コンフェデで得たこと ~ FIFA Confederations Cup 2017


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コンフェデ、観た?
今回は、日本代表が出られなかったので、
全然盛り上がっていなかったけど、
個人的には、けっこう興味深く観させてもらったなあ。

FIFA Confederations Cup とは、
アジア、南米、北中米、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ各大陸の
直近の国対抗のカップ大会で優勝した国に、
FIFAワールドカップの前回優勝国と、
次回開催国を加えて行なわれる
、夢のような大会なんだな。

まあ、過去に行なわれた各大陸単位のカップの優勝者を招集して、
ドリームマッチというか、お祭りやろうぜ的なイメージだし、
次回開催国(ロシア)の運営の予行演習的な意味合いも強いらしいんだけど、
それでも、各大陸の王者が大集合するんだからね。

で、さすがの「プレ・ワールドカップ」
個人的には、知りたいことが知れて、収穫の大きかった大会だったなー。





<オーストラリアは強い!>

002オーストラリア.png


まず、気になっていたのは、8月にアジア最終予選で
本大会への出場が決まるか否かの大一番となる相手のオーストラリア。

これは、想像以上に強いなあ。
まあ、アジアやオセアニア以外の地域のチャンピオンチームと戦えば、
そりゃ、戦績も振るわないに決まってるけど、けっこう強かったぞー。

特長と言えば・・・
● 図体がでかくて、ボデイコンタクトで相手を抑える能力が高い
● 背が高くてヘディングの競り合いが強い
● 個人の足技がうまくて、一対一にも強い
● 走るスピードも早い


少しばかりの弱点と言えば・・・
● ケーヒル以外、攻撃面での創造性や意外性、器用さなどが低く、
 決定力に欠ける
● 守備も組織的で固いが、まだ熟成してない3バックできた場合は、
 サイドをえぐりやすいかも知れない。


でも、無得点試合は一つもなく、スピードと意外性の高いチリや
カメルーンからも1点ずつ取っているし、いずれとも引き分け。
教科書通りのドイツには、負けたけど2点とってるし、
優勝国のドイツ以外には負けていないんだよ。

そう、技のチームでも、組織プレイのチームでも
ドンと来い、という強さなんだな。
うん、技も、スピードも、フィジカルもあるチームということだ。

要注意点は、チリと1対1で引き分けたゲームで見られるなあ。

チリ代表の選手は、南米のチームの中でも小柄なほうで、
ヘディングの競り合いや、体のぶつかり合いでは明らかに不利なんだけど、
ものすごく身体能力が高くて、技術とスピード、
そして熟成された組織プレイで、ブラジルやアルゼンチンに勝って
このコンフェデに出てきたんだな。

前回のワールドカップで、“トランジション・サッカー” をひっさげて
スペインをジャイアント・キリングしたチリを覚えているかなあ?
今回のチームも、その時のままのすごさがあったんだなー。

でも、オーストラリアも考えたね。
前からの積極的なプレス!
そして、激しい体当たり!

プレスをかけてもチョロチョロするチビは、どついたれ、
ってことだよね。

キタナイ作戦だけど、これが功を奏して、
チリの細かいパスワークとランニングワークはガタガタ。
全然思うようにプレイできなかったんだね。

日本も、オーストラリアと戦うのに、
いまんとこ、巧妙なパスワークとスペースサッカーしかないでしょ?
走力だって、競り合いだって上回っているわけじゃないんだから。

ならば、オーストラリアはパスワークとスペース取りを防ぐために、
“前線からガンガン体当たりしてプレス” してくるに決まってるよね。
日本は、それにうまく対処して勝つための方策を考えているのかな?

● 敵の前からの激しい体当たりプレスをどうかわす?
● 敵の弱点の両サイドをどうやってえぐる?
● えぐってから、ヘディングでもドリブルでもなくどうやってゴールする?






<やっぱりか! トランジション・サッカー と 3-4-2-1>

見どころはやっぱり、決勝戦だった!
チリ対ドイツ。

これは、前回の「2014 FIFA ワールドカップ BRASIL」の
超新興国と超優勝国の対決なんだよ!

それは、次のW杯を担う若手(ドイツ)と、
南米でブラジルやアルゼンチンをやっつけてきた熟練のベテラン(チリ)
との戦い
という観方もできておもしろい。

しかも、フタを開けてみれば、いずれも前回W杯の話題をさらった
チリ、コスタリカ、メキシコなどの「トランジション・サッカー」と、
オランダがスペインのパスサッカーを封じるために引っ提げてきた
「3-4-2-1」をベースとするマルチフォーメーション・サッカー
の戦いだったのだ!

さすが、コンフェデがW杯予告編と呼ばれるだけのことがあるね。
本番を待たずして、最先端の戦術同士の雌雄決戦を観られるなんて!



◆ トランジション・サッカーって?

003サンチェス.png


transition とは、「変わり目」とか「場面転換」っていう意味なんだな。
その変わり目とは、守備と攻撃の変わり目ということさ。

簡単に言うと、守備をしててボールを奪ったら、
即座に攻撃に転じてゴールに迫る、またはその逆、ということ。

なんだ、それってカウンターのことじゃないか、ということになるけど、
いわゆるカウンターとはちょっと違う

カウンターは、しっかり自陣に引いて、
がっちり守備陣形をとって守りながら、
ボールを奪ったらすばやく前方に運んで、
敵のディフェンスを置き去りにするというやり方だよね。

トランジションは、その「しっかり自陣に引いて、
がっちり守備陣形をとって守りながら」というところが
違うところなんだな。

「しっかり自陣に引いて、がっちり守備陣形をとって」しまってから
攻撃に転じるとなると、当然、敵のゴールに遠いしので、
カウンターするにもゴールまで迫るのに時間がかかるよね。
つまり、敵が守備の体制を整えるのにも時間の余裕がある
ということなんだな。

トランジションは、雑な言い方をすれば、
「しっかり自陣に引かず、攻撃時の陣形に近いままがっちり守って、
ボールを奪ったらすばやく攻撃時の陣形にして攻め上がる」

というやり方。
(もちろん、しっかり引いて守ってからのやり方もある)

たとえば、4-3-3だったら、
守備に転じたらフォーワードの2人が下がって
4-5-1で前線からプレスして守って、
ボールを奪ったら中盤の2人が即座にフォーワードに上がって
4-3-3に戻して、その瞬間の状況に応じた得点パターンに持ち込む。

4-4-2だったら、守備に転じたら中盤の2人が逆に上がって
4-2-3-1で前線からプレスして守って、
ボールを奪ったらそのままその瞬間の状況に応じた
4-4-2の得点パターンに持ち込む、といったやり方。

前からプレスするやり方は大昔からあるので、
奪ってからの攻撃の方法に重きを置いた考え方なんだな。

(実際は、好守陣形ともに4バックのままということはほとんどないけど、
ハナシをわかりやすくしました)

なんだ、それは昔からある「リアクション・サッカー」じゃないか、
という人がいるかもしれないけど、これもちょっと違う
んだな。

リアクション・サッカーは、敵の攻めに応じて「柔軟に対応」して、
攻撃に転じれば相手の裏のスペースを取る、といった意味合いで
使われることが多くて、どちらかというと守備の対応に重きが
置かれていた
んだよ。

でも、トランジションの真髄は、上記のように・・・

● 基本陣形をちょっと変化させるだけで、
 瞬時に、守備陣形にも攻撃陣形にも変化させることができる
● ボールを奪った瞬間の状況に応じて、効果的に展開できる
 複数の得点パターンが確立されている


・・・というところが違うんだな。
言ってみれば、リアクションとカウンターを足して、
もっと進化させた戦術
、と言っていいんじゃないだろうか。

コンフェデ決勝戦のチリは、
4-3-3の基本陣形で、4-5-1といったカタチで守って
ボールを奪ったら、状況に応じて・・・

① センターかサイドを衝くカウンター
② ロングパスで中盤を省略してサイド攻撃
③ 縦パスを多用した遅攻でセンター突破


・・・という攻撃オプションで戦っていたように見えた。

トランジション・サッカーについては、
↓僕は、前回W杯で分析していたので、よかったら。

◎ ダークホースの条件 ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-126.html



◆ 3-4-2-1 から始まるマルチフォーメーション

004ドラクスラー.png


前回のW杯を観て、僕は「ちょっとした歴史的瞬間を観たかも」
って書いたんだよ。

それは、オランダがスペインを破った時のフォーメーション
↓3-4-1-2
のこと。

◎ スペイン・パスサッカーの攻略法を目撃 ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-122.html

これは、「向こう4年、サッカー界の戦術トレンドになる」
とも予言
したんだよ。(おほほ、自慢、じまん、ジマン)


・・・で、それ見ろ!
前回優勝国のドイツが研究して持って来たぁーーーーー!
チリとの決勝戦は、「3-4-2-1」だった
んだよ!
(-1-2が-2-1になっていたけど、考え方は同じ)

このフォーメーションは、昔からある「3-4-3」じゃんかよ、
という人がいるかもしれないけど、実は全然違う
んだよ。

005ダブルエム.jpg

昔の「3-4-3」はWMと言って、攻撃の5人と守備の5人の
役割がはっきり分かれている
スタイルだね。

いまの「3-4-3」も基本的には同じ考え方で、
真ん中の4人を守備の2人と攻撃の2人に固定せずに、
“攻撃も守備もやる4人” という考え方。

でも、注目の「3-4-2-1」は、「4」の考え方が新しくて、
4のうちの2人が下がれば5バック、中盤では6~7人、
サイドバックのように前に上がっても6~7人で分厚く攻められる

という布陣なんだよ。

なんだよ、それなら「4-2-3-1」の4バックのサイドバックと
同じやり方じゃんかよ、と言えるかもしれないけど、
守備時には5バック、攻撃時には最大7人かけられて、
「4-2-3-1」より常に数的優位を作れる
やり方なんだなー。

しかも、4バックシステムではサイドバックが両方とも上がるのは
不可能に近いんだけど、この「3-4-2-1」なら
「4」のうちの2人ともが上がってしまっても3バックが残るので、
攻撃力アップもリスク回避もできるというしかけ。

じゃ、ドイツの「3-4-2-1」と、チリの「4-3-3」を
比較してみると・・・

基本形の「3-4-2-1」
006基本形

守備時の「3-4-2-1」
007守備時

攻撃時の「3-4-2-1」
008攻撃時

・・・ってなことなんだなー。
これは、考え方としては、「4」うちの2人が上下にスライドすることで、
守備の時は「5-4-1」、中盤での攻守は「3-4-3」、
攻撃に加担すれば「3-2-5」と陣形を “転換” していく
ということであり、
なんだ、これだってトランジション・サッカーじゃないか
ということになるわなー。

ただ、トランジション・サッカーのほうが、
“転換” のスピード、特に攻撃時にカウンターを仕掛ける意識が
強い
んじゃないかな。

「3-4-2-1」は、“転換” が組織的というか段階的で、
必ずしもすぐに攻撃、というわけではない気がする。
でも、システマティックな分ミスの少ない、
しっかりした戦い方のできる戦型
じゃないかな。



で、そのどっちも最先端の戦術どうしのぶつかりあいが
この決勝戦で観られたというわけ。

で、どうだったかというと、なんとこれが五分五分!

チリのディフェンダーのちょっとした不注意で、
大底でドイツのフォワードにボールを逸して、
1点取られたのが結局、決勝点になってしまったんだけどさ。

009_01得点.png

010_02得点.png

011_03得点.png




チリの前からの激しいプレスとボール奪取。
そして、攻撃へのトランジッション。

南米のとてつもない瞬発力とテクニックをもって
縦バスとドリブル、サイド攻撃でチリは突破を狙うけど、
でかくて早くて強い体と、分厚い中盤の守備から5バックへ変化する
組織的な守備で守るドイツ。

必然、チリは遅攻を余儀なくされて、ショートパスを回して
ボールを持たされて、チャンスをうかがうばかり。

チリはボールを奪われれば、またすぐにトランジッションして
高い位置からの激しいプレッシング。

ドイツがたまに中盤をカウンターで突破しても、
チリが殺人的なタックルと当たりでそれを制す・・・。
そんなことの繰り返し。

クリエイティブ VS システマティック。
ベテラン VS 新人。
技 VS 力。
悪ガキ VS 優等生。


まったく違うものどうしの対決なのに、まったくの五分五分。

ボールポゼッションは、チリ60%対ドイツ40%だったし、
終始チリの攻撃が目立ったけど、これは互角だなー。

でも、ドイツはラームとか、ボアテングとか、エジル、ミュラー、
ポドルスキー、クロース、ゲッツェ、クローゼなんかのすごい選手が
一人も来ていなかったからね。

ドイツは、わざと二軍だけでコンフェデを戦ったのか?
それとも、フォーメーションを新しい「3-4-2-1」に変えて、
がっつり戦術も人も若返りをはかったのか?

もし、今回のチームに、一軍選手が混じったらどうなるのか?
やっぱりW杯本番は、トランジション VS 「3-4-2-1」の
決着が見ものになるということだねー。

まあ、他にも新しい戦術が出てくるかもしれないけど・・・。





<日本は、どうやれば勝てるのか?>

それは、僕にもわからないけど、
でも、前回大会のコスカリカや、今回のチリ、メキシコの
戦い方は参考になるよね。

流れている血の熱さも骨格も違うけど、体の大きさは近いから、
でっかい相手と戦うためのヒントになると思うよ。

● 前から激しくプレスをかける
● 90分間切れない闘争心
● テクニックと体力
● “トランジッション” と、「3-4-1-2」から始まる
マルチフォーメーション、または、それに準じたシステムを
融合させた戦術をチームとして確立させる




◎ SAMURAI BLUE のために ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-131.html

◎ ふりだしに戻った日本サッカー ~ 2014 FIFA W杯
http://yurayuragusa.blog.fc2.com/blog-entry-125.html



がんばれ、ニッポン!!







♪ Aoi / サカナクション




SAMURAI BLUE のために ~ 2014 FIFA W杯



日本の日付で6月13日から始まったんだけど、あっと言う間に終わってしまったねー。
(終わってからも、6日も経ってしまった・苦)

いやー、今回のW杯はおもしろかったねー。
'86年大会くらいからチェックして、'98年から本気で観てきたけど、
今回が一番おもしろかった気がするなー。

まあ、もちろん、日本代表が勝ち進んだ大会がおもしろいに決まってるけど、
今回は、日本代表が映ってなくても、テレビ画面に吸いつけられるゲームが多かったよね。

そういうわけで、ここいらで、なんでおもしろかったのか振り返ってみようと思う。
それで、このレビューが今後の日本代表の強化にほんの少しでも役立てばいいなあ
って気持ち。

001_2014マーク.jpg





激しいプレスで、パスサッカー崩し

今回のW杯はきっと、パスサッカー(ボールポゼッション・サッカー)が百花繚乱なんだろうな、
って想像していたんだけど、これは大外れだった。
スペインはもちろん、イタリア、オランダ、ドイツ、フランス、メキシコ、日本なんかは
だいぶん前からパスサッカーを取り入れているのがわかっていたからね。

ところがどっこい、フタ開けてみたら、“パスサッカー崩し大会” だったんだね。
スペインやイタリアや日本みたいに、遅攻でチンタラパスを回そうなんてチームは時代遅れ、
あっという間に負けてしまったね。

とくに、チリやコスタリカのやり方は、豪快でわかりやすかった。
ポイントは・・・

●前から激しくプレスをかける

・・・だよね。
でも、これは中途半端ではだめ。
敵はパス回しを売りにしてるくらいなんだから、かるーくあしらわれるでしょ。
これは、ボディコンタクトありで、ガツガツいくこと。

ジャイアントキリングをやらかしたチリとコスタリカの
強引な体の入れ方とぎりぎりのタックルは、目を見張るものがあったよね。
あれだよ、あれ!

002チリ.jpg

もちろん、あれだけのプレーをやるには・・・

●90分間切れない闘争心

・・・が必要だよね。
これは、日本代表はどうやったらそれが可能か答えを絶対見つけるべき。
だって、もともと、負けたら食べてけないとか、必死さがないもんね?

●テクニックと体力

・・・はすごいに越したことはないよね。
これは、日本代表もそこそこだし、年々レベルアップしているから、
あんまり心配はしていないんだなー。





カウンターの進化形、『トランジッション・サッカー』

でもさ、激しいプレスをかけるだけなら、昔からある方法だよね。
相手がパスサッカーじゃなくたって、相手の攻撃をつぶすのには最強の方法。
“積極的な守備”、“敵の攻撃の芽を摘む” というやつだよね。

で、激しいプレスでボールを奪ったら、どうするかというと、当然 “カウンター“ だよね。
これも、昔からあるセオリー。
守備の後は速攻。
敵が自分たちより強い場合の、常套手段だよね。
時々、ギリシャみたいに、どんなチームと当たろうとも堅守&速攻のチームもあるけど。

んで、それって、激しいプレス&カウンターだろ?ってことになるけど、
それが、今回観てたらちょっと(だいぶん)違うらしいんだな。
激しいプレスをかけて、ボールを奪って、攻撃に転じるに違いないんだけど、
カウンターとは限らない。
主にカウンターというのが正しいかも。

ちょっと前までは、完全にカウンターで、
ボールを奪ったら、前線に残してあったフォワードにロングボールを蹴って、
敵ディフェンダーのウラを突かせるとか、サイドバックにパスを出して縦に走らせる、
後はなりゆき、って感じだったけど、新しいやり方はちょっと違うんだな。

ボールを奪うまでの策じゃなくて、ボールを奪ってから後の策に重点が置かれているんだよ。
ボールを奪った直後の敵や味方の状勢に応じて、どう攻撃に出て、どうやってゴールするか
すばやく判断してシステマティックに動き出す
んだね。

たとえば、
「こういうカタチでボールをとったら、できるだけ早くセンターにロングボールを上げて、
後は2人のフォワードのコンビネーションでゴルーゲット」とか、
「この辺りでとったら、右サイドのあいつにパスを出して、
そいつが縦に走ってファーに走り込んだボランチにクロスを上げて、
ボランチはフォワードが詰めている真ん中に落とす」とか、
「この位置でとったら、いったんCBに戻して、敵を前に引っぱっておいてボランチにパス。
その瞬間に左サイドバックと3人のMFが駆け上がる。
ボランチはサイドバックにサイドチェンジのロングパス。
サイドバックは左をえぐって、後はパターンAかBで」
・・・という感じ。

つまり、“守備から転じる反撃の方法と、ゴールインまでが連動したプラン“ を
いろいろ身につけておいて、それを確実に実行すること
なんだな。
こういうのを・・・

●『トランジッション・サッカー』

・・・って言うらしいんだね。
意図してかそうでないかはわからないけど、チリやコスタリカやメキシコは
それが明らかに優れていたよね。
だから、ジャイアントキリングできたんじゃないかな。
ここに、日本代表が強い敵に勝つための大きなヒントがあると思うな。

003コスタリカ.jpg





これが、オランダの5バックシステムだ!

004ロッベン.jpg

オランダは、その『トランジッション・サッカー』を明らかに意図的にやっていたよね。
なんで、意図的だと思ったかと言うと、いつものオランダでは考えられないような
フォーメーションをとっていたからだよ。

数的優位を作ってプレッシングしながら、攻撃に転じても数的優位を保って
トンラジッション・サッカーの確実性を高められるフォーメーション
あらかじめ用意していたんだよ、オランダは。



B組のグループリーグのスペイン対オランダ戦で、オランダが見せた5バックを覚えてる?
あれだよ、あれ。
「スペインが強いっつったって、あの超攻撃的なオランダが5バック?」
って、びっくりしたよなー。

でも、これはもちろん、ずっと5バックのままというんじゃなくて、
攻守の切り替えに応じて3バックに変えたりしてるんだよね。
「4-4-2」や、最近主流の「4-2-3-1」と同じで。
「4」や「3」で並んでる両サイドの2人が上がったり下がったりすることで、
守備を固めたり、攻撃に厚みを増したりさせる
やり方なんだよ。



近年、「4-2-3-1」が主流だというのは、当然それが有用な陣形だからなんだね。
その前までトレンドだった「4-4-2」や「3-5-2」に勝てる、
完全無欠のフォーメーションと言われていたんだよ。

「4-4-2」は、6~7人で攻めて、6~7人で守るスタイルなんだけど、
「4-2-3-1」は、敵の攻撃に対して、「3」の両サイド2人が下がれば、
8人となって、敵より数的優位が作れるんだな。
攻撃の時も、前の3-1にボランチの2人と駆け上がったサイドバックを足すと、
敵の6~7人の守備に対して最大8人で攻められるという仕掛け。

「3-5-2」は攻撃は6~7人、守備は7~8人というスタイルだけど、
それに対する守備も8人で優位、攻撃は最大8人だからやや優位という
カタチを作れるんだな。

つまり、「4-2-3-1」は、その前まで主流だった「4-4-2」や「3-5-2」を破れる
万能的なフォーメーションだったんだね。

僕は、この「4-2-3-1」の「4」や「3」の両サイドがスライドするやり方に
「こんな方法があったのか!」と思うと同時に、「これを破れるカタチがあるのか?」
とも思っていたんだよ。

ところがあったねー。
それが、今大会でオランダやって見せた5バックシステムだったんだね!



005基本形.jpg

5バックシステムと言っても、基本形はコレだと思う・・・「3-4-1-2」

最強と言われた「4-2-3-1」と比較してみようと思う。
⑦と⑧の動きにご注目。



006守備時.jpg

敵が攻めてくる時、⑦と⑧がディフェンスラインまで下がって、5バックになる。
同時に⑨と⑤と⑥も下がって最終ラインの前のディフェンスを受け持つ。
最前線の2人が敵のボランチに付いていれば、
全部で10人で守備ができるんだね。
敵のサイドバックが上がってきても、敵の数は8人。
敵より多い人数で守れるよね。

オランダは、この守備の状態から、ポーンと前に蹴り出して
ファンペルシーとロッベンがちゃんと入れたんだよね。



007攻撃時.jpg

逆にこちらが攻める時、⑦と⑧がサイドバックのように前線まで駆け上がって
残った⑤、⑥も3バックもラインを押し上げて、
ディフェンスラインのうちの1人が加担すると、8人での攻撃体制になるよね。
敵は8人だから、同数の対決となってしまう。
そこで必要になるのが、戦術というものだ。

その戦術というのは、「3-4-1-2」のうちの「4」が
“守備から攻撃にすばやく転じる”ことなんだな。
しかも、やみくもに転じるのではなくて、
“あらかじめ練習してある、いくつかの得点パターンにすばやく確実に転じる” ことさ。
そう、それが『トランジッション・サッカー』なんだなー。

「3-4-1-2」のうちの「4」= 図の⑤、⑥、⑦、⑧が、⑨のトップ下と一緒に、
“すばやく敵のサイドバックとウイングを置き去りにして数的優位を作り“、
“しっかり練った、いくつかの得意なパターンで得点する”
ということだ。

これが、オランダが見せた5バックシステムの正体!
キホンは「3-4-1-2」なんだけど、「5-3-2」で守ったり、
「3-5-2」や「3-4-3」で攻めたりする
スタイル。

試合中に、相手の特徴や戦況に合わせてコロコロ変えるから、
『マルチフォーメーション・サッカー』とでも言うのかな。

●「3-4-1-2」から始まるマルチフォーメーション
 または、それに準じたやり方


向こう4年は、コレの研究がサッカー界のトレンドになるだろうなあ。





上で書いた赤文字のポイントを日本代表に捧げるぜー!!

決勝トーナメント常連組になれるか、しばらく本大会に出られなくなるか、
正念場の4年間が始まったぜ、おめーら!

がんばれ、ニッポン!!



008代表円陣.jpg


すばらしい決勝戦 ~ 2014 FIFA W杯



001決勝戦スコア.jpg


東西統一ドイツの時代がきた

ドイツが優勝したねー!!
これで4度目。
優勝回数の1位はブラジルの5回で、ドイツはこれでイタリアと並ぶ2位。
3位がウルグアイとアルゼンチンとイングランドの2回、
4位がフランスとスペインの1回となったわけだ。

でもね、ドイツの過去3回の優勝は、西ドイツの時のことだったんだね。
西ドイツとして '90年に史上最強と言われて優勝してから、今回まで24年かかったんだね。
'90年に東西統一(ベルリンの壁の崩壊)してから、経済の融合や人種差別などでギクシャクして、
国の経済にもブレーキがかかって、ブンデスリーガも代表チームも調子が悪くなっちゃった。
'94年大会、'98年大会は、ベスト4常連からはずれてしまっていたんだね。

つまり、今回はドイツが東西統一して初めての優勝だったんだね。
チームにはポーランド出身のポドルスキーもいるし、トルコ系のエジル、黒人のボアテングもいる。
ネオ・ナチが象徴していた、経済後退と人種差別問題も、
少なくともサッカーの世界では解決されていたことがうかがえるんだな。

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メッシ顔負けのすばらしい決勝点を入れたゲッツェは、いま22才。
1992年生まれかな。
そう、彼は東西統一以後に生まれた選手なんだね。
なんて、ドラマチックな決勝点なんだろう!!
優勝を決めたその1点は、24年かかって「東西統一の安定」や「戦争負債の完済」、
「非原子力発電宣言」などを成し遂げた “新しく、強いドイツ” を象徴する一発だったんだなあ。
泣けるー。



固い守備のこじ開け合い

アルゼンチンの守備は、思いのほか堅かったねー。
ディフェンダーの能力ももちろん高いけど、MFのマスケラーノは特筆ものだよね。
バルサではセンターバックとしてやってるみたいだけど、さすが。
危ないシーンには、必ずって言っていいほどこの人がいるんだよなあ。

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ブラジル相手に培ってきた堅い守備と、南米ならではの個人技で攻めたアルゼンチン。
対するドイツも、キホンがっちり堅い守備だけど、
近年のトレンドを取り入れたボールポゼッションサッカーでチャンスを狙うというカタチ。
それがずっと続いて、延長戦に入ってしまった。
「こりゃ、PKか」と思っていたんだけど、たった一発、見事なクロス&シュートで決まったね。

文章にすると、堅い守備同士の膠着したゲームだったように見えるけど、
実におもしろい決勝戦だったなー。
それは、ドイツが教科書通りのつまんないゲームをやらなくなったからだよね。
昔は、“スペースに走り込んで、パスをもらう” ということをひたすら繰り返すだけだったから、
大男が走りまくっているようにしか見えなかったんだよね。

でも、近年は軽快なパスワークはじめ、サイドの1対1の勝負、ゴール前のエアプレー、
ゴールサイドのスピーディなえぐり、などなど、まるで南米の選手みたいなテクニックのオンパレード!
加えて、“ゲルマン魂” の走りまくりと組織的な守備でしょ。
今回のドイツは、すべてにおいてハイレベルにバランスのとれたチームだったと思う。

スペインのパスサッカーと、ブラジルの個人技、ダークホースが見せたトランジッション・サッカー、
オランダのマルチ・フォーメーションサッカー(つかりこ命名)など、
今大会はいろんな戦術が花を咲かせて見せたけど、
ドイツのサッカーはその全部を備えたサッカーだったんじゃないかな?
多彩な技術と力のぶつかり合いが続いて持久戦で終わりそうだったけど、
最後の最後は “ゲルマン魂” の体力と切れない精神力が勝ちをもたらしたんじゃないだろうか。



スペインのパスサッカーがそうだったように、
ワールドカップ優勝国の戦い方は、次の時代のトレンドになるもんなんだよな。
でも、今回のドイツの場合はむずかしいだろうね。
なぜなら、何かに特化した、○○サッカー、って名付けられるようなものでなくて、
総合力のタマモノだからなあ。

国語と英語と世界史が得意なんじゃなくて、センター試験の全教科で満点近い点を取るようなもの。
キホン、ものすごい運動神経を持った、ものすごくでっかい男を30人くらい用意して、
ものすごい戦略家のコーチのもと、ものすごくトレーニングしないとできない注文なのさ。
日本代表は、自分らの得意分野を伸ばしてドイツに対抗できるものをモノにしなきゃ、と思う。

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大会MVP賞にちょっとひとこと

大会MVP賞(=ゴールデンボール賞)は、メッシが選ばれたねー。
そりゃ、メッシはすごい選手だけど、えー、なんでよ?って感じじゃない?
フツー、ミュラーとかロッベンじゃないの?
ドイツのクロースやアルゼンチンのマスケラーノだっていいかもしれないし。

フェアプレー賞も、コロンビア?



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対照的な 欧州 VS 南米 対決、準決勝2題 ~ 2014 FIFA W杯



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最初っから言ってたけど、ほらみろ負けちゃったじゃんか。

いつもそうだけど、今回のブラジルって、とくに無策じゃなかった?
どのポジションの選手も、超一流ばかりで固めてはいるけど、どうも戦術がはっきりしない。
同じチームであまりパターン練習とかしないんだろうね。

だから、グループリーグはいっつも危なっかしいでしょ。
でも、回が進むに連れて連携プレーも慣れてきて、だんだん強くなってくる。
戦術が無くても、すごいプレイヤーばかりなので、
ピッチ上のどんな局面でもブラジルが優位に立つ
んだよね。
「戦術」じゃなくて、「個の力」の集合体。

だからこそ、ネイマールとチアゴシウバの欠場は大きなマイナスだったんだね。
どちらも他の選手が埋めても、ブラジルは何%戦力ダウンするんだろう?って思ってたけど、
とんでもないパワーダウンだったんだね。
たった二人の力に、想像以上に依存度が高かったということ。

攻めても、最後の最後になんとかしてシュートしてくれる人がいないし、
守っても、最後の最後にボールを撥ね返してくれる人がいなかった。
ブラジルは “飛車&角ヌキ“ の名人戦をやってたんだね。
そりゃ、ボコボコにされるわ。

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でもモンダイは、“飛車&角ヌキ“ で戦わざるを得なくなってしまったことではなくて、
“飛車&角ヌキ“ でも何とかする方法を持っていなかったことでしょ。

ポゼッション(パス)・サッカー × リアクション(カウンター)・サッカー × トランジッション・サッカー・・・
ブラジルは、いやどの国も、これまでのやり方では勝てない時代に突入したと思うよ。

戦術、こぴっとやらなくちゃ。

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ホント膠着したゲームだったねー。
どっちがオランダで、どっちがアルゼンチンなのか見分けがつかないくらいだった。

このカードは、どっちの国も “堅守&速攻” をめざしたんだろうね。
どっちの国も、キホン引いてがっちり守っているので、“速攻” ができるわけもなく、
“堅守 対 堅守” な戦いになってしまったんじゃない?

シュート数が、両チーム合わせて10本程度だったというから、
そりゃ、ガチガチのハンパなく守備的なサッカーだったことがわかるよね。
フツーの試合だったら、両方のチーム合わせて40本前後はシュート打つもんなんだよ。

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観てて驚いたのは、アルゼンチンが全然南米的なサッカーじゃなかったことだな。
後半から南米的なサッカーにシフトしてくるんじゃないかと思っていたんだけど、
最後の最後まで、カタイ守備を軸にしたやり方を変えなかったよね。
アルゼンチンって、そういうことができるんだね。

オランダが点を入れられなかったのも驚いた。
後半から、いよいよ攻撃的な布陣に変えて、ガンガンやるんだと思っていたんだけど、
ガンガンというわけにはいかなかったねー。
よっぽど、アルゼンチンの守備がうまかったんだね。

結局、アルゼンチンもオランダもお互いに攻めまくることができなくて、
お互いに守りまくってスコアレスドローになった印象。

PKなんてどっちが勝つかなんてわかりっこないよね。
ホームに近くて応援団が圧倒的に多かったのが吉と出たのか?
4-2でアルゼンチンが勝ってしまったねー。

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これで、決勝はドイツ対アルゼンチンとなったねー。

ドイツとアルゼンチンはワールドカップで過去6回対戦して、
対戦成績はドイツが3勝1敗2引き分け。
前回の南ア大会では、準々決勝でドイツが4対0で勝ったのが直近だよ。

アルゼンチンが勝ったのは、1986年のメキシコ大会の決勝で、3対2という結果。
いまは、当時みたいな「まじめで固いドイツ」と、「うまくて汚いアルゼンチン」なんて
見る影もないから、ホントどっちが勝つかわからん雰囲気だよね。

でも、僕の予想では、総合的に観れば明らかにドイツのほうが強いと思う。
やっぱり、アルゼンチンがなんらかの作戦を持ち込まないと、
ひょっとすると一方的なゲームになるかもしれないよ。

ではでは決勝戦まで、ごきげんよう、さようなら。



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何億人も観てるのにぃ ~ 2014 FIFA W杯



W杯のピッチに、狂犬乱入?

それは、6月24日のグループリーグD組・イタリア対ウルグアイ戦で起きたんだな。

試合後半の後半頃、
ウルグアイのスアレスが、イタリアのジョルジュ・キエッリーニに噛みついたんだなー。
それは、相手のきたないプレーに文句をつけた、とかいう意味ではなくて、
文字通り、自分の歯で相手の体に噛みついたんだよ。

サッカーでは、故意に相手に暴言をはいたり、暴力をふるうのは重罪で、
かるい暴言でイエローカード、暴力の場合はかるくても一発レッドカード(=即刻退場)なんだな。
暴力というのは、敵とボールを競り合って、足を引っ掛けてしまったといういうような
“ラフプレー“ というのとは違って、アタマにきて故意に蹴とばしたとか殴ったのことだよ。

足を使ったり手を使うというのは、“故意” の証しとしてわかりやすいので、
フツーは文句を言いながら相手に胸をぶつけたり、頭突きを食らわしたりするんだけど、
2006年のW杯ドイツ大会の決勝戦で、フランスのジダンがイタリアのマセラッティに頭突きを食らわせて
一発レッドカードで退場させられたのは記憶に新しいよね。

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でもさ、スアレスの場合は、“噛みつき” だよ、カ・ミ・ツ・キ!?
柔道あたりでは、寝技の時に審判に見えないように噛みついたりすることもあるらしいけど、
サッカーで噛みつきなんて、聞いたことないよね。

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そもそもね、サッカーやってる最中に、敵も味方もバタバタ動いてる最中に、
何かに噛みつけるかいっ!
ものスゲーアタマにきていて、ものスゲー身体能力があっても、
相手にちょっとじっとしていてもらうか、自分の口が犬みたいにとんがってでもいない限り
サッカーしてる人間に噛みつくなんて、ムリだよねー。

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ところが、このスアレスは噛みついたんだなあ。
人間じゃないよね。
しかもね、僕は知らなかったんだけど、これで3回目だってさ!!

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1回目は・・・
アヤックスにいた2010年に、オランダの国内リーグでPSVアイントホーフェンの
バッカル選手の肩に噛みついて7試合の出場停止処分。
2回目は・・・
去年(2013年)の4月21日のプリミアリーグのチェルシー戦(スアレスはいまリバプール所属)で、
イバノビッチの腕にやっちまって、10試合の出場停止処分。

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3回目は今回で、試合中は審判が気づかなかったからお咎めはなかったけど、
試合後にFIFAが発表した処分は、、ウルグアイ代表としての公式戦9試合の出場停止と、
スタジアムへの入場禁止を含むサッカーに関するあらゆる活動の4カ月間禁止、
ならびに10万スイスフランの罰金だってさ。
ペナルティがすごく重くなっているのは、FIFAの「いいかげんにしろ!」という
気持ちが込められているんだろうね(笑)。

なんだなんだ、犬かい!?しょっちゅう噛みついているんじゃんか。
今回の処分を受けて本人は、「もうしません」って謝罪しているようだけど、
いやー、やめないだろうなー。
だってね、スアレスはホンモノの点取り屋だからね。

当のイタリア戦のスコアを見ると、噛みつくまでにスアレスは4回もシュートをはずしてるんだな。
ヨーロッパリーグでは、10代の頃からハットトリックばしばし、得点王がんがん、
W杯前の2013-14シーズンのプレミアリーグでも、31得点して得点王をゲットしてるくらいの点取り屋だから、
1点も入れてないこのゲームでは、ものすごくストレスが溜まっていたんだろうね。
まあ、イタリアのディフェンダーのきたないプレーやきたない言葉にアタマにきてた、
ということもあるかもしれないけど、ストライカーというのはそういう人種だということ。
自分が点を取れないと、ものすごくアタマにくるくらいの人間
いやスアレスはそういう動物なんだよな。

昔、ドイツにゲルト・ミュラーというFWがいたんだけど、
ゴール前で味方がパスを寄こさないと、味方を怒鳴っていたらしいよね。
さらには、味方がシュートをしたりすると、そいつをどついていたそうだ。

それくらいのメンタリティじゃないと、ストライカーはつとまらないんだよ、世界では。
日本にはいるかな、そういう選手?
それから、そういう選手を使える監督もいるかな?

がんばれ(噛みつけ)、スアレス!!



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失敗したら恥ずかしいことを予測しなかったの?

それは、決勝トーナメント1回戦のドイツ対アルジェリア戦で起こったねー。

試合後半42~3分頃、アルジェリアのゴール前約30mあたり、ドイツが得たFKのチャンス。
ボールを置いて、アルジェリアの選手でできた “壁” に向かって、さあキック!
でも、1人目がボールを通り過ぎて蹴らず、2人目がミュラー。
こいつが蹴るに決まってる、と思ったら、なんとボールの前でコケてやんの!
でも、コケたと思ったら、みんなが呆気にとられている間に、
ミュラーはすぐに立ちあがって “壁” のほうへダッシュ。
それを見計らって、3人目のクロースがふんわりとボールを蹴ったんだけど、
敵の壁に当たっておじゃん、ってわけ。

これは・・・
①ミュラーがコケて敵の集中を緩ませる → ②そのスキにミュラーが壁の前(キーパーの前)へ走り出る →
③キッカーはミュラーがオフサイドにならないタイミングで壁越しにパスを出す →
④ミュラーはぺろんとパスを受けてゴールへ流し込む

・・・という段取りのトリックプレーだったんだねー。

生放送で観てたけど、
「ありゃ、ミュラーこけた」
「立ちあがって、ひっしこいて走ってる」
「あっ、壁の前に出た」
「あ、FKが壁にひっかかった」
「・・・・・なんじゃあ、いまのー」
かっこわりぃー、ミュラー。
なーに、一人でコントやってんの
、って感じ。

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その後、あれはトリックプレーか、って世間が騒いでいる中、
ミュラーはドイツのテレビ局にインタビューされた時、
そのインタビューがドイツ国内だけでの放送であることを確かめたうえで、
「もう少しで成功するところだった」って答えたそうだ(笑)。

キッカーのクロースは、
「練習ではいつも成功していたが、うまくいかないとばかげて見える」
って練習してたことを白状したけど、それよりそうそう、
しくじると世界トップクラスのストライカーのミュラーがお笑い芸人に見えるし、
大柄で実直な感じのドイツ人がちっちゃくてせこい商人みたいに見えるしで、
かなり恥ずかしかったのでは?

でも、ドイツ代表のサッカーってまじめ一辺倒でつまんねー、って思っていたんだけど、
この失敗トリックプレーで、ちょっぴり好きになってしまったのは、僕だけかなあ?

がんばれ、ドイツ!!




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