余裕がある
ということなんだな。

トランジションは、雑な言い方をすれば、
「しっかり自陣に引かず、攻撃時の陣形に近いままがっちり守って、
ボールを奪ったらすばやく攻撃時の陣形にして攻め上がる」

というやり方。
(もちろん、しっかり引いて守ってからのやり方もある)

たとえば、4-3-3だったら、
守備に転じたらフォーワードの2人が下がって
4-5-1で前線からプレスして守って、
ボールを奪ったら中盤の2人が即座にフォーワードに上がって
4-3-3に戻して、その瞬間の状況に応じた得点パターンに持ち込む。

4-4-2だったら、守備に転じたら中盤の2人が逆に上がって
4-2-3-1で前線からプレスして守って、
ボールを奪ったらそのままその瞬間の状況に応じた
4-4-2の得点パターンに持ち込む、といったやり方。

前からプレスするやり方は大昔からあるので、
奪ってからの攻撃の方法に重きを置いた考え方なんだな。

(実際は、好守陣形ともに4バックのままということはほとんどないけど、
ハナシをわかりやすくしました)

なんだ、それは昔からある「リアクション・サッカー」じゃないか、
という人がいるかもしれないけど、これもちょっと違う
んだな。

リアクション・サッカーは、敵の攻めに応じて「柔軟に対応」して、
攻撃に転じれば相手の裏のスペースを取る、といった意味合いで
使われることが多くて、どちらかというと守備の対応に重きが
置かれていた
んだよ。

でも、トランジションの真髄は、上記のように・・・

● 基本陣形をちょっと変化させるだけで、
 瞬時に、守備陣形にも攻撃陣形にも変化させることができる
● ボールを奪った瞬間の状況に応じて、効果的に展開できる
 複数の得点パターンが確立されている


・・・というところが違うんだな。
言ってみれば、リアクションとカウンターを足して、
もっと進化させた戦術
、と言っていいんじゃないだろうか。

コンフェデ決勝戦のチリは、
4-3-3の基本陣形で、4-5-1といったカタチで守って
ボールを奪ったら、状況に応じて・・・

① センターかサイドを衝くカウンター
② ロングパスで中盤を省略してサイド攻撃
③ 縦パスを多用した遅攻でセンター突破


・・・という攻撃オプションで戦っていたように見えた。

トランジション・サッカーについては、
↓僕は、前回W杯で分析していたので、よかったら。

◎ ダークホースの条件 ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-126.html



◆ 3-4-2-1 から始まるマルチフォーメーション

004ドラクスラー.png


前回のW杯を観て、僕は「ちょっとした歴史的瞬間を観たかも」
って書いたんだよ。

それは、オランダがスペインを破った時のフォーメーション
↓3-4-1-2
のこと。

◎ スペイン・パスサッカーの攻略法を目撃 ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-122.html

これは、「向こう4年、サッカー界の戦術トレンドになる」
とも予言
したんだよ。(おほほ、自慢、じまん、ジマン)


・・・で、それ見ろ!
前回優勝国のドイツが研究して持って来たぁーーーーー!
チリとの決勝戦は、「3-4-2-1」だった
んだよ!
(-1-2が-2-1になっていたけど、考え方は同じ)

このフォーメーションは、昔からある「3-4-3」じゃんかよ、
という人がいるかもしれないけど、実は全然違う
んだよ。

005ダブルエム.jpg

昔の「3-4-3」はWMと言って、攻撃の5人と守備の5人の
役割がはっきり分かれている
スタイルだね。

いまの「3-4-3」も基本的には同じ考え方で、
真ん中の4人を守備の2人と攻撃の2人に固定せずに、
“攻撃も守備もやる4人” という考え方。

でも、注目の「3-4-2-1」は、「4」の考え方が新しくて、
4のうちの2人が下がれば5バック、中盤では6~7人、
サイドバックのように前に上がっても6~7人で分厚く攻められる

という布陣なんだよ。

なんだよ、それなら「4-2-3-1」の4バックのサイドバックと
同じやり方じゃんかよ、と言えるかもしれないけど、
守備時には5バック、攻撃時には最大7人かけられて、
「4-2-3-1」より常に数的優位を作れる
やり方なんだなー。

しかも、4バックシステムではサイドバックが両方とも上がるのは
不可能に近いんだけど、この「3-4-2-1」なら
「4」のうちの2人ともが上がってしまっても3バックが残るので、
攻撃力アップもリスク回避もできるというしかけ。

じゃ、ドイツの「3-4-2-1」と、チリの「4-3-3」を
比較してみると・・・

基本形の「3-4-2-1」
006基本形

守備時の「3-4-2-1」
007守備時

攻撃時の「3-4-2-1」
008攻撃時

・・・ってなことなんだなー。
これは、考え方としては、「4」うちの2人が上下にスライドすることで、
守備の時は「5-4-1」、中盤での攻守は「3-4-3」、
攻撃に加担すれば「3-2-5」と陣形を “転換” していく
ということであり、
なんだ、これだってトランジション・サッカーじゃないか
ということになるわなー。

ただ、トランジション・サッカーのほうが、
“転換” のスピード、特に攻撃時にカウンターを仕掛ける意識が
強い
んじゃないかな。

「3-4-2-1」は、“転換” が組織的というか段階的で、
必ずしもすぐに攻撃、というわけではない気がする。
でも、システマティックな分ミスの少ない、
しっかりした戦い方のできる戦型
じゃないかな。



で、そのどっちも最先端の戦術どうしのぶつかりあいが
この決勝戦で観られたというわけ。

で、どうだったかというと、なんとこれが五分五分!

チリのディフェンダーのちょっとした不注意で、
大底でドイツのフォワードにボールを逸して、
1点取られたのが結局、決勝点になってしまったんだけどさ。

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チリの前からの激しいプレスとボール奪取。
そして、攻撃へのトランジッション。

南米のとてつもない瞬発力とテクニックをもって
縦バスとドリブル、サイド攻撃でチリは突破を狙うけど、
でかくて早くて強い体と、分厚い中盤の守備から5バックへ変化する
組織的な守備で守るドイツ。

必然、チリは遅攻を余儀なくされて、ショートパスを回して
ボールを持たされて、チャンスをうかがうばかり。

チリはボールを奪われれば、またすぐにトランジッションして
高い位置からの激しいプレッシング。

ドイツがたまに中盤をカウンターで突破しても、
チリが殺人的なタックルと当たりでそれを制す・・・。
そんなことの繰り返し。

クリエイティブ VS システマティック。
ベテラン VS 新人。
技 VS 力。
悪ガキ VS 優等生。


まったく違うものどうしの対決なのに、まったくの五分五分。

ボールポゼッションは、チリ60%対ドイツ40%だったし、
終始チリの攻撃が目立ったけど、これは互角だなー。

でも、ドイツはラームとか、ボアテングとか、エジル、ミュラー、
ポドルスキー、クロース、ゲッツェ、クローゼなんかのすごい選手が
一人も来ていなかったからね。

ドイツは、わざと二軍だけでコンフェデを戦ったのか?
それとも、フォーメーションを新しい「3-4-2-1」に変えて、
がっつり戦術も人も若返りをはかったのか?

もし、今回のチームに、一軍選手が混じったらどうなるのか?
やっぱりW杯本番は、トランジション VS 「3-4-2-1」の
決着が見ものになるということだねー。

まあ、他にも新しい戦術が出てくるかもしれないけど・・・。





<日本は、どうやれば勝てるのか?>

それは、僕にもわからないけど、
でも、前回大会のコスカリカや、今回のチリ、メキシコの
戦い方は参考になるよね。

流れている血の熱さも骨格も違うけど、体の大きさは近いから、
でっかい相手と戦うためのヒントになると思うよ。

● 前から激しくプレスをかける
● 90分間切れない闘争心
● テクニックと体力
● “トランジッション” と、「3-4-1-2」から始まる
マルチフォーメーション、または、それに準じたシステムを
融合させた戦術をチームとして確立させる




◎ SAMURAI BLUE のために ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-131.html

◎ ふりだしに戻った日本サッカー ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-125.html



がんばれ、ニッポン!!







♪ Aoi / サカナクション




SAMURAI BLUE のために ~ 2014 FIFA W杯  



日本の日付で6月13日から始まったんだけど、あっと言う間に終わってしまったねー。
(終わってからも、6日も経ってしまった・苦)

いやー、今回のW杯はおもしろかったねー。
'86年大会くらいからチェックして、'98年から本気で観てきたけど、
今回が一番おもしろかった気がするなー。

まあ、もちろん、日本代表が勝ち進んだ大会がおもしろいに決まってるけど、
今回は、日本代表が映ってなくても、テレビ画面に吸いつけられるゲームが多かったよね。

そういうわけで、ここいらで、なんでおもしろかったのか振り返ってみようと思う。
それで、このレビューが今後の日本代表の強化にほんの少しでも役立てばいいなあ
って気持ち。

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激しいプレスで、パスサッカー崩し

今回のW杯はきっと、パスサッカー(ボールポゼッション・サッカー)が百花繚乱なんだろうな、
って想像していたんだけど、これは大外れだった。
スペインはもちろん、イタリア、オランダ、ドイツ、フランス、メキシコ、日本なんかは
だいぶん前からパスサッカーを取り入れているのがわかっていたからね。

ところがどっこい、フタ開けてみたら、“パスサッカー崩し大会” だったんだね。
スペインやイタリアや日本みたいに、遅攻でチンタラパスを回そうなんてチームは時代遅れ、
あっという間に負けてしまったね。

とくに、チリやコスタリカのやり方は、豪快でわかりやすかった。
ポイントは・・・

●前から激しくプレスをかける

・・・だよね。
でも、これは中途半端ではだめ。
敵はパス回しを売りにしてるくらいなんだから、かるーくあしらわれるでしょ。
これは、ボディコンタクトありで、ガツガツいくこと。

ジャイアントキリングをやらかしたチリとコスタリカの
強引な体の入れ方とぎりぎりのタックルは、目を見張るものがあったよね。
あれだよ、あれ!

002チリ.jpg

もちろん、あれだけのプレーをやるには・・・

●90分間切れない闘争心

・・・が必要だよね。
これは、日本代表はどうやったらそれが可能か答えを絶対見つけるべき。
だって、もともと、負けたら食べてけないとか、必死さがないもんね?

●テクニックと体力

・・・はすごいに越したことはないよね。
これは、日本代表もそこそこだし、年々レベルアップしているから、
あんまり心配はしていないんだなー。





カウンターの進化形、『トランジッション・サッカー』

でもさ、激しいプレスをかけるだけなら、昔からある方法だよね。
相手がパスサッカーじゃなくたって、相手の攻撃をつぶすのには最強の方法。
“積極的な守備”、“敵の攻撃の芽を摘む” というやつだよね。

で、激しいプレスでボールを奪ったら、どうするかというと、当然 “カウンター“ だよね。
これも、昔からあるセオリー。
守備の後は速攻。
敵が自分たちより強い場合の、常套手段だよね。
時々、ギリシャみたいに、どんなチームと当たろうとも堅守&速攻のチームもあるけど。

んで、それって、激しいプレス&カウンターだろ?ってことになるけど、
それが、今回観てたらちょっと(だいぶん)違うらしいんだな。
激しいプレスをかけて、ボールを奪って、攻撃に転じるに違いないんだけど、
カウンターとは限らない。
主にカウンターというのが正しいかも。

ちょっと前までは、完全にカウンターで、
ボールを奪ったら、前線に残してあったフォワードにロングボールを蹴って、
敵ディフェンダーのウラを突かせるとか、サイドバックにパスを出して縦に走らせる、
後はなりゆき、って感じだったけど、新しいやり方はちょっと違うんだな。

ボールを奪うまでの策じゃなくて、ボールを奪ってから後の策に重点が置かれているんだよ。
ボールを奪った直後の敵や味方の状勢に応じて、どう攻撃に出て、どうやってゴールするか
すばやく判断してシステマティックに動き出す
んだね。

たとえば、
「こういうカタチでボールをとったら、できるだけ早くセンターにロングボールを上げて、
後は2人のフォワードのコンビネーションでゴルーゲット」とか、
「この辺りでとったら、右サイドのあいつにパスを出して、
そいつが縦に走ってファーに走り込んだボランチにクロスを上げて、
ボランチはフォワードが詰めている真ん中に落とす」とか、
「この位置でとったら、いったんCBに戻して、敵を前に引っぱっておいてボランチにパス。
その瞬間に左サイドバックと3人のMFが駆け上がる。
ボランチはサイドバックにサイドチェンジのロングパス。
サイドバックは左をえぐって、後はパターンAかBで」
・・・という感じ。

つまり、“守備から転じる反撃の方法と、ゴールインまでが連動したプラン“ を
いろいろ身につけておいて、それを確実に実行すること
なんだな。
こういうのを・・・

●『トランジッション・サッカー』

・・・って言うらしいんだね。
意図してかそうでないかはわからないけど、チリやコスタリカやメキシコは
それが明らかに優れていたよね。
だから、ジャイアントキリングできたんじゃないかな。
ここに、日本代表が強い敵に勝つための大きなヒントがあると思うな。

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これが、オランダの5バックシステムだ!

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オランダは、その『トランジッション・サッカー』を明らかに意図的にやっていたよね。
なんで、意図的だと思ったかと言うと、いつものオランダでは考えられないような
フォーメーションをとっていたからだよ。

数的優位を作ってプレッシングしながら、攻撃に転じても数的優位を保って
トンラジッション・サッカーの確実性を高められるフォーメーション
あらかじめ用意していたんだよ、オランダは。



B組のグループリーグのスペイン対オランダ戦で、オランダが見せた5バックを覚えてる?
あれだよ、あれ。
「スペインが強いっつったって、あの超攻撃的なオランダが5バック?」
って、びっくりしたよなー。

でも、これはもちろん、ずっと5バックのままというんじゃなくて、
攻守の切り替えに応じて3バックに変えたりしてるんだよね。
「4-4-2」や、最近主流の「4-2-3-1」と同じで。
「4」や「3」で並んでる両サイドの2人が上がったり下がったりすることで、
守備を固めたり、攻撃に厚みを増したりさせる
やり方なんだよ。



近年、「4-2-3-1」が主流だというのは、当然それが有用な陣形だからなんだね。
その前までトレンドだった「4-4-2」や「3-5-2」に勝てる、
完全無欠のフォーメーションと言われていたんだよ。

「4-4-2」は、6~7人で攻めて、6~7人で守るスタイルなんだけど、
「4-2-3-1」は、敵の攻撃に対して、「3」の両サイド2人が下がれば、
8人となって、敵より数的優位が作れるんだな。
攻撃の時も、前の3-1にボランチの2人と駆け上がったサイドバックを足すと、
敵の6~7人の守備に対して最大8人で攻められるという仕掛け。

「3-5-2」は攻撃は6~7人、守備は7~8人というスタイルだけど、
それに対する守備も8人で優位、攻撃は最大8人だからやや優位という
カタチを作れるんだな。

つまり、「4-2-3-1」は、その前まで主流だった「4-4-2」や「3-5-2」を破れる
万能的なフォーメーションだったんだね。

僕は、この「4-2-3-1」の「4」や「3」の両サイドがスライドするやり方に
「こんな方法があったのか!」と思うと同時に、「これを破れるカタチがあるのか?」
とも思っていたんだよ。

ところがあったねー。
それが、今大会でオランダやって見せた5バックシステムだったんだね!



005基本形.jpg

5バックシステムと言っても、基本形はコレだと思う・・・「3-4-1-2」

最強と言われた「4-2-3-1」と比較してみようと思う。
⑦と⑧の動きにご注目。



006守備時.jpg

敵が攻めてくる時、⑦と⑧がディフェンスラインまで下がって、5バックになる。
同時に⑨と⑤と⑥も下がって最終ラインの前のディフェンスを受け持つ。
最前線の2人が敵のボランチに付いていれば、
全部で10人で守備ができるんだね。
敵のサイドバックが上がってきても、敵の数は8人。
敵より多い人数で守れるよね。

オランダは、この守備の状態から、ポーンと前に蹴り出して
ファンペルシーとロッベンがちゃんと入れたんだよね。



007攻撃時.jpg

逆にこちらが攻める時、⑦と⑧がサイドバックのように前線まで駆け上がって
残った⑤、⑥も3バックもラインを押し上げて、
ディフェンスラインのうちの1人が加担すると、8人での攻撃体制になるよね。
敵は8人だから、同数の対決となってしまう。
そこで必要になるのが、戦術というものだ。

その戦術というのは、「3-4-1-2」のうちの「4」が
“守備から攻撃にすばやく転じる”ことなんだな。
しかも、やみくもに転じるのではなくて、
“あらかじめ練習してある、いくつかの得点パターンにすばやく確実に転じる” ことさ。
そう、それが『トランジッション・サッカー』なんだなー。

「3-4-1-2」のうちの「4」= 図の⑤、⑥、⑦、⑧が、⑨のトップ下と一緒に、
“すばやく敵のサイドバックとウイングを置き去りにして数的優位を作り“、
“しっかり練った、いくつかの得意なパターンで得点する”
ということだ。

これが、オランダが見せた5バックシステムの正体!
キホンは「3-4-1-2」なんだけど、「5-3-2」で守ったり、
「3-5-2」や「3-4-3」で攻めたりする
スタイル。

試合中に、相手の特徴や戦況に合わせてコロコロ変えるから、
『マルチフォーメーション・サッカー』とでも言うのかな。

●「3-4-1-2」から始まるマルチフォーメーション
 または、それに準じたやり方


向こう4年は、コレの研究がサッカー界のトレンドになるだろうなあ。





上で書いた赤文字のポイントを日本代表に捧げるぜー!!

決勝トーナメント常連組になれるか、しばらく本大会に出られなくなるか、
正念場の4年間が始まったぜ、おめーら!

がんばれ、ニッポン!!



008代表円陣.jpg


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